2009年05月09日
多くのことを伝えたい(1620)

この度、ブログを引っ越しすることにしました。
理由はいくつかありますが、一番大きな理由は、サイトに埋め込めるブログにしたかったということです。
おかげさまで、私のブログをたくさんの方が読んでくださるようになり、それが励みになって毎日続けてブログの更新をするようになりました。
でも、伝えたいことはもっとたくさんあります。
ブログのアクセスに比べると、サイトのアクセスはそれほど多くはありません。
もちろん、ブログは私のもっとも伝えたいことを素直に示すことができる場所であることは間違いありませんが、もっと多くのことを伝える方法は他にないものかと模索していました。
そんな時に、サイトに埋め込めるブログと、その方法を知ることができたので、思い切って引っ越すことに決めました。
他にもっといい方法があるのかもしれませんが、私の知識では他に方法が見つかりませんでした。
それと、新しくこのブログに越してきて2年が経ちました。
ブログの更新はまめにやっていますが、気持ちを新たに頑張るという決意を示す、という意味でもこの引っ越しは意味があると思っています。
ついでに、サイトの方も、大会エントリーがフォームからできるようにしたり、サイトの構成も少し変えてみました。
こうした作業は面倒ですが、面倒だからこそ、気持ちは前向きになります。
「困難は人を磨く」ということですね。
まあ、それほど苦しい、という作業ではありませんが、短時間に集中して作業したので、ちょっとだけ寝不足です。
でも、新しくなったブログやサイトに、どんな人が訪れていくのかを想像したり、もっと多くのことを伝えていきたい、という思いが大きくなって、期待を持って作業を進めました。
私の仕事はコーチです。
人に何かを伝えることが仕事です。
新しくなったサイトやブログで、多くの人に何かを感じてもらうことができるように、自分の思いを素直に伝えていこうと思います。
興味のある方は、是非、私のサイトを訪ねてきてください。
新しいブログは、公式サイトhttp://tsl.world.coocan.jp/になります。
よろしくお願いします。
2009年05月08日
テニスのサービス -4- (1619)

テニスの科学(60)
― サービスの球種打ち分け技術を科学する(4) ―
「球種によって動きはどう変わるのか(3)」
インパクトにおける内旋角度は、フラットサービスにおいてもっとも大きな値を示しました。
スイングの力強さは内旋の動きによる割合が大きいことは知られています。
フラットサービスでは、より強い打球を得ようとして、腕をできるだけすばやく前方へ振り出すために大きな内旋動作を行うものと考えられます。
また、インパクトにおける回内角度は、フラットサービスに比べて、スライスサービスやスピンサービスのほう大きな値を示しました。
ボールをこすりあげるように打つためには必要な動きです。
人間の器用さを決めるのは、回内の動きが大変重要です。
スピンをコントロールするために、薄く当てる感覚などを高めることが重要で、大変に器用な動きが求められるので、回内の動きで調整を行うと考えれば納得がいきます。
回内や内旋をどのくらいの大きさで、また、いつ行うのかについては触れませんが、サービス球種の打ち分け練習とともに回内と内旋の動きをトレーニングしておく必要があるということです。
継続して行えば、かならずや球種の打ち分けの技術を高めることができます。
2009年05月07日
ヒーロー(1618)

