2008年09月02日
マイナスの感情を転化する(1411)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -168-
このことは、「マイナスの感情がよくないということではなく、それをどう活かしていけば良いのかという考え方をもつことが重要である」ことを教えてくれる。
ここでは、「スランプ」についてまわる「不安」について考えてみよう。
試合前に「不安」になったことがないという人はいないだろう。
なんとも不思議なものである。
好きで始めたテニスで、自分の力がもっとも発揮される最高の晴れの舞台である試合を前に「不安」になる。
なぜか考えてみた人も多いだろう。
五木寛之(「不安の力」集英社)は、
不安とは、電車を動かすモーターに流れる電力のようなものだと、いつからかそう思うようになってきたのです。
不安は生命の母だと感じる。
それは、いいとか、わるいとか、取りのぞきたいというようなものではない。
不安は、いつもそこにあるのです。
人は不安とともに生まれ、不安を友として生きていく。
不安を追いだすことはできない。
不安は決してなくならない。
しかし、不安を敵とみなすか、それをあるがままに友として受け入れるかには、大きなちがいがあるはずです。
自分の顔に眉があり、鼻があり、口があるように、人には不安というものがある。
不安を排除しようと思えば思うほど、不安は大きくなってくるはずです。
不安のない人生などというものはありません。
人は一生、不安とともに生きていくのです。
そのことに納得がいくようになってきてから、ぼくはずいぶん生きかたが変わったような気がしています。
と言っている。
我々は、「不安」は、嫌なもの、あってはならないもの、自分の力を妨げるものとして、それをいかにして排除すべきかについてのみ考えすぎてはいないだろうか。
「不安が本当の自分に直面させる」という側面を忘れて、ただ取り除こうとすれば、「不安」大きく抵抗し、あなたの中でさらに力を増すかもしれない。
確かに、
「不安というのは緩慢に人の心を萎えさせていく働きを持つ」
けれども、
「不安は人間を支えていく大事な力である」(五木寛之(同))、
そんなふうに考えていくべきだと思う。
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