2009年03月10日
選択する力を高める(1561)
ブルネイ遠征2日目
昨日から始まった本戦で、ゆり子、晃子、優、翼が1回戦を戦いました。
インドの選手と戦ったゆり子は、相手の強いサービスに押されながらも、うまくラリーを続けて互角の展開になりましたが、中盤の大切なポイントで思い切ったショットを打ちきれなくて相手をリズムに乗せ、3-6でファーストセットを落としました。
課題の「思い切り」が十分に発揮できないことは不満ですが、セカンドセットからは粘り強いストロークに時折攻撃的なショットを織り交ぜ6-0で取り、そのままの勢いでファイナルセットを6-2で奪って勝ち上がりました。
まだまだ強気なプレーは表現できてはいませんが、集中力を切らすことなく粘り強く戦えたことを評価したいと思います。
フィンランドの選手と対戦した優でしたが、ラリーのリズムをつかめず、ファーストセットはあっという間に1-5まで追い込まれました。
そこからは、開き直ったようなショットが決まりだし、相手の焦りを誘って4-5まで挽回しますが、ここでもサービスの安定を欠いて4-6で落としました。
セカンドセットも同じような展開で、素晴らしいショットでエースを奪いもしますが、単純なラリーミスを繰り返し、2-6で落として敗退しました。
練習では比較的安定したショットを打つことができますが、試合になると自分のショットに対するこだわりが強すぎて、それがうまくコントロールできないと安定性を欠いて敗れるパターンが多いと思います。
相手に対してどのように攻めたら効果的なのかをよく考えてプレーできるようにならなければなりません。
ブルネイの選手と対戦した晃子は、力の差が大きく、相手に付け入るすきを与えず、1ゲームも落とさずに明日の2回戦に進みました。
調子の上がらなかったバックハンドも少しづつ上向いてきたようで、明日のシード選手との対戦が楽しみです。
翼は今日のラストマッチで第2シードのインド選手との対戦になりました。
序盤は緊張からか単純なミスを繰り返して0-3になりますが、ここから集中力を取り戻した粘り強いラリーで相手のミスを誘い互角の展開に持ち込みます。
相手選手は、思うようにプレーできない苛立ちをコントロールできず、集中力を欠いたプレーでミスを繰り返しますが、大切なポイントで力みの目立ち始めた翼のショットが乱れ、3-6でファーストセットを落としました。
セカンドセットも粘り強くショットを拾って食い下がりますが、ストロークの安定感と配球では相手選手が少し上回り、なかなかゲームを奪えず、2-6でセカンドセットを落として敗退しました。
ラリーの能力は向上してきているので、緩急と配球を考えたプレーで対応できるようになると良いと思いますが、最後まで高い集中力を維持してプレーできたことを高く評価したいと思います。
昨日の試合を見ていて感じることは、自分の状態や相手の力に応じて的確にショットを「選択する力」が必要だということです。
以前、「強くなりたいあなたに贈る100の法則」の中で、「選択する力」として、
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<勝負師としての感性を磨く―勝負するこころ>
嶋田出雲(「スポーツに強くなる方法」不味堂)は面白いことを書いている。
「スポーツにおいて何をしてよいか分からないほど不幸なことはない。
賭けられないのは無知だからである。
囲碁、将棋、麻雀の面白さは、誰でも一回一回多くの選択肢があり、その強さは「選ぶ力(ベスト・チョイスの力)」にある。
これは人生もスポーツも同様である。そのため、賭けの力が勝負(幸と不幸)の分岐点になるといっても過言ではないだろう。」と。
テニスはもちろん勝敗の着くスポーツである。
そして、圧倒的な技量の差がある場合を除いて、競り合いの中で勝敗を決するのはこの「賭けの力」である。
私の指導する選手にも、当然、勝負強い奴と勝負弱い奴はいる。
勝負強い奴は、「よくこんなところで勝負にいけるなあ」というところで思い切って攻めたり、相手の攻勢に対して辛抱強く防御したり、その判断が適切であると感じる。
嶋田は、「賭けの力」として、過去の経験や成績(データ)から確率の高いものを選んで実行する確率の力、攻守待の使い分けの力、攻め手のレパートリーの力、深さ、正確さ、速さが勝負を決する読みの力、賭ける根拠を引き出す情報の力を挙げている。
まさにその通りだと思う。
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と書きました。
まさに「これ」が足りないと思うのです。
自分が素晴らしいショットを打つことは大切なことですが、それよりも大切なことは相手のテニスを十分にさせないことです。
そのためには、状況に応じて「選択する力」を磨いていかなくてはならないと思います。
明日は、隆雅が1回戦、ゆり子と綾、南奈、晃子が2回戦を戦います。
相手と戦うために自分がどうすべきなのかを判断する力がどれくらいあるのかを見たいと思います。
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