2008年06月30日
バックで攻める!(1348)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -142-
私達の時代はバックハンドが弱点だった。
勝とうと思ったら「とりあえずバックに打っとけ」が当たり前の作戦だった。
しかし、今やバックハンドは弱点どころか大きな武器となっている。
その武器を持って世界で戦っている選手も多いが、苦手とするショットであることも多い。
ここでは、その苦手を克服して、バックハンドを更なる武器として磨く方法を伝授しよう。
●高い打点で打つ
苦労してラリーをつなげ、相手の攻撃を凌いでやっと来たチャンスボール、高い打点からバシッと決めて試合に勝ちたい。
誰もがそう思うが、高い打点から打ち込むことはそれほど容易なことではない。
ましてや両手打ちバックは片手のフォアに比べればスイングも小さくなり、高い打点で打ち込むことはより以上に難しくなる。
しかし、チャンスボールを打ち込むことができなくては強くなることはできない。
ここではそのための方法を解説する。
高い打点でボールが打てない人は、高いところに腕を上げられない。
ラケットを普通に持ち、いつも通りのテイクバックの形から肩より上に腕を上げようとしたとき、肩が緊張して腕に不自然な力が入っているようなら、高いバウンドのボールも打ちにくいはずだ。
肩より上に腕を上げようとするとき、肩周りの筋肉を緊張させず、腰あたりのインパクトの形と同じ腕の感覚で上げるようにすると、ラケットは「オープンフェース」になる。
これが楽に腕を上げられる形だ。
そのかわり、オープンフェースに構えてから、高い打点からフラット気味の打球を打ち込むには、打点は腰の高さでとらえるときよりも前になる。
軸は崩さずに、その軸を斜め前に傾けるようなフォームになる。こうすることで腕を使いすぎることなくスムースに高い打点でスイングすることができる。
トッププロでも小柄な選手には必須のテクニックで、マルセロ・リオスなどがこのテクニックを使って高い打点で鋭いバックハンドを打っていた。
これをマスターすれば、高いバウンドのボールもうまく処理できるはずだ。きっと強くなる。
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2008年06月29日
視線をコントロールする(1347)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -141-
姿勢が悪かったり、軸が作れていないことがミスの原因のひとつであることはすでに説明した。
姿勢がうまくコントロールできないのはボールを打とうとするときに顔が大きく動いてしまうからだ。
頚を左右に傾けると、傾けた方の腕は伸び、反対側の腕は縮もうとする。これを「頚反射」というが、頸の傾きによって動きは制限されることを示している。
よくジュニアの選手などで打球する際に頸を大きく傾けて打つのを見ることがあるが、そのことによってスイング中の重心動揺が大きくなったり、自分の感覚とは違った動きをしているにもかかわらず、それをフィードバック情報として的確に受け取ることができないために傍から見るとぎこちないスイングになっていたりすることは多い。
できるだけ腰から頭の先まではまっすぐにした方がバランスの良いスイングができるはずだ。
そのためには先に述べたように背中の筋肉を意識してスイングすることの他に、きちんと「前を見る」ということが大切だ。
まっすぐに「前を見る」ように意識すれば頸の傾きは小さくなり、感覚のずれも少なく、姿勢の崩れも小さくなる。
「ボールをよく見る」ことはより良いスイングをするためにとても重要なことだ。
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2008年06月28日
背中の筋肉を使って打つ(1346)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -140-
手を使って打とうとすると、インパクトでラケット面をうまくコントロールすることができずミスが生じることはわかっていただけただろうか。
では、安定した強いスイングを生み出すにはどこの筋肉を使えば良いのかというと、それは「背中」の筋肉だ。
背中の筋肉で腕(上腕)を引き寄せ、背中と腰の筋肉を使って胴体のスムースな回転動作を引き出すことができれば、必要以上に腕を使わないシンプルなスイングになる。
また、背中が丸くなったり、身体が過度に前傾すると、軸が保てず、大きなスイングもできないため小手先で打つスイングになってしまうが、背中の筋肉を意識して使うことで姿勢の崩れを防ぎ、自然と軸を保った姿勢を作ることができる。
このようなスイング感覚を手に入れることができれば楽に大きなスイングをすることができ、鋭い打球を打てるようになるばかりか、スイングバランスが良くなるので素早いコートリカバリーにもつながっていく。
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2008年06月27日
不動心(1345)
今日も一日、錦織一家と観光に出かけてきました。
あまりテニスのことについて話をすることもなく、とてもリラックスした時間を過ごせたと思います。
圭選手は厳しい世界で戦っています。
たまにはこうした時間が必要ですね。
でも私はそんな圭選手の姿を見ながら、「強くなるにはそうしたら良いのだろう?」とつい考えてしまいます。
職業病ですかね?
いろいろなことを考えますが、やはり「メンタリティ」に答えは行き着きます。
沢庵が柳生宗炬に送った書簡に「不動智神妙録」というものがあるそうです。
「不動智とは、不動明王の知恵を指し、不動明王といっても、実は一心の動かぬところをさしたもの、身がぐらつかないことです。ぐらつかないとは、心が物事に止まらぬことです。」
と書いています。
この「一心の動かぬところ」とは「動かない心」を意味するのではなく、「一ヶ所にとどまらない心」を指します。
勝ち負けなどの思いに囚われることなく、自在な心を全体へと拡散させよ、と説いているのです。
これがいわゆる「無心」と呼ばれているもので、無心状態になるためには、大脳の働きを抑えて「無分別」にならなければならないということです。
(「メンタル・コーチング」織田淳太郎著、光文社新書より抜粋)
このような「メンタリティ」を持っているものが、厳しい世界においても自分を見失わず、自分のすべきことにきちんと焦点を当てることができると思います。
「それ」が「強さ」につながっていくのかな、と考えています。
「それ」を身につけるというのは難しいことですが、「不動心」を持って指導していかなくてはならないと思います。
今回のウィンブルドンでは、錦織御夫妻、ならびに圭選手に大変お世話になり、充実した時間を過ごすことができました。
今まで以上に考える時間を持ち、大きな経験となりました。
これからの圭選手の活躍を願うとともに、多くの子どもたちが夢を持ってテニスに取り組むことができるように精一杯の努力をして行こうと思います。
圭、がんばれ!心から応援しています。
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2008年06月26日
「プロ」という仕事(1344)
今日の午前中に圭選手の腰の状態をチェックして、その後でロンドン観光に出かけました。
3年振りのロンドンですが、記憶が薄れきた上に色々と変化もあって新鮮な気持ちで楽しむことができました。
今回のウィンブルドンでは、圭選手のご両親と食事をする機会が何回かありましたが、その中で「プロ」ということについて話がありました。
そして「プロ」という仕事を選ぶ以上は、それ以外のことに「ぶれてはならない」、ということで意見が一致しています。
リスクを減らすとか、他の選択の余地を残す、ということは一般的には必要なことかもしれませんが、そういう「感覚」を持つことはすでに「プロ」ではありません。
「それ」を職業とすることの誇りを持って、ただひたむきに進むべきが「プロ」です。
苦しいことも多いかもしれません。
迷うこともあるでしょう。
それでも「その道」しかない、という「覚悟」、そのものが「プロ」であるということです。
「プロ」ということについて、
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私が考えるプロフェッショナルとは、今自分ができることに対して隙を作らずに対応できる人で、自分のすべきことに365日、24時間打ち込むことができる人だと思います。
自分のやっていることに自信がなくなったり、意味を見いだせなくなることもあるかもしれません。
プロフェッショナルというのは、まったくそういう迷いがないというのではなく、そういう状態になっても(自分の意志の力で)取り組みを決してあきらめずにやり続ける人のことです。