ゴールデンウィーク中はまったく家に帰れなかったので、今日の午後は休みをもらって(作って?)、娘たちと映画を見に行きました。
本当は、晴れたらサイクリングに行く予定でしたが、それは次回にお預けですね(いつになることやら)。
娘たちも、小学4年生と高校2年生なので、見に行く映画は、青春ものとか、ディズニーのアニメとか、SFものなんかを予想していましたが、リクエストは「仮面ライダー」でした。
タイトルは「仮面ライダー超・電王・・・なんちゃら」です(長すぎてよく覚えていません)。
「マジ?」と思いましたが、「それがいい!」と言い張るので、やむを得ず見に行くことにしました。
でも、「仮面ライダー」ですよ。
正直、乗り気にはなれませんでしたが、実は、これが、結構面白かったりします。
ジョークの演出もあったり、CG画面が凝っていたり、ストーリーの展開が早くテンポが良かったりと、楽しませてくれるように作られています。
だから、それなりに楽しむことができます。
しかし!「仮面ライダー」を子どもの頃に愛し、祭りの仮面売りの屋台の前で、「ウルトラマン」にするか「仮面ライダー」にするのかを長い時間迷っていたりした私にとっては、新しい「仮面ライダー」はどうも馴染めないのです。
新しい「仮面ライダー」は、人間と契約して融合し、凄い武器を手に戦いますが、格闘という点では、「もうちょっとがんばれ!」という感じです。
昔の「仮面ライダー」は、不器用にいつも一人でバイクに乗って戦いを挑み、しょぼい武器で苦しみながら相手を地道に倒していきます。
私にとっては、これが「ヒーロー」の戦い方です。
「ウルトラマン」が、3分間しか戦えないのに、「何で始めからスペシウム光線で戦わないの?」という疑問を浴びせられながら、やっとの思いで勝って空に飛んでいく、これがいいんですね。
「仮面ライダー」が、戦いが終わって、スペック的には凄いはずなのに、普通に見える(?)バイクに乗って颯爽と立ち去る姿を純粋に「かっこいい!」と思うのです。
やはり、「戦いは孤独」という概念が強く、それを、本当に真摯にやり抜いているからこそ、「ヒーローなんだなあ」、と感心するのです。
テニスの戦いも一緒ですね。
戦いは実に孤独です。
応援はいますが、味方はいません。
「ヒーロー」は常にそういう戦いを強いられるものなのです。
だからこそ、戦いに勝利した時に、大きな感動を呼ぶんですね。
何年か振りに、「仮面ライダー」を見て、そんなことを考えていました。
そして、風呂敷を首に巻きつけ、「ヒーロー」ごっこをしていた頃を懐かしく思い出していました。
もちろん、現代にも「ヒーロー」はたくさんいます。
多くの子どもたちが、孤独な戦いに勝ち、「ヒーロー」になることを、ともに夢みたいと思います。
「トオー」(初代「仮面ライダー」の雄叫びのつもりです)・・・・・ってか!
2009年05月06日
テニスのサービス -3- (1617)

テニスの科学(59)
― サービスの球種打ち分け技術を科学する(3) ―
「球種によって動きはどう変わるのか(2)」
ここまでは、身体のうち胴体部分と下半身の動きについて球種の違いによる特徴を整理してきましたが、それだけで打ち分けが出来るほどテニスは甘いものでありません。
そう、上肢の動きをつかんでおかなくては、完璧な球種の打ち分けは出来ません。
そこで、上肢の動きについてみてみることにしましょう。
しかし、この上肢の動きのデータを得るのは実に大変なのです。
肩と肘と手首の動きを合わせると、肩で3つ、肘で1つ、手首で3つの7つの動き、14もの動作があるのです。
それを一つ一つ見ていかなくてはならないのですから、大変な作業であることはおわかりいただけると思います。
ついでですから、これらの動作を整理しておきましょう。
<肩>
屈曲と伸展
外転と内転
内旋と外旋
<肘>
屈曲と伸展
<手首>
橈屈と尺屈
掌屈と背屈
回内と回外
これらすべての動きについて、その動きの角度を解析してみました。
その結果、サービスにおけるフォワードスイング期では、肩の屈曲と外転と内旋、肘の伸展、手首の橈屈と掌屈と回内が、ほぼ同時に起こり、腕の動作を作っていることがわかったのです。
それらの動きがサービスの動作に関係することはわかっていたのですが、タイミングにはかなりずれがあるというのが定説でしたので、少し意外な感じがしたのですが、それが真実です。
しかし、同時におこっているといっても、その大きさなどには違いがあります。
球種の違いによって、どの動きに違いがあらわれるのかということにもっとも興味が集まるは当然です。
大きな違いを示した動きは2つでした。回内と内旋です。
2009年05月05日
最後は体力(1616)

もうひとつ感じたことは、「最後は体力」ということです。
私たちの時代と違って、今のジュニアの試合は1セットマッチがほとんで、体力よりも技術が重要視されるような感じがします。
一日に何時間も続けて試合をしないので、体力のある選手が最後に踏ん張って逆転で勝ち上がる、というようなことも少ないように思います。
でも、「体力」のある選手の方が、大きく飛躍するチャンスがあります。
この大会で、私の指導する選手が、予想を超えて勝ち上がりました。
予想は超えていましたが、トレーニングの時の洗練されつつある動きを見て、「これは!」という予感はありました。
素晴らしい才能を持っているわけではありませんが、しっかりとトレーニングをして、ちゃんと身体作りをしてきた成果が出たと言えます。
トレーニングは、やればすぐに効果が出る、ということではありませんが、続けていけば必ず成果が出ます。
相撲の世界には、「3年後の稽古」という言葉があるそうです。
花開くためには、地道にトレーニングと訓練を続けることが大切であることを教えています。
そうやって体力をつけていった者は、どの世界でも強くなっていきますね。
また、実は体力のある者は、精神的にも強くなります。
人間の心と体は別々のものではありません。
心身一体となって、その人間の能力を形作っています。
心を鍛えることは難しいことです。
でも、一心にトレーニングに打ち込んで、体を作り、体力を引き上げてきた者は、間違いなく「心も強くなる」、そのことは間違いありません。
トレーニングは確かに苦しい、でも、それを強い意志でやり続ければ必ず強くなる、それを信じて頑張ってほしいと思います。
2009年05月04日
困難が人を磨く(1615)

