2008年03月31日
結婚記念日(1169)
今日は21回目の「結婚記念日」です。
記念日だからといって、特に何かするわけではありませんが、結婚してから今までのことを少しは振り返ったり、話をして懐かしんだりはします。
幸いなことに(?)、結婚してケンカらしいケンカをしたことがありません。
カミさんが忍耐強いのか、大人なのか、私のわがままにもあまり嫌な顔をしないで了解してくれます。
寮を作ってから、家で過ごす時間が減ったことに関しては、多少不満もあるようですが、「単身赴任のつもり」でいるそうです。
夫婦円満の秘訣、というほどのことはありませんが、心がけていることは、「干渉」し過ぎないということです。
相手のすることをきちんと認めて、その行動を応援する気持ちになることですね。
私は基本的にカミさんが「したい!」ということに対して、反対したことはありません。
「どうしてそうしたいのか」ということについても、あまり深くは関心を持ちません。
チームを引いて海外に遠征に出かけることや、学会の事務局の仕事を引き受けるなど、大変そうな仕事で、家庭に少なからず影響しそうなことであっても、本人が「したい!」と思っていることは最大限に尊重し、その上であまり深く「干渉」したり、強く「関心」を持つことはありません。
テニスの指導でも同じですね。
子どもたちは、試合では「負けたくない」と思って一生懸命に戦っています。
周りからみていると、「こうした方が良い」とか、「何でこういふうにできないんだろう」とか、「何でこんなところでミスをするんだろう」とか、と勝手に思いますが、なかなかうまくいかないのがスポーツです。
日ごろ一生懸命に練習していても、試合で結果が出ないことなどしょっちゅうあります。
それを感情的に指摘し、激怒し、一方的になじるような光景も良く見られます。
強すぎる「関心」や深すぎる「干渉」に至っている場合にはより感情的になり、感情的な接し方は、必ず「反発」や「反感」などの感情を蜂起させます。
これが、夫婦の関係であれば、「ケンカの種」になるわけですね。
スポーツの指導者も、もちろん思うような結果が得られなかったり、持っている力を発揮できない試合を見ると、怒ったり、落ち込んだりして、感情的な態度をとることもあるでしょう。
でも、それは大きな「勘違い」であり、自分本位の「身勝手な考え」である場合は多いものです。
だから、(プロの指導者は)それをぐっと堪えて、冷静に状況を分析し、次の機会にはできるだけそうならないようにするために「どうしたら良いのかというアドバイス」をおくることに徹しようとします。
それがスポーツの指導者にとって最も必要な考え方であり、資質であると思います。
そういう訓練をずっと続けてきたので、なんとなく夫婦の間でも、そういう「ものの考え方」で接するようになっていたのかもしれません。
それが円満に夫婦生活を続けてくることができた一番大きな要因であると考えています。
これから先に人生で、何があるのか分かりませんが、できるだけ今の「ものの考え方」を崩さないように、いつまでも仲の良い夫婦でありたいと思います。
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2008年03月30日
筋肉の機能を高める(1168)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -94-
練習や試合に入る前に簡単にストレッチをして、「さあ、これでウォーミングアップは十分だ。いつでも試合で全力を出し切ることができる!」、なんてことはまったくない(絶対にない!)。
ストレッチは、障害を予防し、身体ケアの意識を少なからず高めることを目的として行うトレーニングとしては大変有効なものであるが、強くなることを望むのであれば、さらに身体機能の向上を目的としたウォーミングアップを行わなければならない、これが法則である。
全日本などの大きな大会において、トップ選手は、試合前のウォーミングアップで、ストレッチだけにとどまらず、様々な体操やジャンプのトレーニングを組み入れて、入念にコンディショニングの調整を行っている場合が多い。
ジュニアの大会でもトレーナーが同行する学校やクラブがあり、ウォーミングアップやトレーニングの指導をきちんと行うケースが増えてきた。これは大変良い傾向だと思う。
しかし、具体的にウォーミングアップとしてどのようなことを行えば良いのか、ということについては、諸説まちまちで、日本舞踊や活花のように、何々流みたいなものまであって、「これだ!」と言えるものがないので、自分の思い思いに勝手にやっているというのが実情である。
もちろん、それでも成果が出ているのであれば何も文句を言う筋合いではないが、中には「おいおい、それはいくらなんでもひどいんではないの?」ということもあるので、科学的な見識をバックボーンに、実際の指導経験として十分に成果を上げている私なりの方法を述べて、参考にしていただきたいと考えている。
まず、ウォーミングアップは「順序」が大変大切だ。
はじめにストレッチなどをして関節の可動域を拡げ、次にランニングや軽体操を取り入れるなどして筋温を高めて筋肉の活動レベルを上げ、筋の収縮スピードを高めるための軽いトレーニング(時には少しハードなトレーニング)を行ってから試合に臨む、というのが有効な方法である。
ここでは、ランニングの方法や取り入れる軽体操については解説しないが、このあたりは、多くの試合を見る限り、結構しっかりやられているようなので、自分のその方法を信じてしっかりとやっていただきたい。
これすらやらない人は、これから先を読んでも無駄だと思うので、他の記事でも読んでいただくことをお勧めする。
ちょっとだけ付け加えておくと、ストレッチとランニングの順序は、気温や環境(屋内か、屋外か)などによって変わることもある、ということだ。
時折、寒風吹きすさぶ中、がちがちと歯を鳴らしながらストレッチしているクラブ活動を目にすることもあるが(しかも短パンで….。そんなあほな!)、そんな状態でストレッチなんかしても、ほとんど効果なんぞありませんよ。
それなら、少し走って身体を早く温めたほうが良いと思いますが….。
逆に、灼熱の太陽が輝く炎天下に、いきなり、かなりの時間ランニングさせる場合もあるらしいが、死んでも知りませんよ。
まあ、良識ある諸君なら、その点は理解してウォーミングアップを行っていると信じたいものだ。
テニスのような瞬発力を必要とするスポーツでは、基本的にランニングとストレッチで筋肉の活動レベルを上げてから、筋肉の瞬発力やスピードを高めるためのトレーニングを行うことで、そのパフォーマンスに良い影響を与えることがわかっている。
しかし、この「ウォーミングアップでトレーニングをする」、ということがあまり理解されていない、ということが問題なのだ。
中にはストレッチさえしていれば良い、という「ストレッチ神話」やランニングだけで十分だ、という「ランニング神話(?)」を信じている方がいる(多い?)のも事実である。
ある研究データでは、瞬発力を必要とするスポーツでは、ストレッチをすることで(ウォーミングアップにストレッチのみを行った場合)、そのパフォーマンスが低下する、という報告まである。
よく考えてみれば、ストレッチとは、筋肉をリラックスさせ、その柔軟性を高め、そのことによって関節の可動域を高め、障害などを予防しようとするものであるので、筋肉は基本的に弛緩していて、すぐに活動をおこす状態になっていない。
そのままの状態で試合に入れば、筋肉はすぐに100%は動かない、ということなので、試合のはじめから全力でその力を発揮することは難しい、ということは理解できるはずだ。
特に、ジュニアの試合では、その多くは(全国大会に出場が決まるというような大切な試合でも)1セットマッチで勝負が決まる(こんなことは日本だけよ)。
だとしたら、はじめから全力で体を動かす準備をしなければならないのだ。
そのために必要なトレーニングを「プレトレーニング」と言うが、(その重要性を認識していないので)このトレーニングを十分に行っていない選手を多く見かける。
そんなことで、自分の身体を存分に動かせると思うのはおかしな話である。
「プレトレーニングで筋肉の機能を高める」、これが強くなるためのウォーミングアップに欠かすことができない、ということをよく理解してほしい。
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2008年03月29日
夢を買う(1167)
東海毎日ジュニアも2日目を迎え、全カテゴリーのダブルスが行われました。
14歳以下男子ダブルスで和典が優勝、慶太郎が準優勝、14歳以下女子ダブルスでゆり子と更紗が準優勝、南奈がベスト4、12歳以下男子ダブルスで開が準優勝、と素晴らしい成績を残してくれました。
今日は、18歳以下と16歳以下のシングルスと14歳以下のシングルス準決勝、決勝、12歳以下の3位決定戦が行われます。
出場する、貴大、航、和潤、綾、晃子、彩莉、咲季、和典、大貴には精一杯の頑張りを期待したいですね。
大会では多くのコーチを話をする機会があり、情報交換をしたり、近況を聞いたりするのはとても大切な有意義な時間です。
会場でいろいろなクラブのコーチと話をしていて、「寮の生活はどうですか?」と聞かれることが多くなってきました。
実は、寮というか、宿泊施設の必要性はみんな感じています。
それは、できるだけ多くの時間を子どもたちに提供したいという思いからではないでしょうか。
練習の時間、生活の時間、それらすべてをテニスにかけることができる環境を作るためにはそれ以外の方法があまりないからですね。
でも、実際に作るとなるとたくさんの問題があります。
一番大きな問題は「お金」の問題ですね。
とても大きな買い物になります。
アパートを借りるという手もありますが、子どもたちが生活するためには近隣との関係にできるだけ気を使わなくても良い方が望ましいはずです。
そうなると、家を買うか建てるかという選択しかありません。
私は家を買いましたが、もちろん、躊躇する気持ちはありました。
何日も考えましたが、「これ以外にはない!」という強い気持ちを持って決断しました。
そして、こう言い聞かせました。
買い物は、「夢」を買うことでもあります。
どんな小さな買い物でも、そこにはうれしい気持ちや夢がかなったような喜びがあります。
そう、私はとても大きな「夢を買った」ということです。
借金を負うことにためらう気持ちはわかりますが、その分だけ「夢」にかける気持ちも大きくなります。