求める気持ちや欲望に捉われずに「ただ取り組み続ける強さ」を持った人だと言っても良いかもしれません。
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と書きました。
そうした「生き様」をすごいと感じることが出来るので、多くの人が感動するのです。
その険しさ、苦しさを知りながら、「そこ」に挑む人生、そんな人生は巣晴らしと思います。
私も「プロ」としての生き様を出来る範囲で実践していきたいと思います。
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2008年06月25日
魅了するプレー(1343)
今回のウィンブルドンでは日本人応援団の多さに驚きました。
その多くは圭選手の応援のためではないかと思いますが、彼がそれだけの注目を浴びているというこを本当に不思議に思います。
私たちの前で国語の宿題をやり、寝ぐせのついた頭でぼおっとしている姿からはなかなか想像しがたいものがありますね。
しかし、彼のプレーを見ると、多くの人を「魅了」するものを持っていると感じます。
ひたむきなプレーと高い集中力、「ここ」で戦うものを持って全力でプレーする姿に人は惹きつけられるのだと思います。
強い選手とは、単に結果として勝つ、ということだけではなく、プレーが魅力的である必要があると思います。
私の写真の師匠(勝手にそうしています)の真野さんに会場でお会いしましたが、彼が以前、「フェデラーのプレーは美しい。どの瞬間を切り取っても絵になる。」と言っていたことを思い出します。
圭選手のプレーも「そこ」に近づくように進化する予感があります。
これからの進化を見届けていこうと思います。
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2008年06月24日
「この世界」で戦う(1342)
錦織圭選手のグランドスラム本戦のファーストチャレンジは、6-4、5-7、Retという結果の終わりました。
痛めていた腹筋の痛みがひどくなり、棄権で終わることを何よりも本人が一番悔しく思っていることでしょう。
しかしながら、前週大会の準優勝で世界ランク60位の選手に対して対等以上の戦いを見せた圭選手には大きな可能性を感じます。
私が想像していた以上の成長を遂げた圭選手をなんとも不思議な気持ちで見ていました。
「何が彼を変えたのか?」、その疑問に対する答えは見つかりません。
たまたまNHK解説で来ていた谷澤コーチと話しをしていた時に、率直に質問してみました。
彼も突然に力を発揮し、史上最年少で全日本を圧勝した経験を持っているので、そのあたりの「感覚」のようなものがわかるかもしれないと思ったからです。
彼は、「この世界でもやれるかもしれない、という自信がついたということでしょう。」と言っていました。
「この世界」は、はじめ途方もなく遠いものだと感じています。
でも、「この世界」をちょっとだけ垣間見て、おそるおそる踏み込んでみて、自分の想像よりも現実味のする世界だと感じられた時、人はきっと自分の想像を超えた力を身につけるのかもしれません。
今まで誰も超えることが出来なかった記録をたった一人の選手が破ったとたんに、何人もの選手が記録を破っていくというのも同じ心理が働いているからです。
想像の世界、夢の世界を現実のものとして認識し、その世界で自分の可能性を信じることが出来る者だけが「この世界」で戦うことが出来る、そんなことを思わせる圭選手の戦いだったと思います。
これからの彼の可能性を信じて戦いを見届けていこうと思います。
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2008年06月23日
テニスの祭典(1341)
ウィンブルドン1日目は、大会前日の日曜日に錦織さんの計らいもあって無事に会場に入ることが出来ました。
まだ大会が始まっていないので、会場は設営の真っ最中です。
なかなかそんな雰囲気を見ることは出来ないので、色々と興味を持って徘徊していました。
しかし、選手は明日からの大会のために緊張感を持って練習を行っているように感じます。
錦織圭選手もちょっと腹筋を痛めてはいますが、先週の大会で十分に芝の感触にも慣れて、まずまずのコンディションに仕上がっているようです。
試合は6番コートで明日の3マッチ目に組まれました。
ここが「聖地」ウィンブルドンであってもまったく気にすることや意識する様子もなく、淡々としたプレー振りに活躍の期待はいやがおうにも高まります。
また、ちょっと診た腹筋の障害も特別ひどいことはなく、徐々に痛みも引いているので、全力でプレーすることが出来そうです。
もちろん連戦で疲労も溜まっているので過信は禁物ですが、何とか気合で勝ち進んでほしいと思います。
会場では、中村藍子選手、NHK解説の谷澤さんや長塚京子さん、竹内映二デ杯監督にもお会いして、世界のテニス関係者が集まる世界最高のテニスの祭典であることを強く意識させられます。
今年もこの会場に来ることが出来たことを心から感謝するとともに、錦織圭選手、中村藍子選手を初めとする日本人選手の活躍を大いに期待したいと思います。
明日は関係者分のチケットを手配していただいたので、朝から会場に足を運んで思いっきり楽しみます。
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2008年06月22日
悪いクセを矯正しよう!(1340)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -139-
悪いクセは、シンプルに矯正することができる。
そのポイントを解説していこう。
●胴体の回転動作で打つ
手を使わずに打つとすると、どのような動きでボールを打てば良いのかを考えてみよう。
筋力が弱く関節の自由度が大きな腕を大きく使ってスイングするとラケット面が崩れやすく、安定した打球にならないので、できるだけ手を使わずに胴体の回転運動でボールを打つことが基本となる。
ラケットと腕をひとつの「ユニット」として胴体の回転運動でスイングすることを「ユニットターン」などというが、胴体は腕ほど簡単に大きくは動かないので安定した動きを作り出すことができる。
「ユニットターン」では、動きの中心が胴体にあることから、腕がリラックスし、いつも同じ動き、誤差の少ない動きで打つことができるため、ミスが少なくなる。
また、胴体の回転運動で打つもうひとつのメリットは、インパクトの衝撃力に対して強いということである。
腕だけで打とうとして、インパクトの瞬間にグリップがその衝撃に負けてずれたりした経験はないだろうか。
相手からの強打を受けた場合、腕だけで打とうとすれば衝撃も強く、打ち負けてしまうが、「ユニットターン」を使い、胴体の回転運動で打てば腕の筋力はスイングすることには使われずに、インパクトのときにラケット面を把持することだけに使うことができるので、少々の強いボールに対しても打ち負けることはない。
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2008年06月21日
夢の舞台(1339)
今日からウィンブルドンに錦織圭選手の応援のために行ってきます。
4回目のウィンブルドンになりますが、その度毎に指導したことのある選手や知り合いの選手の試合を応援できる経験はとても大きな財産になっていますね。
彼が小学校5年生の時に私のクラブに練習に来てくれた時から、アメリカに渡って懸命に努力している時、プロ選手としてトップを目指している時と、その成長を見続けてきて、最高の舞台でその成長がどのくらいのレベルに達したのかを確認できることをとても嬉しく思います。
彼の特徴は何よりも高い集中力にあると思っています。
一球のボールを打つことに集中した時、スコアや勝ち負けに心奪われることなく、ただひたすらにボールを打つことにのみ心を預けることができる素晴らしい才能を持っています。
コートを離れればちょっとボケた感じの(?)普通の青年が、コートに入ってボールを打ち始めるとアスリートに変身する様は見ていて「凄さ」を感じます。
ウィンブルドンという最高の舞台では、すべての選手が相応の才能を持ってしのぎを削るので、ことは簡単には運びませんが、それを超える才能と運を彼が持っていることを疑いません。
その姿を真近で見ながら、その能力を確認し、多くの子供たちにうまく伝えることができる方法を考えてみたいと思います。
海外に出かける前は、小学校の遠足の前のようにわくわくするような気持になりますが、今回はいつも以上に興奮を抑えられません。
夢の舞台を思いっきり楽しんでこようと思います。
今年の初めから毎日欠かさず更新しているブログですが、通信の関係がどうなっているのかよく分からないので、ひょっとして途切れることがあるかもしれません。
毎日の出来事は欠かさず綴っていきますので、帰ってきてから後追い更新になるかもしれませんが楽しみにしていてください。
それでは行ってきます!
