2009年03月31日
22年(1582)
今日で結婚して22年になります。
あっという間のような気もしますが、22年間、たいした喧嘩もせずにやってこれたことを感謝しています。
コーチングの理論に、その理想的な関係を作るために必要な心構えとして、「相互理解」と「相互選択」があります。
「相互理解」は、お互いのやっていることを認めるということですね。
自分の感性と食い違っていたりすると、妙に腹立たしくなったり、感情的になったりします。
そうならないように、「自分とは違うこともある」ということを認める姿勢を持っていないとうまくはいかないということです。
もうひとつの「相互選択」とは、お互いに、いつでも選択することができるようにしておくということです。
もし、自分にとって必要がなかったり、方向性が違っていたり、感覚が合わなかったりした時に、一方的に相手の言い分に任せるのではなく、自分の意見をちゃんと言えるような関係を築くということです。
相手に依存しない関係と言ってもいいと思います。
一見すると、不安定な関係に見えるかもしれませんが、いつでも選択できるという中にあって、それでも相手を選ぶという関係がある時、それが一番強い関係となります。
指導者の側からすると、「自分についてこい!」といって、そのリーダーシップに追従する関係の方が良いと感じることはあるかもしれませんが、より発展的な関係を築くためには「相互選択」の考え方は大切です。
長く結婚生活を続けてきて、カミさんの生き方を尊重し、それを認め、その代わりに自分の生き方も認めてもらうことができている、それが秘訣なのかもしれません。
カミさんが今日の結婚記念日をどう思っているのか分かりませんが、長く続けてきたことが普通で、これからも変わらず続いていく、それを幸せに思う、そんな風に考えてくれるといいなあと思います。
記念日だからといって、花も食事もありませんが、続いてきたことに感謝して、「ありがとう」を言いたいと思います。
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2009年03月30日
ジャパンオープン(1581)
今日からジャパンオープンジュニアの予選が始まります。
私はこの大会に出場することを大きな目標の一つにしています。
グレードAに次ぐ、グレード1の大会なので、多くの強い外国選手が出場するというのもありますし、ジュニアの世界での最高ランクの大会に出場できるという経験は何ものにも代えられないという思いがあるからです。
今年の大会は、東海大会と重なったので、どちらに出場するのかを選ぶということになってしまい、地域大会を選択してジャパンオープンのエントリーを断念した選手もいたようです。
地元開催のトップランクの大会だけにとても残念に思います。
幸い私のクラブで、東海大会を断念し、ジャパンオープンにエントリーした選手は予選に出場することができましたので、どちらの大会にも出場できないということは避けることができてほっとしています。
多くの日本人が出場するので、グレード1の大会はそうたいしたことのないように思われるかもしれませんが、プロの世界に例えれば、グランドスラムに次ぐ大会となるので、AIGジャパンオープンクラスの大会ということになります。
砂入り人工芝という特殊なコートであることに加え、飛行機以外で来ることができなくて遠征費が高くなることなどから外国選手からは敬遠されることが多いようです。
それが日本人選手にとっては、参加レベルが下がって、出場できるチャンスが大きくなるのでラッキーと言えるかもしれません。
参加レベルが下がったと言っても、勝つことは容易ではありません。
それでも、何とか海外の大会に出て必死にポイントを取り、このジャパンオープンに参加することを目指す、これがスタンダードだと考えます。
きらめく才能を持った選手でなくても、こうした大会に出場できるチャンスがある、という意識を持ってテニスに取り組むことで、少なくとも持っている才能を最大限に発揮することができるようになると思います。
私はこの大会をそう捉えています。
今日、予選を戦う二人には、持てる力を十分に発揮して、何とか本戦の切符を手にしてほしいと思います。
さあ、今から練習です。
気合で頑張ります!
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2009年03月29日
ラッキーショット(1580)
試合では何本かのラッキーショットがあります。
今回の大会のように風が強いと、さらに多くなりますね。
ラッキーショットは偶然といえば偶然で、どちらの選手にも平等に現れるはずです。
しかし、実際の試合を見ていると、勢いのある選手、より攻撃的な姿勢の選手に多くのラッキーショットが現れるような気がします。
ラッキーショットの現れる確率が本当のところはどうなのかは分かりませんが、ひとつのショットが流れを変える確率は、勢いのある選手の方に多くなることは間違いないと思います。
実に不思議なんですが、ゲームポイントで苦し紛れに打ったショットがネットインしたり、風で押し戻されてラインインしたり、そんな場面が多く見られます。
でも、それはそのボールを打つ時に魂を込めたかどうかで決まると思います。
以前、植田前フェド杯監督が「ナダルの打つボールには魂と書いてある」と評したことを紹介しましたが、その1点でラッキーショットが多く生まれるかどうか決まる、そんな気がします。
この大会も全日程を終え、明後日からは中学生大会、そして夏に向けての戦いが始まります。
その戦いで、多くのラッキーショットを生みだすことができるように、魂を込めてボールを打ってほしいと思います。
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2009年03月28日
楽しく体を鍛えていく方法-5- (1579)
テニスの科学(47)
その2は、脚の内側の筋肉を鍛えることです。
膝の使い方の特集でも触れましたが、膝の内旋を上手く使うことが良い動きのためには必要であり、そのためには脚の内側の筋肉をある程度鍛える必要があります。
そのトレーニングも大変に簡単です。
膝と膝の間にボールを挟んで両側からボールをつぶすように力を加えることを何度か繰り返すだけです。
コーチの説明を受けている時間などを利用して、行なうのが良いと思います。
その場合も、若干の注意事項があります。
まずは、膝の内側の最も固い箇所にボールを挟むことです。
その位置にボールを挟んだら、膝を少し曲げて力を加えてください。
膝が伸びた状態では上手く力を加えることが出来ません。
この姿勢は、いわゆる「棒立ち」初心者のフットワーク矯正にも役立つかもしれないので、初心者から上級者まで有効に活用できるトレーニング方法です。
ただし、あまり、コーチの目の前でやるとひんしゅくを買うかもしれないし、少しカッコ悪いのが難点といえば難点です。
もし、レッスン中に出来なければ自宅に帰って、テニスボールよりも少し大きめの、子どもが使うゴムのボールを利用して行なうことが望ましいです。
これならば、人目を気にすることもないし、ねころびながら、テレビを見ながらだって出来るので、ながら族(古い!)にはもってこいのトレーニング方法です。
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2009年03月27日
感性を言葉にする(1578)
東海大会は初日を迎えました。
多くの子どもたちが参加しているので、一日試合を見続けて、さすがにちょっと疲れました。
自分の力を出し切れなかったり、悔しい負けを喫したり、それなりに十分戦えたりと、それぞれの戦いを終えました。
今日は14歳以下と12歳以下の大会でしたが、この年齢ではやはり将来性を高く評価します。
試合の結果は大切ですが、これからどう伸びていくのかをはっきりとイメージできるプレーをすることが何よりも大切だと思います。
短期勝負で結果が決まるので、なかなか思い切ったショットを打ち切ることはできませんが、そうしたプレッシャーにあっても、自分のプレーを敢然とやりきる姿勢を評価したいと思います。
もちろん、自分のプレーがどういうものなのかをはっきりと自覚することは難しいので、それを忍耐強く教えていくことがコーチの仕事となります。
その思いが強いと言葉は厳しくなりますが、理解し、強い自覚を持って練習をしてほしいと思います。
また、こうした地域大会となると、昔教えたことのある選手や活躍した選手がコーチとして来場し、再会できることが楽しみのひとつでもあります。
今日も昔の教え子が指導する選手を連れて会場に現われました。
華麗なネットプレーで全国大会でも活躍した選手です。
彼と子どもたちの試合を見ながら話をしました。
私が、
「お前のネットプレーを子どもたちに教えてやってくれよ。」
とお願いすると、
