2008年09月30日
ふんばって構えるな(1439)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -178-
しかし、いくら安定した「構え」が良いといっても、いわゆる「ふんばって構える」のが良いのかという疑問が残る。
もし、そうであるならば、相撲の四股のように「構える」ことが良いことになる。
これでは俊敏な動きができないことは容易に想像できる。
では、テニスに適した「構え」とはどのようなものだろうか。
それは、ひとことでいえば、「不安定な安定状態」ともいうべきもので、ちょっとしたことで安定が崩れてしまう限界点での安定状態で「構える」というのが良い。
具体的には、足の長さ(かかとからつま先まで)を100%として、かかとの位置から60%ぐらいの位置に重心がくるように軽く前傾した状態がその限界点であるといわれている。
要するに、ちょっとしたことで身体が動きだせるように前傾を保って「構える」のが良いということだ。
かかと寄りに重心のかかる(どっしりと安定した)姿勢で構えてはいけない。
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2008年09月29日
意味を考えて行動する(1438)
私はテニスの指導を通して、子どもたちに「自立した人間」になってほしいと思っています。
「自立した人間」というのは、単に自分のすべきことをちゃんとやれるということだけではありません。
もちろん、人から強制されなくても自分のすべきことに意識を向けられることは素晴らしいことです。
実は昨日練習に遅刻した選手たちがいました。
理由を厳しく問い詰めると、
「いろいろとすることがあって忘れていました」
と言います。
「忘れていたということはやる気がないということだよね」
と言うと、
「やる気はありますが、ちょっと気が抜けてしまって」
ということです。
ちゃんと言い訳してくるところが可愛い(笑)ところです。
でも、私は知っています。
これは、はっきりと「やる気」がないということです。
そんなことはたくさんあります。
私だってやる気のない時はいくらでもあります。
しかし、そういう気持ちを振り払ってでも「やるんだ!」と強い「意志」を持つことで「行動力」が生まれるのです。
その「意志」を高く持っている選手は、人から強制されなくても自分のすべきことをちゃんとやれます。
こういう選手を「自立」していると言います。
さらにもっと深く、自分のすべきことの「意味を考えて行動」できるようになることを目指します。
「意味を考える」ということは、「自分がテニスをするということにはどんな意味があるのだろう」と自問しながら行動するということです。
「生きることの意味(諸富祥彦著、PHP新書)」の中で、フランクル心理学について、
フランクルが私たちに求めているのは、、”欲望や願望中心の生き方”から“意味と使命中心の生き方”への転換
”したいことをする生き方”から”なすべきことをする生き方”への転換で、そうすることではじめて、私たちの人生は、欲望の執着から解き放たれたサワヤカな人生、生きる意味と使命の感覚に満たされた人生にかわるのだ、と言うのです。
と言っています。
そういう考え方を持つことで、すべてのことには意味があるように思うことができます。
「やらなきゃいけない」とか「こうしなくてはならない」という閉塞感のある考え方に縛られることなく、自分のすべきことを楽な気持ちで行うことができるようになります。
この「心の自由さ」こそが、本当の「自立」のように思います。
子どもたちにそういう言葉を投げかける時もありますが、本当は自分自身に言い聞かせています。
そういう人生を送っていきたいと思います。
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2008年09月28日
かかとはあげて構えたほうが良いか?(1437)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -177-
よく「かかとをあげて構えるように」と指導される場合がある。
私もテニスを習いはじめのころ、かかとをあげないで構えていて、先輩から「なんてだらしない構えだ!」とお叱りを受けた記憶がある。
また、トレーニング法としてもかかとをあげて歩くことが良いといわれ、そのための特別な靴も市販されているので、何となく「かかとをあげて構える」ことが良い「構え」であるように感じているものだ。
個人的な話ではあるが、漫画のドカベンで山田太郎が電車の中でかかとをつけないトレーニングをしているのを読んで、少しの間試したことがある。
結構きついトレーニングであったような気がする。
このように、トレーニングや健康を維持するためにかかとをあげて歩くことや動くことは効果があるといわれている。
しかし、かかとをあげて「構える」ことがすばやい動きにつながるかどうかは確かではない。
そこで、いくつかの文献を整理してみると、陸上のように直線的に動く運動についてはそれほど問題ではないが、テニスのように相手の打球に応じて、前後左右に瞬間的に動かなければならないスポーツでは「かかとをあげて構える」ことはどうもあまり良くないようだ。
かかとをあげてつま先立ちでいると、反応時間が遅れるという実験結果がある。
この理由については考察が深くまで進んでいないが、つま先立ちという不安定な状態では身体の安定を図るために、姿勢保持のプログラムが大きく働くために次の瞬時の動きに対して反応が遅れるのではないかといわれている。
つまり、不安定な状態で「構える」ことは姿勢保持のために脳が積極的に使われ、次の動作変化への切り替えが遅くなるということだ。
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2008年09月27日
体郁・スポーツ系(1436)
昨日から前期とは違う大学の後期の授業が始まりました。
後期から教えるのは、「運動プログラミングの理論と実習Ⅰ」という科目です。
何だか難しそうなタイトルですが、要はトレーニングの理論と実習です。
この科目を担当する先生は2人いて、授業数は3時間あります。
それぞれの授業に50名くらいの学生が受講していて、どの曜日の授業を受講するのかは抽選で決まるそうです。
つまりこの科目を受講する学生は150名くらいいるということですね。
最近の大学は、学生の確保のためにいろいろな施策をします。
それは学部の増設だったり、改名だったりしますが、体育・スポーツ系の学部の増設が大変多いそうです。
その学部を増やすことによって学生を確保したいという思惑があるので、そういう系の学部の人気が最も高いということです。
昨日の授業では「この講義で学びたいことは何か?」というレポートを書いてもらいましたが、多くの学生は体育教師、スポーツトレーナー、スポーツ指導者、リハビリ関係の仕事などに就いて、この授業の成果を活かしていきたいと書いています。
授業態度も大変まじめで、とても雰囲気良く授業が進められそうでとても楽しみです。
私は実際に体育・スポーツ系の仕事に就いているので、こうした若い人たちがそういう仕事を夢見るのは大変良いことだと強く感じます。
しかし、現実は大変厳しいものです。
例えばトレーナーという仕事についてみると、私の周りでトレーナーという仕事で飯を食っている人はほとんどいません。
体育教師になるのも大変難しい現状です。
多くの学生さんはこうした現状をだんだんと知るようになって、あきらめて違う道を進んだり、別の仕事をしながらボランティア的に指導したりするようになっていきます。
なかなか体育・スポーツ系の仕事をライフワークにすることは難しいということですね。
それは、そうういう関係の仕事が社会的にきちんと認識されていないということも原因の一つかもしれません。
欧米ではそれは一つの職業としてステータスを持っているように感じます。
私は教員から転身したので、そのことを身に沁みて感じています。
まあ、だからこそそのステータスを上げるために、多くの方の認識を変えるために頑張るというか、闘っていることの力になっています。
なかなか難しいことですが、こうして専門のトレーニングを教える機会を得ることができたのも何かの啓示かもしれません。
これからがんばろうとする学生さんが「先生みたいになりたい!」と思ってくれて、たとえ難しくても、いやなことが多くても、自分の信じる道を進むことができるように一生懸命教えていこうと思います。
ちょうどその学校のすぐ横に私の高校時代の先輩が歯科医院を開業しています。
20年くらい前は、治療を兼ねて何度か訪ねていましたが、昨日は本当に久しぶりに会いに行きました。
先輩はちょっと老けましたが(自分もか・・・)、元気そうで安心(?)しました。
これから毎週治療に通おうかと思っています。
何だか不思議な縁ですね。
この縁を大切にしていかなくてはならない・・・そう思います。
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2008年09月26日
日本伝統の「構え」(1435)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -176-
能では基本となる「カマエ」というただ舞台に立っている行為で、周りの空気の動き、緊迫感を醸し出さねばならない。
そのためにはいわゆる「形」や「型」はほとんど関係なく、身体で「ある特殊な状態」を作ることだといわれている。
この身体で作り出す「ある特殊な状態」とは何なのか、それこそがいわゆる正しい「構え」につながると思う。
しかし、それは現代のスポーツ科学をもってしても解明はできない。
少し経験のあるテニスプレーヤーなら、あるプレーヤーを見たとき「むむっ、こいつはできるな」と感じることがあるし、経験あるコーチならぱっとみただけである程度その人のテニスの技量を推し量ることができる。
このとき、そのひとの「姿勢」とか「表情」も参考になるし、さらにいえば「話し方」や「呼吸の仕方」からも力量を察することができる。
膨大な情報をもとにして、そのプレーヤーの「質」の状態を探っているのだ。
そして、極めて優れたパフォーマンスを示すことができる段階まで能力を高めることができたとき、人はその動きに「美」を感じる。
フェデラーのテニスが「美しい」と評されるのは、極めて優れた「構え」を持っているからだ。
「美」を形成する要素として、動きの「正確性」、「流動性」、「リズム」、「力動性」、「調和」をあげることができるといわれる。
それを数値に置き換えることがどれ程大変なことであるかおわかりになるだろう。
あえて言えば、素晴らしい絵画を客観的な数値に置き換えて、その数値が高いほど良い絵であると判断するようなもので、そんなことは不可能である。
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2008年09月25日
経験を活かす(1434)
今までに数多くの海外遠征を経験してきました。
海外にかかわらず、遠征に出ることで子どもたちは多くの経験を積むことになります。
しかし、その経験が本当にためになっているのかというと、「良く分からない」というのが本当のところです。
あるトーク番組でトップのスポーツ選手が、
「経験値が高いと素直な試合ができない。」
と言っていたのを記憶しています。
この「素直に試合ができない」というのはどういうことでしょうか。
「海外に行って試合をしたことがある」というプライドが邪魔をしてしまうということです。
このプライドは少し厄介です。
周りの人は「海外まで試合に行ったのだから強くなるはず」という思い込みは強くなります。
お金もかかるし、学校も休んで行きます。
今までまったく行ったこともない、言葉も通じない場所で外人相手に高い緊張感の中で試合をする、という経験が大きく成長させてくれるという思い込みがあるからです。
しかし、それだけのことで成長するわけではありません。
逆にその思い込みに対して、何とか「応えなくてはならない」と思いすぎて調子を落とすことも少なくありません。
経験がマイナスに働くこともたくさんあるわけです。
でも、確かにこうした経験を通して成長する選手はいます。
アテネオリンピックで金メダルを取って、その後の全日本選手権で敗れた北島選手が素直に「油断した」ことを「認め」、それから「謙虚」に練習に取り組み、北京オリンピックで2冠を達成しました。
北島選手のコーチは、この「謙虚さ」を北島選手の「強さ」として挙げています。
遠征に出ることで一番大切なことは、自分の「弱さ」を自覚することです。
経験を活かして伸びていく選手は「謙虚」に自分の「弱さ」を自覚し、「何かを変えよう」という強い「意志」が生まれた選手です。
なかなか「自分を変える」ことに「謙虚」に取り組むことができる選手は少ないものです。
遠征ではいろいろなことを話をして、厳しくもなります。
この経験を活かしてほしいからです。
これからも経験が成長のじゃまをすることがないようにうまくサポートしていきたいと思っています。
次の遠征は・・・ニューカレドニアかな?