私は20年のローンを組んで家を購入しましたが、20年分もの「夢を買うことができた」という満足感の方が大きいですね。
20年後、借金を払い終わったときには、この寮はどんなふうになっているのかと、思いを馳せるとわくわくしてきます。
どんな子どもたちが生活しているのか、どんな子がここを巣立っていったのか、たくさんの歴史が刻まれているはずです。
そんな「夢」をみるために、私は寮を作りました。
それは、どんな大きな問題もクリアにしてしまうとても大きな力を持っています。
「寮の生活はどうですか?」
「夢のある素敵な生活ですよ。」
そう・・・答えます。
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2008年03月28日
記録更新?(1166)
今日から東海毎日ジュニアが始まりました。
総勢23名の選手が出場するので、佐藤コーチと二人で下のコートと上のコートに分かれて観ても、一日中選手がコートに入りっぱなしで、ゆっくりと昼食をとる時間もありません。
これは指導する者にとってはうれしい悲鳴には違いありませんが、試合は真剣に観るので大変疲れますね。
なかなか全国大会への道は厳しいものがあることを痛感させられたり、子どもたちの成長や可能性を確認できたりと、やはり試合を観ることは大変重要な仕事だと思います。
朝練から始まって、一日中の試合観戦が終わっても夕方からはレッスンがあります。
ハードなスケジュールですが、こうしたことの積み重ねが「強いチーム」を作っていくので、気合いを入れて向かいます。
爆睡する子どもたちを乗せてクラブに着き、コートに行ってみるとちょっとびっくりの光景でした。
いるわ、いるわ、子どもたちがうじゃうじゃとコートに群がっています(こんな表現がぴったりです)。
少し遅れてきた子を入れて、なんと総勢で51名の子どもたちが練習に来ていました。
2日前の朝練にきた40名を超える子どもたちを見た時もちょっとびっくりでしたが、それを超える子どもたちが練習している様は壮観ですね。
実は、さらに少し遅れてくる予定の子どももいたので、過去の最高練習同時参加記録の54名を超えるのではないかと密かに期待していましたが、残念ながら試合での疲労のためお休みで、記録更新はなりませんでした。
それでも、これだけ多くの子どもたちが集まって練習するようなクラブになってきたのかと、感慨深いものもあり、とても嬉しく思います。
子どもたちにとって、このクラブ、このチームにどんな「魅力」があるのかは分かりませんが、大勢の子どもたちが集まってくるだけのものが「何かしらある」ことを誇りにも思います。
これからも、より「魅力」あるチームに磨き上げるべく努力せねばならないと決意を新たにする次第です。
さすがに疲れますね。
今日は夢を見ることもなく爆睡できそうです。
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2008年03月27日
左手をうまく使う(1165)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -93-
左手はバランスをとるのが役目だとよく言われます(もちろん右利きの場合)。
確かに、ラケットを持っているわけではないので(片手打ちの場合)、スイング動作がスムースに行われるようにバランスをとることは大変重要な役目です。
しかし、左手にはもっと大切な働きがあるのです。
この機能を生かせば、もっと楽にボールが打てるようになります。
多くの人はボールを打つとき、左手を前に差し出すでしょう。
「左手でボールを指差せ!」とよく言われたものです。
中には、左手を上に上げて打つ人もいますが(実際にいたので、笑ってしまいました)、普通は前に差し出すはずです。
このとき左手の前腕を少し内側に捻ってみましょう。
どんな違いがありますか。
それに気づくことができれば、あなたの身体感覚はかなり向上しています。
実は、左手を内側に捻ると、背中の筋肉が緊張して、胸を張ることができるようになるのです。
そうすると、ラケットをより後方に楽に準備することができ、体も捻りやすくなるので、そのパワーを利用してスイング動作を速くすることができるのです。
野球のピッチャーが、前に差し出したグローブを内側に捻りながら投げていることに気づいていましたか。
これは、胸を張って速いボールを投げるための工夫なのです。
捻りやすい角度に左手を差し出すことも、もちろん大切です。
肘を伸ばして、ボールを指差してはいけません(ちょっとかっこ悪いかも)。
この姿勢は、最も左手を捻りにくい形だからです。
軽く肘を曲げ、手首の力も抜いて軽く内側に捻る、これだけでスイングスピードは速くなるのです。
決して左手を上にあげないでくださいね。
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2008年03月26日
間をおく(1164)
リズムやテンポを崩さずに、自分のペースで試合を行うことで勝つチャンスは大きく広がります。
しかし、相手からプレッシャーを受けたり、緊張したりするとリズムやテンポが乱れます。
そんなときに、よく「間をとれ」とか「間をおけ」とアドバイスを受けることがあります。
この場合の「間」とは、「時間的な間」のことを指し、少し時間をおいて呼吸を整えたり、集中力を高めるために時間を使うことを意味しています。
それ以外にも、「間」は大変重要な意味をもちます。
伝統の武道から学ぶべき点を探してみましょう。
剣道は、日本古来の伝統武道です。
現代は、スポーツ化したといわれることもありますが、その中には何百年と脈々と受け継がれた戦法や戦術があります。
そのような剣道において、「間」は最も大切な戦術として認識されています。
剣聖と謳われる宮本武蔵は、「間を知り、外すことが勝利することの基本である。」としました。
これをスポーツ全般に当てはめることは難しいですが、タイミングをはずすという言葉が適しているのかもしれません。
また、「間合い」という言葉もあります。
相手と対峙したときの両者の状態を表す言葉です。
攻撃や防御のリズムとテンポとして捉えることができます。
相手の隙を突き、集中力が不十分な状態で攻撃を仕掛けることができるように、相手の心理を洞察する「心理的な間」のことをいう場合もあります。
このように「間」を知り、「間」を自分が有利に試合を進めることができるように最大限利用することが勝つためには必要です。
しかし、相手もできるだけ自分の「間」で試合を運ぼうと必死になるので、プレッシャーをかけてきます。
プレッシャーを受けると、多くの場合リズムやテンポは速くなります。
どうしてでしょうか。
自分のリズムを乱されると人間は不快感を持ちます。
できるだけ早くそのような不快な状態から抜け出したいために行動が早くなるのです。
特にポイントを失ったときには、不安や緊張は大きくなります。
その状況から早く抜け出したい気持ちが強くなればなるほど行動は早くなります。
また、相手の高いレベルの闘争心や冷静な集中力を感じると、その不安や緊張はさらに大きくなり、自分のリズムやテンポを乱していきます。
そのようなこころの状態を「あせり」とか「混乱」、[パニック]という言葉で表現します。
そのような状態がよくないことは誰でも理解していますが、そのときは「感情のほうが強い」ので冷静な判断は狂っています。
では、そういう状態に追い込まれそうになったときはどのように対処したら良いでしょうか。
最も良い方法が「間をおく」ことなのです。
気持ちを整理できないままでプレーに入ると、全ての行動のリズムを崩して、再び同じような失点を繰り返すことは多いものです。
同じミスを何度も繰り返すと「パニック」になって、自分本来のプレーを継続することは難しくなります。
そのようなときは「間をおく」ことによって、こころの状態に目を向けるのです。
そうすることで、その時点で自分がしなければならない行動が冷静に判断でき、同じミスを繰り返す確率は低くなるはずです。
また、相手の集中力の持続を阻止する効果も期待できます。
ポイントを取ったことで高揚しているだけで、早く次のポイントを取りたいと焦るような選手であれば、「間をおく」ことで焦りを誘い、相手のリズムを崩す効果は高くなります。
しかし、ここで注意しなければいけないのは、「間をおく」ことは、あくまでも「自分のため」にするということです。
よく、相手をじらすように間をとる場面を見かけますが、相手の行動に目を向けているうちは、本当のメンタルタフネスを手に入れることはできません。
相手のこころの状態を乱すことよりも、自分のこころの状態を最適にするために最大の努力を払うことが何よりも大切です。
そして、自分のこころの状態が整理され、最適な状態を作り出すことができたら、その状態を「構え」によって表現することがとても重要なことなのです。
最適なこころの状態とは、興奮しすぎる(あがり)のでもなく、冷めすぎている(さがり)のでもなく、「中庸(ちゅうよう)」という、ちょうどバランスのとれている状態のことです(スポーツによって、そのバランス点は若干違います)。
そのためにも、自分が最も心地よく行うことができる行動のリズムをつかんで、そのリズムやテンポを変えないで試合に臨むことができるように訓練することです。
こころの状態が最適であれば、相手はプレッシャーを受けて、同じように打っているつもりでも、自分のリズムが崩されてうまくショットを返せなくなってしまうのです。
ボールを打ち合うことだけに目を向けるのではなく、最適な状態で戦うことができるように、試合中の行動すべてをコントロールすることができるようになれば必ず強くなれます。
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2008年03月25日
良い表情で戦う(1163)
試合に勝つためには、できるだけ「弱みを見せないこと」が大切だということを書きました。
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自分が弱み見せることで、相手はその分だけ強くなると考えれば、嫌な気持ちや不安があったとしても、ぐっと我慢して平気な顔をしている方がいいです。
そういう行動を繰り返していると、どんな状況でも平然としていられるような精神力が身に付いてきます。
大切なのは、常日頃からそう心がけて、行動をコントロールしようとすることです。