「僕は感性でやっていたので、それを伝えることは難しいですね。」
と言います。
確かに、感覚や感性というものを、言葉にして伝えることは難しいことです。
私は感性がないので、それを理論的に説明できないものかと考え、何とか教えています。
こうした素晴らしいセンスを持った選手が、伝えるべき言葉を持てば、きっと素晴らしい指導者になると思います。
彼らの子どもたちを見つめる目を見ると、その可能性を高く感じます。
私も負けてはいられませんね。
無いものねだりはできないので、自分なりのアプローチで真剣に教えていこうと思います。
明日も一日試合を見続けます。
子どもたちの可能性を感じることができればいいなあと思います。
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2009年03月26日
楽しく体を鍛えていく方法-4- (1577)
テニスの科学(46)
<レッスン中に出来る身体トレーニング1>
その1は、歩行のトレーニングです。
「足は第2の心臓」といわれるように、うっ血しがちな血流を足の筋肉のポンプ作用によって押し戻し、心臓の負担を軽くするとともに、全身の血液の流れを調整するという大切な役目を担っています。
この働きが悪くなると、心臓を含めた循環器系の働きが悪くなり、疲労しやすくなることで、全体の動きがぎこちなくなってしまいます。
つまり、健康だけではなく、テニスの技術にも重大な影響を及ぼすことになるのです。
そこで、運動不足の人や体力が衰えはじめる中高年の方に実践していただきたいのが歩行の訓練です。
何も難しいことではありません。
ボールを打って、ラインの後ろに並ぶときなどにゆっくりと歩くだけです。
ただし、ただ歩くだけではトレーニングとしての効果はないのは当然です。
まずは、かかとから地面につくように歩くことです。
その時少し足先を持ち上げるようにしてやる方が良いですね。
そうすると、筋肉の動く範囲が大きくなり、ポンプ作用を促進するとともに、ストレッチ効果が期待でき疲労しにくいという効果もあります。
また、ふくらはぎの方だけではなく、すねの部分の筋肉も十分に動かしてやる必要があります。
少し足先を持ち上げるようにするのはそのためです。
これだけではありません。
足が地面から離れるときに、指先で強く地面を蹴るようにすることです。
そうすることは、ふくらはぎやすねの筋肉を十分に動かすだけではなく、指の機能を高めることにもなるので、足裏の疲労回復やアーチの形成にも役立って、まさに一石二鳥です。
よく、運動量を増すために走ってラインに並ばせることがありますが、ボールを打った直後は素早くコートから離れ、後はゆっくりと、しかし力強く歩くことが良い身体トレーニングになります。
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2009年03月25日
純粋な戦い(1576)
昨日まで愛知県の小学生大会が行われました。
男子シングルスでは、大貴が優勝、勇太が準優勝と素晴らしい成果を上げてくれました。
東海大会でも勝ち進んで、全国大会の切符を手にしてほしいですね。
この大会の全国大会は、7月の終わりに東京で開催されます。
とても雰囲気のあるクレーコートで行われる大会は、私が最も好きな大会です。
また、年齢の区別ではない、小学生というくくりで開催されるので、全国の小学生のナンバーワンを決めるという純粋性を感じます。
しかし、その県予選は、6ゲーム先取で行われます。
ちょっと前まではノーアドバンテージでした。
そういう方式で大会が運営されることに対しては、やはり違和感を感じます。
特に今大会は学校がある時に開催されたので、出席を優先して大会の出場を見送った選手も何人かいます。
小学生でテニスを始めて、この大会がデビュー戦であったり、小学生最後の戦いであったりするので、そこにすんなり参加できないのはちょっと残念に思います。
もちろん、運営をされている方は大変熱心に運営されています。
子どもたちのことを一生懸命に考えてサポートされているのでいつも感心させられます。
でも、私だったら、もう少し日程をうまく調整して、せめて1セットマッチで、できれば8ゲームで、そして、決勝は3セットか2セットマッチでと考えてしまいます。
他の県はどうなんでしょうか?
参加する人数が多いので、日程の調整もコートの確保も難しいことは分かります。
そう理解したとしても、もっと良い方法はないものかと考えます。
私が思うのは、純粋にその力を発揮できる場にしていきたいということです。
なかなかテニスに賭けるというのは難しいですが、だからこそ、素晴らしい戦いになるようにより良い方法を考えていかなくてはならないと思います。
子どもたちの純粋性を高めていく、そんな大会になればいいなあと思います。
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2009年03月24日
楽しく体を鍛えていく方法-3- (1575)
テニスの科学(45)
<レッスン中に出来るメンタルトレーニング>
さて、次はレッスン中に行なうことが出来るメンタルトレーニングを紹介しましょう。
その1は、集中力を養うとともに、コントロール性を高めるのに効果がある方法です。
非常に単純な方法です。
ターゲットを設定して、そこを狙うだけです。
ただし、反対側コートにターゲットを設定するのではなく、ネットの上に仮想のターゲットを思い描き、そこを狙って打つ練習をします。
よくあるパターンは、反対側コートに目標を設定する場合ですが、確かにこの方法でもコントロール性を高めるのに効果はあります。
しかし、目標が近くに設定される場合に集中力が高まり、コントロール性も高まることが知られています。
また、ネット上にターゲットを思い描くのにも集中力を要するので大変効果が高いです。
その2は、出来るだけリラックスすることです。
多くのテニススクールでは、一度に多くの人がプレーをするので、ドリル練習などでも順番待ちの時間がかなりあります。
その時間を利用して、リラックスするための訓練をします。
リラックスするための第1段階として、立つことを意識してください。
多くの人は立つことなど意識することはないと思わますが、ちょっと意識を向けてやると、いかに力を入れて立っているのかということがわかるはずです。
知らず知らずのうちに緊張して、それが習慣化してしまっているのです。
そうすると筋肉はだんだんと柔軟性を失い、動きがぎこちなくなったり、疲れやすくなったりします。
つまり、楽に良い動きをするためには力を抜いてやることが重要なのです。
具体的な方法は、まず足を肩幅に開きます。
骨盤の幅に立つといった方が正しいです。
そうすると、体重を骨で支えることが可能になり、筋肉に対する負担が減ります。
そうしたら、次に太股の前面の筋肉を緩めるように努力してください。
バランスが少しでもくずれると力が入ってしまうので、けっこう集中力がいります。
それができたら、足の裏の感覚に意識を向けて、かかとと母指球に力を感じながら、足裏全体がベターっと広く地面を捉える感覚を味わってください。
これだけでずいぶんリラックス感を味わうことができます。
さらに出来れば腹式の呼吸を、呼気を中心にゆっくり行ない、全身の力を抜くようにすることが望ましいですね。
良い動きを生み出すためにはリラックスして力を抜くことが大切なので、意外な程よく効くトレーニング方法なので是非お試しください。
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2009年03月23日
楽しく体を鍛えていく方法-2- (1574)
テニスの科学(44)
1.ウォーミングアップは立派なトレーニングである。
レッスンの前にはほとんどのテニススクールではウォーミングアップを行なうはずです。
しかし、その様子を見ていると、実に中途半端なものが多いと思います。
指導者の反論も分かります。
その反論はこうです。
「ウォーミングアップにかける十分な時間が無い!」
確かに、ウォーミングアップに30分もかけていてはスクールはつぶれてしまいます。
しかし、ウォーミングアップをしなければ何か障害が起こったときに、運営責任を追及されかねないので、仕方なく適当にストレッチをして良しとしているのが現状なのです。
また、研究者サイドにも問題があります。
このような現状を考慮しないで、やれ筋温を高めるためにはそれなりの時間がかかるだの、ストレッチは全身にわたってくまなく行なうとともに、一つのストレッチに十分な時間をかけるべきであるなどという主張を繰り返しているからです。
これでは、現場で役に立つトレーニング理論など構築しようがないですね。
ここでは、障害を防止し、短時間で効果のあがるウォーミングアップの方法を紹介したいと思います。