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2008年09月24日
自分の「頑張り度」を測る(1433)
自分はどれだけ頑張っているのだろうかを考える時があります。
夏休みが始まってから今日まで3日しか休んでいません。
基本的にはいつでも子どもたちのことを考えています。
大会やイベントはとりあえず続いています。
遠征のサポートや海外へのチャレンジもサポートしています。
時間の許す限り試合を観に行っています。
今年の夏休みに朝練は皆勤で頑張りました。
今年の初めからは毎日ブログを書いています。
大学の授業は1回も休んでいません。
今も真っ黒です。
ん~、良く分からないけれど結構頑張っている方かな?
でも、他の人の頑張りを見ると、「もっとやれる」と思います。
自分の「頑張り度」は、自分でしか測ることはできません。
だからこそ「もう、これでいい」はないのだと思います。
今よりも、もうちょっと頑張ってみようと思います。
・・・ダイエットは停滞気味(泣)
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2008年09月23日
「構え」で勝つ(1432)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -175-
「目の表情」と同じように、「構え」から「こころの状態」を探ることができる。
「構え」で相手を威圧することもできる。
先にも述べたように武道の世界では、「すきのない構え」ということがある。
武道の達人と対峙したときには「構え」にその強さを実感できる。
それに威圧された相手は「まいった!」となるわけだ。
テニスの場合でも、強い選手かそうでないかを見極めるとき、打っているボールやプレーの内容だけで判断するではない。
その選手の「歩き方」や「姿勢」、「立居振る舞い」などから強さが実感できる。
以前、「強い選手の行動や振る舞いを訓練することで、テニスの実力を引き上げることができる」と書いたが、「行動」を訓練することでテニスのレベルは格段に上がる。
その訓練のはじめとして、これから実際のプレーに入る前の「構え」をどうすればよいのかについて考えることは大変大切である。
どのような状況でも常にこのような「構え」を作ることを指導している。
「構え」はたんなる「姿勢」のコントロールではない。
自分の「こころの状態」をあらわすものである。
自分の気持ちを整理し、相手に立ち向かう気持ちや集中力を高め、「姿勢」と「表情」の良いしっかりとした「構え」を作る、このような一連の行動すべてが「構え」であることを覚えておいてほしい。
強い選手と同じような「構え」の「型」だけを真似ても、相手にはこころの状態が丸分かりになる。
自分の「こころの状態」を最適にすることがなによりも大切だ。
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2008年09月22日
基本コンセプト(1431)
ロングウッドプレーヤーズコースの保護者会を開催しました。
最近はあまり行っていなかったので、久しぶりの保護者会となりました。
9月いっぱいでスタッフが辞めることに伴って、練習スケジュールの変更があるので、その連絡などをしました。
また、せっかくの機会なので、このアカデミーの「基本コンセプト」について話をさせていただきました。
「基本コンセプト」などと言うと何だか難しいことを言っているように思われますが、要は「こうしていきたい!」という「思い」です。
それは、こんなようなことです。
*****************************************************
・確かな知識と経験に裏付けされたプログラムで効率的に能力の向上を図ります。
・自主性を重んじ、コーチ不在であっても自主的に練習できるように訓練します。
・学校との連携を強め、学校の部活動に拘束されない育成プログラムを目指します。
・大学への進学をサポートし、長期に渡ってその能力を磨く機会を提供します。
・海外遠征を含む遠征のサポートを行います。
・専門的なトレーニングプログラムを提供します。
*****************************************************
私が作っていきたいのは「テニススクール」ではなく、「アカデミー」です。
その「違いが何のか」については良く理解していただけないことが多いので、この「基本コンセプト」を示し、具体的に指導している練習カリキュラムやトレーニングカリキュラムについて説明し、理解を深めていただくようにお願いいたしました。
練習カリキュラムについてはオンコートでも説明をし、より具体的にその内容を知っていただくことが大切と考えました。
*****************************************************
アカデミーでは、できるだけたくさん練習できるように練習スケジュールを組んでいます。
たくさんボールを打つことで上達することを目指すからです。
そのために選手同士でボール出しを行う練習が主になります。
その点を誤解される場合は少なくありません。
コーチがネット越しにボール出しをしながらアドバイスを行う形式の指導カリキュラム(このような形式のテニススクールは日本しかありません)はあまり効果がないことが立証されています。
また、そのような方式では決められた時間内で打てるボールの数が少ないばかりか、練習中に協調性に欠ける行動をとる子どもたちは少なくありません。
アカデミーの練習プログラムは、そのような非効率的な練習プログラムを極力排し、練習の課題を明確にし、ボール出しも細かく指示され、選手同士の協調性をベースにしながらもコーチのアドバイスが最も有効に働くように考えられています。
*****************************************************
その練習カリキュラムの一部ではありますが、寮生の子どもたちに手伝ってもらってデモンストレーションを行いました。
今回は練習カリキュラムだけのデモンストレーションを行いましたが、もちろん、トレーニングカリキュラムについても今後詳しく説明をしていくつもりです。
今回はその概要について説明させていただきました。
*****************************************************
アカデミーは、専門のトレーニングを指導しています。
そのプログラムの有効性は、多くのトップレベルで活躍する選手やプロ選手を指導した実績に加え、名古屋高校や佐賀龍谷高校の選手の活躍が証明しています。
指導するプログラムは基本的にトップ選手が行うトレーニングと同じ内容で構成されています。
体幹の筋力アップ、股関節の動きを向上させるトレーニング、瞬発力を向上させるトレーニングを中心にプログラムされています。
それ以外にも練習前のトレーニングとして、ダッシュやサイドステップを取り入れて、効率的に身体能力の向上を図ります。
また、練習終了後にはクールダウンを行い、身体のケアに対する意識を高めています。
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また、私立の中学への進学については、名古屋国際中学以外の私立の中学に、テニスの推薦などで入学を希望する選手の受講を認めないことも伝えました(高校への進学は認めています)。
私が考えるアカデミーは、学校との連携を強めることでより充実したものになります。
その提携を進めている名古屋国際中高との連携をこれからより強固なものにしてかなくてはならない、という思いがあります。
まだスタートしたばかりのなので、その活動がはっきりとした成果として現われていなかったり、よく理解されていないので大きなことは言えませんが、「基本コンセプト」に従って、大きなビジョンを持って進んでいきたいと思っています。
他にも、個人カルテを作成し、子どもたちの問題点や課題を伝えることができるようにするシステム作りをすることも約束しました。
このようなシステム作りが、すなわち「アカデミー」を形作っていきます。
日本においてはあまり馴染みがないシステムなので、理解をしていただくのに時間がかかったり、誤解されることもあるかもしれません。
でも、「基本コンセプト」が崩れることはありません。
その理念に沿ってこれからも活動を続けていこうと思います。
自分の、そして子どもたちの夢を実現するために・・・
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2008年09月21日
良い「表情」で闘う(1430)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -174-
「目は口ほどにものを言う」といわれる。
また、スポーツの場面では、練習中や試合中に「表情を変えるな!」という指示が与えられる場合も多い。
このことは、「表情」には意味があり、それがプレーに影響するものであることを示している。
しかし、意外と自分の「表情」の変化が相手に有利な条件を与えていることに気づいていない場合や、気づいていても実行することを訓練していないために、十分に遂行することができない人は多い。
テニスコートの上で、自分の「感情」、特に自信喪失や不安の「感情」を相手に隠しておくことは大変重要なことだ。
私は、表情の中でも特に「目の表情」を大切にするように指導している。
相手のほうを怒りに満ちた目で突き刺すように見るのでもなく、不安げにきょろきょろするのでもなく、自分が最も集中した「良い目」で相手を見ることだ。
動物は、相手と対峙したとき、その「表情」、特に「目の表情」で自分との力の優劣を判断し、自分が不利だと感じると戦わずして退散していく。
人間も、動物と同じように「表情」によって相手の状態を無意識のうちに探っている。
相手に無意識のうちにプレッシャーを与えることができる「表情」は、試合を有利に進めるためにとても大切な要因である。
そして、そのような「表情」はトレーニングによって培うことができることを覚えておいてほしい。
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2008年09月20日
夢の舞台(1429)
先日、中日vs阪神戦を岩本コーチと見に行きました。
我がドラゴンズの結果は・・・聞かないでくれるとありがたいです(笑)。
結果はともかく、傑出した能力を持つスポーツ選手が死力を尽くして戦っている・・・ここはまさに「夢の舞台」です。
選手のプレーを見ながら監督を気取って解説する人や、いい年こいて(失礼!)ピンクの応援ユニフォームに身を包んで必死に応援する関西のおばさんなど、観客も舞台を構成する役者だと思います。
「夢の舞台」、それは非現実的な空間です。
「そこ」ではみんなが監督であり、プレーヤーでもあります。