昨日から東海中学生大会が始まりました。
昨日はダブルス、今日はシングルスが行われ、私のクラブから出場した10名の選手のうち、6名が全国大会の切符を手に入れました。
日ごろの練習の成果が発揮されて、本当にうれしく思います。
全国大会に出場するだけではなく、そこで勝つ力を身につけるために、さらに高い意識を持って努力してほしいと思います。
もちろん、まだまだ足りないところはあります。
この大会を見てきて感じることは2つありました。
ひとつは、「困難が人を磨く」ということです。
女子のベスト8に入った選手の内、3名の選手は、現在寮で生活しているか、寮での生活を経験した者です。
一人は私の持っている寮で生活をしています。
他の二人も、もともと私のクラブの生徒であったり、一緒に遠征に行ったことがある選手なので、その成長ぶりに驚かされます。
その強さに感心していて、ふと感じたことが「これ」でした。
寮での生活は不自由です。
制限も多く、プライバシーはあまり確保されてはいません。
それでも、なお、テニスが強くなりたいと思って、それに耐える力が必要です。
そうやって「強さ」を身につけていきます。
困難があればあるほど、それを乗り越えて強くなる、それが真理です。
避けて通ることは簡単ですが、あえて正面から立ち向かう勇気は人を大きく成長させます。
「困難は人を磨く」、このことを忘れずに、さらに大きく成長してほしいですね。
もうひとつは・・・・
朝から8時間以上、昼ごはんも食べずに試合を見続けて、ふらふらです。
この大会は同じクラブ同士の対戦も多かったので、複雑な思いがあって、ちょっと胸も痛みます。
だから・・・明日、続きを書きたいと思います。
おやすみなさい。
2009年05月03日
教えない(1614)

コーチング論(6)
教えるということに関して、
「ティーチング」
「インストラクション」
「コーチング」
という言葉があります。
どれも、「教える」ということですが、その意味は違っています。
「ティーチング」は、多くの知識を持っている先生が、その知識を伝達するという意味合いが強く、「インストラクション」は、インストラクターが主に技術を教えるというように区別できると思います。
では、「コーチング」とは何が違うのでしょうか。
それは、「コーチング」は、「ともに考える」と捉えるということです。
指導力はもちろん必要ですが、選手の持っている能力を引き出すために、考えさせたり、練習を休ませたり、課題をともに見つける時間を作ったり、さりげない会話だったり、アイコンタクトだったり、すべてのことを、その能力を引き出すために向ける感覚が同じでなければなりません。
これを「指向性」と言いますが、それを同じくし、信頼関係で結ばれて初めて「コーチング」が成立します。
だから、「教えない」ことは「コーチング」として成り立ちます。
しかし、ただ「教えない」のではありません。
きちんと「観る」ことが大切になります。
その中で、教えるべき時には、つまり、選手が求める時にはきちんと答えるのがコーチの仕事になります。
室伏重信先生は、
「言うことではなく、見る、ことこそ指導者の役目なのです。
思ったことを未消化のまま言うことはあってはならない。
技術は、日によって、時間によって、ハン マーにおいては一本一本変わるのかもしれない。
それくらい繊細なものの中で安定を築くのです。
しっかり見極めねばならないのです。
しかし、静観とは見るだ けではない。
見て、チャンスを待つという意味です。
仮に選手が間違った動きをしていても、それが後にどういう形で技術に効いてくるのか、これは瞬時にダメ だと判断できないからです。
何を、いつ言うのか、そのタイミングを待つ。」
と言っています。
私は教員生活も経験してきたこともあって、どうも教えすぎる傾向が強いように思います。
教えすぎることは、「考える力」を奪うことにもなります。
人に依存する傾向を強めてしまうかもしれません。
昔の師と弟子の関係のように、何も教えないというのもあります。
より合理的にコーチングによって能力を引き出すためには、適切に指標を与え、考えることと教えることのバランスをとることが大切になります。
2009年05月02日
実戦ドリル(1613)