まずは、テニスではどの部位に障害が多く発生するのかを明らかにしなければなりません。
ウォーミングアップの最大の目的は障害防止にあるのですから、これを踏まえていないと話が先に進みません。
テニスで起こる障害というと、真っ先に思い浮かぶのがテニスエルボーです。
従って、肘や腕の障害が多いと思われがちですが、実は肩と腰の障害が最も多いという報告があります。
プレーヤーのレベルや、施設環境によっても異なるので一概に言えない部分もありますが、実際に指導に携わってみると、肩、腰の障害を訴える生徒さんが多いことに驚かされます。
もちろん、肘の障害も多く、その次に足首です。
さあ、これでテニスで起こる障害の部位がはっきりしました。
肩、腰、肘、足首です。
ウォーミングアップにかける時間が十分に無いのですから、これらの部位を重点的にウォーミングアップを行なうほうが良いと思います。
それぞれの部位に効果的なウォーミングアップの方法をひとつづつ紹介しましょう。
<肩>
右手を下に、左手を上にするように手首のところで交差するように両手を前に突き出します。
そうしたら、右手は上に押すように、左手は下に押すように全力で力を6秒間加えます。
次に手を上下変えて同じく6秒間全力で力を加えます。
<腰>
足を肩幅くらいに開いて、全身の力、特に太股の前あたりの筋肉を十分に緩めて立ちます。
そうしたら、息を吐きながら肩を水平にゆっくり限界点まで捻ります。
息が続く限り行い、苦しくなったらゆっくり戻します。
<肘>
前腕を内側に捻り、そこから手首を90度の曲げます。
その形が出来たら、あいている方の手で、手首の角度を固定しつつ、さらに腕を捻ります。
これで、多くのテニスエルボーの原因となっている筋肉が十分に伸ばされるはずです。
テニス肘で苦しんでいる人は多いので、この項目についてはもう一つ紹介しましょう。
それは、指をストレッチすることです。
両手の指先を合わせて、各指の間を十分広げて、お互いの指を押し合います。
その時、肘の高さを肩の高さまで上げておきます。
<足首>
足を肩幅くらいに開いて、全身の力、特に太股の前あたりの筋肉を十分に緩めて立つのは腰の運動と同じです。
次に足の裏を合わせるように足首を外側に捻ります。
その時、少しお尻を後方にひいて、ややへっぴり腰のような姿勢を取るのがコツです。
捻挫をした時に傷めるくるぶし周りの腱や筋肉が伸ばされる感覚が理解できるはずです。
以上にあげた運動を取り入れ、あまりの時間で適当なストレッチや体操を組み合わせれば良いでしょう。
重要なのは、テニスで発生する障害の部位を認識することです。
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2009年03月22日
楽しく体を鍛えていく方法-1- (1573)
テニスの科学(43)
「もっと身体を鍛える」
テニスはもはや文化的なスポーツとして根づき、テニスが生活の一部となって、大いにテニスライフを満喫する人が増えているように思います。
しかし、その一方で、痛々しくテニスエルボーで痛む肘を抱えて、エルボーバンドなどで痛みを押さえつつプレーをする人や、足首のくるぶしまでも覆う固定用のサポーターをまいて足を引きずるようにテニスをする人も多く目にするようになってきました。
テニスのプレー頻度がますにつれて、障害も多くなってきているのです。
そんな時良く耳にするのが、
「あなたはトレーニング不足だから、もっと真剣にトレーニングしてください。」
というコーチの叫びです。
そう叫びたい気持ちも分からないではないが、そう叫ぶコーチが腰痛を抱え、テニスエルボーで苦しんでいる姿はなんとしたものでしょうか。
確かに、競技選手のためのトレーニングだけではなく、障害を防ぎ、生涯スポーツとしてテニスを楽しむためにもトレーニングは必要です。
しかし、そんな一般の人たちが日常的にトレーニングは行なうことはそれほどたやすいことではありません。
最も大きな問題は、やる気が無いこと、次にトレーニングジムのような器具が無いとトレーニングできない、専門のトレーナーがいないとトレーニングが出来ないと思い込んでいる人が大変多いことです。
たしかに、多くのトレーニング理論では、そのような器具やマシンを利用したトレーニングの効用を説く場合が多いですね。
しかし、もっと身近で日常的にトレーニングをする習慣が身につかなければ障害を防ぎ、快適なテニスライフを送ることは出来ないのです。
そこで、身近で出来るトレーニング方法を解説し、豊かなテニスライフに貢献してみたいと思います。
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2009年03月21日
こことは違う(1572)
武田鉄也のラジオ番組で、
「教育とは、こことは違うことがある、ということを教えること」
と言った、昔の教育者の言葉を紹介していました。
そして、その本質は今も昔も変わりはしない、と説いていました。
私もそう思います。
いろいろなことを勉強することは、直接生活に関係なければ無駄に思えるかもしれません。
実際、私もそう思っていました。
しかし、人に何かを教えるようになって、いろいろなところに行く機会が増えると、その度毎に新鮮な感動とともに、自分の考えが変わっていくことがあります。
今までの自分とは違う何かを求める意識も深くなります。
今まで無駄に思えて無視してきたようなことでも、何か自分を変えてくれるきっかけはないものかと、再び探してみたりします。
私が海外遠征を進めるのはそういう意味もあります。
自分とは違う文化、歴史、環境に触れることで、そのことをもっと知ってみたいと思ったり、今までの考えや感覚を変えることができます。
自分の知らない世界を知ることは、不安もありますが、はっきりと違う世界があることを知ることで、自分の存在も確認できたりします。
テニスの世界は広いです。
自分の世界だけではない、違い世界があることを知り、それをもっと深めていこうとする意志を持ってほしいと思っています。
そういう意味で、アカデミーは教育活動でもあると考えています。
テニスを通して、大きく人間として成長していく、そんなアカデミーを作っていきたいと思います。
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2009年03月20日
グリップの違いで何が変わる-7- (1571)
テニスの科学(42)
このようにグリップが全身の動きに及ぼす影響を見てくると、少なからず影響を及ぼすものの指導書にあるような大きな違いは見られません。
ゴルフの実験結果でも3種類のグリップ(オーバーラッピング、インターロッキング、テンフィンガーグリッピ)について検討した結果、クラブフェースの方向性やスピードなどに対する影響は観察されず、グリップの形は問題でないように考えられています。
しかし、このような微妙な違いが人間の特長で、その微妙さが個人の骨格や体格、筋力等の身体的な要素のみならず、考え方や好みといったメンタル的な要素をも含んで、感覚を頼りに形成されてくるものであると言えます。
また、上級者はグリップの違いを上肢の動きで吸収(?)して、下半身の動きに伝わらないように身体の動きを調節しています。
このような自動化された動きが良いパフォーマンスには必要で、このような感覚をトレーニングする必要があると思います。
今回の実験結果やこれまでの研究だけでは人間にとってもっとも自然なグリップとはなにかという問いに対して結論は導きだせませんでしたが、初心者であっても無意識的に自分の感覚に従ってグリップを自分がもっとも握りやすいように握るわけで、それをはじめから無理に矯正するべきではないという結論を支持することになりました。
ただ、これは観察だけの結果です、幼児に異なるグリップでボールを打球させてみると、意外にもフルウェスタングリップがもっともスイング動作がスムースで安定しており、その結果大変に良いボールが打球できる確率が高いことが確認されています。
最近のプレーヤーは小さい頃からテニスを始めるケースが圧倒的に多く、その時、何も考えずにラケットを握っていたのがそのまま自分のグリップとなったというケースが多いと考えられます。
そう考えると、今これだけウェスタン系のグリップが多いのは、フルウェスタンのグリップは決して特別なグリップではなく、実は最も自然なグリップである可能性も否定できないのです。
これについても今後の研究を待たなくてはなりませんが、指導者として、注意深く観察して、より適切なグリップを指導できるように努力していかなくてはならないと思います。
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2009年03月19日
カメラ発明記念日(1570)
私の車のカーナビは、その日最初にスイッチが入ると、その日の記念日が何なのかを教えてくれる機能があります。