しかし、舞台の上で演じる役者にとってはそれが「現実」です。
「夢」が「現実」であることの苦しさは想像を絶するものです。
そこでは「不安」は当たり前です。
それを振り払うために自分を追い込んでいくのです。
堂上選手がトレーニングに来るのは、その苦しさを乗り越えていくためのチャレンジに他なりません。
彼の必死に何かをつかもうとする姿を見ていると、何とか大きく羽ばたくことができるように後押ししてあげたいなと思いますが、そう強く思いすぎることでさらに追い込むことにもなってしまいます。
自分にできることを精いっぱいにやる、そのことだけに目を向けてサポートしていこうと思います。
ペナントレースも終盤です。
もう中日の優勝はありませんが、何とかクライマックスシリーズに進出して、昨年のようなミラクルを見せてほしいと思います。
がんばれ!ドラゴンズ!
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2008年09月19日
行動目標を設定する(1428)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -173-
前回、「話をする時間の大切さ」について述べた。
実際にミーティングで話をした内容についてもいくつか報告した。
その中で、最も多くの時間を割くのが「行動目標」を設定し、その目標が本当に達成できたかを何度も確認することだ。
「行動目標」とは、
「特定の結果を導くために必要な具体的行動や競技内容など、自分の競技能力を高めることを重視した目標であり、相手の行動やレベルにかかわりなく、選手自身がコントロールできる性質を持っている。」
と定義されている。
具体的には、
・集中力を高めるためにストリングを見る。
・気合を入れるために足をたたく。
・ミスをしても下を向いたり、ラケットを下げない。
・うまくいかなくても表情を落とさない。
・相手をしっかり見据えて構える。
・エースをとったらガッツポーズをする。
などの「行動」を目標として設定することだ。
すべて自分の能力を高めるために行う「行動」である(プラスの自己表現)。
自分でコントロールすることができ、相手の「行動」には左右されない。
こう書いてみると簡単そうにみえる。
しかし、自分自身の試合での「行動」を思い起こしてみてほしい。
意外とこれらの「行動」を続けることは難しいことが実感できるだろう。
スコア的には追い詰められても、常にこのような「行動」をとることができる選手にはプレッシャーを受けるものだ。
それだけでも勝つチャンスは大きくなる。
このような「行動目標」について、具体的な方法をアドバイスすることもあるが、選手自身に決めさせることある。
コーチに言われたのではなく、「自分で決めたこと」を「自覚」することでより強く目標が意識されるからだ。
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2008年09月18日
声を出す効果(1427)
声を出す効果には大きく3つあります。
ひとつは力が出るということです。
大きな声を出して力を出すと、声を出さないで力を出した時に比べてより大きな力を出せるようになります。
陸上の投てき種目で、選手がリリースの瞬間に大きな声を出すのはその効果を狙っています。
もう一つは、テンションが上がるということです。
大切なポイントは、そのポイントを取れば有利になることが分かっているだけに余計に緊張します。
人間は緊張すると声を出しにくい状態になりますが、それを声を出すことによって解き放ちより強い気持ちで相手に向かうことができるようになります。
そして、声を出すことで相手にプレッシャーをかけることができます。
同じようなチャンスボールを大きな声を出して気迫を持って打ち込んでくるプレーヤーには、ボールの威力以上にプレッシャーを受けるものです。
強くボールを打つとは、まさにこのことを言います。
速いボールを力任せに打つのではなく、自分の全身全霊を込めて(ちょっと表現が古い?)相手に向かって打ち込んでいくことの大切さを知らなければなりません。
ここで人間の弱さが出ます。
なんか目立つのは嫌だ・・・。
一生懸命やっているようでカッコ悪い・・・。
声を出しまくっても負けたらはずかしい・・・。
というマイナスの言い訳思考を抜け出してください。
力を出し切って戦うことはカッコいいに決まっています。
それを十分に自覚できた選手は間違いなく強くなります。
日本人には難しいと言われます。
でも、強さを身につけるにはここを超えていくしか方法がありません。
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2008年09月17日
声を出す(1426)
今の練習のテーマは「声を出す」です。
正確に言うと「強く息を吐く」ということですが、「声を出す」という方が分かりやすく、「強さ」も表現できます。
なぜ、このテーマを選んだのかというと、それは「弱い」からです。
少し前に、日本人は「勝負弱い」と書きました。
それは相手に向かっていく気持ちをうまく表現できないからです。
実際に子どもたちの試合を見ていると、しーんと静まりかえって、試合をしているのかどうかさえ分からなかったりします。
しかし、トップ選手の試合を見ると、ここぞという場面では大きな声を出し、自分を鼓舞するとともに相手を威嚇しているようにさえ見えます。
勝負ごとなので、自分の「強さ」をうまく表現する方が有利に決まっています。
そのひとつの方法として「声を出す」ことを課題に練習をしていますが、なかなかうまくできません。
一番大きな理由は「恥ずかしい」からです。
声を出すことや、そうやって一生懸命にやっていることを見せることを「恥ずかしい」と思っているのです。
その気持ちを取り払うように私が強くプレッシャーをかけると、ちゃんとできます。
ということは、やれるのにやらないということです。
根底には、声を出して一生懸命にやって負けると余計に恥ずかしい、だからあまり一生懸命には見せないようにして負けても恥ずかしくないようにしよう、という「言い訳」の心理があります。
戦いの場において、「言い訳」を考えながら戦っていて自分の力を十分に発揮できるわけはありません。
実際には、そういうことをあまり恥ずかしがらない小学生の子どもたちは元気いっぱいに声を出して全力でボールを打つことができます。
中学生ぐらいになると、特に女の子はその気持ちよりも「恥ずかしい」が大きくなってきて、声を出せなくなってくるようです。
だから、ここぞという大切な場面でも声を出して強くボールを打つことができません。
だから、大切なポイントを奪われて負けていくことも多くなります。
そうならないように訓練します。
声を出してボールを打つ訓練をします。
それが一番効果がある方法だからです。
今日もその訓練をします。
子どもたちの大きな声が響き渡る練習を見たいと思います。
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2008年09月16日
「行動」を変えて、「こころ」を変える(1425)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -172-
私たちの「姿勢」や「行動」は「こころの状態」、「感情」を反映している。
このことは「こころの状態」が変わることで「姿勢」や「行動」が変化することをあらわしている。
ということは、逆に「行動」や「姿勢」を変えることで「こころの状態」が変化するということだ。
ここで、ひとつ実験をしてみよう。
はじめに頭の中に悲しいことを思い浮かべてほしい。
きっと頭を垂れて、視線はうつむき加減で、背中は丸くなってなんとなく哀愁(?)が漂っているだろう。
次に、わくわくするような楽しいことを思い浮かべてみよう。
明日、好きな人とデートに出かける、ディズニーランドでミッキーと遊ぶなんてのが良いかもしれない。
表情には笑みが浮かび、視線は前を向き、ぴんと姿勢良く立っているはずだ。
このように、こころの有り様によって「行動」や「姿勢」、「表情」は変化する。
このことは別に学校で習うわけでも、家庭でのしつけの一環として習得されるものでもない。
全世界の人類が、「感情」によって「姿勢」や「表情」は同じようにコントロールされるのだ。
では、うれしいとき、楽しいときの「姿勢」や「表情」を変えないで、悲しいことを思い浮かべてみてほしい。
反対に、悲しいときの「姿勢」や「表情」で楽しいことを思い浮かべても構わない。
どうだろうか、これはかなり難しい。
もし簡単にできるのなら、あなたは詐欺師か役者の素質が十分にあるかもしれない。
このように、「こころの状態」と「身体」は密接に結びついているので、その人の「姿勢」や「行動」を見ると「こころの状態」を探ることができる。
スポーツの場面では、「感情」を乱されたり、悲しい思いや、くやしい思いをすることは頻繁にある。
その時、身体的にはどのような変化が現れるだろうか。
筋肉が硬直したり、逆に力が入らなかったり、「姿勢」が崩れていることも多い。
歩き方も弱々しくなっているかもしれない。
これでは自分の能力を最大限に発揮して戦うことは困難だ。
しかし、自分の「こころ」や「感情」が乱されたときに、「姿勢」や「行動」を崩さずに闘い続けることができたらどうだろうか。
おそらく、「こころ」の乱れは小さく、「集中力」を欠くことも少なくなる。
楽しいときの「姿勢」や「表情」を変えないで、悲しいことを思い浮かべることが難しいように、正しい行動をとることは、プレーのマイナスになる「こころの状態」を作り出しにくくする。
ただし、このような行動を実際の試合場面で行うことは、口で言うほど簡単ではない。
何度も繰り返しトレーニングを行うことが大切である。
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2008年09月15日
勝負弱い日本人(1424)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -171-
今年もATF韓国大会に参戦した。
この戦いの中での印象は、やはり日本人は「勝負弱い」ということだ。
技術のレベルに大きな違いがあるとは思えない。
しかし、勝負に対する「執着心」と「気迫」が違うと感じる。
そして、「それ」が勝敗を決めるというのが現実だ。
今まで何度かそのような経験を通じて、メンタル(この場合「根性」という言葉が最も的確な表現かもしれない)の重要性を説き、トレーニングを積んできたつもりであるが、「壁」はまだ打ち破れない。
日本人は「ファイトするこころ」を失ってしまったのか、と悲観するときもある。
もちろん、同じ日本人でありながら素晴らしいファイトを示す選手もいる。
ただ、多くの日本人選手がファイトできないで敗れ去っていくのは事実だ。
この点を改善する最適な方法は何か?