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2008年06月20日
前に進む(1338)
コーチとして嬉しいいのは、前を向いて歩き出そうともがいていて、なかなか前に進めなくて、挫折しそうになりながら、それでも「前に」進み始める姿を見る時です。
それが自分の手から離れていく時であっても、その後ろ姿を見ることができるのはうれしいですね。
逆に、思いが伝わらなくて、テニスに対していい加減な気持ちや中途半端な気持ちでいる選手に対して、自分の時間や力を割くことはとても苦痛に感じます。
それでも教えることをあきらめず、相手の思いを高める努力をしますが、何度も覆されると思いは小さくなっていきます。
この時がコーチとしてとても辛い時間ですね。
そうした「忍耐力」はとても大切です。
まだまだ力は足りません。
それが指導力に直接的につながることは理解していても、なかなかうまくコントロールできない苦しさを感じます。
選手も同じです。
「忍耐力」が何よりも大切です。
自分の気に入らないことがあると、すぐに人を批判する傾向が強い人がいます。
批判の言葉は大変に強く、スポーツ選手としての適性に欠けると思われる時も少なくありません。
「忍耐力」のない選手である証拠です。
もし批判をするのであれば、その批判は自分にも向けられること、それによって人間関係が大きく崩れることを覚悟の上で行わなければなりません。
それを知った上で、ぐっと我慢をして、自分にとって嫌なことも受け入れることができる選手は「前に」進むことができます。
「謙虚」に行動するように強く指導するのは、このような「忍耐力」が強くなるためにはどうしても必要だからです。
多くの子どもたちが「忍耐力」を身につけ、「前に」進む力を高めてほしいと思います。
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2008年06月19日
理想的な両手打ちバック(1337)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -138-
まずは両手を「ユニット」として動かすように心がけることから始めよう。
特に両腕の前腕とグリップで作る三角形をスイング中に崩さないように動かすことが大切である。
この三角形が大きく崩れる原因は、
・上腕が止まってしまって腕を楽に大きく振れないこと
・手首を極端に使いすぎること
にある場合が多いので、これらのことに注意を払ってスイング動作を繰り返し練習すれば「ユニット」動作を習得することができる。
●胴体や下半身の使い方が悪い
さて、スイングバランスが悪いのは何も腕の使い方だけではない。
胴体や下半身の使い方が悪くてミスを繰り返す場合も多い。
次にそのような問題点を探っていくことにしよう。
[問題その④] 膝を伸ばすタイミングが早い
膝の曲げ伸ばしを大きく使って体を上下に動かし、トップスピンのボールを打とうとする人がいるが、膝を伸ばすタイミングが早いと、身体が伸び上がった状態でボールを打ってしまい、打球はネットすることが多くなる。
テニスで下半身は大切であるが、必要以上に膝の上下運動を使うと打球は不安定になる。
身体の余計な動きを使わず、胴体の回転運動で打つようにすると良い。
[問題その⑤] 打球時の姿勢が悪い
背中が丸くなったり、身体が過度に前傾すると必然的にラケットを十分な高さに振り上げることができない。
このようなスイングになっているときは、フィニッシュで脇が締まって窮屈なスイングになっているはずです。
すでに解説したように、きつく脇が締まった状態では小さなスイングになってしまい、ラケット面をうまくコントロールできないのでミスしやすくなる。
楽に大きくスイングするためにも身体は起こすように意識することが大切だ。
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2008年06月18日
ミスの原因を突き止める(1336)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -137-
バックハンドをミスする原因を理解しておくことは、技術向上に大変役に立つ。
ここでは、その原因を探りながらその対処法を示すことで、より効率的な技術の習得・向上を目指していこう。
●両手の使い方のバランスが悪い●
両手打ちバックがうまく打てない原因の中で、もっとも大きな原因は両手の使い方のバランスが悪いことにある。
両手打ちバックはもちろん両手でスイングするので、両手の使い方のタイミングが合わなかったり、左右どちらかの腕の使い方に問題があってスムースにスイングできないとミスにつながる場合が多い。
※右利きの場合について説明しています。
[問題その①]右肘を引いて打つ
本来はインパクトゾーンで打ちたい方向にまっすぐスイングするべきところを、右肘を引いてスイングしてしまうと、
・右方向への小さなスイングになり、ボールは右方向へ飛んでいくことが多くなる
・気持ちよくスイートスポットに当たらず、ラケットの先端で打ってしまうことも多い
右方向へのサイドアウトが多い人は、このようなフォームになっていないかチェックした方が良いだろう。
また、このような打ち方になっている人は、フィニッシュで脇が強く締まって縮こまっているようなスイングになっているので、ラケットを肩の後ろまで大きく引き上げることができない。
[問題その②]右手の動きが止まり、左手がかぶさる
右手の動きを止めて左手でボールを打とうとすると、左手が右手にかぶる形になってしまい、インパクトゾーンでラケット面を正しくコントロールできないばかりか、バランスの良いスイングを妨げる結果になる。
このようなスイングでは、
・ラケット面がかぶってしまうことで、ネットミスをする
・また、打球を右へひっぱってしまい、右方向へサイドアウトする
・ラケットの先端で打ってしまう
という問題が起こることが多い。
[問題その③]左の肘が下がる
両手打ちバックの右手と左手は「ユニット(一体)」として動き、両腕の前腕とラケットで作る三角形はスイング中に大きく変わらないほうが望ましいが、左手の肘が下がってこの形が崩れると、インパクトゾーンでラケット面は不安定になりやすい。
左肘が下がるとラケット面は開いてしまうので、
・ベースラインをオーバーするアウトが多くなる
・左右のブレが大きくなる
両手打ちバックがうまく打てない人は、これらの問題点のうち、ひとつやふたつは当てはまるはずだ。
これらの問題点で共通しているのは、「手を使いすぎる」ということだ。
対策はずばり!「手を使うな」ということである。
テニスはラケットという道具を使って行うスポーツなので、「手を使うな」と言われるとちょっと不思議に感じるかもしれないが、手は自由度が大きいだけに動かすことができる範囲が大きいかわりに筋肉が小さく大きな力を出しにくいので、手を動かしすぎるとちょっとしたことでラケット面が崩れやすい。
インパクトの衝撃力に負けてラケット面をうまく調整できないことも多く、そのために大きくコントロールを乱すことになる。
