2008年09月28日
かかとはあげて構えたほうが良いか?(1437)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -177-
よく「かかとをあげて構えるように」と指導される場合がある。
私もテニスを習いはじめのころ、かかとをあげないで構えていて、先輩から「なんてだらしない構えだ!」とお叱りを受けた記憶がある。
また、トレーニング法としてもかかとをあげて歩くことが良いといわれ、そのための特別な靴も市販されているので、何となく「かかとをあげて構える」ことが良い「構え」であるように感じているものだ。
個人的な話ではあるが、漫画のドカベンで山田太郎が電車の中でかかとをつけないトレーニングをしているのを読んで、少しの間試したことがある。
結構きついトレーニングであったような気がする。
このように、トレーニングや健康を維持するためにかかとをあげて歩くことや動くことは効果があるといわれている。
しかし、かかとをあげて「構える」ことがすばやい動きにつながるかどうかは確かではない。
そこで、いくつかの文献を整理してみると、陸上のように直線的に動く運動についてはそれほど問題ではないが、テニスのように相手の打球に応じて、前後左右に瞬間的に動かなければならないスポーツでは「かかとをあげて構える」ことはどうもあまり良くないようだ。
かかとをあげてつま先立ちでいると、反応時間が遅れるという実験結果がある。
この理由については考察が深くまで進んでいないが、つま先立ちという不安定な状態では身体の安定を図るために、姿勢保持のプログラムが大きく働くために次の瞬時の動きに対して反応が遅れるのではないかといわれている。
つまり、不安定な状態で「構える」ことは姿勢保持のために脳が積極的に使われ、次の動作変化への切り替えが遅くなるということだ。
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