コーチはいつもその答えを探していくものなのかもしれない。
日本の選手は大変よく練習する。
朝早くから夜間の練習まで、私たちが練習に行くと、日本のチームの誰かは必ず練習している。
外国のコーチにも、
「どうして日本人はそんなに練習するんだ?」
と聞かれることもある。
こう書くと、
「海外に試合に行ってまで練習しすぎるからいけないのだ!」
と批判される方もおられるかもしれないが、私が見る限り、身体的な疲労が蓄積して、コンディションを崩し、本番で息切れするほどの練習をしているというわけではない。
ごく当たり前のこととして練習をしている。
もちろん外国の選手も練習するが、練習時間は日本の選手のほうが多い。
でも、試合になるとその力を十分に発揮できないのは、何かその取り組み方に問題があるのかもしれない、と考えさせられる。
他のコーチと試合を観ながら話をしたが、
「最近の子供たちは、テニスはとてもうまいが強い選手は少ない」
というのは共通の認識のようだ。
では、なぜ「勝負弱い」とか「闘争心がない」と感じてしまうのだろう。
それは「構え」に大きな問題がある、と考えている。
勝負事においては、「構え」は大変重要である。
時代劇で剣豪同士がじっとにらみ合ったまま対峙し、しばらくの時が流れた後、相手の気迫ある、スキのない「構え」に動揺した方が「まいった」と言って刀を置くシーンがあるが、これが「構え」の「極意」である。
武道では「構えで押す」などと言うこともあるが、ぎりぎりの戦いの場では、「そこ」から戦いが始まっており、さらにいえば「そこ」で勝敗が決まってしまうこともあるということだ。
日本人は本来、「構え」に関しては伝統的な「優美さ」や「強さ」を持っていた。
相撲の仕切りなどにその伝統は残っているものの、多くの場面ではそれが衰退してしまったと感じられる。
ここでいう「構え」とは単にレシーブの時などの「構え」についてのことだけではない。
強さを感じさせる「姿勢」や「行動」など、「気構え」も含め、相手と戦う時の自分の状態を高めることができる「構え」について話をしていこうと思っている。
読み終えてコートに立った時、相手が「うむむ!こやつ、できるな」と思わせることができるような「構え」を身につけて強くなってほしい。
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2008年09月14日
つながる思い(1423)
昨日、中日ドラゴンズの堂上剛裕選手がトレーニングに来てくれました。
彼が愛工大名電高校を卒業して以来会っていないので、5年振りになります。
さすがに4年プロで生活していると、体つきや言動がプロらしくなっていて、高校生の時にイメージしか持っていない自分にとってはなんだか不思議な感じがしました。
また、何人かの子どもたち(コーチも)がサインを求めて彼のところにやって来るのを見ると、プロの選手になったことを実感します。
錦織圭選手もそうですが、小さい時に教えたことがある選手が成長して、多くの子どもたちのあこがれの選手になったり、プロの選手として活躍するのを見るのは何となく変な感じがしますね。
自分にとってはあまりイメージが変わらないのに、世間でのイメージが大きく変わってしまっているからでしょう。
でも、こうして教え子が成長した姿を見ることは何よりもうれしいことです。
時々はテニスのオービーも訪ねて来てくれますが、時々しか会わないだけに、その成長した姿に驚きと喜びを感じます。
人と関わる仕事というのは、なかなか続けてその関係を繋いでいくのは難しいことです。
何百人も教えて来ていますが、途中でクラブを変わったり、テニスをやめてしまったり、その関係がつながっている子どもたちはそれほど多くはありません。
それでも思うのは、その子たちが今どんな思いで生活しているのかということです。
その「思い」は、たとえ関係が途切れていたとしても、いつまでもつながっていくものです。
そして、時々はこうして再び結ばれることに大きな喜びを感じます。
堂上選手は、これからの飛躍を目指してトレーニングに打ち込むそうです。
彼の能力を引き出し、プロ野球選手として輝くことができるように全力でサポートしたいと思います。
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2008年09月13日
弱音を吐く(1422)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -170-
諸富祥彦(「生きていくことの意味」PHP新書)は、
辛くなったら弱音を吐こう。
小さな見栄やプライド、世間体にこだわっていないで、まわりの人に助けを求めよう。
早めに“弱音”を吐き、“人に助けを求めること”は、
この困難な時代をタフに生き抜いていくのに必要な“能力”である。
と言っている。
スポーツ選手は、「弱音を吐くな」、「常に前進し続けろ」、「苦しくてもがんばれ」ということを「美学」として叩き込まれてきた。
そうすると、「弱音を吐くこと」、「苦しい時に休むこと」などは「悪いこと」であると考え過ぎてしまって、
「成績が上がらないのは自分の努力が足りないせい」
「親やコーチが期待してくれているのに、思うような成果が上げられない自分は情けない」
「弱音を吐いたら自分に負けることになる」
とますます自分を追い込んでしまう。
感受性が高く、やさしい「こころ」を持った人間ほどこうした考え方を持ち、苦しくて、耐え切れなくて、どうして良いのか分からなくて、すべてのことがうまくいかなくなってしまう。
これが「スランプ」に陥ってしまう一番の原因かもしれない。
そんな時は、思い切って「弱音」を吐こう。
今までの(不適切な考え方に基づく)「思い」を「切る」ことで、「こころ」は自由になる。
そして、「弱音」を「吐く」ことで、「強い」とはどういうことが理解できるようになる。
そうして、大きな「エネルギー」を蓄える準備が整っていくものだと思う。
「弱音を吐く」ことは、「弱い」からではなく、「強さ」を手に入れるための「能力」であることを忘れないでほしい。
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2008年09月12日
「戦うこと」の意味を知る(1421)
大会も4日目も迎え、コンソレーションマッチは最終マッチを行いました。
大斗は相手選手の棄権により、23位が確定しました。
今日の試合も自分の持てる力を十分に発揮した素晴らしい戦いが多かったと思います。
男子ダブルス準決勝では、将司・和典のペアと慶太郎・大斗のペアが対戦し、見ごたえのある攻防の接戦を将司・和典組が振り切って決勝に進出しました。
そして、明日帰国する我々のために、大会側が日程を変更して決勝戦を行うことが出来ました。
その心使いには本当に感謝します。
決勝戦は、体格に恵まれた相手選手のショットを粘り強く返球し、果敢な攻撃で五分に渡り合いますが、最後はネットプレーに詰めの甘さが出て振り切られました。
しかし、レベルの高い大会で堂々の決勝進出は立派です。
何度目かの大会参加で「場慣れ」したことに加え、やはり「強さ」を身につけたということではないでしょうか。
それに加え、その試合を見ていると、やっと「戦うこと」の意味を(不十分ながら)理解することが出来たのではないかと感じます。
「戦うこと」の意味を知るということは、「戦う」ためにすべきことを理解し、試合においてそれを実行し続けるに他なりません。
子どもたちの試合を見ていると、まだまだ弱いと感じることも多く、試合の後にそのことを聞いてみると、「自分なりにやっている」と言います。