「テニスは足ニス」と言われるのは、フットワークが大事であるということを示唆するだけではなく、「手を使いすぎてはいけない!」ということを示しているのである。
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2008年06月17日
主流の両手打ちバックを極める(1335)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -136-
私がテニスを始めた頃は、多くの選手は片手打ちのバックハンドであった。
なんせ最初に習うのは片手打ちのスライスのロブだ。
今考えると無茶な教え方だとは思うが、当時はそんなものだった。
しかも教える(大いに?)のは素人の先輩だ。
そして、技術レベルの低い片手打ちバックはあまり攻撃的なショットを打てないことから、ひたすら相手のバックを狙うように教えられ、その戦術ひとつで勝ちあがる選手も少なくなかった。
かくいう私もその一人だ。
その当時、両手打ちバックハンドで世界ナンバーワンになったジミー・コナーズもいたが、どちらかというと異端視されていた。
しかし、ビヨン・ボルグがウィンブルドンで5連覇する頃からバックハンドの両手打ちが高く評価され、その後多くの選手が両手打ちのバックハンドを武器に戦うようになったと思う。
ただ、ボルグが全盛期の頃は、多くの素人さんがFILAのウェアに身を包み、DONNEYのラケットに80ポンドでストリングを張って両手打ちバックハンドを打っているのを見るのはちょっと気持ち悪かった。
もちろん、今でもエナンやモーレスモ、フェデラーのような鋭い片手打ちのバックハンドを武器にしている選手はいるが、両手打ちの選手の方が圧倒的に多いことに変わりはない。
そこで、この両手打ちのバックハンドを武器にするための秘伝を伝授していく。
あなたが「強くなるため」に少しでもお役に立てるのなら幸いである。
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2008年06月16日
変化するということ(1334)
2年ほど前に「アカデミーとしての次のステップ」をどうしようかと考えていて、ふっと「寮を作ろう!」と思い立ちました。
いろいろな物件を探しましたが、なかなか手ごろなものがなく、半分あきらめかけていた時に偶然見つけることができました(神様っているのかもしれない)。
週末に県外からの子どもたちが来ますが、何日も通うとなると交通費もかかるし、送り迎えも大変です。
そうした負担を軽減し、より充実した練習環境を作るためには、いつでも気軽に宿泊できる場所が必要なのではないかと考えたのが「寮」を作るきっかけになりました。
でも、「寮」を作ることは以前から目標のひとつでした。
「アカデミー」を目指す以上は、このような施設は絶対に必要であると考えていたからです。
実際には、そう思っていても、お金はかかるし、責任も大きくなるので、「そこまでする必要があるのか?」といつも自分に問いかけますが、答えはいつも「YES」でした。
子ども達が「寮」からクラブに向かい、練習してまた帰ってきます。
そして、いろいろなことを話しながらテニスの夢が膨らんでいきます。
そんな「場所」になれば良いと思っています。
始めてみるといろいろな問題が出てくるし、管理は予想以上に大変ですが、夢が不安を押しのけます。
現在、2名の中学生と3名の高校生が「寮」で生活しています。
子ども達の夢が大きく広がっていけばいいなあ、と思います。
私は「変化し続けることで安定する」という考え方が好きです。
その時その時で最良、最適なものは変わります。
その時、「変化を求めず」、「変化を恐れ」、「変化を疎む気持ちになる」と、きっとすべてが「不安定」になると思います。
「変化の中の安定」、それが何事も、「続けていく」、「続いていく」秘訣なのではないのかと思っています。
強くなろうとすれば、「何か」を変えなくてはなりません。
その時、すぐには上手くいかなくて、「これでいいのだろうか?」と不安になったり、焦ったりするものでありますが、それらはすべて次のステップのために必要なことだと「信じること」でしか前には進めません。
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2008年06月15日
運がいい(1333)
「運がいい!」
自らの力以外のもので成果が出た、と心から思える時に口をついて出る言葉だと思います。
私はいつもそう思っています。
目標に向かって一生懸命に努力している事でいろいろなつながりができて、それが成果に結びつくということは理解できますが、それだけでは説明がつかないような出会いやラッキーがあると強く思います。
そう感じる時は、本当に不思議な気持ちになるものです。
それを心から感謝できれば、何事にも謙虚な気持ちで取り組むことができるようになるのではないでしょうか。
「謙虚であることの強さ」について、こう書いたことがあります。
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自分の信じることを納得するまでとことんやりきるには、「謙虚」でなくてはならない。
「謙虚」であることは、「弱さ」ではなく、「弱さを知ることから生まれる強さ」を引き出すためのキーワードである。
私は、そんな「強さ」を持った選手を探しているのかもしれない。
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この前行われた試合で、素晴らしい試合を見せてくれた子に、
「よい試合だった。強くなったなあ!」
と声をかけたところ、
「今日はツイてました!」
とニコッと笑いました。
「本当の強さ」を身につけたと感じることができてとても嬉しくなりました。
スポーツは苦しいことの方が多いものです。
自分の思い通りにいかないことばかりです。
それでもただ「強くなる」ためにがんばることができれば間違いなく強くなります。
私が求める「強さ」とは・・・そういう「強さ」です。
子どもたちには強くなってほしい・・・心からそう願っています。
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2008年06月14日
体を武器に変えろ!(1332)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -135-
いくらサービス力を高めようと思っても、肩の筋力が著しく劣っていたり、柔軟性に欠けているようであれば無駄な努力に終わることも多い。
だからといって今から必死にトレーニングするというのも考えものだ。
そこで秘策を授けよう。
ひとつは腕の自然な回内動作や肩の回旋動作を身につけるためにスローイングの練習をすることだ。
野球のグラブとボールを容易して、サービス練習の前にキャッチボールをしているのを見たことがあるが、これも効果的である。
実際に竹内庭球研究所におじゃましたときに女子のプロ選手がグローブ片手にキャッチボールを結構長い時間行っていた。
私は高校野球のトレーニングを指導しているのでもちろんグローブは「マイグローブ」である。
しかも、イチローモデル!
