2009年03月14日
流れをつかむ(1565)
ブルネイ遠征6日目
ダブルスの2回戦を戦った綾と晃子でしたが、肝心なところで強気なプレーができずに惜しい敗戦となりました。
いつもよりは積極的なプレーはできていたと思いますが、まだ「足りない」ということです。
ポイントを失う事に対する「恐れ」を振り切れていないようなプレーに見えます。
相手もそう感じるはずです。
そうなると互角の技量であってもギリギリの勝負では圧倒的に不利になります。
これから大きなプレッシャーのかかる試合が多くなりますが、「それ」を振り切った時、はじめて大きな可能性が開けてくると思います。
コンソレの2回戦を戦った翼は、1回戦と同じような展開でしたが、要所で弱気なプレーが目立ち、惜敗しました。
攻撃力を磨く、これは成長のためにもっとも大切なポイントです。
高い意識を持って臨んでほしいと思います。
同じくコンソレの2回戦を戦った隆雅は、相手の攻撃をうまく凌いで、チャンスを作る場面はたくさんありましたが、そのポイントを攻めきれず、4-8で敗れました。
良いフットワークを持って、相手の攻撃を粘り強く返球することはできるので、そこからテンポの速い攻撃が展開できるようにしていかなくてはなりません。
ショット威力を磨くことを課題として練習に取り組んでほしいと思います。
試合には流れがあります。
流れはたった一本のショットから生まれますが、それを引き出すためには、そこに至るまでにどういう意識を持っていたのかが大切です。
苦しいラリー戦の中で生まれたチャンス、それを思い切って打ちこんでエースを決め、流れを引き寄せる、そういうことはあります。
反対に、そのチャンスを生かせず、そこから一気に崩れることもあります。
その差は何なのでしょうか。
それは、「積み重ねのエネルギー」です。
たったひとつのチャンスボールに過ぎませんが、それを渾身の思いを込めて打ち続ける、失敗しても、後悔しても、その時は流れを失っても、果敢に挑む姿勢、「そこ」からしかチャンスをものにすることはできないと思うのです。
「プラトー」という言葉があります。
練習してもなかなか上達せず、成績が伸び悩んでいる時期のことを言いますが、この時期に、高い意識を持って、めげずにやり続けることで「ブレークスルー」が起こります。
そういうエネルギーを蓄える時期だということができます。
ひとつのチャンスをものにして流れを作れるかどうかも、これと同じです。
うまくいかなくても、積み重ねっていく意識が大きなエネルギーとなって、「ここ」というポイントで素晴らしいエースを奪うことができたり、ラッキーショットが生まれたりします。
こういう力を持っている人間が、より大きな流れをつかんでいきます。
本当の強さを身につけていきます。
多くの選手を見続けてきて、強くなっていく選手はこのエネルギーが大きいということを感じますね。
今は小さなエネルギーしかなくても、積み重ねによってエネルギーは大きくなっていきます。
エネルギーが小さいとすぐに崩れそうになりますが、その時に選手を支えていくこと、これがコーチのもっとも大切な仕事になります。
明日でこの遠征も終わり、日本に帰国します。
成果があったのかどうかは分かりません。
それは、この遠征に参加した子どもたちが、これからの練習でどれだけのエネルギーを積み重ねていって成長するかどうかにかかっているからです。
遠征は大変疲れます。
しかし、大きなエネルギーを使う分だけ、エネルギーが無くなってしまうのではなく、それがやる気や向上心などの大きなエネルギーを生み出すための布石になります。
今回の遠征が大いなる布石になることを願っています。
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今日、うちの愚息に内容を読んで聞かせてみました。
私にとっても勉強になりました。
長いラリーからウイナーをとるということは、
私も競技テニスを2年ほどやってましたが、
出来ない技術の一つでした。
遠征、気をつけてくださいね~
チャンスボールを打つということは、実は大変難しい技術なんですね。
チャンスボールだと思うので、それが余計な緊張を生んだりします。
そこでミスをすると流れが変わることも多いので、だから、実はピンチボールです。
それでも、やはりチャンスボールを思い切って打ち込むことのできる選手が強くなっていきますね。
そういう強い気持ちを持った選手に成長してほしいと思っています。