しかし、「戦い」は相手との「戦い」であり、その意志が相手に伝わらないような行動が果たして功を奏するでしょうか。
私には、まだそういう行動を「恥ずかしい」というような思いが根底にあるように思えてなりません。
男の子は克服しつつあると思いますが、女の子にその傾向は顕著です。
今日の試合が終わった後に、女の子だけにもう一度すべきことを確認して練習マッチをやらせました。
試合の内容は、今までに比べればその「意志」を感じることが出来るものの、「弱い」と言わざるを得ません。
「トップ選手でそのように行動する選手はいない。みんながやっていることは間違っている証拠だ。」
と言ってみても、どこかに自分には「無理」と思っているのでしょう。
「すること」は分かっているのにもかかわらず、それが十分に「できない」ということは、「理解していない」ということと同じです。
「それを乗り越えることが出来るかどうかで強さは決まる」ということをはっきりと「自覚」できているわけではなさそうです。
日本に帰れば、その「意志」は弱まっていきます。
最後のミーティングで、再度「続ける」ことを約束しました。
「もし、それが感じられないようであればもう指導することはできない」
とまで言い放ちました。
どうしても身につけてもらわなければならない「資質」だからです。
厳しく指導することは大変エネルギーのいることです。
しかし、この遠征ではとても大きなエネルギーを使って指導したつもりです。
特に女の子たちには厳しすぎたかもしれません。
根底にある「甘さ」を「自覚」し、「強さ」を身につけるためには「それ」しか方法が無いと思うからです。
この大会は、毎日試合が行われ、モチベーションを維持しながら遠征を行うことが出来ます。
海外からの参加者に対しては、日程の変更やコートアレンジで優遇してくれます。
とても心地よく参加できる大会だけに、ここに参加して「強さ」を身につけていってほしいと思います。
今回参加した子どもたちにはどんな印象が残ったでしょうか。
どうしても強くなりたい・・。
もっと強くなっていろいろな大会にチャレンジしたい・・・。
自分の夢を実現したい・・・。
そんな「思い」を持ってくれたのであれば、エネルギーを使い果たした遠征も「実り」あるものになります。
すべては君たちのこれからの行動にかかっています。
それを自覚して強くなってください。
今日は昔大学院時代にお世話になった先輩が済洲島に住んでいるので、時間をもらって会いに行きました。
先輩は昔とまったく変わらず、昔話で大いに盛り上がり、とても心地よい時間を過ごしました。
今回の遠征は私にとっても思い出深いものになりました。
子どもたちに感謝、先輩に感謝、大会に感謝して、とてもおいしい石焼ビビンバを思い出に韓国を後にします。
ありがとうございました。
(本日のシングルス結果)
大斗 W.O.
慶太郎 6-3、6-3(23位)
和典 6-4、6-4(17位、コンソレーション優勝)
将司 6-3、5-7、(8-10)(12位)
南奈 7-5、4-6、(7-10)(18位、コンソレーション準優勝)
志歩 6-3、6-3(23位)
彩美 6-3、6-2(21位)
ゆり子 2-6、3-6(30位)
(本日のダブルス結果)
準決勝 大斗・慶太郎 6-7(5)、3-6 和典・将司(ベスト4)
決勝 和典・将司 3-6、5-7 マレーシア、ベトナム(準優勝)
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2008年09月11日
プレッシャーをかける(1420)
大会も3日目を迎え、明日が雨模様ということでシングルス2試合とダブルスの準々決勝が行われました。
昨日のミーティングで話をしたように、「戦う」ためにすべきこととして、「プラスの身体表現」、「正々堂々のクレーム」、「声を出す(強く息を吐く)」を課題として試合に臨むことを約束しました。
十分出来ていると感じることも多く、その成果は今日の結果に現れているように感じます。
ファイナルセットにもつれ込む試合も多かったのですが、ファーストセットを奪われても、「戦う」ためにすべきことを忍耐強く続けることで相手にプレッシャーをかけ、巻き返して逆転で勝利する試合がたくさんありました。
今まで「戦う」ことの基本的な姿勢が培われていなかったことと、具体的にどうすれば良いのかをよく理解していなかったことで、簡単に勝負をあきらめていた選手がたくましく見えました。
もちろん、すべてのことを全力でやりきったとしても、「功を奏する」には、長い時間の下積みが必要であり、それを忍耐強く続けることで成果が現れてきます。
そういう意味で、前半うまくプレーできなくても、辛抱強く「すべきこと」を続けたことで、逆転につながったと言えるかもしれません。
また、男子ダブルスでは2ペアとも接戦を勝ちきって、明日の準決勝に駒を進めました。
南奈と志歩のペアも、もう一歩のところまで追い詰める充実した戦いを見せてくれました。
今までの遠征で1勝もあげることが出来なかったことがうそのような快進撃にちょっとびっくりです。
思い切ったプレーも随所に見られ、大きな成長を感じます。
成果は見えたといっても、まだ基本的なことを理解したに過ぎません。
それを「続ける努力」が、本当の意味で「戦う」ことにつながっていきます。
明日からの努力を期待したいと思います。
ただひとつ気になるのは、「動く」ことで相手にプレッシャーを与えるということに気がついていないということです。
構えに入るとき、少しでも身体を動かしてから構えに入ると、相手はその動きを警戒し、弱っていないと感じることでプレッシャーを受けます。
しかし、プレーがうまくいかなかったり、ポイントをリードされていると、どうしても動きは遅くなります。
構えの「姿勢」などは意識しているので、問題ないように思えます。
しかし、相手はその「姿勢」にだけプレッシャーを受けるのではありません。
構えに入る前に、どんな気持ちで入ってくるのかを無意識のうちに観察しています。
その時、元気いっぱいに動いているように見せることで、もっと大きなプレッシャーを与えることになるのです。
逆に、その動きが遅かったり、ほとんど無いと相手は精神的に有利に立ってしまうということです。
今日の試合で、セカンドセット中盤でその「動き」がほとんどなくなってしまった選手に、「元気を出せ!」と声をかけました。
その声が「功を奏した」のかどうかはわかりませんが、動きは格段に良くなり、その後は一気にリードを奪って快勝です。
「動く」ことでこんなに効果が現れることもあるんですね。
「それ」を意識して行うことで、相手は大きなプレッシャーを受け、自分のペースで試合を運ぶことが出来る確率は高くなります。
そんなことは「当たり前」だと思っているかも知れませんが、実際には十分行われないことの方が多いはずです。
「基本」とはこんなところにあると思います。
これでもうひとつ課題が増えました。
すべてを行うことは大変かと思うかもしれませんが、「戦う」意識が高ければ「自然」とできてきます。
初めのうちは意識して行うので違和感を感じるかもしれませんが、「続ける努力」も約束しました。
その努力はきっと報われる時がきます。
それを信じて頑張ってほしいと思います。
今、頭の中にふっと山口百恵の「曼樹沙華」(こんな字でしたっけ?)が浮かんできました。
これはいったい何なんでしょうか?
今日は朝から7時半過ぎまでずっと試合を見続けてちょっと疲れました。
早めに寝て明日に備えます。
(本日のシングルス結果)
大斗 第1試合 2-6、3-6 第2試合 2-6、2-6
慶太郎 第1試合 4-6、6-0、(9-11) 第2試合 W.O.