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こうした訓練を続けていると、自然と「良い表情」で戦うことができるようになってきます。
「良い表情」とは、どのような「表情」のことを言うのでしょうか。
「目は口ほどにものを言う」といわれます。
スポーツの場面では、練習中や試合中に「表情を変えるな」という指示が与えられる場合も多くあります。
このことは、「表情」には意味があり、それがプレーに影響するものであることを示しています。
しかし、意外と自分の「表情」の変化が相手に有利な条件を与えていることに気づいていない場合や、気づいていても実行することを訓練していないために、十分に遂行することができない人は多いのではないでしょうか。
テニスコートの上で、自分の感情、特に自信喪失や不安の感情を相手に隠しておくことは大変重要なことです(「テニスメンタル必勝法」より)。
私は、「表情」の中でも特に「目の表情」を大切にするように指導しています。
相手のほうを怒りに満ちた目で突き刺すように見るのでもなく、不安げにきょろきょろするのでもなく、自分が最も集中した「良い目」で相手を見ることです。
動物は、相手と対峙したとき、その「表情」、特に「目の表情」で自分との力の優劣を判断し、自分が不利だと感じると戦わずして退散していきます。
人間も、動物と同じように「表情」によって相手の状態を無意識のうちに探っています。
相手に無意識のうちにプレッシャーを与えることができる「表情」は、試合を有利に進めるためにはとても大切な要因です。
そして、そのような「表情」はトレーニングによって培うことができることを覚えておいてください。
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2008年03月24日
新入生(1162)
昨日から新入生が寮での生活を始めました。
今回、新たに入寮したのは新中学一年生の二人です。
まだ小学校を卒業したばかりなので初々しい(?)ですが、これからいろいろなことを覚えてたくましく成長してほしいと思います。
寮での生活は、初めのうちは目新しいことが多く新鮮で、親元から離れたという開放感もあって楽しく生活できますが、毎日の生活となると苦しいことも多くなります。
一番大切なのは、きちんと「生活の管理」をすることです。
寮での生活は、自分の家にいる時のように、何でも親がやってくれて、わがまま放題、好き放題やってきたようにはいきません。
私はいつも「ここは君たちの家ではない、人の家に住まわせてもらっているという緊張感と感謝の気持ちを持って生活しなさい」と言います。
リラックスして生活することは大切ですが、それをルーズな感覚と取り違えて、自分の思うように好き勝手に行動するようなっては困ります。
なので、細かいルールを取り決め、それを必ず守るように厳しく指導しています。
まずは自分の「生活管理」をお互いがきちんとすること、これができるようになるまで訓練が必要ですね。
また、他人同士が生活するので複雑な人間関係が構築されていくものです。
それをうまく、交通誘導よろしく、円滑に行くようにコントロールするのが私の役目ではありますが、それぞれの子どもたちがお互いに気配りできるように成長することが何よりも大切です。
寮では、その「コミュニケーションの力」を少しでも培うことができるための訓練として携帯電話の使用を制限しています。
基本的に、練習が始まって、翌日学校に行くまでの間は携帯電話の使用はできません(学校では使っても良い、ということではありませんが・・・・・)。
寮にいる時に、話もしないでひたすらに携帯でメール交換しているなんていう状況は、共同生活を送るためにも、「コミュニケーションの力」を高めるためにも望ましくないと考えるからです。
きちんと「自分の言葉で話し」、「他人に対する気遣い」と「気配り」を学び、「状況を判断」して、「自分の行動をコントロール」できる、寮は、そんな「学びの場」であってほしいと思います。
もちろん、それ以外にも辛いことや苦しいことも多いですが、それを乗り越えていくのは、やはり「テニス対する情熱」です。
「それ」さえあれば、すべてうまく行きます。
今回新しく入寮した子どもたちも、すでに生活している子どもたちも、その情熱を高く持ち、大きく成長してくれることを願っています。
そして、寮で生活したことがこれからの人生に大きなエネルギーを与えるものであってほしいと思います。
がんばれ!新入生!
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2008年03月23日
最適な膝の角度を知る(1161)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -92-
「もっと膝を曲げて打て!」、「膝の曲げ伸ばしでトップスピンを打て。」というようなアドバイスは良く耳にします。
テニスではこの膝神話(?)も結構根強い人気を誇っています。
しかし、膝を曲げるといっても、いったいどれくらい曲げれば良いのでしょう。
最大に筋力を発揮できる最適な関節角度が実験的に測定されています。
膝は140度くらいが最も力を発揮しやすい角度です。
けっこう伸びた状態の方が力は発揮できるものです。
私がテニスを始めた頃は、膝は90度、肘も90度、手首の角度も90度と、90度神話がまかり通っていた時代ですから(この頃は、本当そう思い込んで打っていました)、それに比べると、ずいぶん楽になったなあと思います。
しかし、実際のプレー中に膝をこの角度でコントロールすることはできるのでしょうか。
できないと思う人は手を上げてください(ここでは、話を上手く進めるために手を上げてください)。
残念でした!答えは<できます>です。
そのためには、膝の捻りのコントロールが大切になります。
トレーニングしてみましょう。
軽く足を上げて片足で立ってみてください。
そうしたら、そのまま体を捻ります。
つま先が内側を向くように捻ってください。めいっぱい捻ったら、そのままでできるだけ膝を曲げてみましょう。
どうです、そんなには曲がらないでしょう。
そのときの膝の角度を見てください、だいたい140度くらいになっていませんか。
すごいでしょう、膝を内側に捻るだけで、最も力を発揮しやすい角度に自動的に調節できてしまうのですから。
ストロークの練習で、着地のとき膝を内側に捻ると、全力で走ってきても楽に体を止めることができます。
常に膝の内側への捻りを意識していると、筋力を鍛えなくても、大きな力が発揮できるのでバランスを崩すことなく、安定したスイングを行うことができるのです。
オンコートでは、「スライディング」というトレーニングを行います。
全力で走っていって切り返しを行ったり、スイング動作を取り入れながら行うトレーニングです。
膝をやや内側に捻り、つま先が開かないようにできるだけ長い距離をスムースにすべることができるように何度も繰り返し行います。
それだけで、あなたのスイングバラスや切り返しのスピードが高まるはずです。
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2008年03月22日
「弱い」ということ(1160)
ブルネイの遠征からただ今戻りました。
今回の遠征は、関西空港発着なので、関西空港についてから車を運転して帰名したのでちょっとしんどかったですね。
子どもたちは・・・・・もちろん、爆睡です。
まあ、今回の遠征は、毎日降られる雨と宗教上のイベントなどが重なってうまく日程を消化できず、コンディションを管理するのが大変だったので、ちょっと疲労もあります。
少しゆっくりさせてあげたいところですが、大切な試合が続くので、ここは気合を根性で頑張ってほしいところです。
もちろん、私も休みません。
気合いでこのコラムをアップしたら、練習に行きますよ。
さて、今回の遠征を通して思うことは、まだまだ「弱い」ということです。
克服しなければならない大きな「弱点」が多いということでもあります。
ここで思い浮かぶのは、やはり「何が何でも」という強い「思い」です。
シンガポールから子どもたちを引率してきたコーチと話をしました。
多くの国では、インターハイや全日本ジュニアのような大会はありません。
ITFの大会がメインであり、それ以外に目標とする試合もほとんどないので、みんな必死になってポイントを取りにきます。
もちろん、そのために他の国の大会に参加するのが「当たり前」です。
そういうことが「基準」になっていると、「強さ」は生まれやすいのかな、と思います。
日本の子どもたちも一生懸命に練習しているし、強くなるための環境を作るために多くの人が頑張っていることは知っています。
しかし、「基準」が違うと、「目標」があいまいになって、限られた世界での結果にとらわれてしまい、その持てる力を十分に引き出せないではないかと思うのです。
子どもたちのそんな「意識」をうまく変えていくこと、そのためにこれからも海外にチャレンジしたいと思っています。
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2008年03月21日
「課題」を強く「意識」する(1159)
遠征では、自分の「課題」を強く「意識」できることが多いものです。
少ない人数で長い時間一緒にいるので、よりはっきりと「課題」を確認できます。
そうした「課題」を確認したならば、あとはそれを克服するために「どれだけのことができるか」にかかってきます。
それはまさに「自分の意志の強さ」がはかられることでもありますね。
より強く「意識」できていないと、長い時間をかけて取り組むことはできません。
それを「弱い」といいます。
「強く」なるには、「弱い」自分を知って、それに負けないように頑張るしかないですね。
この遠征でも「課題」は確認できました。
*****「自己中心的な感覚を変えること」
自分のプレーがうまくいかない時に、簡単に破綻するプレーヤーは強くなりません。
そこを激しい気合と気迫で自分を駆り立て、ぐっと我慢強くプレーすることができるようになってほしいと思います。
そういう選手は、「人のためにプレーする」という意識を持って練習するといいと思います。
自分が、自分がという意識が強く、自分勝手な練習をする人は、すべてがうまくいかないと我慢なりません。
そういう人は、練習する相手の選手が試合のためにレシーブからのポイント練習をしたい時に、ダブルフォールトを繰り返します。