ドリル練習では、次のボールが予測できるので、打球した後に、すぐにそのボールを追うために走り出してしまいます。
しかし、実戦では、そういう動きをする選手であれば、逆を突かれて追い込まれます。
強い選手は、その判断力が高いものです。
そうした状況に対応するためには、そうしたことを想定して練習しなければなりません。
しかし、練習の中でその意識を持つことは難しことです。
そう感じていたので、最近のドリル練習では、子どもたちが緩慢に次のボールに対して動いた時に逆を突いてボールを出します。
そのことは約束してあります。
そうすると、打った後にちゃんと前を見て、相手の動きを見て、出されたボールに反応して動くことができてきます。
実に実戦的な動きができて、ボール出しのテンポを変えることで、実戦以上の動きのトレーニングになります。
この練習を始めてから、多くの子どもたちの動きが良くなってきたように感じます。
夏に向けてさらに強化していきたいですね。
でも、この練習の問題点は、ボールを出す時に相手の動きを良く見ていないといけないということです。
一日に何百球も球出しをするコーチの側からすると、その集中力を維持するのは簡単ではありません。
流れ作業のように、ただボールを出すのであれば、多少の腕の疲れを我慢すれば良いのですが、この練習は脳が疲れます。
実戦に近い練習をするために、コーチも実戦を強く意識してボールを出さなければならない、ということです。
大変疲れます。
でも、子どもたちの動きが良くなってくると、集中力が増してきます。
自然と声も大きくなって、気合も増してきますね。
そんな練習を続けていこうと思います。
2009年05月01日
良かったこと(1612)

寮を作って、二重生活が始まって2年が経とうとしています。
初めのころ面倒に思っていたこの生活ですが、今は何となくペースをつかんで、楽しみながらやっています。
寮生もそれなりに自立し(?)、うるさく言われなくても行動できるようになってきました。
テニスだけではなく、生活を通して子どもたちの成長を感じられる場所があることは、コーチにとってとても大切なことだと思います。
この生活を続けてきて、「良かった」と思うことがあります。
ひとつは、
「酒が飲めない」
ことです。
SMAPのメンバーが泥酔して逮捕されたことを受けて、そうならないで良いということではありません(笑)。
家に帰ってくつろいで、「ちょっと一杯」がないので、食事をして、風呂に入って、また寮に戻ってくることができます。
もし、お酒が飲めるのであれば、食事の時にそれを我慢するのはきっと大きな苦痛だと思います。
お酒を飲んでの運転は絶対にいけません。
お酒が飲めないので、絶対にそうならないことは良いことですね。
それと、私は、
「一人でいることが好き」
です。
明るい性格で、みんなとわいわいやるのも好きなので、そう思われないかもしれませんが、基本的に一人でじっとしていることが好きです。
休みの時なども出かけないで、一日中本を読んだり、パソコンをいじったりするのを好みます。
寮に帰ってきても、寮生と話をすることはほとんどありません。
時々、みんなでDVDを見たりはしますが、ほんのたまにです。
普段は、あまり話もせず、自分の部屋で本を読んだり、ネットを回遊しています。
それがまったく苦痛ではありません。
話をする相手がいないと寂しい思いをする思うかもしれませんが、人と接する仕事をしているせいか、一人の時間がほっとする時が多いですね。
なので、特別寂しい思いをすることなくこの生活を続けています。
そして、もう一つ良かったことは、
「きれい好き」
だということです。
私は中学生からすべて自分でやる生活をしてきましたので、身の回りの整理整頓の習慣が身についています。
自分の机や仕事場が散らかっていることはありません。
本もきちんと本棚に整理されています。
今、本が本棚に入りきらずにあふれてきているので、本格的な書庫を導入しようと検討中です。
もちろん、掃除はまめにします。
散らかっているのは嫌なので、せっせと片付けます。
だから、子どもたちが散らかすと目いっぱい怒ることができます。
遠征でも自分の荷物の整理ができていない選手には真剣に怒ります。
自己管理ができることは、安全につながるということでもありますが、自分の力を発揮するために必要なことです。
もし、私がだらしなかったり、ずぼらな性格だったら、怒っても子どもたちには伝わらないと思います。
「コーチもそうだから」と切り返されては面目はありません。
コーチという仕事に就いて、「きれい好き」がとても大切な習慣だと強く感じています。
子どもたちにとってはうっとうしい、ぐらいがちょうど良いのかもしれませんね。
今から洗濯しま~す!
2009年04月30日
トレーニングの原則(1611)

