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大島コーチ
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テニスの科学(44)

1.ウォーミングアップは立派なトレーニングである。

レッスンの前にはほとんどのテニススクールではウォーミングアップを行なうはずです。

しかし、その様子を見ていると、実に中途半端なものが多いと思います。

指導者の反論も分かります。

その反論はこうです。

「ウォーミングアップにかける十分な時間が無い!」

確かに、ウォーミングアップに30分もかけていてはスクールはつぶれてしまいます。

しかし、ウォーミングアップをしなければ何か障害が起こったときに、運営責任を追及されかねないので、仕方なく適当にストレッチをして良しとしているのが現状なのです。

また、研究者サイドにも問題があります。

このような現状を考慮しないで、やれ筋温を高めるためにはそれなりの時間がかかるだの、ストレッチは全身にわたってくまなく行なうとともに、一つのストレッチに十分な時間をかけるべきであるなどという主張を繰り返しているからです。

これでは、現場で役に立つトレーニング理論など構築しようがないですね。

ここでは、障害を防止し、短時間で効果のあがるウォーミングアップの方法を紹介したいと思います。

まずは、テニスではどの部位に障害が多く発生するのかを明らかにしなければなりません。

ウォーミングアップの最大の目的は障害防止にあるのですから、これを踏まえていないと話が先に進みません。

テニスで起こる障害というと、真っ先に思い浮かぶのがテニスエルボーです。

従って、肘や腕の障害が多いと思われがちですが、実は肩と腰の障害が最も多いという報告があります。

プレーヤーのレベルや、施設環境によっても異なるので一概に言えない部分もありますが、実際に指導に携わってみると、肩、腰の障害を訴える生徒さんが多いことに驚かされます。

もちろん、肘の障害も多く、その次に足首です。

さあ、これでテニスで起こる障害の部位がはっきりしました。

肩、腰、肘、足首です。

ウォーミングアップにかける時間が十分に無いのですから、これらの部位を重点的にウォーミングアップを行なうほうが良いと思います。

それぞれの部位に効果的なウォーミングアップの方法をひとつづつ紹介しましょう。

<肩>

右手を下に、左手を上にするように手首のところで交差するように両手を前に突き出します。

そうしたら、右手は上に押すように、左手は下に押すように全力で力を6秒間加えます。

次に手を上下変えて同じく6秒間全力で力を加えます。

<腰>

足を肩幅くらいに開いて、全身の力、特に太股の前あたりの筋肉を十分に緩めて立ちます。

そうしたら、息を吐きながら肩を水平にゆっくり限界点まで捻ります。

息が続く限り行い、苦しくなったらゆっくり戻します。

<肘>

前腕を内側に捻り、そこから手首を90度の曲げます。

その形が出来たら、あいている方の手で、手首の角度を固定しつつ、さらに腕を捻ります。

これで、多くのテニスエルボーの原因となっている筋肉が十分に伸ばされるはずです。

テニス肘で苦しんでいる人は多いので、この項目についてはもう一つ紹介しましょう。

それは、指をストレッチすることです。

両手の指先を合わせて、各指の間を十分広げて、お互いの指を押し合います。

その時、肘の高さを肩の高さまで上げておきます。

<足首>

足を肩幅くらいに開いて、全身の力、特に太股の前あたりの筋肉を十分に緩めて立つのは腰の運動と同じです。

次に足の裏を合わせるように足首を外側に捻ります。

その時、少しお尻を後方にひいて、ややへっぴり腰のような姿勢を取るのがコツです。

捻挫をした時に傷めるくるぶし周りの腱や筋肉が伸ばされる感覚が理解できるはずです。

以上にあげた運動を取り入れ、あまりの時間で適当なストレッチや体操を組み合わせれば良いでしょう。

重要なのは、テニスで発生する障害の部位を認識することです。


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テニスの科学 | 投稿者 大島コーチ 22:38 | コメント(0)| トラックバック(0)
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