和典 第1試合 6-2、6-2 第2試合 3-6、6-2、(10-7)
将司 第1試合 6-4、1-6、(11-9) 第2試合 4-6、6-3、(8-10)
南奈 第1試合 0-6、6-1、(10-1) 第2試合 6-1、6-3
志歩 第1試合 2-6、1-6 第2試合 0-6、3-6
彩美 第1試合 2-6、2-6 第2試合 6-0、6-3
ゆり子 第1試合 1-6、6-4、(7-10) 第2試合 6-2、6-4
(本日のダブルス結果)
大斗・慶太郎 7-6(1)、6-3
和典・将司 3-6、6-3、6-0
南奈・志歩 3-6、5-7
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2008年09月10日
感情のコントロール(1419)
大会は2日目を迎え、今日からダブルスも始まりました。
本戦2回戦に進んだ将司は第2シードとの対戦です。
粘り強いストロークで互角に渡り合いますが、大切なポイントで攻め急いでミスを重ね、4-6、4-6で押し切られました。
ネットプレーを絡めた戦術面での向上が望まれます。
他の男子選手については、慶太郎は相手の粘りに2-6、2-6で屈しましたが、和典と大斗は、それぞれに自分の持てる力を十分に発揮した試合内容で勝ち上がりました。
苦しい展開もありましたが、その中にあって「本気」の勝負を見ることが出来て嬉しく思います。
女子の選手は、ゆり子は相手選手の強いスピンのストロークに押されてなかなか自分のペースをつかめず、3-6、3-6で敗れましたが、他の選手は今大会での初勝利をあげました。
特に彩美は充実した集中力で、相手に2ゲームしか与えずに完勝し、明日の戦いが楽しみです。
ダブルスでは、彩美とゆり子のペアは相手選手の鋭いネットプレーに翻弄され、1-6、2-6で完敗でしたが、南奈と志歩の組は、なかなかリズムが合わずに大切なポイントでミスを繰り返す苦しい内容ながら、まずまずの忍耐力でファイナルセットを6-4で奪っての勝利です。
将司と和典のペアは鋭いストロークで終始指導権を奪っての完勝で、第3シードらしさを示しました。
慶太郎と大斗の組は、ファーストセットを落とし、セカンドセットは5-2リードからタイブレークにもつれ込む接戦を制してこのセットを奪い、ファイナルセットは常に相手にリードを奪われる苦しい展開をタイブレークに持ち込んでこのセットを奪い勝利しました。
ダブルスとはいえ、男子はナショナルチームのメンバーが初戦で敗退したのに対して、堂々の初戦突破は立派だと思います。
明日も自分の出来る精一杯のプレーで食い下がってほしいと思います。
今日のプレーを見ていた感じたことは、まだまだ「感情のコントロール」が不十分だということです。
対人スポーツでは、少しテンションが上がっている状態がもっとも力を発揮しやすいと言われています。
しかし、テニスではテンションは下がる方向に向きやすいものです。
それは、素晴らしいショットでエースを奪うことよりもミスをすることの方がはるかに多いからです。
ミスをすると気持ちはマイナスの方向に向かいます。
それを食い止めるためには、できるだけ「マイナスの身体表現」をしないように「忍耐力」を発揮することと、良いショットを打ったときに大きな「プラスの身体表現」をすることです。
「プラスの身体表現」の代表選手は「ガッツポーズ」ですね。
大きな声とともに力強い「ガッツポーズ」が出来れば、気持ちはプラスの方に向いてきます。
しかし、ミスでは(ちゃんと?)「マイナスの身体表現」が出来るのに、エースをとってもまったく「プラスの身体表現」が出来ない選手がいます。
これでは気持ちはどんどんマイナスの方向にいってしまい、それが身体の機能の低下を招くこともあります。
自分の気持ちを最適な状態に保つためにやはり「ガッツポーズ」は有効です。
そして、相手のミスジャッジに対して「正々堂々」とクレームをつけることです。
相手に英語で返されることを恐れてか、まったくか、もしくは弱々しい態度でしかクレームをつけられない選手が多いです。
状況は日本においてもあまり変わらないと思います。
相手を威圧するのではなく、「正々堂々」とクレームをつけることは、ストレスを軽減し、感情をうまくコントロールするための技術だと考えてください。
そして、気持ちの整理がうまくつけられない時には、カウントをコールしてからサービスを打つようにしてください。
声を発することが出来ない選手は、ここぞという時に力を発揮することが出来ません。
トップ選手が強いショットを打つときに大きな声を発するのは、それが力を生むことを知っているからです。
これは「シャウトの効果」として実験的に確かめられています。
気持ちの弱い選手は、「これ」が苦手です。
だから強いスイングが必要なワイドボールの切り返しやチャンスボールでの強打で、息を詰めてしまい、うまく力を発揮することが出来ません。
恥ずかしいとかいう気持ちが先に立って、声を出すことが出来ないので、試合でちゃんと声を出すことを意識してやってみることが大切です。
その能力を身につけるための基礎的な訓練として、カウントをきちんと(恥ずかしがらずに)コールすることです。
不思議なことに、うまく声を発することが出来ない選手は、カウントでのトラブルも多く、それが大きなストレスになる場合も少なくありません。
そうならないためにも、カウントをコールするようにしてください。
うまく感情をコントロールできるとともに、ポイントを明確に意識することで、その場面でどうしなければならないのかということがイメージしやすくなるはずです。
子どもたちはよく「メンタルが弱い」と言います。
弱ければ訓練しなければならないはずですが、具体的にどう訓練するのかわからないのです。
訓練は試合でする方が効果は高いと思います。
うまく身体表現をして、正々堂々とクレームをつけ、はっきりと声を出して戦うことで心は徐々に強くなります。
この大会は、とても良い訓練の「場」です。
自分の弱さを自覚しつつ、訓練を通して強くなってほしいと思います。
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2008年09月09日
勝負を投げるな・・・「本気」の戦い(1418)
今日から大会が始まりました。
ドロー表も出来上がり、対戦相手が決まると気持ちも引き締まって良い緊張感が生まれます。
それが「力」を引き出す「原動力」になることを期待して試合に臨みました。
ファーストマッチに組まれたのは慶太郎と和典でした。
慶太郎は、辛抱強くラリーをつなげて、スピードボールで攻撃するパターンが功を奏して、ファストセット4-3まではリードを奪いましたが、相手のショットが決まり始めて展開が崩れると集中力を欠いたようなプレーを繰り返して、その後は1ゲームも奪えずに敗れました。
試合後の感想で、「後半は集中力が切れて・・・」という発言にはがっかりさせられました。
「集中力が切れる」ということは、「試合を投げる」、「あきらめる」と同じことです。
自分の思い通りのプレーが出来ないときにこそ集中力を発揮することが大切なのに、そこで切らしてしまう集中力では戦
うことは難しいと思います。
昨日のミーティングで、どんなポイントでも同じような雰囲気を持って戦うことを課題として試合に臨むように話をしたのに、それを最後まで実行しようとする意志が弱いことを残念に思います。
「集中力を切らさないこと」、それは、すなわち「勝負を絶対に投げ出さないこと」、そういうことだと強く自覚してこれからの試合を戦ってほしいと思います。
和典は、身長が185cmぐらいある大型のシード選手に対して果敢に挑み、ファーストセットでは終始リードを奪う展開でしたが、肝心なポイントでビッグサービスを決められたり、強いボールで攻められてポイントを落とし、6-7、3-6で惜敗しました。
ラリーの威力、精度ともに向上しているので、それが戦術面に活かせるようになることと、フォアハンドストロークのウイナーがしっかり決まるようになればと思います。
大斗は、強いストロークで押す場面もありましたが、攻撃の範囲が狭く、相手に簡単に切り返されてリズムをつかめず、2-6、3-6で敗退しました。
配球を考えてプレーすることと、切り返しの能力を上げることが大切だと思います。
将司は、インドネシアの選手と対戦し、序盤は無理なショットで自滅してポイント与え、苦しい展開でしたが、ショットの威力に差があったので、徐々に落ちついて攻撃を組み立て、6-3、6-1で快勝です。
一本のショットに頼るのではなく、展開を考えて攻撃することが出来ればもっとレベルの高い戦いができると思います。
まだまだ力が足りないと感じることはありますが、まずは韓国遠征の本戦初勝利を称え、明日からの戦いでさらに成長することを期待したいと思います。
女子の選手は残念ながら今年も全員初戦負けとなりました。
ゆり子の試合は、コートが離れていて見ることは出来ません
でしたが、自分なりには最後まで集中して出来たそうです。
スコアは、4-6、2-6ですが、自分なりの手応えも感じているそうで、明日からのコンソレーションでどんなプレーをするのか確かめたいと思います。
彩美は、台湾の選手との対戦でした。
大変しっかりとしたストロークをする選手で、なかなか崩すことが出来ずに、1-6、1-6で完敗です。
やはりストロークの精度が問題です。
高いレベルでの打ち合いの中で、狙った所にきちんと打つことが出来れば自分有利に展開できるのですが、高いレベルでのストロークを想定して練習していないと実戦することはできません。
そのような状況をイメージできる力、「想像力」がこれからの成長には必要です。
志歩は、十分勝つことが出来る選手に対して、ダブルフォールトを繰り返し、強く攻めることが出来ず、相手の単調なロブの切り返しにミスを繰り返してリードを奪えず、6-7(5)、4-6で敗れました。
彼女は「本気」で強くなりたいと言います。
この試合でも彼女なりに、強い気持ちを持って臨んだようですが、まだまだ気持ちの強さをプレーで表現できているとは言えません。
彼女もそれはわかってるはずです。
今のままでは勝てないことを・・・。
そうであるならば、何かを変えなくてはなりません。
それは「表現力」です。
自分の思うように、スマートに攻めて勝ちきることが出来るのであれば申し分ありませんが、成果が出ていない現状ではもっと強く「自己表現」することが必要です。
彼女には少し厳しすぎる言葉を投げかけてしまいました。
「本気」で強くなりたいと思うのであれば、きっと私の言葉は理解できるはずです。
理解し、ひたむきに何かを変えようとする姿から強さが生まれてくることを期待します。