時には、納豆記念日などのちょっと変わった記念日もあって笑えます。
今日は、「カメラ発明記念日」です。
今日の午前中に、小学校の卒業式で学校のない下の子を連れて、植物園に花の写真を撮りに行きました。
カメラ発明記念日に、何かの縁かもしれませんね。
昔の人は、大変苦労して写真を撮ったそうです。
そうまでして、後世に自分の姿を残したかったのかもしれませんね。
初めにカメラを手に入れた人は、その使い方が分からず、何年もの試行錯誤の上、やっとも思いで写真を撮ったという記事を読んだことがあります。
今は、簡単に写真が撮れますが、それでもそういう「思い」を持って撮っていきたいと思います。
今日は、先日購入したクローズアップレンズをつけてのマクロ撮影の勉強です。
ただ単に花を撮るだけであればそれほど難しいことではありませんが、近寄って花の一番きれいなところや特徴的な姿をマクロでとらえるのはなかなか大変です。
まず大切なのは、どういう角度で撮るのかということと、その構図です。
だから、いろいろと歩き回って、花を様々な角度から見てみます。
幸い、娘は写真を撮ること夢中になっているので、時間をかけても文句を言いません。
「うん、うん、これはラッキーなことだ」
本当にそう思います。
そして、何かぐっと感じる花を撮っていくのですが、マクロ撮影は、ピント合わせが非常にシビアで、何度撮ってもうまくピントが合いません。
これは、専門用語では「被写界深度」と言って、ピントが合う範囲が狭いからなんですね。
それでも、ちょっと苦しい老眼を駆使して、マニュアルでピント合わせに挑戦します。
しかし、いくらピントが合っても、手ぶれ補正もない、被写界深度の浅いレンズではどうしても手ぶれが起きてしまいます。
まあ、多少の手ぶれは味わいもあって、それなりに絵になったりしますが、やはりきちんとピントの合う写真が撮りたいものです。
私と同じNIKONのカメラを持って撮影していたおじさんにも聞いてみましたが、
「きれいな花が撮れればそれでいいんじゃよ」
と仙人みたいに応答されました。
そういう楽しみ方が自然かなと思いますが、やはり技術は高めていきたいと強く思います。
今、三脚のカタログとにらめっこです。
衝動買いにならないように(?)、しっかりと情報を集めてみたいと思います。
んっ?これが衝動買い?・・・そうかもです。
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2009年03月18日
二千四百球(1569)
昨日は名古屋国際高校が補習期間のためお休みでした。
寮生はテストを頑張った(?)ので、幸い補習もなく一日練習でした。
テスト明けからすぐにブルネイの遠征で、大きく環境の違うところでの練習と試合だったので、少し動きに精彩を欠いているように感じました。
こういう時は、いろいろな方法があると思いますが、やはりしっかりと身体を動かして、筋肉を目覚めさせるようなトレーニングが必要です。
こういうトレーニングを「アジャスメント(対応)・トレーニング」と私は呼んでいます。
比較的簡単な動きをしっかりとやりきるようなトレーニングを時間をかけて行うことで、筋肉に軽い疲労と張りのようなものを作り出します。
試合に向けての調整の時期なんかに良く行うトレーニングです。
このトレーニングを午前中の1時間30分ほどかけてみっちりと行いました。
なかなかこうしてしっかりとトレーニングを指導する機会もないので、子どもたちにとっては厳しいですが、良い時間だったと思います。
もちろん、これだけでは終わりません。
そこから、さらに1時間30分ほどのドリル練習を行います。
目覚めかけた身体に、さらに繰り返しの負荷を与えることで自分の感覚は蘇ってきます。
複雑なドリルではあまり効果はありませんが、簡単なドリルを時間をかけて行うことで、実際の打球動作に身体が順応していきます。
そのためのドリル練習は、もちろんボールを打つ方は大変ですが、球出しをする方もたくさん打つので結構疲れます。
昨日は、午前1時間30分、午後2時間のドリル練習で、合計2400球ほど球出しをしました。
実際はもうちょっとあったかもしれません。
これだけの球を出すと、さすがに腕は張って、ちょっと肘が痛いです。
子どもたちは、
「コーチは動いてないから楽チンじゃん!」
と言いますが、
「じゃあ、やってみろ!」
と言いたいですね。
ただひたすら球出しをすることがどれくらい大変か身をもって体験してみるといいと思います。
疲れます、それでもだんだんと動きが良くなってくるのを見ると、もっとやってあげなくては、という気持になってきます。
でも、無理は禁物!
適度な状態を探りながら昨日の練習は終わりました。
最後は腹筋と背筋のトレーニングで締めくくりましたが、何人かの選手は足がつって泣いていました。
まあ、これくらい身体をいじめてあげれば、感覚の回復は早いですね。
しっかりとストレッチをするように指示をしておきました。
本当は、ストレッチが一番必要なのは私ですね。
いたわりながら頑張りたいと思います。
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2009年03月17日
グリップの違いで何が変わる-6- (1568)
テニスの科学(41)
4.インパクトでの手首や肘の角度が変わる
これらの関節角度については、グリップの違いが直接的に影響を及ぼすので、少なからず違いが見られます。
特にウェスタン系のグリップでは脇が締まり、肘や手首が強く曲がる傾向が見られています。
今回の実験の被験者はみなイースタングリップを本来のグリップとしていたので、逆に考えると、自由度の大きい上肢の関節角度を調節して、その違いを上肢の動きで吸収してできるだけ体幹や下肢の動きに影響を及ぼさないようにしていたのだと考えることができます。
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2009年03月16日
適応力(1567)
さすがに赤道直下の国から、初春の日本に帰ってくると寒さが身にしみます。
日焼けした顔が何となく不自然ですが、その内慣れてきます。
気温差20度以上にもかかわらず、ちゃんと適応して体調も崩してないところを見ると、ちゃんと適応していることに感心します(偉いぞ!→自分)。
海外の試合に参加すると、海外に居住している日本人選手やコーチとも会うことがあります。
今回の遠征ではシンガポール在住のコーチが参加していました。
シンガポールはブルネイよりも時には暑く、レッスンもその暑さが何よりも大変だと言っていました。
しかし、長い期間住んでいると、特別ケアをしなくても日焼けに強くなったり、暑さに順応するそうです。
もちろん、多少の日焼けはしますが、私のように真っ赤になってひいひい言うようなことはなさそうです。
ここでもちゃんと適応できているんですね。
適応力、これはすぐに慣れるという力です。
暑さや気候の違いなどもそうですが、コートサーフェイスやボール、海外で戦うためには随分と違う環境で試合をしなくてはなりません。
その違いに慣れる力というのは、どんな時も自分の力を発揮できる力と言い換えてもいいのかもしれません。
日本の選手は、いつも同じような環境で戦うことが多いので、この適応力は決して高くはありません。
もちろん、その力を高いレベルで持っている選手はいます。
そのシンガポールのコーチとも話をしましたが、選手として大きく飛躍する選手は、「ちょっと鈍感」な方がいいかもしれないということです。
環境が違い、食事が違い、いろいろなことがストレスとなる状況においても、何てことのない顔で平然とすり抜けていくちょっとした鈍さは、適応力が高いということです。
そういう意味で、日本の子どもたちはセンシティブな子が多いような気がします。
また、テニスはワールドワイドなスポーツで、海外を転戦するのが当たり前のスポーツです。
多くの外国人選手は、それをごく普通の感覚として持っています。
日本の子どもたちは、そこで少し気持ちを高めすぎてしまったり、引いてしまったり、意識しすぎてうまくいかないことが多いように感じます。
センシティブであることが良いとか悪いとかいうのではありませんが、テニスにおいては、高い適応力が必要で、そのためには過度にセンシティブでない方が好ましいように思います。
どんな状況でも、堂々と戦い抜く、そんな選手に成長してほしいと思います。
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2009年03月15日
グリップの違いで何が変わる-5- (1566)
テニスの科学(40)
3.スイングの方向が変わる
インパクト位置では、高さに違いが見られると書きましたが、それはトップスピンを打とうと無意識的に身体を動かした結果です。