大切なポイントでダブルフォールトから崩れることも多いですね。
そうならないために相手の練習になるように細心の注意を払って練習することにトライすることはとても良い訓練になります。
*****「気持ちの強さを表現する-狙って打つ意識を高める」
相手と戦うためには「気持ちの強さ」を「表現」できなくてはなりません。
そのためには「弱音をはかない」ように訓練することは大切ですが、「狙って打つ意識」を高めることは効果的です。
強く「狙って打つ」ことを繰り返して練習することで、試合での「状況判断」がうまくできるようになってきます。
「何も考えられない」、「何をしたら良いのか分からない」ような試合が多い人は、この「狙って打つ意識」の低い人です。
「狙って打つ」ということに対する強い「意識」は、「絶対に負けない」という強い「思い」からしか生まれません。
その「思い」を強く持つことができれば、自然と「それ」を「表現」するようになってきます。
そうした「意識」がしっかりと身につけば、ロブやアングルショットなどを駆使して、簡単に相手に攻撃されない粘り強い返球を生み、チャンスで思い切ったショットが打てることにつながってきます。
*****「粘り強さを磨く」
気持ちの「強さ」をプレーや試合中の言動で「表現」することはとても大切です。
しかし、それがある程度できている選手であっても、大切なポイントになると必ずと言ってよいほどミスをしてしまう選手がいます。
苦労して苦労して追いついても、大切なポイントで簡単にミスして相手にポイントを与えてしまうので、なかなか自分のペースで試合を行うことができません。
こういう選手は、「粘り強さ」を磨くべきです。
少しペースを落としてでも、どんなボールでも返球する訓練が必要です。
クリーンなエースでポイントを取ることに執着してはいけません。
相手が焦れてミスをしてくれるようなプレーができるといいですね。
こういうプレーを心掛けていると、「プレッシャーに強く」なってきます。
「プレッシャーに弱い」選手は何としても高めていきたい能力だと思います。
「課題」を整理することは難しいことではありません。
それを強く「意識」して、克服のために長い時間をかけて取り組む「意志」を持ち続けることが難しいのです。
その「意志」の高い人を「強い」と言います。
それを忘れないでほしいと思います。
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2008年03月20日
教えることをあきらめない(1158)
大会で思うような成績を残せないと、「あんなに教えたのに」とか「なんで教えたことができないんだ」という思いに駆られることがあります。
特に試合に向けていろいろなことを話し、きちんと理解してくれたであろうと思っていることが、まったくできなくなってしまった試合を見ると気持ちは落ち込み、やる気、教える気はなくなります。
子どもたちは精一杯のプレーをしているのでしょうが、そういう試合を見るとやはり感情的なってしまうこともあります。
そんな時は、できるだけ怒りをぶつけないようにぐっと堪えていることあるので、無表情にもなったりします。
それでも、何とか気持ちを振り絞って(こういう表現がぴったりです)子どもたちに話をします。
そして、自分の指導力と向き合い、その力のなさを嘆きつつ、絶対に「教えることはあきらめない」と自分自身に言い聞かせます。
プロの指導者とはそういう「考え方」と「忍耐力」を持っているものだ、という「理念」があるからです。
何度も何度もあきらめかけます。
子どもたちがテニスに対する情熱を失くし、やめていくことは仕方のないことです。
でも、指導者は絶対に「教えること」を「あきらめて」はいけません。
子どもたちよりもはるかに強い「信念」と「忍耐力」を持ってこれからも教え続けます。
その「思い」は決して萎えることはない、という確信が私にはあります。
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2008年03月19日
真剣勝負(1157)
何が何でも勝ちたい、という雰囲気を感じられる選手でなければ戦えません。
今から「戦いの場」に臨む者は、心静かなれど、死する覚悟を持って臨むという武士の魂を感じる、というほど大げさなものではないかもしれませんが、「それ」を感じることのできない練習や試合を見ても心は揺れ動かされません。
その「準備」の大切さを説いてきました。
武士は、「真剣勝負」においては、戦いの前の準備や心のコントロールがいかに大切なのかを何度となく学ぶものです。
「不安」はなくならないと書きました。
それを打ち消すためにがむしゃらに練習する、というのはひとつの方法だと思います。
がむしゃらに、ひたむきに、何が何でもという気持ちで練習に打ち込むことができなくては「戦う意味」はないとも言えます。
しかし、本当に大切なのは、結果にとらわれない(武士においてはたとえ死であっても)「心の在り様」を学ぶことです。
そういう「考え方」や「思い」を持って戦える選手に成長してほしいと思って教えています。
なかなかに難しい仕事ですね。
でも、私は子どもたちの「真剣勝負」が見たい、そう願ってこの仕事を続けています。
ITFブルネイ大会
綾 1-6 3-6 台湾
綾・晃子 6-1 6-0 タイ
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2008年03月18日
不安の力(1156)
どんなに練習しても「不安」がなくなることはありません。
逆に「こんなに練習したのに勝てなかったらどうしよう」と「不安」は大きくなるかもしれません。
その「不安」をなくそうとたくさん練習することが大切なのではなくて、「不安」があること、足りないことがあることを「納得」して、「自己確信」できることが何よりも大切です。
フレンチオープンに添田選手のサポートに行った時、雨が降って練習コートが確保できずにアップだけで試合に臨んだことがあります。
それも対戦相手は最近売り出し中の、全豪オープン準優勝のトゥンガ選手でした。
練習コートの割り当てはあったのですが、一般選手に優先的に割り当てられることになり、戸惑いと不満もありましたが、その練習コートに入ってきたのはアガシ選手でしたので、笠原コーチと二人で、「まあ、これはしょうがないか」という感じでしたね。
それで仕方なく、アガシ選手の練習を横目で見ながらコート脇でアップを始めました。
フレンチオープンという大舞台であり、本当はしっかりと練習して試合に入りたかったところですが、添田選手の「表情」や「雰囲気」は、その状況を「納得」して、今自分に出来ることをやりきることに集中できていたように感じました。
アップをサポートするほうも自然と集中力が高まってきました。
人を引き込む力というのはこういうことを言うんですね。
試合に入ってもその「雰囲気」が壊れることはなく、前回大会では力の差を見せ付けられて敗れた選手、それも前年のオレンジボールチャンピオンに雪辱を果たしたのです。
もちろん、「不安」はあったと思います。
でも、それを「自己確信」に変えることができた、ということですね。
試合で力を発揮するためには、この「力」が必要です。
そのためには、いつでも自分のやっていることに「納得」できるように精一杯がんばる、ということですね。
それしか「道」はありません。
「ITFブルネイ大会」本日の結果
綾 6-1 6-2 ベトナム
優 0-6 1-6 ベトナム
晃子 2-6 1-6 オーストリア
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2008年03月17日
共同という意識(1155)
今回の大会は宿泊などを大会側が用意してくれています。
ぎりぎりの予算で遠征を行っているので、こうしたサポートは大変うれしいですね。
しかし、大会側が用意してくれる施設なのでそれほど立派なホテルというわけにはいきません。
私に用意してくれた部屋は、大きめの部屋を真ん中で薄い板で区切っているだけなので、隣の部屋の話し声などはよく通ります。
なので、できるだけ迷惑がかからないように、戸の開け閉めや話し声などを控えめにするようにしています。
しかし、隣の部屋のプレーヤーはそうした配慮がありません。
朝早くに練習があるので早めに休もうと思っても、遅くまで大きな声で話をしたり、何度も扉の開け閉めを行うので、そのたびに目が覚めてします。
翌日は何となく一日けだるさが残ります。
このような「自己中心的」なものの考え方や振る舞いは良好なコミュニケーションの大きな障害になるので意識してコントロールしなければなりませんね。
そのためには、「共同という意識」を持つことです。
「共同」とは、共に同じ考えを持つ、ということです。
相手の立場になって、どんな風に思っているだろうか、どう感じているだろうかを「思いを馳せる気持ち」がなくてはなりません。
そうした意識を持って、生活をしていくと、思いやりの気持ちが育まれ、気遣いを学ぶ場になっていきます。
私が求めるのは、寮での共同生活が、こうした「訓練の場」になっていくことです。
まだまだ「自己中心的な考え」に支配され、「自分だけが」という思いが強くあります。
自分には関係ないからいいや、という排他的なものの考え方が自分自身に通用しているうちは、決して「訓練の場」になってはいきません。
訓練はつらいとか、苦しいとか、面倒だとかいう思いに支配されやすいものです。
それを乗り越えて、自分を高めることができる場になってくれば良いと思います。
そして、それが今夜の隣人たちに育まれていることを望みます。
大会も全員が本戦からの出場になり、明日から試合が始まります。
体調もなんとか暑さに慣れ、調子も上がってきているようです。
自分の持てる力を十分に発揮してほしいですね。
暑さに負けず、精一杯応援します。
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2008年03月16日
弱音をはかない(1154)
「相手に弱みを見せない」、ということを試合で実践するためには、「弱音をはかない」という、習慣が身についていなくてはなりません。
今回の遠征の練習で、弱音を吐き続けた選手を叱責しました。
春とはいえ、まだ肌寒い日本から赤道直下の国に試合をしに来たのですから、暑いことや日に焼けることなどは覚悟の上、なはずです。
しかし、「弱音をはかない」という習慣が身についていないので、ちょっとしたことで弱音を口にし、ショットなどがうまくいかないことに対する言い訳に利用します。