南奈は第1シードの韓国選手との対戦でした。
厳しい戦いになると予想していましたが、案の定第1セットは、相手の丁寧にコーナーを攻めるストロークを切り返すことが出来ず、0-6で落としました。
しかし、セカンドセットに入ると、少しペースを落としたスピンボールでボールを拾って相手のミスを誘い、必死に食い下がります。
3-4から5-4と逆転し、セットポイントを握りましたが巻き返され、5-6の苦しいゲームを奪ってタイブレークに持ち込みました。
タイブレークでも2-5の瀬戸際で粘り強いストロークで応戦し、5ポイントを連続でとってこのセットを奪いました。
試合中の態度や振る舞いも今までの弱々しさが影を潜め、強さをうまく表現して戦うことが出来ているように感じました。
ファイナルセットは、疲れからか足が止まり、切り返しの精度が落ちたところを付け込まれて、1ゲームも奪えずに敗れました。
敗れはしましたが、こういう戦いを続けていくことが出来れば、いずれ強さを身につけていくことが出来ると予感させるもので、少したくましさも感じました。
明日からの戦いが楽しみです。
遠征では子どもたちに求めるものは大きいです。
それがプレッシャーとなってしまうかもしれないので、言葉にすることをためらう気持ちもありますが、子どもたちの「本気」を確かめるためには、こちらも「本気」で当たっていかなければならないと思います。
明日も本戦だけではなく、コンソレーションとダブルスもあります。
子どもたちの「本気」を見たいと思います。
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2008年09月08日
ミスの許されるスポーツ(1417)
今日は午前中3時間、午後3時間しっかりと練習しました。
明日から試合ということもあり、それなりに緊張感を持って練習できていたように思います。
特に男子は昨日から合流したナショナルチームとダブルスのマッチ練習をしていただいたこともあり、気持ちも高まって良いプレーが出来ているように感じました。
その試合を見ながらナショナルチームコーチの櫻井さんといろいろなことを話しました。
櫻井さんとは、私が初めて海外遠征を行った時にお世話になって以来、何度となく顔を合わせる機会もあって、親密に話をするようになりました。
彼が面白い話しをしていました。
新体操は、2分30秒の演技時間があるそうです。
その演技時間の終了直前まで完璧に演技できていたとしても、最後にミスをすると大きく減点されて順位に大きく影響します。
だから絶対にミスをしないように、何度も何度も同じ演技を、それこそ気の遠くなるくらい練習します。
採点競技ならではの大きな緊張感ですね。
シンクロナイズドスイミングも同じような緊張感を感じて演技しているのでしょう。
彼女たちの笑顔を作りながらも必死の泳ぎや演技を見ていると、その緊張感が伝わってきて、それが大きな感動を生みます。
それに比べると、テニスは「ミスが許される」スポーツです。
採点競技ではないので、ミスをしてもそれを取り戻す機会は何度もあります。
相手も同じようにミスをします。
そう考えれば、ミスをしてもそれに大きく心とらわれる必要はまったくないわけです。
しかし、多くの子どもは、特に日本人は、ミスをすると大きく気持ちが落ち込んで、次のポイントに影響するばかりか、トライをしなくなってしまうことが多いということです。
欧米の選手は、ミスをしてもそれにめげることなく何度もチャレンジをします。
それを繰り返しているうちに、だんだんとミスをしないようになって技術レベルが向上してきます。
まさに「試合で強くなる」とはこういうことです。
そのためには、テニスは「ミスが許されるスポーツ」であるという認識を強く持つ必要があります。
ミスをした時は誰でも落胆しますが、それをどう切り替えるのか、それはミスをどうとらえるのかにかかっています。
そうしたことを1ポイントごとにきっちりと意識して行っていけば、大きな緊張感に襲われることなく、高い集中力を維持し続けることが出来るはずです。
そういう選手が「強い」ということであると、子どもたちに説明しました。
そして、この時期にそういう「強さ」を身につけた者だけが強くなっていきます。
その「可能性」を今日から始まる試合で感じたいと思います。
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2008年09月07日
感謝の気持ち(1416)
韓国遠征初日は、午前中2時間半ほど練習し、午後から観光に出かけました。
この大会は、ホテルの予約から空港の送り迎え、観光の手配まで大変サポートの手厚い大会です。
毎年のように参加しているので、大会関係者の方もいろいろと気を配っていただけるので気持ちよく参加できる大会のひとつです。
しかし、そうした中でひとつ残念なことがありました。
自分の気に入らない観光地に来たときに参加しなかったことです。
大会側は、参加してくれた子どもたちができるだけ大会を楽しむことが出来るように色々と考え、面倒な手続きや手配をしてくれたはずです。
その気持ちや心使いを理解していないと思われる言動にはとても残念な気持ちになります。
招いた客人に対して、自分なりに誠意を示し、精一杯のおもてなしをしたことに対して、あからさまに不機嫌な表情をされたり、不満を口にされたりしたらどんな気持ちになるでしょうか。
そのように相手の気持ちを理解しようとしない、できない選手をこれからサポートしようという気持ちになるのかどうかを良く考えてほしいと思います。
この遠征は単に大会に参加するだけではありません。
遠征を通して、選手として、人間として成長するために必要なことを学ぶ「場」にしていきたいと考えています。
もっとも大切なことは「感謝の気持ち」を持つことです。
遠征に限らず、テニスに限らず、スポーツを続けることは一人で出来るものではありません。
親やコーチをはじめとして、多くの人のサポートで出来ているということを強く自覚してほしいと思います。
そうした自覚を持って、常に感謝の気持ちを持って行動することで自然とサポートの輪は広がり、自分にとってより良い環境が出来てきます。
それは強くなるためには絶対に必要なことです。
この遠征に参加した選手にはそこまでの自覚はないのかもしれませんが、それを教えていかなくてはなりません。
面度な仕事ですが、こうした機会を与えてもらったと感謝して、子どもたちのために厳しい姿勢で指導していこうと思います。
今から行うミーティングでそのことを話し、明日から何かしら行動が変わることを期待します。
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2008年09月06日
エネルギーを奪う思考をするな!(1415)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -169-
成長ための「エネルギー」を作り出す「スランプ」ではあるが、その「エネルギー」を奪ってしまう考え方がある。
この考え方に強く意識を支配されてしまうと、「エネルギー」が高まっていかない。
「エネルギー」を奪ってしまう考え方、それは、「どうせ思考」と「べき思考」である。
伊藤順康(「自己変革の心理学」講談社現代新書)は、
どうせ、という思考は、未来に向けて積極的に事態を打開しようとする意欲を放棄してしまうのである。
つまり、未来に向かっての努力を放棄し、自分で自分の可能性を断ち切ってしまうことになるわけである。
と言っている。
また、
絶望的な不幸感の背後には、ねばならないとかあるべきであるといった『べき思考』が存在しているのである。
とも言っている。
「どうせ、自分にはできるはずはない」
「どうせ、私なんかあの子に勝てるはずはない」
「私は絶対に勝たなくてはならない」
「チャンピオンでなければ意味はない」・・・・
こんな考え方は自滅や不幸に導く不適切な考え方である。
エネルギーは奪われて先へは進めない。
私は、
「不適切な思考に基づく不適切な自己評価をしない」
「仮想は仮に想うことであり、未来にそれが手に入らないことを恐れたりしない」
「過去のことを想い、後悔しない」
ということを話した。
そして、「そんな考え方が持てるようになればいいね」とにっこり笑って見せた。
そんなアプローチが良いと思っている。
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2008年09月05日
「対等」であるという意識(1414)
今日から韓国遠征です。
昨年の韓国遠征は、北朝鮮まで40kmという軍事境界域で開催された大会だったので、試合中に戦車が公道を走ったり、銃を持った兵士が門番をしていたり、日本にいてはなかなか目にすることのできない光景にちょっと興奮したりしました。
今回の遠征は全く違う場所で行われるので、また違う驚きや感動があることを期待しています。
海外への遠征は、それを引率することは大きな責任があって大変疲れるものですが、異国の文化に触れることができるのが一番の楽しみです。
日本からほんの少ししか離れていなくても、話す言葉も違えば、交通のルールも違い、食べるものも大きな違いがあるのは何とも不思議ですね。
同じ黄色人種でも、顔つきや体格、持っている雰囲気は異なります。
よく、日本人は外国の選手と戦う時に緊張したり、萎縮したりする、ということが言われますが、日常的に外国に触れる機会がなければそれもしかたないと思います。
そういう点で言えば、錦織圭選手は、今やそういう感覚は全くなく、外人であれ、トップ選手であれ、同じテニス選手として「対等」に戦っています。
もちろん、彼であっても始めは多くの日本人と同じように外国人に対してのプレッシャーなどもあったと思いますが、早くに海外に出て戦うことを経験してきたことで、それが当たり前の感覚として培われてきました。
目指すのは「それ」です。
相手が外国人であれ、誰であれ、テニスコートで戦うことにおいては「対等」であるという感覚、この「意識」を高めることが大切です。
この感覚が高ければ、相手の過去の実績や名前に負けることなく、「堂々と戦う」ことができるのではないでしょうか。
そう簡単に行かないことは知っています。
だから、できるだけ早い時期に海外での試合を経験させたいと考えています。
「それ」を経験することですぐに強くなることを期待するのではなく、どんな場所においても、どんな状況においても、自分の力を出し切って「戦う」ことができる「きっかけ」をつくることです。
強くなる選手は、ほんの少しの「きっかけ」で「感覚」を磨いていきます。
