2008年06月14日
体を武器に変えろ!(1332)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -135-
いくらサービス力を高めようと思っても、肩の筋力が著しく劣っていたり、柔軟性に欠けているようであれば無駄な努力に終わることも多い。
だからといって今から必死にトレーニングするというのも考えものだ。
そこで秘策を授けよう。
ひとつは腕の自然な回内動作や肩の回旋動作を身につけるためにスローイングの練習をすることだ。
野球のグラブとボールを容易して、サービス練習の前にキャッチボールをしているのを見たことがあるが、これも効果的である。
実際に竹内庭球研究所におじゃましたときに女子のプロ選手がグローブ片手にキャッチボールを結構長い時間行っていた。
私は高校野球のトレーニングを指導しているのでもちろんグローブは「マイグローブ」である。
しかも、イチローモデル!
なんて自慢している場合ではないが、この方法は少し広いスペースが必要であったり、例え軟式ボールでも当たれば痛い。
他には柔らかいアメリカンフットボールの後ろに矢のような羽がついた道具がある。
アメリカンフットボールのキャッチボール練習用に作られたものだと思うが、なかなかの優れものである。
この道具を投げたときに手首をへんにこねたり、肘が早く下がったりするとまったく前に飛んでいかない。
しかも前腕の回内動作をスムースに行わないとボールはゆらゆらと揺れて飛距離が出ないばかりか、全くコントロールできない。
逆にその動作がうまくできたときはびっくりするぐらい「シュパッ」とまっすぐ飛んでいくので、動作がちゃんとできているかどうかがはっきりとわかるのである。
丸いボールではそのあたりが確認しにくいのでこちらの方がお勧めである。
もちろんスペースもそれほど必要ないので、テニスコートくらいの広さを使ってトレーニングするにはもってこいの商品である。
私がトレーニングを指導するプロ選手もサービス練習のときにこの道具を使ってトレーニングを行っている。
ただし、これは筋力を高めるのではなく、腕や肩のスムースな動きを習得するためのトレーニングなので、そのあたりの筋肉がうまく動くように柔軟性を高めておいた方が効果は高い。
そう、次にやっていただきたいのはこの「柔軟性」を高めるトレーニングである。
通常のストレッチを丹念に行うというのでも良いが、ここでは肩甲骨の柔軟性を高めるマッサージを紹介しよう。
これは前にも紹介したことがあるが、サービス動作の向上には欠かすことはできないので、敢えてもう一度確認しておこうというわけだ。
腕を大きく振るためには、肩胛骨が柔軟に動かなくてはならないのだが、背中の筋肉は普段意識して使うことがない上に、上体を支えるために常に緊張状態にあるので、知らず知らずのうちに硬くなってしまい、その結果、肩胛骨を柔軟に使うことができなくなっている。
もし、肩胛骨が柔軟に動かないと、上腕の付け根に負担がかかり肩を痛めることにもなるし、スムースな腕のスイングができなければ、ぎくしゃくしたぎこちない動きになり、イメージ通りに身体を動かすどころではないだろう。
そこで、腕をスムースに振ることができるように肩胛骨の柔軟性を回復する訓練をする必要がある。
肩胛骨は、上腕骨や前腕の骨のように、長細い構造を持っているのでははく、扁平な三角形のちょっと変わった形の骨である。
そして、胸郭の後ろ側とは薄い筋でもって分離しているので、あげたり、さげたり、前に引っぱったり、後ろに引き寄せたりと、かなり柔軟に動くようになっている。
そしてさらに、肩胛骨が回旋することによって腕の可動域は大きくなる。
肩胛骨は扁平な三角形のちょっと変わった形の骨であるので、ウィング(羽)と呼ばれることもある。
私は密かに「天使の羽」と呼んでいるのだが、この羽をうまく羽ばたかせることができるように訓練しなければならない。
この訓練は残念ながら一人ではできないので、誰かきちんと取り組んでくれるパートナーを探してほしい。
これを機会に愛を深めることもできれば最高だ。
ただし、真剣にやってくれないと肩を痛めることになるかもしれないので慎重にパートナーを選んでほしい。
順番に詳しく見ていこう。
①まずは手を腰の後ろに当ててリラックスして準備する。
②マッサージをする人は、一方の手で肩を下に軽く押し、もう一方の手を肩胛骨の下の端に当てる。
③そして、肩胛骨の下端をつかんで、軽く揺らしながら胴体から引き離すように徐々に力を入れていく。
④ある程度、肩胛骨が柔軟に動くようになったら、掴んだ指を肩胛骨の下に滑り込ませていく。
このマッサージをうまく行うと、柔軟性が十分にある人は、指がほとんど見えなくなるくらいまで肩胛骨の下に滑り込ませることができる。
このマッサージを行った後、肩を大きく回してみてほしい。
今まで、筋肉が硬く肩胛骨を柔軟に使うことができなかった人は、肩が驚くほどスムースに大きく回すことができるようになっているはずだ。
このようなトレーニングであなたの体は武器になる。
ラケット振ることばかりに気持ちがいっているといつまでも武器は磨かれない。
「体を武器として使えるようにする」、この意識がなくてはサービス力は高まらないことを強く自覚してほしい。
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