こういう気持ちで練習していると、いざ試合で厳しい状況になった時、弱気な自分に引き込まれてうまくいかなることが多くなります。
そこで「踏ん張る」ことが出来るかどうかは、いつもそういう気持ち、「弱音をはかない」自分を持っているかどうかによるのです。
だから、出来るだけ厳しい状況の試合を経験できるように海外に遠征にでます。
強くなるというよりも、強い気持ちを持つことができるように、そうしたことが当たり前になるように訓練する場として遠征に出ます。
そのことは辛抱強く教えていかなくてはならないですね。
子どもたちは毎日が学習であり、訓練です。
それをサポートするのがコーチの仕事ですね。
うだるような暑さに「弱音をはかない」ように精一杯がんば
っていこうと思います。
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2008年03月15日
レポート(1153)
前回のジャーナルで、「きちんと記憶してもらいたいことについては、やはりきちんと記録することが効果的だ。」と書きました。
簡単そうに見えて、なかなか難しいことです。
でも、たとえ稚拙な文章であっても、ちゃんと「書く」ということを繰り返し行っているうちに、その「書く」ということで自分の考え方が整理できたり、強くなるためのヒントが見つかったりします。
そういう「効果」を知っているので、試合や合宿などの後は、必ず「レポート」を書いてもらっています。
たくさんの子どもたちを教えているので、それを読むのも大変ですが、いろいろな思いが書かれていて、少しでも子どもたちの心に触れることができることをうれしく思います。
今日は、子どもたちから送ってもらった先日行った合宿の「レポート」を公開したいと思います。
少し手直ししましたが、子どもたちが何を学び、何を感じているのかを探る手が掛かりになると思います。
********************
今回は今までの合宿とは少し内容が異なり、マッチ練習を中心とした合宿でした。
3日間で20セット以上のマッチを行いました。
予想した以上のマッチ数でしたが、どの試合も自分なりには集中して出来たと思います。
今回の合宿におけるマッチ練習の目的は「集中力」、「判断力」、「決断力」をつけることで、試合形式の練習の中で何かを変えるためにトライする事でした。
合宿の1日目は午前2試合、午後4試合を行いましたが、自分なりに納得するボールが打てて、思うように試合を進める事が出来ました。
「ここはファーストを思い切り打って、フォアで攻めていこう」と決めて攻撃するなど、この合宿の目的であるトライする事が出来ました。
しかし、1日目はショットの調子が良く、自分の考えたような展開で試合を組み立てることができましたが、2日目はあまり上手く出来ませんでした。
ミーティングで「マッチ練習は試合の練習をするため」であり、試合で変わる事(トライする事)の出来ない選手は強くなれないという話を聞きましたが、2日目はまさに「試合の練習」が出来ていなかったと思います。
ミスをする度に(ファーストサービスのフォールトでも)「あーもうっ」と言って自分のテンションを下げてしまい、トライしようとは思っても結果的にいつもとあまり変わりのないマッチをしてしまったように感じました。
ミスをした後は「あーもうっ」と悔やむのではなく、「次にどうしたらいいのかを考える(Think next)」という事が大事だという話を聞きましたが、この日の試合は変なプライド(過去の調子良かった自分と比べる)を持ったままでマッチをしていたのでそういう場面が多く、気持ちのこもった良い試合ができなかったと反省しました。
3日目のマッチ練習の時にはミスをした後に気持ちを切り替えて、「構え」、「間をとる、「表情に注意して戦う」ということを意識して、試合を行うことが出来ました。
そうすると、偶然に入ったボールがエースになった時でもテンションを上げる事が出来て、とても良い雰囲気と高い集中力を持って試合に臨むことができます。
とても大切なことを学んだと思います。
最終日に行ったあるマッチで、1セット目を全く何もできないまま、ほとんどのボールを決められて1-6で落としてしまう試合がありました。
2セット目、このままではいけないといけないと思い、必死にラリーをつなぐことだけに集中しました。
忍耐強いプレーを続けているうちに相手も焦りからミスが出るようになってきて、だんだんと自分のペースで試合を運ぶことができるようになってきました。
そこからはより積極的なプレーを心掛け、大きくリードを奪うことができたので、もっと早くそういう展開に持ち込むことができるように気持ちを切り替えたり、状況を判断する能力が必要だと感じます。
これは私が一番足りない力なので、このようなマッチ練習を通してトライし、力をつけていきたいと思います。
今回の合宿でたくさん試合をしてわかった自分の課題は、まず「サーブの威力が弱くリターンで追い込まれてしまう」という事です。
コーチにも言われましたが、打つときに体を大きく曲げて打ってしまっているので回転のかかったサーブ(特にセカンドサーブ)が打てません。
ちゃんと自分の課題を明確にして、試合の時に思い切ったショットを打って修正していかなくてはなりません。
練習ではもちろん高い意識を持って練習しますが、試合の時の緊張感から元のフォームに戻ってしまわないように心がけてプレーしたいと思います。
ほかの課題としては、やはり自分のバックハンドが弱いという事です。
マッチ練習の時には、ほとんどの人にバックハンドを狙われ、切り返しも上手くいかず、コントロールも悪く、相手に簡単に優位に立たれてしまうケースがよくありました。
今は矯正をしている最中なのでうまくいかないことも多いですが、クロスに狙った通りに切り返しが出来るようにすることを目標にがんばって練習したいと思います。
メンタル面では、ミスショットなどで一旦テンションが下がってしまうとなかなか上げる事が出来ないことが一番大きな問題だと強く感じています。
ミーティングで言われたように、「構え」をしっかりとして、「間をとって」気持ちを整理し、「良い表情」で戦うことを行動目標として練習していかなくてはならないと思います。
今までマッチ練習が正直そこまで好きではありませんでしたが、今回の合宿で「トライ」する事の大切さが理解でき、もっとマッチ練習がしたいと気持ちが高まってきました。
この気持ちを忘れないように、高い目標意識を持って練習をしていこうと思います。
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まだレポートを提出していない選手は、このレポートを参考にして、自分の考えや感想をできるだけ素直に書くようにしてください。
きっと、強くなるための「何か」が見つかると思います。
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2008年03月14日
ノート(1152)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -91-
最近のジュニアの指導現場で、ノートに試合後の感想や練習の内容などを書くように指導するコーチが多くなってきた。
ただ、その活用の仕方については、少し疑問を感じる点もあるので、私なりの考え方を示しておこう。
これは、あるコーチから「ジュニアの選手にノートを書かせるのですが、日記みたいに書かせた方がいいのですか?それとも試合の後に反省文みたいに書かせるのがいいのですか?」という質問に対する私の回答である。
***************
よくわからないというのが本当のところです。
まず、当たり前の話として、子どもたちがちゃんと本当の気持ちを書くことができるのかどうか、ということがもっとも大きな問題です。
素直に書くことはもちろんですが、気持ちを文章として表現することができなければ、それをどう活かすかがわかりません。
ただ、コーチに言われたから書くのか、その意味をきちんと理解して書いているのかによって効果も違うでしょう。
ということは、活用の仕方はそれの意味づけをどう行っているのかによって変わってくるということです。
私の例で言うと、試合のときの気持ちで印象に残ったことを書き、試合の前にそれを見直すことで気持ちを高めて強くなった子がいます。
その子のノートはとてもきたくて読めませんが、最も効果のあった活用法です。
ある子は、試合後の反省を箇条書きにし、それを練習の課題として整理して、自分の問題点を確認しながら練習を行うことで成果が上がった場合もあります。
逆に、きちんと試合後の反省や練習の記録をつけていたのですが、そこには本当の気持ちが書かれることはなく(あきらかにコーチに見せるためだけに書かれていた)、あまり効果が無かった場合もあります。
このように、ノートを効果的に活用するためには、「記録する」ということを自分の中で意味づけできているかどうかが鍵になります。
なので、私はあまりノートに記録することをうるさく言わなくなりました。
本人たちにその意味を理解して書こうとする意志がなければ、あまり効果がないと思うからです。
もちろん、どう活用すればよいのかについての示唆は与えますが、その子まかせです。
ただし、ミーティングなどでどうしても記憶してほしいことについては記録することを強制します。
そして、練習中に何度か確認するようにします。
時には、試合後のミーティングに合わせて、試合の感想と発見した課題などを書かせることもあります。
少しでも課題を明らかにして、それを克服するための方法を自分なりに考えてほしいからです。
もちろん、ノートに試合後の感想を書く場合には、その感想を読みながら、どうすればもっと強くなれるのか、についてのヒントを探ることはできると思います。
試合で負けたときなどにその原因についてよく話をして、その中でお互い納得し、共感できる内容があり、それが向上につながるという確信を得ることができたときは、それは忘れないようにきちんと記録することが大切だと思います。
また、コミュニケーションの道具のひとつとしてノートを活用することも良いと思います。
一種の交換日記的な活用といえばわかりやすいでしょうか。
この方法は時として役に立つ場合もあるし、そうでない場合もありますが、少しでも理解を深めようとするためのもっとも手近な方法としてはお勧めできます。