当然、スイングの方向もウェスタン系は下から上へのスイングになりやすいということです。
しかし、これも上級者にはウェスタン系のグリップはトップスピンで打つという意識や知識が習得されていることが少なからず影響していると思われます。
実際のレッスンでは、中年の主婦などが厚いグリップで器用にスライスを打っているのに驚かされることがあります。
その場合のスイングは当然上から下へのスイングになっていて、一概に厚いグリップが下から上への方向を規定するとは言い難いと思います。
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2009年03月14日
流れをつかむ(1565)
ブルネイ遠征6日目
ダブルスの2回戦を戦った綾と晃子でしたが、肝心なところで強気なプレーができずに惜しい敗戦となりました。
いつもよりは積極的なプレーはできていたと思いますが、まだ「足りない」ということです。
ポイントを失う事に対する「恐れ」を振り切れていないようなプレーに見えます。
相手もそう感じるはずです。
そうなると互角の技量であってもギリギリの勝負では圧倒的に不利になります。
これから大きなプレッシャーのかかる試合が多くなりますが、「それ」を振り切った時、はじめて大きな可能性が開けてくると思います。
コンソレの2回戦を戦った翼は、1回戦と同じような展開でしたが、要所で弱気なプレーが目立ち、惜敗しました。
攻撃力を磨く、これは成長のためにもっとも大切なポイントです。
高い意識を持って臨んでほしいと思います。
同じくコンソレの2回戦を戦った隆雅は、相手の攻撃をうまく凌いで、チャンスを作る場面はたくさんありましたが、そのポイントを攻めきれず、4-8で敗れました。
良いフットワークを持って、相手の攻撃を粘り強く返球することはできるので、そこからテンポの速い攻撃が展開できるようにしていかなくてはなりません。
ショット威力を磨くことを課題として練習に取り組んでほしいと思います。
試合には流れがあります。
流れはたった一本のショットから生まれますが、それを引き出すためには、そこに至るまでにどういう意識を持っていたのかが大切です。
苦しいラリー戦の中で生まれたチャンス、それを思い切って打ちこんでエースを決め、流れを引き寄せる、そういうことはあります。
反対に、そのチャンスを生かせず、そこから一気に崩れることもあります。
その差は何なのでしょうか。
それは、「積み重ねのエネルギー」です。
たったひとつのチャンスボールに過ぎませんが、それを渾身の思いを込めて打ち続ける、失敗しても、後悔しても、その時は流れを失っても、果敢に挑む姿勢、「そこ」からしかチャンスをものにすることはできないと思うのです。
「プラトー」という言葉があります。
練習してもなかなか上達せず、成績が伸び悩んでいる時期のことを言いますが、この時期に、高い意識を持って、めげずにやり続けることで「ブレークスルー」が起こります。
そういうエネルギーを蓄える時期だということができます。
ひとつのチャンスをものにして流れを作れるかどうかも、これと同じです。
うまくいかなくても、積み重ねっていく意識が大きなエネルギーとなって、「ここ」というポイントで素晴らしいエースを奪うことができたり、ラッキーショットが生まれたりします。
こういう力を持っている人間が、より大きな流れをつかんでいきます。
本当の強さを身につけていきます。
多くの選手を見続けてきて、強くなっていく選手はこのエネルギーが大きいということを感じますね。
今は小さなエネルギーしかなくても、積み重ねによってエネルギーは大きくなっていきます。
エネルギーが小さいとすぐに崩れそうになりますが、その時に選手を支えていくこと、これがコーチのもっとも大切な仕事になります。
明日でこの遠征も終わり、日本に帰国します。
成果があったのかどうかは分かりません。
それは、この遠征に参加した子どもたちが、これからの練習でどれだけのエネルギーを積み重ねていって成長するかどうかにかかっているからです。
遠征は大変疲れます。
しかし、大きなエネルギーを使う分だけ、エネルギーが無くなってしまうのではなく、それがやる気や向上心などの大きなエネルギーを生み出すための布石になります。
今回の遠征が大いなる布石になることを願っています。
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2009年03月13日
集中するとうまくいかない(1564)
ブルネイ遠征5日目
女子ダブルスの1回戦を戦った綾と晃子の組は、序盤こそリズムに乗れずにミスを繰り返してリードを許しましたが、徐々にペースを取り戻してストロークで押し気味にゲームを進め、6-3、6-2でマレーシアとフィンランドの組を退け、明日の2回戦に進みました。
まだ思い切ったショットが少なく、ストロークからの展開しか作れませんが、リスクを恐れない思い切ったプレーを課題にしてほしいと思います。
同じくダブルスの1回戦を戦ったゆり子と南奈は、相手の速いボールに対応できず、リカバリーショットをことごとく叩かれてリードを許し、簡単にファーストセットを奪われました。
セカンドセットに入って、徐々に対応できるようになり、互角のストローク戦からポイントを奪って食い下がりますが、最後は振り切られて敗退しました。
もっと強い気持ちで戦えば自分たちの良いところが出せるのに、それを出し切れていないと感じることを残念に思います。
技術の差を強い精神力でカバーするぐらいのものを出せるようにしなければこの世界では戦えません。
そのことを強く自覚しながら練習してほしいと思います。
コンソレの1回戦を戦った翼は、粘り強くラリーをつなげ、相手に後半食い下がられましたが、何とか振り切って今大会の初勝利を挙げました。
まだ攻撃をする意識が低く、単純なラリー戦に終始することが多いので、ネットプレーに積極的に出るなど、攻撃の幅を広げることを意識してほしいと思います。
夕方から雨になり、本日行われる予定だったコンソレとダブルスの2回戦は明日に順延になりました。
試合になるとどんな選手もある程度の緊張感があり、その事によって集中力は高まります。
それは、自分の能力を引き出すためにとても大切なことですが、そのことによってうまくプレーできなくなってしまうことがあります。
それは、練習で「それ」を作り出すことができないからです。
「練習では出来るのに」という選手がいます。
練習ではリラックスして、うまくパフォーマンスできていると錯覚しています。
そういう選手が試合になって、
「このポイントを取らなければ」、
「ここに打たなければ」、
と強く思って、心身ともに緊張感が大きくなると、今までの練習との間の違和感が大きくて、うまくコントロールできなくなってしまいます。
集中はしています。
しかし、集中するということに「身体」が慣れていないのです。
自分の集中力と身体の動きのアジャスメント(対応)によって、はじめて身体は自分のイメージ通りに動きます。
そういう練習をしなければなりません。
特に遠征では、練習時間が限られます。
しかし、テニスをすること以外に意識を向けることは少なくなります。
だからこそ、集中して「身体を動かす」ことをトレーニングしなければもったいないと思います。
この遠征を通して、子どもたちにはそんなことを学んでほしいと思います。
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2009年03月12日
悔しい負け方(1563)
ブルネイ遠征4日目
綾の本選の2回戦は第1シードとの対戦でした。
さほど威力のあるボールではなく、しつこくラリーを続けながら、時折思い切ったショットで攻撃する同じようなタイプの選手です。
打ち込みのショットに安定性を欠くので十分チャンスがあると思っていましたが、出だしはうまく対応できず、あっという間にファーストセットを奪われました。
セカンドセットに入ってからは落ち着きを取りし、鋭い切り返しのショットも決まり出してリードを奪う場面もありましたが、チャンスボールの打ちこみでのミスが多く、4-6でセカンドセットを落として敗退しました。
また、相手を追い込んだ場面でドライブボレーなどで積極的に攻撃するという課題も全く果たせず、悔しい敗戦となりました。
悔しい敗戦は、負けることではありません。
全力を出せなくて負けることが悔しいのです。
全力を出せない原因は大きく2つあります。
ひとつは、全力を出し切るための準備が足りないということです。
試合前の練習は十分に時間があるわけではありません。
ウィンブルドンでも45分程度の練習時間が与えられるだけです。
その短い時間にどれくらい集中力をもって練習をすることができるのかがとても大切な準備になります。
昨日の朝の練習ではそれができていなかったので厳しく怒られることとなりました。
しっかりと反省してほしいですね。