なんて自慢している場合ではないが、この方法は少し広いスペースが必要であったり、例え軟式ボールでも当たれば痛い。
他には柔らかいアメリカンフットボールの後ろに矢のような羽がついた道具がある。
アメリカンフットボールのキャッチボール練習用に作られたものだと思うが、なかなかの優れものである。
この道具を投げたときに手首をへんにこねたり、肘が早く下がったりするとまったく前に飛んでいかない。
しかも前腕の回内動作をスムースに行わないとボールはゆらゆらと揺れて飛距離が出ないばかりか、全くコントロールできない。
逆にその動作がうまくできたときはびっくりするぐらい「シュパッ」とまっすぐ飛んでいくので、動作がちゃんとできているかどうかがはっきりとわかるのである。
丸いボールではそのあたりが確認しにくいのでこちらの方がお勧めである。
もちろんスペースもそれほど必要ないので、テニスコートくらいの広さを使ってトレーニングするにはもってこいの商品である。
私がトレーニングを指導するプロ選手もサービス練習のときにこの道具を使ってトレーニングを行っている。
ただし、これは筋力を高めるのではなく、腕や肩のスムースな動きを習得するためのトレーニングなので、そのあたりの筋肉がうまく動くように柔軟性を高めておいた方が効果は高い。
そう、次にやっていただきたいのはこの「柔軟性」を高めるトレーニングである。
通常のストレッチを丹念に行うというのでも良いが、ここでは肩甲骨の柔軟性を高めるマッサージを紹介しよう。
これは前にも紹介したことがあるが、サービス動作の向上には欠かすことはできないので、敢えてもう一度確認しておこうというわけだ。
腕を大きく振るためには、肩胛骨が柔軟に動かなくてはならないのだが、背中の筋肉は普段意識して使うことがない上に、上体を支えるために常に緊張状態にあるので、知らず知らずのうちに硬くなってしまい、その結果、肩胛骨を柔軟に使うことができなくなっている。
もし、肩胛骨が柔軟に動かないと、上腕の付け根に負担がかかり肩を痛めることにもなるし、スムースな腕のスイングができなければ、ぎくしゃくしたぎこちない動きになり、イメージ通りに身体を動かすどころではないだろう。
そこで、腕をスムースに振ることができるように肩胛骨の柔軟性を回復する訓練をする必要がある。
肩胛骨は、上腕骨や前腕の骨のように、長細い構造を持っているのでははく、扁平な三角形のちょっと変わった形の骨である。
そして、胸郭の後ろ側とは薄い筋でもって分離しているので、あげたり、さげたり、前に引っぱったり、後ろに引き寄せたりと、かなり柔軟に動くようになっている。
そしてさらに、肩胛骨が回旋することによって腕の可動域は大きくなる。
肩胛骨は扁平な三角形のちょっと変わった形の骨であるので、ウィング(羽)と呼ばれることもある。
私は密かに「天使の羽」と呼んでいるのだが、この羽をうまく羽ばたかせることができるように訓練しなければならない。
この訓練は残念ながら一人ではできないので、誰かきちんと取り組んでくれるパートナーを探してほしい。
これを機会に愛を深めることもできれば最高だ。
ただし、真剣にやってくれないと肩を痛めることになるかもしれないので慎重にパートナーを選んでほしい。
順番に詳しく見ていこう。
①まずは手を腰の後ろに当ててリラックスして準備する。
②マッサージをする人は、一方の手で肩を下に軽く押し、もう一方の手を肩胛骨の下の端に当てる。
③そして、肩胛骨の下端をつかんで、軽く揺らしながら胴体から引き離すように徐々に力を入れていく。
④ある程度、肩胛骨が柔軟に動くようになったら、掴んだ指を肩胛骨の下に滑り込ませていく。
このマッサージをうまく行うと、柔軟性が十分にある人は、指がほとんど見えなくなるくらいまで肩胛骨の下に滑り込ませることができる。
このマッサージを行った後、肩を大きく回してみてほしい。
今まで、筋肉が硬く肩胛骨を柔軟に使うことができなかった人は、肩が驚くほどスムースに大きく回すことができるようになっているはずだ。
このようなトレーニングであなたの体は武器になる。
ラケット振ることばかりに気持ちがいっているといつまでも武器は磨かれない。
「体を武器として使えるようにする」、この意識がなくてはサービス力は高まらないことを強く自覚してほしい。
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2008年06月13日
「過去の栄光」もう必要ない(1331)
ある女子プロゴルファーが何年か振りの優勝を果たした瞬間、両膝をついたまま立ち上がれなかったそうです。
その時の記事の表題が「『過去の栄光』もう必要ない」でした(私にとって「過去の栄光会」は必要です!)。
長い間勝てない、というのはつらいことです。
初優勝までに時間がかかるということよりも、以前勝っていて、勝てなくなった期間が長い方が苦しいものです。
それはどんなスポーツでも同じです。
みな同様に「過去の栄光」に苦しみます。
その女子選手は、以前に圧倒的な強さで5勝をあげながらその後勝てなくなり、「体力的にも技術的にもどこも悪くないのに」と思い続け、「そこに戻りたいと思い、それに応えられない自分が悔しい」と思っていたそうです。
ところが、あるプロ野球のキャンプに参加してノックの特訓を受け、「5勝は勢いと運だけで勝った。もっと幅のある新しい自分をつくろう」と「過去の栄光」との決別を誓い、見事に復活優勝を遂げた、ということです。
「不思議な空間だった。そこにいたのは以前の私ではなく、他の人だと思った」と振り返っています。
「他の人だと思った」という感覚は大変面白い表現ですね。
テニスの世界でも小さい頃に勝っていた選手が勝てなくなって、その不安に押しつぶされ、自分の力を発揮することなくやめていってしまうことはたくさんあります。
「勝てない自分」にジレンマを感じ、「勝っていた自分」に戻りたいと願うから、それが叶えられないと思い込んでしまうと苦しくて耐えられなくなってしまうのですね。
私が指導する選手で、今勝てなくて苦しんでいる選手はいます。
私は「この苦しさはあなたがステップアップするために必要なんだ」と言い続けます。
そうした苦しみの中から、「新しい自分を創ろう」、「そのことにチャレンジしよう」と開き直ることができたのなら、そこにはきっと「以前の私」ではなく、「他の人」がいるはずです。
ある高校サッカー部の監督が、「自分で考えて身につけたものは、苦しいときやぎりぎりの勝負のときでも忘れない」と言っています。
その「忘れないもの」は自分の力を引き上げてくれるが、「教えられたもの」はすぐに忘れてしまう、その大切さを教えたいのだと思います。
私自身も過去の指導の苦い経験から、「教えること」の意味をいろいろと考えて、「思考力」の大切さを身にしみて感じています。
自分で考えても分からないときや迷っているときはとても苦しいものですが、スポーツをやっている人は必ず「ここ」を通ります。
「ここ」をがんばって通り抜けてきた人はきっといろいろなことが「分かる」し、「何か」が変わります。
そのための大切な「試練」だと思います。
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2008年06月12日
フロントバックを試してみよう!(1330)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -134-
どの方向に振ればもっともラケットが振りやすいのかは、人によって多少違うものの、身体から少し離れていく方向に腕を振るのが振りやすい。
「おばさんサービス」では腕は体の近くに引き寄せるように振ることになるので、この意味からも自然なスイングとは言い難い。
真正面よりも少し横を向く位置で体を止めるように力を発揮し、そこから腕を身体から離す方向に振ろうとすれば、右利きであればやや右方向に振られることになる。
そのスイング動作でボールを打てば、ボースにはややスライス回転がかかるはずだ。
この回転のかかったボールをコントロールすることから練習するほうが自然である。
フラットが自然だというのも、ストローク同様迷信である。かならずスライス回転のサービスから練習していただきたい。
みなさんは「セカンドサービスの方がスイングスピードは速い」というのをご存知だろうか?