ただし、書かれている内容を鵜呑みにしないこと、それがすべてであるかのように短絡的に判断しないこと、自分の考えと比較して断定的に判断しないことなどが大切なポイントです。
要はコーチに鋭い洞察力とそれを支える知識が備わっていればとてもよい道具となり得るという話です。
どの方法がよいというのではなく、自分(コーチ)と子どもたちの間でよりよい関係を築くことができるような方法をとるべきです。
まあ、一般的にいえば、試合の感想を書いて、それについて話し合うのが良いと思います。
そして、どうしても記憶してほしい内容についてそれを記録することです。
しかし、それでメンタル面が強化できるなどと短絡的に考えてはいけません。
市販のメンタルトレーニング本にはそのようなことが書いてある場合もありますが、人間のメンタル特性についての知識と洞察力を兼ね備えていなければはあまり役に立ちません。
人間のメンタルが簡単に理解できたり、その特性を変えることなどはほとんどできないと考えたほうがよいでしょう。
人間の本質がそれほど簡単に変わることはないのです。
***************
きちんと記憶してもらいたいことについては、やはりきちんと記録することが効果的だ。
しかし、それを強くなるために活用できるかどうかは、やはり指導者の力量にかかっている。
まずは自分の力を磨くことから始めたい。
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2008年03月13日
相手に弱みを見せるな!(1151)
常に「次」を考えることは、相手に「弱み」を見せないということにもつながっていきます。
風の強い日に「あ~、風はやだなあ」と考えてしまう選手と、「この風をどう利用して打ったらうまくいくかな」と考える選手では、試合が始まる前から随分と大きな差があります。
嘆いても状況が変わるわけではないので、いかにその状況でベストを尽くすかを考える方が良いに決まっています。
まあ、そうは言っても嫌な気持ちはなかなか払拭できないものなので厄介ですね。
それでも、少なくとも相手にはそうした「弱みを見せない」ように心がけるべきです。
私は、相手の消極的な発言や行動をみると、「これで勝てるな」と自信がわいてきたものです。
自分が弱み見せることで、相手はその分だけ強くなると考えれば、嫌な気持ちや不安があったとしても、ぐっと我慢して平気な顔をしている方がいいです。
そういう行動を繰り返していると、どんな状況でも平然としていられるような精神力が身に付いてきます。
大切なのは、常日頃からそう心がけて、行動をコントロールしようとすることです。
そういう「行動目標」をきちんと設定して、実践することです。
もっとも大切なことのひとつは「構え」です。
テニスという競技は、何時間も試合が続くこともありますが、実際にはポイント間やチェンジコートの時間がほとんどで、実際のプレー時間は大変短いものです。
その「インプレー」は、ボールを打球した瞬間から始まるのではなく、「構え」から始まります。
その「構え」が、相手にはっきりとわかるほど弱々しかったり、気迫が感じられなくて勝てるはずはありませんね。
でも、そのことを忘れて中途半端な「構え」を繰り返している選手は多いものです。
以前、「構え」に関して、
*******************
目の表情と同じように、「構え」の姿勢からこころの状態を探ることができます。
「構え」で相手を威圧することもできます。
よく武道の世界では、「すきのない構え」ということがあります。
武道の達人と対峙したときに「構え」でその強さを実感できます。
それに威圧された相手は「まいった!」となるわけです。
テニスの場合でも、強い選手かそうでないかを見極めるときに、打っているボールやプレーの内容だけで判断するではありません。
その選手の歩き方や姿勢、立居振る舞いなどから強さを実感できるものです。
「強い選手の行動や振る舞いを訓練することで、テニスの実力を引き上げることができる」と書きましたが、行動を訓練することでテニスのレベルは格段に上がることが期待できます。
その第1歩として、これから実際のプレーに入る前の「構え」をどうすればよいのかについて考えることは大変大切です。
「構え」はたんなる姿勢のコントロールではありません。
自分のこころの状態をあらわすものです。
自分の気持ちを整理し、相手に立ち向かう気持ちや集中力を高め、姿勢と表情の良いしっかりとした「構え」を作る、このような一連の行動すべてが「構え」であることを覚えておいてください。
強い選手と同じような「構え」だけを真似ても、相手にはこころの状態が丸分かりになることはあります。
自分のこころの状態を最適にすることがなによりも大切です。
*******************
ということを書きました、
もう一度確認して、相手にスキを見せない「構え」を身につけるように心がけて練習してほしいと思います。
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2008年03月12日
行動目標(1150)
目標には、大きく分けて「達成目標」と「行動目標」があります。
「全日本に出場したい」とか「東海大会に出たい」というのは達成目標ですね。
自分を目標に向けて奮い立たせる、気持ちを高めるという効果は期待できますが、それが達成できなかった時のことを考えて不安になったりするということもあります。
それと、いくら思ってみてもそれが達成できるとは限りません。
そういう事が何度か続くとやる気も失せてしまうかもしれませんね。
それに対して「行動目標」は、自分が「やろうと思えば」必ず「できる目標」です。
「ミスをしても絶対に下を向かないようにしよう」とか「エースを決めたらガッツポーズする」というような自分の行動に対する決め事みたいなことです。
作戦に関しても、「絶対に相手のバックにサービスを入れる」とか「ロブをうまく使う」なんていうことも行動目標になります。
この目標のいいところは、「やろうと思えば必ずできる」ということです。
試合は「勝負事」です。
「勝負事」は、少しでも勝つ確率を上がるために「最善の努力」をしなければなりません。
でも、これがなかなかできません。
だから、ぎりぎりの勝負で負けていきます。
そんな試合を何度も見ました。
今回の合宿では、そんな考え方を理解し、少しでも勝負強くなってもらうためにいくつかの「行動目標」を持つように話をしました。
私の話はちょっぴり(?)回りくどくて理解しにくいと思うので、、少しここに整理しておこうと思います。
まず大切なことは、「次にどうするのかを考える」ということです。
ミスを嘆いたり、リードしていたのに逆転されたことを悔やんでいては戦えません。
「今」に気持ちを向けるために、「次」を考えることは大切な心がけです。
「どうしたら相手に勝つことができるか」、「どうすれば自分のペースで試合ができるか」を真剣に考えてプレーしてください。
それができなくて、過去のことばかり気にしていると、どんどん「落ち込み」ます。
良いショットを打っても喜べずに、気持ちは盛り上がってはきません。
このような状態で「戦う」ことは難しいですね。
だからこそ、常に「次」を考えて、気持ちをそこに向けなくてはなりません。
それが「今」を戦うためにもっとも効果的な「考え方」だからです。
それに加えて、そういう「ものの考え方」が確立されてくると、いろいろな作戦が浮かび、相手の状況を分析できるようになります。
戦いは有利に進む確率が高くなるはずです。
それが数%であったとしても、少しでも確率の高くなることを「実践」できる選手が、「強い選手」です。
「意識」して「実践」するようにしてください。
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2008年03月11日
追い込む力(1149)
私の愛読する(?)中日新聞に、「女王の素晴らしさを垣間見る」と題するコラムがありました。
**********
柔道担当記者になって2年。いつも驚かされるのは、谷亮子(トヨタ自動車)の競技意欲だ。
女子48キロ級で五輪2連覇を果たした翌日の15日。
報道陣に囲まれた谷は、事前にコメントを用意していたかのように言った。
「今度は練習の成果を発揮するための能力を磨きたい」
並の王者なら、しばらくは勝利の余韻に浸っているところ。
そのさなか、ここまで貝体的な強化プランを披露できる選手もそういない。
2000年シドニー五輪で悲願の金メダルを獲得。
これを境に谷が柔道を続ける動機は「記録との闘い」に変わった。
競技者であれば、好調な年も不振の年もあるだろう。
数字や記録に重きを置くほど、背負う重みを増す。
ただ、女王が素晴らしいのは、柔道の中身を追究する姿勢を失わずにいること。
「自分に対する繊細さが大切」と言うだけあって、強化のためのアンテナは日常生活にも広がっている。
「最近は人が歩く姿を見るだけで、力が強いとか、こんな技に弱いとかが察知できるようになりました」
凡人記者には生涯到達不能の境地だが、こんな言葉に触れるたびに、谷が頂点に君臨し続ける理由を垣間見た気がする。
**********
ということです。
達人の言葉は、いつも人の心を揺り動かします。
私はこのコラムを自分のノートに貼り付け、かっこよく言うならば「心の糧」にしました。
私が、感動するのは、こうした言葉だけではありません。
谷選手は「自分を追い込む力」を持っていると確信できるからです。
優勝した瞬間に大きく振り上げた手の先はテーピングだらけで、痛々しいほどです。
それほどまでに、「自分を追い込む力」を持っているからこそ、その言葉に重みが出てくるのだと思います。
いつも感じることのひとつに、この「自分を追い込む力」が足りないということがあります。
「この試合にかけるものがあります」
「絶対に勝ちたいと思ってがんばりました」
その通りだとは思いますが、その言葉からは「思い」は伝わってきません。
「自分を追い込んで」いない者は、その発する言葉に重みはありません。
女王をして、「今度は練習の成果を発揮するための能力を磨きたい」と言います。
道は遥かなるものであるが、求めていく道は「そこ」にしかないのかもしれません。
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2008年03月10日
姿勢で元気!(1148)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -90-
姿勢をコントロールすることは覚えましたか?