トレーニング論(2)
トレーニングを行う時には、原則に則って指導します。
基本原則として、
・過負荷(オーバーロード)の原則
・漸進性の原則
・反復性の原則
・全面性の原則
・個別性の原則
・自覚性の原則
が挙げられます。
この中で、中高生を教える立場のコーチは、個別性の原則をよく考えて指導しなければなりません。
この時期、特に女の子は身体的にも精神的にも大きな変化をします。
胸も大きくなり、下着も変わり、そのことを強く意識するようになります。
ある実験で、裸の女性を突然衆知にさらすと、ほぼ間違いなく胸を最初に隠すそうです。
女性は、買い物かごを持つ時、無意識に上腕を脇につけて肘を曲げてかごを持ちます。
これも肩の力が弱いことに加えて、胸の意識が強いことと関係しています。
それだけ胸の意識が強いということです。
胸の意識が変わると、パフォーマンスに大きな影響を与えます。
テニスのストロークなどで、女性が腕を脇に強くひきつけて小さなスイングしかできない人が多いのは、そのことも影響しています。
それを矯正することはとても難しいことなのです。
でも、その意識は、赤ちゃんをしっかりと抱いて守るためには役立ちます。
そうした本能的なことも、この時期に形作られてきます。
こうした変化を良く知り、その特徴に合わせてトレーニングをプログラムしていかなければならないと思います。
また、基本原則に加えて、
・特異性の原則
・多様性の原則
・意識性の原則
が大変大切です。
特に、意識性の原則は、人間を扱う上でもっとも留意しなければならない点です。
人間は意識の違いによって、大きくパフォーマンスが変わります。
私は「曲がらない腕」の実験でそれを証明するようにしています。
(曲がらない腕)
腕を軽く曲げて準備します。
適当な人に(あなたを憎んでいる人や力のうんと違う人は困ります)、腕を持って曲げてもらうようにお願いします。
あなたはその力に抵抗して、曲がらないように力を入れてください。
同じくらいの力の人であれば、腕は簡単に曲がってしまうはずです(そうでなければ、相手の力がうんと弱いか、あなたは常人のものではない力を出すことができるということです)。
ひょっとしたら、密かに改造されているかもしれません。
一度検査をしてください。
いくら抵抗しようとしても無駄です。
明日、腕が筋肉痛になって泣くのはあなたですよ。
手の力を軽く抜いて(ここがポイント)、指先を前方に向けて準備します。
先ほどと同じように、腕を持って、曲げてもらうようにお願いします。
この時、「よし、今度は負けないようにがんばるぞ!」とは決して思わないでください。
適当に鼻歌でも歌いながら、そうですね、指先から水が出ていて、花壇に水でも撒くようなイメージを持ってください。
腕はホースです。
腕の中を水が流れて、指先から水が出ています。
さあ、相手が力を入れてきました。
何かやっているなあと思いながら、あなたは花壇に水をやり続けてください。
決してがんばってはいけません。
どうです。
腕は曲がらないでしょう。
これは結構有名な技なので、知っている人も多いかもしれません。
初めての人で、うまくいった人はびっくりですね。
うまくできなかった人でも、ちょっと訓練すればすぐにできるようになります。
肝心要は「力を抜く」ことです。
このように力を抜くことで確かにパワーはあがるのです。
この仕組みは、簡単に言うと、力を入れて抵抗しているときは、腕の後ろの筋肉しか使えないのですが、力を抜くと、肘の周りの筋肉が全て肘を固定するために協調して働くからです。
1つの筋肉よりも多くの筋肉を使う方が力は出るに決まっています。
この力を抜いた感じをしっかりと覚えてください。
テニスの多くのストローク動作では、これくらい力の抜けた感じで振れば、ラケットを支える力はあがり、また余分な力も入らないのでスイング動作はスムースになり、より安定した打球を打つことができます。
もちろん、打球スピードも上がります。
ということです。
ちょっとした意識を変えることで、パフォーマンスは大きく変わることがあることを理解してください。
強化は大切です。
しかし、何度も言っているように、
「その人の持っている能力を引き出すこと」
がもっとも大切なことです。
どうすれば、その能力を引き出すことができるのかを考え、具体的な方法を試行錯誤しながら行うこと、それがトレーニングです。
難しいことですが、大いなる好奇心を持ってチャレンジしてほしいと思います。
2009年04月29日
テニスのサービス -2- (1610)