このことはスポーツ科学の研究で明らかにされている。
ただしこれはトップ選手の場合である。
初級者、中級者のレベルではセカンドサービスのほうがスイングスピードは遅い場合が多い。
トップ選手のセカンドサービスでは、スライスやスピンを打つことが多い。
ファーストサービスを同じように全力でスイングをするが、フラット系のファーストサービスに比べてラケット面が正面を向かないので抵抗が少ないことやインパクトの衝撃力が大きくないことなどの理由により、インパクト前後のヘッドスピードは若干速くなる。
それに対して初級者レベルの方のサービスは回転も弱く、打点も低いことが多いので、サービスを入れるためにはスイングスピードを緩めるしか方法がない。
それなのに速いボールを打つ練習ばかりをしているのが目に付く。
スイングスピードを高める、というは大切な練習ではあるが、そのスイングスピードできちんとコートに入れることができなければ実践では役に立たない。
もしあなたが100%セカンドサービスを入れることができ、しかもそのサービスは相手に攻撃されない十分な威力があれば(例えスピードは低くても変化が大きい)、いつでもファーストサービスで勝負にいける。
強くなるためにはこれが「絶対の条件」である。
スムースなスイング動作を行うにはテイクバックの構えが大変大切である。
これを実行するために昔教えられた両手を「バンザイ」するようなテイクバックではうまくいかないことが多い。
特に肩の弱い女性やジュニア選手ではこのようにテイクバックすると上腕がうまく引きあがらず、正しい形に準備することができない。
そんな時、両手を顔の前から引いてくる「フロントバック」という方法を試してほしい。
これは両手を顔の前に持ってきて、そのまま肘を肩の後ろに引くようにテイクバックする方法だ。
このようにすると肩の筋力の弱い女性やジュニア選手でも楽に正しい形にテイクバックすることができる。
サービス力というと200キロを超えるスーパーサービスを思い浮かべるかもしれないが、こうしたサービスが打てれば素晴らしいに違いないが、まずは相手に攻撃されにくく、自信を持って確実に入るサービスを身につけるようにしよう。
また、サービスは試合の勝ち負けを大きく左右する大切な技術であるので、他の技術よりも高い集中力を持って練習に取り組まなければならない。
みなさんに高い集中力が備わっていることを期待したい。
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2008年06月11日
ダブルフットを試してみよう!(1329)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -133-
正面を向いて、腕の力を使ってラケットを振ろうとすると前かがみになって腰が引けたようなフォームになる。
テニスではよく「軸」という言葉が使われる。
とても大切な考え方であるが、「軸」は身体の程良い緊張を「意識的」に作り出すことであり、胴体の動きを過剰に使って腕を振っていて「軸」が作れるはずはない。
それを矯正するために、インパクトで「体を止めるように意識」してラケット振ってみよう。
以前に「姿勢が前かがみになっていたりすると、うまく背中の筋肉を使うことができず、鋭くスイングできない」と書いたが、逆に背中の筋肉を適度に緊張させれば前かがみの姿勢にはなりにくく、腕を鋭く振り抜くことができるということを示している。
「体を止めるように意識」してラケットを振れば、正しい姿勢で鋭く腕を振ることができる。
間違いなくあなたのスイングスピードは上がる。
もちろん、「軸」を作ることにも役立つはずだ。
もうひとつの方法として「ダブルフット」を試してみよう。
これは、サービス動作を行うときに右利きの場合であれば右足を前に動かさないで、両足で地面を蹴るようにしてスイングする方法である。
軸が安定し、トスの乱れも少なくなる。
アンディー・ロディックなどはこの方法を用いてサービスを行っている。
軸を保ちながら強くスイングするのには有効な方法である。
どうもスイングスピードが鈍く、サービスに威力がないと感じるときに試してみると良いかもしれない。
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2008年06月10日
力を抜いてスイングしよう!(1328)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -132-
グリップを厚く握り、ラケット面が上を向いて準備する人は、脇が閉まったテイクバックの形になる。当然スイングでも脇が閉まり、インパクトで肘が下がってしまう。
それに対して、正しいグリップで「シャットフェイス」に構えることができる人は、自然と脇があいた構えになる。
なぜ脇をあけたほうが良いのかは、今までの解説を読んだ方ならお分かりいただけると思うが、その方が上腕をスムースに振りやすく、スイングスピードは速くなるからだ。
これはサービスでは最も大切なポイントだ。
「自分で意識的に力を発揮することはあまりよくない」とストロークの解説のときに説明した。
「手首を強く固定する」とスムースなスイングを妨げてしまうのはサービスでも同じである。
サービスでは特に構えのときに手首の力を抜くように注意してほしい。
ボールを持って構えたときに、上から見て打つほうのラケット面が見えていれば良いが、反対の面が見えている人はグリップが悪いか、手首を強く曲げてしまっている。
ここではできるだけ手首をリラックスさせて構えるようにしたい。
もちろん、テイクバックのときも力が抜けている方が望ましいのは言うまでもないだろう。
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2008年06月09日
構えで勝つ!(1327)
東海中日ジュニア(全日本ジュニアの予選大会になります)の各県予選が終了し、東海大会に進む選手が決まりました。
今大会も30名近い選手が東海大会に進み、来月行われる大会も賑やかになりそうでうれしい限りです。
しかし、いつものことですが、子どもたちが力をつけてきたことをうれしく思う反面、充分に力を発揮できなかった選手に対しては指導力のなさを痛感します。
全日本ジュニアの予選大会にあたる大会であっても、練習はサービス4本のみの1セットマッチで試合が行われるので、高い緊張感に襲われます。
その中で「十分に力を発揮しなさい」、と言われてもなかなかに難しいと思います。
しかし、現状が変わらない限りはその中で力を発揮で知るように指導していかなくてはなりません。
そうした思いの中で感じるのは、やはり「戦う姿勢」の重要性です。
力の差がそれほど大きくなければ、勝敗は気持ちの強さ、相手と戦う気持ちの強い方が勝つ確率は高くなります。
そのことは理解していてもその気持ちを高める方法が実践できないことが気になります。
それは「構える」ということです。
このことについては、何度も指導してきたつもりですが、充分に実践できているとは言えないと思います。
「構え」については、以前にこう書きました(これからも何度も繰り返し書くつもりです)。
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強い選手は、たんにテニスの実力が高いだけではない。
強い選手だけが持つ独特の「雰囲気」を持っている。
「風格」があるといっても良い。
テニスコートでボールを打ち合わなくても、何気ない「行動」や「しぐさ」、「姿勢」などからなんとなく「強さを感じる」ものだ。
相撲の世界では、「地位が人を作る」といわれる。地位にふさわしい「態度」や「振る舞い」を心がけることによって、その地位にふさわしい「本当の実力」を身につけていくことができるということだ。
このことは、「強い選手の行動や振る舞いを訓練することで、テニスの実力を引き上げることができる」ことを示している。
強くなりたければ人一倍練習することはもちろん大切であるが、一流選手や強い選手が持っている「風格」を身につけるようなトレーニングが必要だ。