その訓練をしている人は、ふと気づいたはずです。
今までとはなんとなく気持ちが違うことに・・・・・。
なんとなく、晴れ晴れとしたような、すがすがしいような気持ちになることが多くなったでしょう。
これは、姿勢は感情のコントロールと大変深い関係があるからです。
ちょっと簡単なテストをやってみましょう。
まずは悲しい気持ちになってください(なれない人は、悲しい物語のビデオを借りて見ましょう)。
そのときはどんな姿勢になっていますか。
次にうれしい気持ちになってみましょう。
どんな姿勢になりましたか。
その他にも、怒ったり、甘えてみたり(そんなのありか?)したときに自分がどんな姿勢になるかを観察してみましょう。
多くの人が同じような姿勢になるはずです。
悲しいときは、頭を下げて、胸を沈めて、背中を丸くします。
うれしい時は、頭を上げて、背中がぴんと伸びてきます。
これはどんな民族であれ、人種であれ、世界共通です。
また、テニスのゲームを見ていると、どっちが勝っているか、負けているか、スコアを見なくても、その人の姿勢や、歩き方、表情でわかりますよね。
このように姿勢(筋肉の働き)と感情は大変深いつながりがあるのです。
うれしい姿勢や表情をしながら、悲しい気持ちになるように努力してみてください。
大変難しいことに気づくはずです。
姿勢によって感情がコントロールされるのです。
ミスをした時に気持ちが落ち込んで、悲しい姿勢のままプレーをすると、筋肉の働きが悪くなって十分に能力を発揮できる可能性は低くなります。
そんな時、胸を張って堂々とプレーするようにすると、気分も変わって良いプレーを持続できるようになるはずです。
良い姿勢を保つ効果はこんなところに現れるのです。
良い選手はプレー中の姿勢が良い人が多いものです。
ミスをしたときほど、胸を張って次のプレーに備えるようにしてください。
訓練すると、緊張や、あがりなどメンタル面も強化され、身体感覚も向上します。
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2008年03月09日
トライ(1147)
総勢50名を超える春の合宿も好天に恵まれて無事に終了しました。
今回の合宿のテーマは「マッチ練習」です。
初日から参加した選手の中には20セット以上行った選手もいて、その中から「何か」をつかんでくれたら良いと思います。
合宿のミーティングではいろいろな話をしましたが、何よりも伝えたかったのは、「マッチ練習は練習だ」ということです。
練習は今より上達するために「トライ」することが大切です。
というよりも、「トライ」しない練習にはあまり意味はありませんし、そういうものは練習とは言いません。
強くなるための条件のひとつである「試合で練習と同じボールが打てる」は、「試合と同じような緊張感を持って練習する」ということとは違います。
試合という(緊張感の高い練習)形式の中で「トライ」することができるということです。
試合になると勝つことばかり考えて、「トライ」することを忘れてしまう選手も多いですが、それでは練習の「意味」はありません。
何度も「トライ」をして、何度も失敗を繰り返し、その中からより成功する確率の高い「トライ」を選択する能力が高まってきます。
「トライ」や「チャレンジ」は闇雲に突き進むというのとは違います。
失敗の中から成功の確率の高いショットを選択する能力を高めるということです。
そのために何よりも大切なことは(試合でも)「トライ」を「続ける」ことです。
そういう(マッチ)練習が「当たり前」になることです。
そして、(公式の)試合でも勇気をもって「トライ」することができる選手に成長することです。
今回の合宿で、そういう試合(練習)ができたかどうかを振り返ってみましょう。
「トライ」できたとはっきりということができる選手は、間違いなく成長しています。
その成長をこの春の大会で確認できるのを楽しみにしています。
春の暖かい日差しは、真冬の寒さになれた肌には少し刺激が強すぎましたね。
真っ赤になった顔や手足は「強さ」の証です。
自信を持って試合に臨んでください。
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2008年03月08日
骨で立つ(1146)
合宿期間中はブログのアップができないので、今回は2話続けてのアップになります。
興味のある方は、前話も読んでみてください。
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -89-
中心位置で立つことができるようになったら、この位置でできるだけリラックスすることを覚えなければなりません。
一度立ってみてください。
太もも前部の筋肉の力を抜いてみましょう。
次はふくらはぎの筋肉の力を抜いてみましょう。
どうです、力が抜けましたか。
「力が抜けた!」と言う人は、それまでは、余分な力が入って立っていたわけです。
力が入っていると、力の感覚が伝わりにくいことは書きました。
スポーツでは「下半身のそなえ」が大切なことはわかっていても、それを見ながら修正することはできません。
感覚を頼りに修正するしかないのです。
その感覚が鈍くなっていてはうまく情報をキャッチすることはできません。
リラックスして立つ訓練をしてください。
まず中心位置で立ちます。
もちろんできるだけリラックスしてください。
そうしたら、かかとを浮かさないように軽く、本当に軽く上下に体を動かします。
いいですか、ふくらはぎの筋肉のトレーニングではありませんので、大きく体を動かしてはいけません。
何度も繰り返してみましょう。
かかとの骨が地面にあたる感覚(といっても微妙ですが)が頭の先まで伝わりますか。
伝わらない人は、どこかの筋肉が強く緊張して感覚を遮断しています。
過度に緊張している筋肉がないか探してみましょう。
衝撃が「骨」を伝わっていくような感覚を感じることができれば最高で~す(ちょっとあぶないなぁ)。
これを私は「骨で立つ」と表現します。
決して筋肉の力で立つのではありません。
この感覚をつかむことができたら、次にトランポリンを使って、大きなジャンプでも「骨で立つ」感覚がつかめるように訓練してください。
腰痛や背筋痛の改善にも効果があります。
いつも地べたに座り込んでしまう人(最近の若い人は多いですねぇ)は、筋肉の力が弱いのではなく、バランスの悪い筋肉の使い方をしているからすぐに疲れてしまうのです。
テニスを愛する人は、こうあってほしくないものです。
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2008年03月07日
ボール出し(1145)
私のクラブでは、自分たちでお互いにボールを出し合って練習することが多いです。
そんな時、自分が練習する番では集中して練習できる子が、ボール出しをするといい加減なボールしか出せない子もいます。
お互いにそういう気持ちでやっていると、せっかくの練習が効果的ではなくなってしまいますね。
確かにボール出しは面倒なことかもしれません。
しかし、よく考えてみると、相手の要求したボールをできるだけ狂いなく送球することは大変難しいことです。
難しいということは、きちんとやればそれだけ練習になるということですね。
そうい意識を持ってやっている選手は、ボールを出しながら自分の課題に気付いたりします。
もちろん、集中力も高まります。
私がボールを出す時は、それぞれの子どもたちの課題をより明確に確認できるボールを出すようにすることも多いです。
特に気をつけているのは、動きのリズムが狂わないようにすることです。
基本ドリルの中でも、サイドトゥーサイドというドリルを行うことが多いですが、そのドリルでのボール出しも、実践よりは少しだけ負荷が大きくなるようにリズムやボールのスピードを調整します。
プロですからほとんど送球の狂いはありませんが、それでも時々は狙いを外れることもあります。
そんな時は、「申し訳ないなあ」という気持ちになります。
(最近はそれほど多くはありませんが)時には何千球もボール出しをすることもあるので、集中力が欠けてしまうこともあります。
まだまだ訓練が足りないということですね。
でも、子どもたちがどんなふうにボールを打つのか、何が課題なのかを探ろうと思いながらボール出しをしていると時間はあっという間に過ぎていきます。
自分自身にとってもとても良い練習になっていると実感できます。
強くなるための練習は、こういう時でも高い意識を持ってボールを打つことができる、ということです。
明日からは合宿が始りますが、そんな意識を持って練習できると良いと思います。
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2008年03月06日
試合で成長するために(1144)
試合は練習とは違います。
当たり前のことのように思いますが、一体何が違うのかと問われるとちょっと返答に困ってしまいますね。
「緊張感が違う」というのがもっとも多い答えかもしれません。
なぜ「緊張感が違う」のかというと、それは練習と試合では一球の「重み」が違うからです。
この「重み」の違いによって緊張感は変わってきます。
当然、試合の中でも「重み」は変わります。
マッチポイントとファーストゲームの2ポイント目ではその「重み」が違って、緊張感も格段の差があることは理解できると思います。
「試合と同じ気持ちで練習しろ!」とよく言われますが、状況によって「重み」が変わることを練習で再現することは難しいのです。
だから、試合でいろいろな経験を通して学び、成長してほしい、そう思っています。
マッチ練習には、そんな「思い」が込められていることを覚えておいてほしいですね。
試合で学んでほしことは、「集中力」と「判断力」、「決断力」です。
緊張する場面で、「落ち着いて集中しよう!」と言い聞かせてみてもなかなかうまくいかないものです。
試合で学んでほしい集中力は、そういう集中力ではなくて「戦うための集中力」です。
「どう戦えばよいのか」、「この相手に勝つためにはどうすればよいのか」を真剣に考え、それ以外に気持ちを向けないように「戦い続けることができる集中力」です。
緊張感に襲われると、この「集中力」が欠けてきます。
そのまま整理できずに敗戦すると、「何もできずに終わってしまった」ということになります。
常に「戦うことを考える集中力」は何としてでも身につけたい能力です。
「判断力」は、言葉を換えれば、相手をよく観て「配球」する能力です。
試合になって緊張すると、「周りが見えず」に「ただボールを打つだけ」になって負けてしまうことが多くなります。
そういう時は、「判断力」はほとんど発揮されていない状態ですね。
これは、常日頃からそういう「クセ」を身につけるように意識して練習しなければなりません。
相手のどこに、どういうボールを打つのかを、どんな時でも考えて打つ習慣が大切です。
なかなか難しいことのようです。
ちょっと注意をすると、見違えるように素晴らしいプレーができる子が多いということは、習慣化された意識が低い証拠だと思います。
最後の「決断力」、これは強くなるために絶対に高めなければならない能力です。
チャンスボールで弱気なショットを打つ選手は絶対に強くはなれません。
試合で何かを試す「勇気」のない選手は、絶対に強くはなれません。
絶対にです。
試合で緊張した場面であっても、「こういうボールを打つんだ!」、「こういうプレーをするんだ!」という強い意志に支えられた「決断力」を発揮しているように感じられる選手は、大変魅力ですし、絶対に強くなります。
今、注目の錦織圭選手もそんな選手でした。
試合で「決断」をすることは「勇気」のいることです。
だからこそ、いろいろな「不安」や「恐怖」といった「思い」を「切った」ショットを打てる選手、チャンレンジできる選手、そういう「強い決意を感じる選」手だけが強くなっていくのです。
「勇気」は教えられません。
自分で身につけていくしかないのです。
そんな「勇気」を身につけながら、試合を通して成長する選手になってほしいと思います。
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2008年03月05日
姿勢のコントロールを覚える(1143)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -88-
力を抜くことがどれほど大切なのか身に沁みてわかったことと思う。