テニスの科学(58)
― サービスの球種打ち分け技術を科学する(2) ―
「球種によって動きはどう変わるのか(1)」
身体の使い方を変えることによって球種を打ち分ける技術が必要であると言いましたが、動きにどのような違いがあらわれるのかを知らなくては、球種の打ち分けなどできるわけもありません。
最近は、テニスのように捻りを伴う動作を解析する方法が充実し、関節の角度をすべて解析できる方法なども提言されてきており、より細かくて正確なデータを算出することが可能になってきました。
このようなデータを得るためには、けっこう大変な実験準備や解析過程を経なくてはなりませんが、このような点を解析して実際の指導に活かすことが大切です。
インパクトの形がどれくらい違うのかをみてみると、身体の開き具合や肩の回転角度と傾斜角度などに違いがあることが観察できます。
身体の開き具合がどれくらい違うのかを知るために、上から見たときの両肩を結んだ線とネットとの角度データを算出してみたところ、スピンサービスだけが他のサービスとは違うことが示されました。
フラットとスライスのサービスは、肩を十分に捻った位置から、肩を開きながら、つまり肩がネットと平行になるように回転させながら打球しているのに対して、スピンサービスでは肩の開き具合が小さいのです。
そのかわりに肩の傾斜角度はもっとも大きいことが示されました。
つまり、フラットとスライスは肩の水平回転を積極的に使うサービスであり、、スピンサービスは肩の垂直回転を使うサービスであるといってよいのかもしれません。
よく、肩の「横回転」と「縦回転」という言葉が使われますが、まさにスピンサービスと他の2つのサービスの違いを言い表している言葉です。
では、このとき身体の捻りの大きさに違いはないのでしょうか。
結論を言えば、捻りの大きさにはほとんど差がないということです。
つまり、スタートは同じで、その後の身体の回転運動を変化させることによって球種の打ち分けを行っているのです。
より丁寧に説明すると、スライスサービスでは、もっとも早いタイミングで、肩をほぼ水平に回しつつ打球し、フラットサービスは、まったく同じ動作でありながら、肩の開きをやや遅らせるとともに押さえぎみに打球するわけです。
それに対してスピンサービスでは、肩の水平での開きを押さえて、肩を上方向に引き出しつつ打球します。
肩は、球のような関節を形成しているうえに、肩甲骨の動きを伴って、複雑な動きが可能になっているので、このような使い分けができるのです。
ここで、
「よし、俺も肩の動きをトレーニングして、球種の打ち分けの技術をマスターするぞ!」
と意気込んでいらっしゃる方は少しお待ちいただきたい。
いま、身体の捻りについてデータをみてみたのですが、身体の捻りは胴体の捻りだけから生みだされるものではなく、むしろ膝や股関節などの下半身の動きによって生みだされる割合の方が大きいのです。
膝の動きも調べてみると、スピンサービスほど膝の沈みこみが大きく、その沈みこみを積極的に使って身体の捻りというか、身体の反りを生んでいることがわかりました。
スピンサービスは、その反りを利用し肩の縦回転運動を積極的に行うサービスの技術であるということができます。
それに対して、スライスやフラットサービスは膝の沈みこみがあまりみられません。
指導書などには、スピンサービスほど捻りが重要であるとかかれることが多いのですが、ここで言う捻りとは反りのことを言っています。
捻りの大きさにはほとんど差は見られませんが、パワーのあるサービスを打つためには、膝の屈伸をあまり極端に使ってしまっては、かえってパワーが落ちることが知られています。
身体の捻りと、反り、膝の曲げをバランスよく使うことが大切です。
2009年04月28日
コーチに必要な資質とは何か?(1610)

コーチング論(5)
「知識」は必要です。
「知識」を深めるためには、たくさん本読むことですね。
専門書なんかを面倒くさいと思うかもしれませんが、好奇心や興味が大きければ、それは楽しみになります。
好きなマンガに夢中になる、そんなふうに感情移入を伴ってのめり込むことができればいいと思います。
私の場合も、何か関心ごとがあって、それについて調べてみようと思うと、何時間も本を読みっ放し、なんてことがあります。
最近は、ネットで検索することも多くなってきました。
しかし、そこでは今一納得できない時、やはり本を読みます。
この前も、ネットで10冊ほど本を購入しました。
今、パソコンの横に積んであります。
そうやって「知識」を積み重ねることは大切ですが、もっとも大切なことは、それを活かす「知恵」です。
「知恵」は、「知識」によって積み重ねてきたものを「経験」によって磨いていくものです。
「対応力」といっても良いかもしれません。
コーチングの指導現場は、画一的な対応ではうまく対処できないことは多いものです。
そんな時は深く考えることです。
その時「知識」は役に立ちます。
「思考力」が深まるからです。
考えに考えて、その方法なりがどう功を奏するのかをイメージします。
この「想像力」がないと効果的な方法に結びつきません。
また、多くの「知識」があることで、「トータルデベロップメント」をサポートすることができます。
「トータルデベロップメント」とは、一人の選手に対して、技術指導だけではなく、メンタル、メディカル、進路に至るまで、総合的にサポートできる体制のことです。
トップ選手は、自分のチームを作って、多くの人間がサポートする体制を作っていますが、それは大変難しいことです。
多くの場合は、コーチがそれを一人でサポートします。
その時、技術だけに偏ることなく、幅広いサポートができる資質を身につけていなくてはなりません。
また、自分だけでうまく対処できないこともたくさんあります。
その時は、自分が信頼できる人に任せることも大切です。
そうしたネットワークを持っていることは、選手の能力を伸ばすための環境作りに役立ちます。
一人でできることは最大限やりきることは大切ですが、何でもかんでも自分ひとりで、という考えよりも、一番適した状況を作ってあげるという考え方が大切です。
また、コーチングにもっとも大切なコミュニケーションを作るために、「共感」できる感性を持っていなくてはなりません。
その選手の成長のために常に考え続け、多くのアイディアを持ち、ともに歩もうとする意志が必要です。
しかし、そうした思いがあっても、それが報われることは少ないものです。
思うように成果がでないと迷い、意欲も下がりますが、それを信念で支えなければなりません。
大きな「忍耐力」がいるということです。
そして、コーチは遠征や合宿などで選手と生活を共にします。
その時、「自己管理能力」が試されます。
大きな意味で「生活力」の乏しいコーチは、選手の管理は難しいということです。
まとめてみましょう。
コーチには多くの資質が必要ですが、
知識から導き出される「思考力」
知恵に裏付けられた「対応力」
成功への強い「想像力」
自己管理によって能力を引き出す「生活力」
そして、揺らがない信念を持つための「忍耐力」
このような資質が高ければ、きっとコーチとして成功していきます。
強い信念を持ってチャレンジしてほしいと思います。
2009年04月27日
テニスのサービス -1- (1609)