実力やランキングが上がってくれば自然と身に付いてくるのかもしれないが、トレーニングをすることでいち早く身につけることができる。
「態度」や「行動」、「姿勢」などがより良く変われば自然とメンタル面の能力は向上し、自分の力を存分に発揮できる「こころの状態」を容易に作ることができるようになる。
きっと勝つチャンスは大きくなるはずだ。
また、どのような状況でも自分のやるべきことに集中できるプレーヤーにはプレッシャーを受ける。
プレッシャーを受けて「こころの状態」が(マイナスの方へ)変化すると、あせったり、自分のすべきことを見失って集中力を欠いたりする場合が多い。
そして、プレッシャーを与えると「こころの状態」がどう変化するのかを学ぶことにより、自分がプレッシャーを受けたときに、それを上手に活かして集中力を高めることができるようになる。
そんな「構え」で相手に挑む、そんなプレーヤーを目指してほしい。
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強くなりたければ、「構え」を訓練しなければなりません。
今回の大会で素晴らしい試合を見せてくれた選手がいます。
高い集中力と戦う気持ちを感じさせる素晴らしい「構え」で戦うことができていました。
「強くなったなあ」と実感できる瞬間でもあります。
繰り返し、繰り返し、何度でも指導していきます。
強くなるために・・・・・。
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2008年06月08日
ラケットを開くな!(1326)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -131-
このようなサービスを矯正するもっとも大切なポイントは「グリップ」である。
「おばさんサービス」を打っている人は、間違いなく厚いグリップで握っている。
これはそのように持たないとラケット面をまっすぐに相手のほうに向けられないので、そうするしかないのだ。
もちろん、このままではボールに回転をかけることも、高い打点で打つことも難しいだろう。
また、肩の内旋動作を使って前腕を振ることができないので速いサービスを打つこともできない。
一般愛好家としてテニスを楽しむのであれば問題ないが、「強くなるため」にはここを矯正しなくては先へは進めない。
グリップの厚い人は、テイクバックをしたときにラケット面が上を向いているはずだ。
これを「オープンフェイス」という。
正しいグリップで握るとラケットの面は上を向かず、少し下を向くようになる。
これを「シャットフェイス」いう。
自分で意識的に「シャットフェイス」にしようとすると、グリップを厚く握っている人は大変不自然な手首の形なるので、だんだんとグリップを薄く握りかえるようになる。
まずはここから始めてほしい。
「グリップはこうです!」と無理に矯正しなくても、「ラケット面が上を向かないように少し下を向けましょう」とか、「まっすぐにラケットが立つように準備してください」
と指導するほうが楽に強制できる。
サービスの能力が格段に上がる可能性がある。
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2008年06月07日
おばさんサービスはやめよう!(1325)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -130-
サービスでやってはいけないことは、
・テイクバックでラケット面が開く
・正面を向いたままでボールを打つ
・肘を下げて打つ
・腰を引いて打つ
などであるが、これらすべての要素を含んでいるサービスを「おばさんサービス」と呼んでいる。
実際に指導していると、中高年の女性の方にはこのようなサービスを打たれる方は大変多い(もちろん、そうでない方も多いですよ)。
そして、この「クセ」はなかなかに矯正しにくい。
小さいうちにこのような「クセ」が体に染み込んでしまうと、サービス力がより重要になる年齢になってから矯正するのは大変難しいので、特にジュニアの選手はしっかりとしたフォームを習得してほしい。
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2008年06月06日
サービスが弱くて負ける(1325)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -129-
さて、今回はサービスについて話をしたい。試合に負けた後に子ども達の感想を聞くと、
「サービスが入らなかった」
「大事なところでダブルフォールトとした」
「弱気なサービスを打ち込まれた」
などの感想が返ってくることが多い。
負けた原因の多くがサービスにあることをわかっているようだ。
しかし、そのための練習に真剣に取り組んでいるのかというと少々疑問である。
いくつか原因はあるだろう。
・真冬のサービス練習は凍えてできない
・サービス練習ばかりしているとコーチはサボっているように見られる
・サービス練習では仲間と話す時間ができるので集中できない
・ファーストサービスとセカンドサービスの違いを理解せずに練習している
などの理由で、試合の勝ち負けを大きく左右する大切な技術であるにも関わらず、その練習が十分にできていないことが多いようだ。
これらを改善すれば簡単に効率的なサービス練習ができそうであるが、実際の指導場面では、これらをうまくコントロールしてサービス練習に取り組むのは大変難しい。
コーチの皆さんであればお分かりいただけると思う。
そのような状況を踏まえつつ、何としてでもサービス力強化に取り組みたいという諸君にとっておきの法則を紹介したいと思う。
サービスが武器になる、そんな選手を目指してほしい。
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2008年06月05日
ただ強くなるために(1324)
私は「春」という季節があまり好きではありません。
写真家としての私(?)にとっては、桜が咲き、多くの花々が色づくこの季節は創作意欲が沸く素晴らしい季節ですが、コーチとしては、大事な試合が続くので少々ナーバスになることもあります。
特に高校3年生は、ジュニアでは最後の年になるので、「どうしても勝ちたい」という思いが強く、その反面、「負けたらどうしよう」、「今まで以上の成績が出せなかったらどうしよう」という「不安」や「恐怖」がこころを支配します。
十分な力を持っていながら、それに打ち勝つことができず、力を出し切れないままに敗れ、テニスを辞めていく選手も多いものです。
そんな選手にかける言葉はなかなか見つかりません。
「これでテニスが終わったわけではない」
「もっと才能を磨く努力をしよう」
と言ってみても空しくなる時さえあります。
前に、
「どんなにがんばっても届かないものがある。それがスポーツの残酷さでもある。でも、『思い』が強ければ、そうとわかっていてもがんばることができる、というのも真実である」
と書きました。
この季節には強くそう思います。
悲しく、つらく、くじけそうになることも多いでしょうが、「自分自身を磨く」ためにがんばってほしい、そう言うことしかできません。
そして、いつまでもテニスを続けてほしい、と思います。
そんなことを考えていたとき、ふと目に留まった漫画があります。
「はじめの一歩」(「週間少年マガジン」講談社、2006年第16号)より
一体どこまで走ればいいんだろう?
なんのために・・・・?
(その答えはとうに出とるじゃろうが、強くなるためじゃ!!)
顔を上げて前を見ろ!
上を見ろ!!
ああ・・・・なんて広いんだ
世界は果てしなく続いている・・・・
ゴールなんて見えるワケがない
走り続けなきゃ届くハズがない
-だけど
この世界のどこかに必ずあるハズ!
ボクの追い求めている答えが!!
強くなりたい!
(強いって・・・一体どんな気持ちですか?)
強くなりたい!!
強くなりたい!!
もう迷わない!
もう立ち止まらない!
答えを見つけるまで
走り続けるんだ!!
