2008年03月06日
試合で成長するために(1144)
試合は練習とは違います。
当たり前のことのように思いますが、一体何が違うのかと問われるとちょっと返答に困ってしまいますね。
「緊張感が違う」というのがもっとも多い答えかもしれません。
なぜ「緊張感が違う」のかというと、それは練習と試合では一球の「重み」が違うからです。
この「重み」の違いによって緊張感は変わってきます。
当然、試合の中でも「重み」は変わります。
マッチポイントとファーストゲームの2ポイント目ではその「重み」が違って、緊張感も格段の差があることは理解できると思います。
「試合と同じ気持ちで練習しろ!」とよく言われますが、状況によって「重み」が変わることを練習で再現することは難しいのです。
だから、試合でいろいろな経験を通して学び、成長してほしい、そう思っています。
マッチ練習には、そんな「思い」が込められていることを覚えておいてほしいですね。
試合で学んでほしことは、「集中力」と「判断力」、「決断力」です。
緊張する場面で、「落ち着いて集中しよう!」と言い聞かせてみてもなかなかうまくいかないものです。
試合で学んでほしい集中力は、そういう集中力ではなくて「戦うための集中力」です。
「どう戦えばよいのか」、「この相手に勝つためにはどうすればよいのか」を真剣に考え、それ以外に気持ちを向けないように「戦い続けることができる集中力」です。
緊張感に襲われると、この「集中力」が欠けてきます。
そのまま整理できずに敗戦すると、「何もできずに終わってしまった」ということになります。
常に「戦うことを考える集中力」は何としてでも身につけたい能力です。
「判断力」は、言葉を換えれば、相手をよく観て「配球」する能力です。
試合になって緊張すると、「周りが見えず」に「ただボールを打つだけ」になって負けてしまうことが多くなります。
そういう時は、「判断力」はほとんど発揮されていない状態ですね。
これは、常日頃からそういう「クセ」を身につけるように意識して練習しなければなりません。
相手のどこに、どういうボールを打つのかを、どんな時でも考えて打つ習慣が大切です。
なかなか難しいことのようです。
ちょっと注意をすると、見違えるように素晴らしいプレーができる子が多いということは、習慣化された意識が低い証拠だと思います。
最後の「決断力」、これは強くなるために絶対に高めなければならない能力です。
チャンスボールで弱気なショットを打つ選手は絶対に強くはなれません。
試合で何かを試す「勇気」のない選手は、絶対に強くはなれません。
絶対にです。
試合で緊張した場面であっても、「こういうボールを打つんだ!」、「こういうプレーをするんだ!」という強い意志に支えられた「決断力」を発揮しているように感じられる選手は、大変魅力ですし、絶対に強くなります。
今、注目の錦織圭選手もそんな選手でした。
試合で「決断」をすることは「勇気」のいることです。
だからこそ、いろいろな「不安」や「恐怖」といった「思い」を「切った」ショットを打てる選手、チャンレンジできる選手、そういう「強い決意を感じる選」手だけが強くなっていくのです。
「勇気」は教えられません。
自分で身につけていくしかないのです。
そんな「勇気」を身につけながら、試合を通して成長する選手になってほしいと思います。
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「集中力」「判断力」「決断力」・・・全てがテニスだけではなく将来の仕事でも社会生活でも必要になってくるチカラですね。子どもたちがテニスの試合を通じて、これらのチカラをつけることができれば、社会に出てもきっと前に進み続けることが出来ると思います。
私は、テニスの試合になると、いずれのチカラもなかなか発揮できないのですが・・・。特に、「周りが見えず」に「ただボールを打つだけ」になって負けてしまうこと、よくあります。
私は子どもたちがテニスというスポーツを通して素晴らし人生を歩んでくれることが希望です。
そのためには努力して「力」をつけなくてはなりません。
「力」をつけるためには苦しいことやつらいこともたくさんありますが、それを乗り越えさせることが私の仕事だと思っています。
時には厳しいことも言いますが、子どもたちの素晴らしい人生のために頑張っていこうと思います。