テニスの科学(57)
― サービスの球種打ち分け技術を科学する(1) ―
サービスはゲームの勝敗を大きく左右します。
サービスの威力は、スピードはもちろんのこと、コースへの打ち分けや、フラット、スピン、スライスなどの球種の使い分けなどで決定されます。
球種の違いを産み出す要因としては、
1.インパクト位置
2.スイング方向
3.身体の捻り
などが考えられます。
これらの要因のうち、解析されたデータを整理しながら、球種の打ち分けのコツを探っていきます。
「球種によってインパクト位置はどれくらい違いがあるのか」
インパクト位置の違いについては、フラットサービスが、もっともネット寄りで、かつもっとも高い位置でインパクトしていることがわかっています。
フラットサービスは、やはりスピードがもっとも重要です。
スピードを増すためには、スピンの量を減らしてネット方向への運動量を大きくしたい。
そのために、ネット寄りにボールをトスして打球することは理にかなっています。
また、スピードが増しても、確率を落とさないためには高い打点位置で打つことは大切なことです。
この点は、多くの指導書で解説されていることに相違しません。
その差は、スピンサービスに比べて、ネット方向に約30cm、高さで約25cmの差です。
この差が大きいか小さいかの判断は読者の方々にまかせますが、指導書の中には、フラットサービスとスピンサービスのインパクト位置の違いについて、
「上下方向でラケット1本分くらいの差がある」
と解説している場合もあります。
感覚的にはそれくらいの差があると感じるのかもしれませんが、実際にはそれ程大きな差はないというのが感想です。
スライスサービスについては、両サービスの中間から、ややスピンサービスに近い位置がインパクト位置です。
では、左右方向のインパクト位置についてはどうなのでしょうか。
スライスサービスがもっとも右側(右利きの場合)で打球していることがわかっています。
このことは当たり前のように思われるかもしれませんが、その差はフラットに比べて約45cm、スピンに比べると約90cmにもなります。
ネット方向や上下方向の差に比べると大きな差であると思います。
トスの投げあげる方向を変えることによって球種を打ち分けることは大切な事なのかもしれません。
しかし、上級者になってくればくるほど、トスの位置によって球種を悟られないようにする技術を身につけなくてはならないのは当然です。
トスの方向を変えることによって球種を打ち分けることは、球種の違いによるスピンの感覚をマスターするためには必要かもしれませんが、上級者では身体の使い方の違いよる打ち分け技術を身につける必要があるように思われます。
2009年04月26日
芸に生きる(1608)