言葉だけだとうまく伝わらないかもしれませんが、私が伝えたいのはこういうことです。
「恐怖」や「不安」に支配されそうになっているあなたに読んでもらいたいと・・・思う。
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2008年06月04日
運動会(1323)
今日は下の娘の小学校の運動会でした。
本当はこの前の日曜日に行われるはずでしたが、あいにくと午後から雨になり、残りの種目が今日に順延になりました。
こんな梅雨の時期に運動会を開催しなくてもいいだろうとは思いますが、いろいろな事情があってのこと、やむを得ないと思います。
子どもたちは一生懸命にやっていましたが、参加する保護者の数もそれほど多くはなく、何となく盛り上がりに欠けるかなと感じました。
それよりも可哀想なのは、午前に2時間ほど運動会を行ってから残りの時間は「授業がある」ということです。
後に「授業がある」と分かっていて盛り上がったり、集中してできるのかというと、ちょっと難しいかもしれませんね。
私たちの時代はどうだったのかというと、まったく記憶にはありませんが、運動会をやった後に授業なんてことはなかったように思います。
私が校長先生であれば、順延になった運動会はそのままのプログラムでもう一度はじめから一日かけてやりたいと思いますね。
一年の中でももっとも大切な行事であるので、子どもたちの気持ちややる気を考えて、思う存分力を発揮できるようにしてあげたいからです。
最近はどんなことに対してもクレームをつける親御さんもいて、運動会で授業の時数が減ることに対して不満を言う人もいるかもしれないので、なかなか「子どもたちの気持ちを最優先する」というわけにはいかないかもしれませんね。
これはどんな組織的な活動にも言えることですが、主体の立場よりも、組織としての体面や周りとの軋轢などを最大限に考慮して活動を進めなくてはならないということです。
ある程度はやむを得ないと思いますが、子どもたちの育成に関する事業に携わる者としては、やはり「子どもの気持ちを最優先に」をできるだけ忘れないように事を進めていきたいと思います。
今頃、娘たちは憂鬱な気持ちで授業を聞いているのでしょうか?
意外と早く運動会が終わって喜んでいるかもしれませんね。
本当の気持ちはどうかわかりませんが、今日のかけっこで「一番になる!」と約束し、懸命に走って、その通りに一番でゴールしたことを褒めてあげたいと思います。
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2008年06月03日
スピンの量を変えてみる(1322)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -128-
手出しのような簡単なボールならクロスコートにほぼ確実に打てるようになったら、同じ方向に、同じようなフォームで打ちながらスピンの量を変えてみよう。
スピンの量が多いときはサービスライン付近にボールが落ち、スピンの量が少ないときはベースライン付近にボールが落ちることが多いはずなのだが、実際はそれほど簡単ではない。
スピンの量を変えるといってもその違いはほんのわずかである。
それを感覚的に把握し、コントロールすることは容易ではない。だからこそ練習に励むのだ。
スピンの量を意識的に変えて打つ練習をしていると、そのほんのわずかな違いを感覚として身につけてくる。
この感覚が高まれば、自分にとってより自然なスイングはどういうものなのかというようなことも何となくわかってくる。
「センス」が良いとはこういうことである。
そのためにはこの練習は大変大切である。
「自然」という言葉が何度も出てきたが、「自然」なスイングというのは「こういうスイングだ!」と規定できるものではない。
まさに自分の「感覚」や「感性」に合ったスイングのことである。
「無理なく」、「楽に」、「いきいきと」ラケットを振ることができる、自分自身の「ナチュラルスイング」を探してほしい。
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2008年06月02日
クロスコートに打つ(1321)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -127-
素振りを繰り返し、ある程度「自然」なスイングができるようになってきたら実際にボールを打ってみよう。
効率良く技術を習得するためには、段階的に練習のカリキュラムを組むほうが良い。
分かりやすく言えば、簡単な方法から難しい方法へと順番に練習するほうが良いということである。
ちょっと打てるようになるとすぐに難しい練習やゲーム練習のような実践的な練習法に移ってしまうことがあるが、素晴らしい感覚や感性がなければ、そういう練習だけで効率的に技術を習得することは難しい。
ここでもやはり強くなるには「忍耐力」が必要だ。
一歩づつ確実に上達を目指し、「気がつけば強くなっていた」なんていうのが一番かっこいい、と思うのだがどうだろうか。
さて、練習の始めの段階は、クロスコートにボールを打つ練習から始めよう。
なぜならクロスコートのほうが「自然」だからだ。
クロスコートについてはいろいろ言われる。
・ネットが低いので入れやすい
・対角線方向は距離が長いので(ストレートに比べれば)アウトになりにくい
・テニスのスイングは回転運動なのでクロスコートへ打つほうが感覚的に自然なスイングができる
・相手の足元に打つのが容易である
・打った後のコートリカバリーのために戻る距離が短く守りやすい
などである。
5番目の特長については近いうちに詳しく解説するが、ここでは、「テニスのスイングは回転運動なのでクロスコートへ打つほうが感覚的に自然なスイングができる」というのは大変気になるところである。
まあ、それほど難しく考えるまでもなく、「自然」にラケットを振って、普通にボールを打てばクロスコートにとんでいくものである。
初心者を対象に何のアドバイスも与えずにボールを打球させたところ、「90%以上クロスコートに打球した」という実験結果もある。
小さな子ども達に打球させてみるとそれはさらに顕著になる。
レッスンでは真横に飛んでくることもあるので要注意だ。
ただし、極端なクロスコートを狙うのではなく、サイドライン付近から相手コートのセンターマークとサイドラインの間に深く狙うように心がけよう。
ショートクロスを狙うと極端なスピンをかけたりすることもあるので、その方向にばかりいってしま人は少しスピンの量を減らすようにするなどの工夫が入るかもしれない。
ストレート方向にばかりいってしまう人でも、ボールに順回転がかかっていればそれほど問題ではないが、少し打点を前にすることを意識すると「楽に」クロスコートに打てるようになる。
クロスコートへ打つことは強くなるためには大変大切な技術なので、できるだけクロスコートに打つことができるように技術を磨いてほしい。
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2008年06月01日
忍耐力(1320)
「強くなるためにもっとも大切なものは何か?」と問われれば、それは「忍耐力」であると答えます。
スポーツは「がまん」、「がまん」の連続です。
その果てにあるほんの少しの「栄光」のために多くのアスリートは今日も「がまん」しています。
スポーツの世界では、強くなれば楽しいことが多くなるのかというとそうではありません。
むしろ苦しいこと、悲しいことのほうが多くなるのです。
当然、プレッシャーは大きくなります。
それに「耐える力」を持っていなくては、いくら身体的な資質に恵まれようともトップ選手になることは難しいものです
。
・・・何に耐えるのか。
・・・勝てなくなる不安
「前はあいつに勝っていたのに、最近だんだん勝てなくなってきた」
「このまま勝てなくなったらどうしよう」
・・・練習やトレーニングのつらさ
「練習しても強くなれなかったらどうしよう」
「こんなにつらいトレーニングなら強くなれなくてもいいや」
・・・親やコーチからのプレッシャー
「何で勝てないの」
「今まで何やっていたんだ」
「今までいくらかかっていると思っているんだ」
・・・試合でのストレス
「今のは絶対入っていたのになんでアウトなんだ」
「こんなにうまくいかないなんてどうしたらいいんだ」
などです。すべてはがまん、「忍耐力」が必要です。
高岸知代プロのドキュメンタリー番組の中で私が話したこと・・・。
「僕はいろんなプロ選手をトレーニングしてきてるんですが、この選手は必ずそこそこのレベルまで行くだろうなって思えるのは、努力する才能があるかどうかなんですね。
普通は途中しんどいものですから、自分の中でこのへんでいいだろう、とブレーキをかけてしまうんです。
彼女の場合はトレーニングに対する意識が非常に高くて、努力する才能があるものですから、自分の限界まで追い込めるわけですよ。
そうすると、もうトレーニングが厳しいものですから、泣きながらトレーニングをするんですね。
彼女の一番の凄さ、素晴らしさっていうのは、まさしく自分を追い込む力、それに耐えられる力じゃないかなと思います」
・・・多くの子ども達に「耐える力」があればいいなあ、と思います。
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