もちろん、試合前のウォーミングアップは大切な準備です。
今回の遠征に参加した選手も十分に自立してできているとは言えません。
それで試合になって動くことができなくて敗退するのは実に愚かなことです。
まだ、その意識が低いと言わざるを得ません。
そして、道具をきちんと管理することです。
暑い中にバッグを放っておいてはテンションの緩みは大きくなります。
道具を大切に扱う意識が高いほど、準備はうまくいくものです。
こうした準備を当たり前のように行うことで、全力を出せるようになります。
それでも負けることはたくさんありますが、少なくとも準備が不足して負けるよりは爽やかな気持ちになれるはずです。
そうした敗戦は、それが経験となって強さの基盤を作っていくものだと思います。
ふたつめは、トライすることを怖がった試合をしてしまった時です。
試合に負けることを恐れ、思い切ったショットを打てなくなることはあります。
トライすることを恐れ、ただ相手のミスを願うようになります。
そうした弱い気持ちに支配されて負けてしまったとき、悔しさは大きくなります。
恐怖を振り払い、思いを切ってトライする選手が大きく成長することを忘れないでほしいと思います。
今日、この遠征で初めてのミーティングを行い、このことについて話をしました。
明日の練習からきちんと準備をしている子ども達であってほしいと思います。
ダブルスは、男子の1回戦のみ行われ、隆雅と翼の組は、ストローク戦では互角の打ち合いを見せるものの、サービスとレシーブの技術の差が大きく、簡単に相手に追い込まれる場面も多く、2-6、2-6で敗退しました。
まだまだ技術レベルが低いと感じることは多いですが、少なくとも堂々と戦うことで試合において自分の力を発揮できるようになってくるので、意識して行動や態度をコントロールすることの大切さをアドバイスしました。
ここでも、「強さを表現すること」は、強くなるために何よりも大切であることをしっかりと認識してほしいと思います。
明日からは女子のダブルスとコンソレも始まるので、確認したことを意識しながら、全力を出し切ることを期待したいと思います。
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2009年03月11日
強さを表現する(1562)
ブルネイ遠征3日目
本戦3日目は男子1回戦の残り試合と女子の2回戦が行われました。
14歳以下の大会で対戦し、完敗したことのあるフィリピンの選手と戦った隆雅は、緩いボールを有効に使って相手選手のミスを誘って、苦しい場面でも果敢に攻める姿勢を示して互角に渡り合い、ファーストセットをタイブレークの末に奪いました。
しかし、セカンドセットに入るとスピードアップした相手のボールに対応が遅れ始め、焦りから無理な強打を繰り返し、2セットを続けて落として敗れました。
戦術面をよく考えてプレーできたことは評価しますが、サービス力の強化と打ち込みのスピードアップはどうしても身につけなくてはならない技術であると感じます。
日本人選手を相手に2回戦を戦った綾は、ラリー能力の差を示して危なげなく勝ち上がり、明日第1シードとの対戦です。
鋭いショットを放ちますが、荒削りなプレーには隙も多く、チャンスはあると思います。
シード選手との対戦となった晃子、ゆり子、南奈はショットの威力、コントロールともに差を感じさせる内容で、ほとんどゲームを奪うことなく敗退しました。
ショットの威力やコントロールの能力に差があるのは仕方のないことですが、戦う姿勢で差を感じることを残念に思います。
今日、素晴らしい姿勢で戦う日本人選手を見ました。
追い込まれても果敢に攻める姿勢、一球、一球に魂を込めて打ち続ける気迫に思わず見とれました。
まだ技術的には未熟な点も見られますが、戦う姿勢においては誰よりも素晴らしいものを持っていると感じさせます。
私が子どもたちに求めるものは「これ」だということを改めて強く認識しました。
もともと備わっている素質なのか、経験を通して培った能力なのかはよく分かりませんが、それが未熟であると感じるのであれば、それを求めて練習を重ねなくてはならないと思います。
まずは強さを表現する訓練が大切です。
凛として戦う、そんな感じかもしれません。
本気の強さは行動に表れます。
本気で強くなる、その意識を高めてほしいと思います。
明日はダブルスが行われ、明後日からコンソレも始まります。
この試合で今まで以上の強さを表現することができればいいと思います。
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2009年03月10日
選択する力を高める(1561)
ブルネイ遠征2日目
昨日から始まった本戦で、ゆり子、晃子、優、翼が1回戦を戦いました。
インドの選手と戦ったゆり子は、相手の強いサービスに押されながらも、うまくラリーを続けて互角の展開になりましたが、中盤の大切なポイントで思い切ったショットを打ちきれなくて相手をリズムに乗せ、3-6でファーストセットを落としました。
課題の「思い切り」が十分に発揮できないことは不満ですが、セカンドセットからは粘り強いストロークに時折攻撃的なショットを織り交ぜ6-0で取り、そのままの勢いでファイナルセットを6-2で奪って勝ち上がりました。
まだまだ強気なプレーは表現できてはいませんが、集中力を切らすことなく粘り強く戦えたことを評価したいと思います。
フィンランドの選手と対戦した優でしたが、ラリーのリズムをつかめず、ファーストセットはあっという間に1-5まで追い込まれました。
そこからは、開き直ったようなショットが決まりだし、相手の焦りを誘って4-5まで挽回しますが、ここでもサービスの安定を欠いて4-6で落としました。
セカンドセットも同じような展開で、素晴らしいショットでエースを奪いもしますが、単純なラリーミスを繰り返し、2-6で落として敗退しました。
練習では比較的安定したショットを打つことができますが、試合になると自分のショットに対するこだわりが強すぎて、それがうまくコントロールできないと安定性を欠いて敗れるパターンが多いと思います。
相手に対してどのように攻めたら効果的なのかをよく考えてプレーできるようにならなければなりません。
ブルネイの選手と対戦した晃子は、力の差が大きく、相手に付け入るすきを与えず、1ゲームも落とさずに明日の2回戦に進みました。
調子の上がらなかったバックハンドも少しづつ上向いてきたようで、明日のシード選手との対戦が楽しみです。
翼は今日のラストマッチで第2シードのインド選手との対戦になりました。
序盤は緊張からか単純なミスを繰り返して0-3になりますが、ここから集中力を取り戻した粘り強いラリーで相手のミスを誘い互角の展開に持ち込みます。
相手選手は、思うようにプレーできない苛立ちをコントロールできず、集中力を欠いたプレーでミスを繰り返しますが、大切なポイントで力みの目立ち始めた翼のショットが乱れ、3-6でファーストセットを落としました。
セカンドセットも粘り強くショットを拾って食い下がりますが、ストロークの安定感と配球では相手選手が少し上回り、なかなかゲームを奪えず、2-6でセカンドセットを落として敗退しました。
ラリーの能力は向上してきているので、緩急と配球を考えたプレーで対応できるようになると良いと思いますが、最後まで高い集中力を維持してプレーできたことを高く評価したいと思います。
昨日の試合を見ていて感じることは、自分の状態や相手の力に応じて的確にショットを「選択する力」が必要だということです。
以前、「強くなりたいあなたに贈る100の法則」の中で、「選択する力」として、
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<勝負師としての感性を磨く―勝負するこころ>
嶋田出雲(「スポーツに強くなる方法」不味堂)は面白いことを書いている。
「スポーツにおいて何をしてよいか分からないほど不幸なことはない。
賭けられないのは無知だからである。
囲碁、将棋、麻雀の面白さは、誰でも一回一回多くの選択肢があり、その強さは「選ぶ力(ベスト・チョイスの力)」にある。
これは人生もスポーツも同様である。そのため、賭けの力が勝負(幸と不幸)の分岐点になるといっても過言ではないだろう。」と。
テニスはもちろん勝敗の着くスポーツである。
そして、圧倒的な技量の差がある場合を除いて、競り合いの中で勝敗を決するのはこの「賭けの力」である。
私の指導する選手にも、当然、勝負強い奴と勝負弱い奴はいる。
勝負強い奴は、「よくこんなところで勝負にいけるなあ」というところで思い切って攻めたり、相手の攻勢に対して辛抱強く防御したり、その判断が適切であると感じる。
嶋田は、「賭けの力」として、過去の経験や成績(データ)から確率の高いものを選んで実行する確率の力、攻守待の使い分けの力、攻め手のレパートリーの力、深さ、正確さ、速さが勝負を決する読みの力、賭ける根拠を引き出す情報の力を挙げている。
