2008年09月25日
経験を活かす(1434)
今までに数多くの海外遠征を経験してきました。
海外にかかわらず、遠征に出ることで子どもたちは多くの経験を積むことになります。
しかし、その経験が本当にためになっているのかというと、「良く分からない」というのが本当のところです。
あるトーク番組でトップのスポーツ選手が、
「経験値が高いと素直な試合ができない。」
と言っていたのを記憶しています。
この「素直に試合ができない」というのはどういうことでしょうか。
「海外に行って試合をしたことがある」というプライドが邪魔をしてしまうということです。
このプライドは少し厄介です。
周りの人は「海外まで試合に行ったのだから強くなるはず」という思い込みは強くなります。
お金もかかるし、学校も休んで行きます。
今までまったく行ったこともない、言葉も通じない場所で外人相手に高い緊張感の中で試合をする、という経験が大きく成長させてくれるという思い込みがあるからです。
しかし、それだけのことで成長するわけではありません。
逆にその思い込みに対して、何とか「応えなくてはならない」と思いすぎて調子を落とすことも少なくありません。
経験がマイナスに働くこともたくさんあるわけです。
でも、確かにこうした経験を通して成長する選手はいます。
アテネオリンピックで金メダルを取って、その後の全日本選手権で敗れた北島選手が素直に「油断した」ことを「認め」、それから「謙虚」に練習に取り組み、北京オリンピックで2冠を達成しました。
北島選手のコーチは、この「謙虚さ」を北島選手の「強さ」として挙げています。
遠征に出ることで一番大切なことは、自分の「弱さ」を自覚することです。
経験を活かして伸びていく選手は「謙虚」に自分の「弱さ」を自覚し、「何かを変えよう」という強い「意志」が生まれた選手です。
なかなか「自分を変える」ことに「謙虚」に取り組むことができる選手は少ないものです。
遠征ではいろいろなことを話をして、厳しくもなります。
この経験を活かしてほしいからです。
これからも経験が成長のじゃまをすることがないようにうまくサポートしていきたいと思っています。
次の遠征は・・・ニューカレドニアかな?
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