私の母親は日本舞踊の師匠をしています。
今日は御園座での公演で踊ると言うので、娘たちを連れて観に行ってきました。
小さい頃から慣れ親しんでいるはずなのに、日本舞踊の世界は独特な雰囲気があってうまく馴染めません。
でも、そこに生きる人の「凄さ」のようなものを感じて感心することは多いものです。
「芸に生きる」、それは、普通の生活をしていては進むことが難しい、大変強い生き方ではあると思います。
私の母も、家事は一切やらず、ただひたすらに芸に打ち込んでいました。
踊りの本(音楽の譜面のようなものがあります)を確認することを何時間も続けていました。
踊りの勉強のためにと、当時は大変高価だったビデオデッキを購入し、わき目も振らずに見入っていました。
中学生から毎日の外食、自分で洗濯、顔を合わせる時間もほとんどない、そんな生活でした。
そんな生活を寂しいと思ったこともありましたが、母親の芸に賭ける生き様をすごいと感じていたので、そういう生活をなじるような気持にはなりませんでした。
世襲制の強いこの世界で、まったくのアウトローから這い上がってきた人だけに、そのバイタリティは並ではありません。
75を過ぎた今でも、毎日出稽古に出かけます。
多くの弟子も育てています。
そんな生き方に憧れるような気持でいます。
私はテニスのコーチをして、多くの子どもたちを教えてはいますが、師と呼べるほどのものではありません。
「芸に生きる」とは、その感性のすべてをそれに賭ける覚悟を持って進まなければならないものかもしれません。
芸に生きる人の感性には足りていない、そんなことを感じた日でもあります。
いつまでも元気で踊り続けていてほしいと思います。
2009年04月25日
ストレスとうまく付き合う(1607)

今日は雨だったので、トレーニングをたくさんして、ミーティングをしました。
今日のテーマは、「ストレスとうまく付き合うには」ということについて話をしました。
試合では、「どうやってうまくストレスと付き合っていくのか」、ということが勝敗を大きく左右することになります。
試合におけるストレスとは、
・ミスショット
・調子の悪さ(という思い込み)
・ミスジャッジ
・相手の態度
・風などの環境要因
・対戦相手の好き嫌い
・年下との対戦
などが挙げられます。
大変多くのストレスがある中で、それに捉われて自分を見失ってしまわないようにする必要があります。
そのためには、まず「誰でもストレスを感じている」ということを認識することからはじめましょう。
そして、「逃避行動」をしないことです。
逃避行動には、
・うなだれる
・泣く(試合中に泣く選手もいます)
・行動が遅くなる
などがあります。
これは、不快なストレスに対して、それを回避するために無意識のうちにとってしまう行動です。
しかし、戦いから逃げることはできません。
もし、これが格闘技であれば、こうした行動をとった時には既に敗北が決まっています。
戦うことから逃げないで、「相手に向かっていくしかない」と覚悟を決めて戦うことです。
そのために、4つの行動を心がけましょう。
ひとつは、「声を出す」ことです。
声を出すことで、相手に戦う意志を強く見せること、そして自分のテンションを上げることになります。
もちろん、筋肉の力は上がります。
苦しい時ほど、大きなストレスを感じている時ほど、声を出して、強い気持ちでボールを打たなければなりません。
どんな時に声を出すのかというと、
・ショットを打つ時
・エースを決めた時
・構えた時(セルフトークに近いです)
です。
こうした時に、きちんと声を出せる選手は、うまくストレスと付き合うことができます。
ふたつめは、「オーバーリアクションをしない」、ということです。
オーバーリアクションは、相手のストレスを軽減し、余裕を与えてしまいます。
そして、テンポを早くしてみることです。
ストレスに負けてしまっている人は、うなだれて、とぼとぼ歩きます。
チェンジコートの時でも、精気なくコートに入っていきます。
うまく自分の力を出せるはずはないですね。
そういう気持を振り払って、少しだけテンポを上げてみましょう。
人間の感情は行動と深い関係がありますから、テンポを早くすると、暗い気持ちが和らぎます。
そして、ポイントが始まる前に、足を小刻みに動かすなどの「プレモーション」をしてみましょう。
軽やかに、颯爽と、力強く動くことで、戦う気持ちがよみがえってきます。
ストレスを感じることは少ないですね。
それでもうまくいかない時は、「リセット」しましょう。
間を取り、水分を取り、気持ちの切り替えを図ります。
チェンジコートの時は、「リセット」のチャンスです。
トップ選手が、タオルを頭からかぶり、じっと気持ちを切り替えています。
これがうまくストレスと付き合う方法です。
相手にボールを返球する時もチャンスです。
相手サービスであれば丁寧に返球し、自分のサービスであればしっかりとボールを受け取って、その後、少しテンポを上げる、それだけで気持ちは切り替えられます。
試合では、ストレスを失くすことはできません。
すべての選手が大きなストレスと戦っています。
それでも、ちゃんと自分の力を出す人は、うまく付き合うことができる人です。
大きな大会であればあるほど、ストレスは大きくなります。
それとうまく付き合って、思う存分自分の力を出して戦う、それだけを願っています。
いいか!最後は気合だ!
がんばっていこうぜ!










