2008年09月15日
勝負弱い日本人(1424)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -171-
今年もATF韓国大会に参戦した。
この戦いの中での印象は、やはり日本人は「勝負弱い」ということだ。
技術のレベルに大きな違いがあるとは思えない。
しかし、勝負に対する「執着心」と「気迫」が違うと感じる。
そして、「それ」が勝敗を決めるというのが現実だ。
今まで何度かそのような経験を通じて、メンタル(この場合「根性」という言葉が最も的確な表現かもしれない)の重要性を説き、トレーニングを積んできたつもりであるが、「壁」はまだ打ち破れない。
日本人は「ファイトするこころ」を失ってしまったのか、と悲観するときもある。
もちろん、同じ日本人でありながら素晴らしいファイトを示す選手もいる。
ただ、多くの日本人選手がファイトできないで敗れ去っていくのは事実だ。
この点を改善する最適な方法は何か?
コーチはいつもその答えを探していくものなのかもしれない。
日本の選手は大変よく練習する。
朝早くから夜間の練習まで、私たちが練習に行くと、日本のチームの誰かは必ず練習している。
外国のコーチにも、
「どうして日本人はそんなに練習するんだ?」
と聞かれることもある。
こう書くと、
「海外に試合に行ってまで練習しすぎるからいけないのだ!」
と批判される方もおられるかもしれないが、私が見る限り、身体的な疲労が蓄積して、コンディションを崩し、本番で息切れするほどの練習をしているというわけではない。
ごく当たり前のこととして練習をしている。
もちろん外国の選手も練習するが、練習時間は日本の選手のほうが多い。
でも、試合になるとその力を十分に発揮できないのは、何かその取り組み方に問題があるのかもしれない、と考えさせられる。
他のコーチと試合を観ながら話をしたが、
「最近の子供たちは、テニスはとてもうまいが強い選手は少ない」
というのは共通の認識のようだ。
では、なぜ「勝負弱い」とか「闘争心がない」と感じてしまうのだろう。
それは「構え」に大きな問題がある、と考えている。
勝負事においては、「構え」は大変重要である。
時代劇で剣豪同士がじっとにらみ合ったまま対峙し、しばらくの時が流れた後、相手の気迫ある、スキのない「構え」に動揺した方が「まいった」と言って刀を置くシーンがあるが、これが「構え」の「極意」である。
武道では「構えで押す」などと言うこともあるが、ぎりぎりの戦いの場では、「そこ」から戦いが始まっており、さらにいえば「そこ」で勝敗が決まってしまうこともあるということだ。
日本人は本来、「構え」に関しては伝統的な「優美さ」や「強さ」を持っていた。
相撲の仕切りなどにその伝統は残っているものの、多くの場面ではそれが衰退してしまったと感じられる。
ここでいう「構え」とは単にレシーブの時などの「構え」についてのことだけではない。
強さを感じさせる「姿勢」や「行動」など、「気構え」も含め、相手と戦う時の自分の状態を高めることができる「構え」について話をしていこうと思っている。
読み終えてコートに立った時、相手が「うむむ!こやつ、できるな」と思わせることができるような「構え」を身につけて強くなってほしい。
人気blogランキング参加中。読み終わったらクリックお願いします!!