今回の遠征で多くの子どもたちが、その「感覚」を高めてくれることを期待します。
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2008年09月04日
不安の力(1413)
明日からポッカジュニアテニスチームの韓国遠征が始まります。
今回は8名という大人数での参加なので、そのサポートも大変そうで、出発前はいつも以上に気が急いているように感じています。
何度も海外の遠征を経験しているので、そんなに緊張したり不安になったりはしないと思われがちですが、出発前はいつでも不安な気持ちになります。
前にそんなことを桜田倶楽部の飯田さんにお話ししたら、
「不安がないなんてことはありません。だからその不安が少しでも小さくなるように準備をします。」
と言っていただきました。
そうなんですね、ここでもやはり「不安の力」というのがあります。
大切なのは、その「不安」に押しつぶされることなく、前に進もうとする「意志」を持ち続けることです。
私が留守をすればクラブのサポートは手薄になるかもしれません。
何か事故が起きれば私の責任は大きいと思います。
それでも、子どもたちが遠征を経験する中で何か感じるものがあるだろうという「思い」と、それが成長につながるという「信念」に基づいて行動します。
今、荷物の整理をしながら、どんな遠征になるかを想像しています。
この遠征が大きな「きっかけ」になれば良いと思います。
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2008年09月03日
続けるということ(1412)
ホームページのアクセスが知らない間に40万を超えました。
2003年の7月から始めたので、丸4年が過ぎ、5年目を迎えたところです。
もともとは私のやっていることなどについて、なかなか話をする機会もないので、そうしたことを伝えていくことができるようにと作ったものです。
それでも「思い」を伝えていくことは難しいものです。
そう感じると、何ごとも「続けていくこと」は難しくなります。
「続けること」の困難さは、やっていることに意味が見いだせなくなったり、そのことで感動が薄れていくことだと思います。
そう思うので、ホームページも何度かリニューアルしました。
現在のページは、昨年末から正月にかけてリニューアルしたものです。
ヤングスターカップの運営をや事務処理をしながら寝る間を惜しんで作っていましたが、作っている時は夢中になっていて疲れをあまり感じませんでした。
「新しものを作る」という意欲が高まっていたからですね。
何かうまくいかない時には、意欲も高まらず、行動する気力もなくなってしまいますが、またそこから「新しいものを作っていこう」と無理やりにでも思い、何か行動を起こすことです。
リニューアル、つまりは「変化」を自ら求めていく姿勢を保つことができるかどうかということですね。
以前、「変化」ということについてこう書きました。
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いつも自分が安住していられる場所に居続けることで、「強さ」は確実に失われる。
「変化を求める」ことで、自分の「強さを維持」できることを覚えておいてほしい。
「変化」は安定した強さを維持するにはもっとも大切な考え方である。
選手として成長する例ではないが、変化することで強さを維持する例を挙げて話をしよう。
私は仕事柄いろいろなクラブを観てまわることも多い。
強い選手を輩出するクラブにはいろいろな秘訣はあるだろうが、そのひとつに「システムに固執しないこと」が挙げられる。
よく、「このシステムは完璧です。このシステムに沿って取り組めば強い選手になりますよ」と宣伝するクラブがあるが、「あほか!」と思う。
人間を育成するシステムに完璧はない。
完璧があるとしたら、その人間の育成にとって完璧なのであって、他の人にとっては迷惑極まりないシステムかもしれない(星飛雄馬を成功とするならば、星一徹の徹底したスパルタ指導は完璧といってもよいかもしれないが、あなたは好んで養成ギブスを付けられないでしょ?)。
このような考え方に陥るのは、人間を育成するという考え方に立っていないのである。
人間は刻一刻と変化しており、いかにそれに対応すべく智恵を絞るのかが、人間を扱う上での基本である。
ごくあたりまえの考え方なのだが、指導する側からのエゴを推し進めると、ひとつのシステムさえ作れば良いという考え方に固執してしまうのである。
私は「人間を育成する」という考え方に立って指導のカリキュラムを作っている(作ろうと努力している)。
だから、そのときにそのときの状況にあわせて(子どもを指導していると、身体的にも精神的にも大きな成長をするので、その変化は大変に大きい)、どの方法がよいだろうかと智恵を絞って考える。
考えに考えて、「よしこれでいこう!」と納得できるアイディアが浮かべば、それをできるだけ速やかに実行するようにしている。
今までとはまったく違うシステムになることもある。
システムを変更することは大変な労力を必要とするので、正直面倒くさいと思うことも多い(反感をかうことさえある)が、私のクラブが順調に成長してきたのは、「変化」を望んで受け入れたからだと思っている。
そういえば、星一徹も飛雄馬の成長(変化)に合わせて、養成ギブスの強度を上げていたように記憶している。
きっと飛雄馬の筋肉のつき方などをよく観察し、絶妙のタイミングを探っていたのだろう。
養成ギブスをつけながらの食事などが楽にできるようになった頃を見計らって強度が上げられるので、飛雄馬は「ええっ!どうして!」と驚きを隠せないようであった(そのときの表情はまさに「どん底」に突き落とされたかのような絶妙の描写であり、姉の明子の戸惑った泣き顔もなんともいえないくらい素晴らしいのだ)。
ん~、やはり、星一徹はすごい指導者だ。
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「続ける」ということは、それが続くように「変化し続ける」ということです。
変わることで何か新しい感動が生まれれば良いと思います。
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2008年09月02日
マイナスの感情を転化する(1411)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -168-
このことは、「マイナスの感情がよくないということではなく、それをどう活かしていけば良いのかという考え方をもつことが重要である」ことを教えてくれる。
ここでは、「スランプ」についてまわる「不安」について考えてみよう。
試合前に「不安」になったことがないという人はいないだろう。
なんとも不思議なものである。
好きで始めたテニスで、自分の力がもっとも発揮される最高の晴れの舞台である試合を前に「不安」になる。
なぜか考えてみた人も多いだろう。
五木寛之(「不安の力」集英社)は、
不安とは、電車を動かすモーターに流れる電力のようなものだと、いつからかそう思うようになってきたのです。
不安は生命の母だと感じる。
それは、いいとか、わるいとか、取りのぞきたいというようなものではない。
不安は、いつもそこにあるのです。
人は不安とともに生まれ、不安を友として生きていく。
不安を追いだすことはできない。
不安は決してなくならない。
しかし、不安を敵とみなすか、それをあるがままに友として受け入れるかには、大きなちがいがあるはずです。
自分の顔に眉があり、鼻があり、口があるように、人には不安というものがある。
不安を排除しようと思えば思うほど、不安は大きくなってくるはずです。
不安のない人生などというものはありません。
人は一生、不安とともに生きていくのです。
そのことに納得がいくようになってきてから、ぼくはずいぶん生きかたが変わったような気がしています。
と言っている。
我々は、「不安」は、嫌なもの、あってはならないもの、自分の力を妨げるものとして、それをいかにして排除すべきかについてのみ考えすぎてはいないだろうか。
「不安が本当の自分に直面させる」という側面を忘れて、ただ取り除こうとすれば、「不安」大きく抵抗し、あなたの中でさらに力を増すかもしれない。
確かに、
「不安というのは緩慢に人の心を萎えさせていく働きを持つ」
けれども、
「不安は人間を支えていく大事な力である」(五木寛之(同))、
そんなふうに考えていくべきだと思う。
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2008年09月01日
マイナスの心理を生かす(1410)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -167-
本当に強い人、本当の強さを手に入れた人は、屈強な精神力の持ち主であると思われるかもしれないが、実際はそうではない。
恐れや不安などの感情など一切持たず、自らの目標達成のためにひたすら前進する人(ターミネーターみたいな人かな?)などいやしない。
嶋田出雲(同)は、
大冒険家、大登山家、大監督、大選手、勝負師は、一般に、「貪欲」「欲張り」でより高い所へ昇りたい、また何でも吸収したいと望む。
一方、彼らは「小心」「心配症」「臆病」で「完璧主義者」で、それをバネにして頑張っている。
というのは、彼らは、勝負の怖さを知っており、責任転嫁は許されない。
また、言い訳の通じない結果責任(accountability)の世界であることを自覚している。
そのため、人一倍の「不安感」「恐怖心」「不足感」を持ち、また、失敗した時の痛みを忘れない。
この場面の時はこうした、あの時はこうであった、いろいろな場面、状況を明確に、しっかり記憶している。
つまり、彼らは「恐い場面」を体験しているから失敗を恐れる。
この痛みを憶えていると憶えていないでは大きな違いである。
そのため、大監督、大選手は不安と期待が交錯する中で、成功あるいは勝利を得るために、人一倍の努力と多くを準備する。
また人は恐い場面と遭遇して、頑張る意欲、勇気が湧き、自分が自信、確信が得られるまで徹底する。
つまり、これは安全性確保のための集中力を得るためである。
つまり、トップ・プレーヤーの多くは、この自覚があってはじめて練習に打ち込める。
と言っている。
自信を持って取り組んでいる心理の裏には、不安や恐怖などのマイナスの感情をうまく活かしているということである。
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