まさにその通りだと思う。
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と書きました。
まさに「これ」が足りないと思うのです。
自分が素晴らしいショットを打つことは大切なことですが、それよりも大切なことは相手のテニスを十分にさせないことです。
そのためには、状況に応じて「選択する力」を磨いていかなくてはならないと思います。
明日は、隆雅が1回戦、ゆり子と綾、南奈、晃子が2回戦を戦います。
相手と戦うために自分がどうすべきなのかを判断する力がどれくらいあるのかを見たいと思います。
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2009年03月09日
うまくいかない時にこそ気持ちを高める(1560)
ブルネイ遠征1日目
男子、女子ともに本戦からの出場になりました。
無事にサインインを済ませ、と言いたいところですが、大きなトラブルがありました。
実は男子は予選からの出場予定でしたが、いつもは日曜日にサインインをして月曜日から始まる予選が一日早くなっていたのです。
要項を確認したつもりでいましたが、前回大会の要項だったようで大きな見落としです。
そこで、大会のレフェリーに掛け合い、何とかダブルスだけでも出場をお願いするつもりでしたが、コートの回収を行ってドロー数が増えたこともあって、全員本戦からということになりました。
実にラッキーな話で、結果オーライですが、こういうことはあってはならない話ですね。
前日は申し訳ない気持ちで一睡もできませんでしたが、何とか大会に参加することを感謝して精一杯のサポートをしていこうと思います。
昨日は2時間ほどの練習を行いましたが、何度かこの大会を経験している選手は、比較的対応も早く、動きも軽快に見えました。
初めてこの大会に参加する選手も、多少の緊張感を感じながらも集中力を持って自分のできることをしっかりとやっていました。
海外の遠征は、コートサーフェイスはもちろんのこと、使用するボールや、気候なども大きく違うことが多いので、慣れるまでに時間がかかるのが普通です。
そんな時に、うまくできないことを嘆く選手がいます。
そうやって自分の気持ちを落としてしまうことが一番大きな問題であることに気づいていません。
うまくいかないからこそ、もっとフットワークを使って動くようにするとか、ペースを変えながら調整するとか、いつも以上に高い集中力をもって臨めなければなりません。
強い選手はそういうことを当たり前にやっているように思います。
そういうことを含め、どういう考え方を持って試合に望めば良いのかということを学んでほしいと思います。
今日は、ゆり子、優、晃子、翼の試合が組まれ、翼は第2シードとの対戦です。
厳しい戦いになると思いますが、その中で自分のできることを精一杯やりきってほしいと思います。
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2009年03月08日
グリップの違いで何が変わる-4- (1599)
テニスの科学(39)
2.身体の向きが変わる
上空からのカメラで捉えた両肩とネットがなす角度や上腕との角度などを調べて身体の開き具合(どれくらいネットの方を向いているか、どれくらい胸を開いて打っているかなどから身体の開き具合を調べた)をみると、どのグリップでもそれほど大きな違いは見られません。
これについては、関節の角度とパワーとの関係を調べた研究がひとつの示唆を与えてくれると思います。
これらの研究では、すべての関節において、ある関節の角度でもっともパワーが高くなることが知られています。
特に上腕と肩のなす角度は体幹のパワーを上腕に伝達するために大変に重要です。
そこで、上級者のレベルになると、たとえグリップが違っても、もっともパワーの出やすい角度を身体が覚えていて無意識のうちにその角度になるように調節するのです。
卓球においても、持ち方の違いがこの角度に影響を及ぼさないことが確認されています。
ただ、今回の実験では、ウェスタン系では肩が大きく傾くことが観察されています。
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2009年03月07日
グリップの違いで何が変わる-3- (1598)
テニスの科学(38)
今回は、3名の上級者によってフォアハンドストロークにおけるグリップの違いによる影響を調べてみました。
それが、すべてのケースや、初心者などのレベルの違いに関して言及するものではありませんが、ひとつの傾向を見ることはできると思います。
その結果について順に見ていきます。
1.インパクト位置が違う
グリップの違いよってインパクト位置は異なります。
しかし、前後方向や左右方向については違いが見られず、高さのみに違いが見られました。
ウェスタン系のグリップではインパクトの位置が低くなります。
これは、トップスピンをかけようと自然と下から上へのスイングを意識するからだと思われます。
前後方向にも違いがあるのではないかと予想していましたが、この予想は見事に裏切られました。
未発表資料ですが、上級者のサービスについてはグリップに違いがあっても、それほどインパクト位置に違いが無いことが確認されています。
たぶん上級者は、自分がもっとも打ちやすいインパクト位置を速やかに探して、それに対応するように動きを調節する能力が高いのだと思われます。
フォアハンドストロークについても同じように、上級者はそれまで自分が培ったインパクトの距離感を無意識のうちに調節すると考えられます。
初心者については、どのグリップでもインパクト位置は一定せず、一定の傾向は確認されていません。
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2009年03月06日
海外遠征(1597)
明日から海外遠征に出ます。
毎回そうですが、遠征に出る前は何とも言えない緊張感があります。
まずは、遠征中のトラブルに対しての心配です。
特に、前回は、宿泊などの関係で若干のトラブルがあったので、今回のは少し慎重になっているように感じます。
次には、しばらく日本を留守にするので、その間のレッスンや仕事の関係で不備がないかどうかの心配です。
自分がその場にいれば解決できることであっても、それができないというのは大いに心配になります。
それでも遠征に出るのは、子どもたちに遠征の経験を通して、テニスに対する「思い」を深めてもらいからです。
「思い」を深める、というと抽象的ですが、もっとテニスを好きになる、もっとテニスを頑張る気持ちを強くする、ということです。
海外に遠征に出ることは、今までの自分のテニス観とは違うものに触れることができます。
テニスに関しては、日本は少し特殊な環境にあるので、そ「世界」しか知らないと、それが当たり前になってしまいます。
太郎や可菜が海外で活躍しているニュースなんかを見ると、多くの子どもたちにこの「世界」を知ってもらいたいと思います。
私は、遠征を通して、もっと大きなイメージを持ってもらいたい、そう考えています。
人間はイメージによってその能力を発揮することができます。
より大きなイメージ、目標を持つことは、例えそれが達成できなくても、少なくとも能力の向上に役立つわけです。
今まで、いったい何回ぐらい海外遠征に出たのかを数えようと思いました。
一番初めの遠征は、今回の遠征先であるブルネイです。
大きな緊張感を覚えたのを忘れません。
それから数えて、子どもたちを連れて出た遠征は、20数回にもなります。
緊張感は薄らいできますが、子どもたちに「思い」を深めてもらいたい、その気持ちは変わりません。
準備もすぐにできるようになりました。
遠征の申請などもスムースに行うことができるようになりました。
現地での行動も大きな問題ありません。
でも、何とも言えない緊張感があります。
それは、子どもたちが、どんな「思い」を持ってくれるのか、それが分からないからかもしれません。
よく分からないものではあるけれど、だからこそ全力でサポートする、その気持ちがあれば大丈夫、そんな気がします。
帰国した時、笑顔で帰ってこられるように頑張ってこようと思います。
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2009年03月05日
全力を尽くす(1596)
「全力を尽くす」ことができない選手がいます。
「全力を尽くす」というのは、「全力でやる」よりももっと自分に厳しい姿勢を持っているということです。
その時にやれることをすべてやりきる「覚悟」のようなものが必要で、それをやり続ける強い意志がなくてはならないと考えます。