しかし、テニスは止まってボールを打つ競技ではない。
常に動いて、コート上を駆け回って、ボールを返球しつづけなければならないのだ。
しかも、ネットをはさんで行う競技の中で、最もコートが広い競技なのでなおさら厄介だ。
もう少し狭ければ、こんなにしんどい思いをしなくて済むのにと思ったことのある人は多いはずである。
私は、自分のコートは狭くて、相手のコートは広ければ良いと思っている(みなさんもそうでしょう!)。
そんな競技なので、走らされて、バランスを崩すことも多いはずだ。
そのとき、うまく姿勢をコントロールできれば、基礎的訓練法で学んだ「脱力の極意」が活かされるのだが、逆にできなければ、何の意味もなくなってしまう。
それほど「姿勢のコントロール」は重要である。
-自分の重心位置を知る訓練-
「もっと重心を落として!」
「重心が高いからバランスよくラケットが振れないんだ!」
「重心をもっと前に移動して打って!」
このようなアドバイスを受けた経験は誰もがあるはずです。
テニスに限ったことではありません。
あらゆるスポーツで使われる言葉です。
なんとなくわかるような気もしますが、いったい何のことなのかをはっきりと理解しているわけではなさそうです。
重心とは、「物体の各部分に働く重力の合力が作用すると見なせる点。質量中心と一致する。」だそうです。
何の事やらよくわかりませんが。簡単に言うと、やじろべえ(若い人は知っているかな?)のように、バランスがとれる点のことです。
この点を意識して運動を行うことの重要性を表しているのが先のアドバイスなのです。
しかし、具体的に「重心はどこ?」と聞いても、「ここだ!」とすぐさま答えられる人はいないでしょう。
そう、重心は目に見えるものではないので、その点を指摘することは難しいのです。
でもこのトレーニングをすればあなたも重心の位置を知ることができます。
もちろん重心は3次元空間に位置しているので、普通は腰のあたりにあるものですが、この位置を知ることは難しいので、今回は2次元的に重心位置を知る方法を教えましょう。
前後左右のどこに重心位置があるのかを知る方法です。
まず、足裏をリラックスさせることが大切です。
裸足になり、足裏を十分にマッサージを行ってください。
そうしたら、できるだけリラックスして立ってください。
上半身に力が入っていると力の感覚が伝わりにくいので、特に肩の力は抜いてください。
はじめに体をやや前傾させ体重をつま先にかけるように立ってください。
次に体をやや後傾させるように体重をかかとよりに移動させます。
何度か繰り返してください。
何度か繰り返していると、足裏の体重がかかるラインがわかるようになってきます。
くるぶしの下あたりに重心位置を感じることができるように立ってください。
同じように左右のラインも感じることができるように練習します。
まずは右足に体重をかけるように移動します。
大きく移動してはいけません。
左にも体重を移動します。
何度か練習していると、右足と左足を結ぶラインが意識できるようになります。
このラインの中心で立つようにしてください。
前後左右の中心点、そこが重心です。
彼女との待ち合わせで立っている時、ディズニーランドで並んでいる時などにいつもこの点で立つように意識してトレーニングして下さい。
この位置で立つことを訓練していると、この位置からの重心のずれを感知する能力が上がり、身体のバランスの崩れを素早く修正できるようになります。
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2008年03月04日
リカバリー(1142)
以前使っていた遠征用のモバイルパソコンが壊れたので、新しいパソコンを買ったことはお伝えいたしましたね。
そのパソコンが思いもがけず早く届いたので、しばらく使い込んで遊んでいました。
このパソコンは記憶容量が4Gしかないので、普段使っているパソコンのように何でもかんでも詰め込んで、というわけにはいきません。
でも、遠征先で十分に仕事ができるようにそれなりの環境を作らなければなりませんので、軽いソフトを組み込んで便利に使えるようにあれこれ考えて設定しています。
しかし、いろいろとソフトを組み込んでいるうちにちょっと調子が悪くなりました。
組み込んだソフトを順にリストアしながら元に戻す努力をしましたが、なかなかうまくいきません。
こんな時は、「リカバリー」するのが一番手っ取り早いですね。
幸い、まだ使い込んで間もないので、多少面倒ではありますが大きな負担にはなりません。
そうこころに決めて、リカバリーディスクを起動して始めからやり直しです。
2回目なので、ソフトの組み込みや設定もスムースに進みます。
今は快適に動いていますし、パソコンの中身もすっきりしているように思うので気持が良いものです。
テニスでも、なんとなくうまくいかない時は、このパソコンのようにあれこれ詰め込んで少しばかり機能が低下している状態と似ています。
そんな時は、「リカバリー」するのが良いかもしれません。
まあ、人間なのでパソコンのようにリカバリーディスクを入れてスイッチポンというわけにはいかないところが厄介ですね。
でも、よく「初心に帰れ」と指導者が言うように、テニスを始めた頃のような気持ちになってテニスに取り組むというのは、上達のためにはとても有効な方法だと思います。
無心に素振りをしてみるとか、壁打ちに何時間も打ち込んでみるとか、ビデオを繰り返し見てみるとか、テニスノートを見返してみるとか、いろいろな方法が思い浮かびます。
そうしてみると、その頃のことが思い出されて、気持ちがリフレッシュされ、やる気がでてくるかもしれません。
突然に頭がすっきりとして、上達のためのアイディアが浮かんでくることもあるでしょう。
どんな達人でも、そのような経験を通して、それを力にして優れた能力を発揮できるようになってきたのです。
システムが異常をきたして、あれやこれや試してもちっともうまくいかない時は、気持ちもイライラして落ち着かず、焦ったり、不安になったりするでしょう。
しかし、その状態を振り切って、原点に帰って自分を見つめなおすことで強くなります。
大切なのは、どんなに苦しくてもあきらめずに、忍耐強く続けることですね。
パソコンの「リカバリー」はそんな人生の教訓を教えてくれる、というほど大げさなものではありませんが、いつでも「リカバリー」できるという「安心感」を持って、使い込んでいこうと思います。
今は、パソコンを壊してしまった寮生に貸し出していますので、壊されずに無事に帰ってくることを祈っています。
大事に使えよお!!!
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2008年03月03日
強さを妨げるもの(1141)
「自立」、「自立」と何度もくどいぐらいに(m(_ _)m)言っていますが、それを妨げるものも多いものです。
もっとも大きな問題は「怠惰」ですね。
怠惰な人間は、いつも「まあ、いいや」という思考に陥ります。
「まあ、いいや」は「よくないけど面倒くさいからいいや」ということです。
自分の行動に対する「妥協」や「放棄」になります。
試合中などにうまくいかなくなって、「まあ、いいや」と「開き直って」うまくいくときもありますが、「怠惰」な「まあ、いいや」とは違います。
ある程度は、「これでいい」と自分の行動に対して「納得」しています。
この違いは大変大きなものです。
「これでいい」と自分に納得して行動できる人間のほうが強くなります。
自分の能力をきちんと見切って、その範囲の中で行動を決められる力がある人間は強くなります。
「強制力」によって動かされている自分は「自立」した人間ではなく、自分の「真理」に基づいて行動している人間が「自立」した人間である、とどこかに書かれていたことをかすかに記憶しています。
自分で決断し、その決断に対して責任ある行動をとること、つまり、「決めたこと」は「何が何でもやり通す」強い意志と行動力をもった人間が「自立」した人間ということになります。
それを妨げるのが「怠惰」というやっかいな性情です。
これに打ち勝って乗り越えることができるかどうかで「自立」した人間かどうかが決まる、そういうものです。
そして、少なくとも、私自身が子どもたちに対してある程度の「強制力」を持った存在となるように、できるだけ「スキ」がないように生活しなければなりませんね。
遅刻ばっかりしているコーチに「遅刻するな」と言われてもただムカつくだけですから・・・。
私自身も「怠惰」に打ち勝って、そういう「強さ」を求めていかなくてはなりません。
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2008年03月02日
手のひらの感覚を高める(1140)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -87-
手の感覚器官は大変発達しています。
脳の中でも手の情報処理のために多くの範囲が活用されるそうです。
この手の感覚が鈍くなっていると、力が入っているのに、それに気づかず、つい力んで打ってしまうことも多くなります。
特に、毎日のようにテニスをやっている人は、ラケット握るための筋肉が知らず知らずのうちに疲労して、筋肉の硬化が起こっています。
筋肉が硬化していると、感覚はどうしても鈍くります。
そんな時はストレッチとマッサージをしましょう。
練習の前や後、お風呂の後などに行うとより効果的です。
やり方は簡単です。
両手の指を大きく開いて肘を張り、互いに押し付けるようにして指を伸ばします。
マッサージは、親指と人差し指の付け根を中心に、反対の親指の腹で、軽く押しつけるようにしながら行います。
指が硬くなっていると、手首もうまく動かせないので、手首の力がうまく抜けなくて強いボールが打てない人などは一度試してください。
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2008年03月01日
自立を支えるもの(1139)
この間、ヒグマと暮らす人のドキュメンタリーを見ました。
何かしらの理由で親を失った子熊を引き取ってともに生活し、野生に還す仕事をしています。
ほとんどの場合はうまくいかないそうです。
人間に育てられた熊は野生に馴染めず、また人間のもとに帰ってくることが多いらしいのです。
うまく野生に還すことができるかどうかのキーワードは「自立」ということです。
その「自立」がうまく身につけば本来の生活に戻ることができるのですが、それがなかなか難しいのだそうです。
サポートする人間の心がけが大変に重要で、「これ以上踏み込んではいけない一線は、絶対に踏み越えない強い意志」が必要ということです。
なんでもかんでも与えてはいけない、ということですね。
スポーツ選手の育成も同じです。
「自立」が何よりも大切であることは何度も言ってきました。
しかし、それを促し、うまく身につけさせるためにどう接していけば良いのか、どのようなサポートが望ましいのかは大変難しい問題です。
棟梁と弟子の関係で技が伝達される関係が良いと言われることもありますが、接する時間が限られていたり、多人数を対象とする時には難しいと思います。
「自分たちで考えろ!」は大変便利な言葉ですが、何か指標となるものを与えておいた方が理解が深まることも多いものです。
時には細かく指示することが有効な場合もあるでしょう。
これですべてがうまくいく、という方法があるわけではないので、経験と知識によってできるだけ有効な方法を考えて処方していかなくてはなりません。
そのときの私の基本的な姿勢は、「よく観て察する」ということです。
伝えたいこと、身につけてほしいことを一方的に伝えるのではなく、子どもたちがどう捉えているのかをそのしぐさや表情、行動から「観て察する」という姿勢です。
相手の立場に立って物事を考えようということでもあります。
「自立」の基本は、「自分で考えて行動する」こと以外にありません。
だから、じっとその行動を観て、気持ちや考えを察して、適切な行動の指針を示すようにしています。
人間を理解するのは難しいものです。
うまくいかないときの方が多いかもしれません。
しかし、その考えが私の「一線」です。
これを超えないように、多くの子どもたちが自分で考えて行動できるような指導をしていこうと思います。
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