尽くしてしまうと、後のことができなくなるので、少しセーブしながらと考えるのが普通です。
その隙に自分の弱さを見せてしまいます。
こうした姿勢でしか練習できない選手にブレークスルーは起こりにくいですね。
錦織選手が、デ杯で戦う心意気を、
「日本を代表して戦うことを誇りに思います。」
と語っていました。
小さい頃から彼を知っていて、ウィンブルドンなどで実際の試合を見ていると、彼はまさに「全力を尽くす」才能を持っていると感じます。
いい意味で後先を考えず、その時に全力を尽くすことができるからこそ、大きく羽ばたいているのだと思います。
これがスポーツ選手にとって一番大切な才能です。
苦しい練習が終わって、立ち上がれないくらい頑張り続けることができる選手、そんな選手に成長してほしいと思います。
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2009年03月04日
グリップの違いで何が変わる-2- (1595)
テニスの科学(37)
では、そのようなトップスピンの技術が必須であるならば、初心者や子どもにもその技術は教えなくてはならないはずです。
しかし、初心者や一般のジュニアのスクールで厚いウェスタン系のグリップを指導する場面はみたことがありません。
その理由をさきほどの指導書に探してみると、
「初心者(ジュニア)は、基本であるフラットから教えるべきである。」
「そのためには正しいコンチネンタルグリップ(イースタングリップ)を指導することが望ましい。」
と解説してある場合が多く、その理由として、
1.インパクトの感覚が覚えやすい
2.グリップに無理が無く、もっとも自然なグリップである
3.他の技術に応用がしやすい
4.早くラリーができるようになる
などとしています。
果たしてそれは本当なのでしょうか。
インパクトの感覚は、それぞれに適したグリップがあるわけで、初心者であっても無意識的に自分の感覚に従って自分がもっとも握りやすいようにグリップを握ると思われます。
それをはじめから矯正するべきではないのではないでしょうか。
コンチネンタル系のグリップがその人にとって良いグリップかどうかはわからないし、多くの人にあてはまるかどうかも定かではありません。
それが自然かどうかも分からないと思います。
それに、早くラリーができるようになるというのもかなり怪しい説のようにも思えます。
「では、どのグリップが人間にとって自然なのか。」
と問われると、返答に困ってしまうのも事実です。
グリップの違いがどう人間の全身的な運動に影響を及ぼすのかについて整理しながら、この難解な問題に私なりの解答を導きだしていこうと考えています。
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2009年03月03日
感性を磨くトレーニング(1594)
毎日、アップしている写真を褒められることは嬉しいことです。
褒めていただいた方へのコメントとして、このように書きました。
*******************************************************
写真はメッセージというコラムを読んだことがあります。
「単に被写体を写すだけではなく、なぜ「ここ」に「心ときめいたのか」をメッセージとして伝えることが大切なことです。」
と綴っていました。
まさしくそうだと思います。
何気なく見ている風景の中に、「これだ!」と心揺さぶられるものがあります。
それが何なのかは良く分かりませんが、何かを感じることは確かです。
それをうまく写真で表現できればいいのですが、まだまだですね。
でも、できるだけ素直に、思いのままに撮っていこうと思っています。
*******************************************************
写真を撮るようになって、見方、感じ方は確かに変わってきました。
日曜日の午前練習の時、子どもたちがウォーミングアップしている間に、近くの池の周りをカメラを片手に散策するのが習慣になりました。
毎週、巡っているので、何も変わったことがなく、同じような被写体しかないので撮る気もなくなってしまうだろうと思うかもしれませんが、毎回、何かを見つけて写真を撮ります。
何気なく歩いていて、ふっと閃くというか、感じることがあるんですね。
子どもたちからは、
「そんなもの撮って何が面白いの?」
と聞かれます。
面白いかどうかは分かりませんが、「ぐっ」と興味をひかれるのは事実です。
だから、飽きることはないんですね。
コメントしたように、まだまだですが、「感性を磨くトレーニング」として続けていこうと思います。
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2009年03月02日
コーチという仕事(1593)
「コーチは、どこで働いているの?」
今日のレッスンで、ある子どもに聞かれました。
「えっ、今、働いているじゃん。」
「これは仕事じゃないの?」
「これは仕事じゃない!」
だそうです。
数年前も同じように、
「コーチはいつ働いているの?」
と聞かれたことがあります。
上の娘が小学校の時に、「家の人の仕事」という作文が宿題で出ました。
その時、娘は、
「パパは何やってるの?」
と聞いてきました。
テニスコーチの仕事もそうですが、スポーツの指導という職業はなかなか認識されないようです。
職業とは、
「生活を支える手段としての仕事。職。」
「生活を支えるに足る、特殊な技能や専門」
とあります。
「特殊な技能や専門」とあるならば、スポーツの指導は、まさしく職業と呼ぶにふさわしいと思います。
しかし、職業とは、会社に就職する、というイメージが強いので、それから離れたイメージのある職業は、子どもたちに理解するのが難しいのかもしれません。
でも、私は、
「大変ですねえ。」
と聞かれた時、
「遊んでいるみたいなもんですから。」
と答えるようにしています。
考えてみれば、自分の好きなことをやって、遊んでいるような気持ちで楽しみながら生活しているのですから、幸せだなあと思います。
子どもたちに何と思われようとも、
「この仕事は、とっても素敵な仕事ですよ。」
と、胸を張って言える自分を嬉しく思います。
でも、ちゃんと「仕事」・・・してますよ。
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2009年03月01日
グリップの違いで何が変わる-1- (1592)
テニスの科学(36)
-人間にもっとも適したグリップは何か-
以前、人間の手の機能とその機能を最大限に生かすためにはどうしたら良いのかについて解説したことがあります。
その中で、いくつかの提案をしたわけですが、その中で「グリップを変えると全身の動きが変わる」ということを書きました。
確かに、手というのは高度の発達した感覚器官なので、そのわずかなずれによっても全身の動きに影響を及ぼすことが確かめられています。
また、写真やテレビでのプレーを観察していると、厚いグリップや薄いグリップによって動きの特長になんらかの共通性を見いだすことができます。
一般的に用いいられるグリップについて調べてみると、コンチネンタル、イースタン、セミウェスタン、フルウェスタン、と実に様々なグリップがあることが分かります。
また、グリップの違いによってどのような違いが生じるのかについても多くの解説があります。
それらを整理してみると、
1.インパクト位置が違う
2.身体の向きが変わる
3.スイングの方向が変わる
4.インパクトでの手首や肘の角度が変わる
が代表的なところです。
そして、それらの指導書では、おおむねトップスピンにはセミウェスタンやフルウェスタン(ウェスタン系)が適しており、フラットやスライス、ボレーなどのショットにはコンチネンタルやイースタン(コンチネンタル系)が適しているという解説が多いですね。
しかし、動きがグリップによって変わることは間違いありませんが、トップスピンを打つにはセミウェスタンかフルウェスタンでなければならいこともないし、実際に多くのトップ選手がそれほど厚くないグリップでトップスピンを打っているように思います。
好意的に解釈すれば、ハードトップスピンを打つにはウェスタン系のグリップがもっとも適しているということはいえるかもしれません。
最近のテニスでは、ヘビーなトップスピンを自在にコントロールすることはトッププレーヤーにとって必須の技術です。
それが自分のベースのストロークとなるかどうかは別として、少なくともパッシングや攻撃的なトップスピンロブなどでポイントをとるか有利な展開に持ち込むには、「ここぞ」というところでハードなトップスピンが打てなくてはトップに君臨することはできないと思われます。
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