2009年01月31日
テニスはどうすれば上手くなる -1- (1562)
テニスの科学(22)
「テニスがうまくなるためにはどのような練習方法やトレーニング方が良いのでしょうか?」
と質問されることが良くあります。
「これは絶対である。」
という練習方法はないということを前置きして、科学的論拠にたって十分納得のいく練習方法を紹介したいと思います。
まずは、きちんと段階的に練習法を行うことです。
どんなスポーツでも、基本練習、ドリル練習、応用練習、実践練習、実践(ゲーム)という段階で展開されるものです。
そこで、テニスおける基本練習は何かについて考えてみましょう。
「テニスの基本はラリーだ。」と答える場合は少なくありません。
ラリー練習の重要性は昨日のコラムでも述べましたが、「基本はラリー」ということについては疑問があります。
他のスポーツでは、型の稽古であったり、素振りであったりと実際にボールや相手との対応動作ではなく、自分自身の身体の動かし方を何度も、それこそ嫌になるほど練習します。
それには、2つの意味があります。
ひとつはそのスポーツに応じたフォームを習得すること、そしてもうひとつは身体の意識を高めることです。
身体の意識というと難しく聞こえるかもしれませんが、力の出し方やタイミング、バランスなどをチェックすることです。
テニスの練習を見ていると、この基本にあたる練習を行っている場面は非常に少ないと思います。
運動技術習得の理論でも、やさしい内容のものから困難なものへと順に移行していくことが望ましいとされているにもかかわらず、いきなり「ラリー」では初期段階の練習としては望ましくないと思います。
やはり優しい練習から始めたほうが良いと考えます。
では、どうすれば良いのかというと、素振りを行うことが効果的です。
素振りは単なるフォームの練習にとどまらず、身体意識を高めるためのトレーニングでもあるので、上級者やプロ選手も行っています。
彼らの行っている素振りは、身体意識を高め、動きなどをチェックするものなので、単なるフォーム練習ではないことは明白です。
さらには、より鮮明なイメージ作りにも一役買っています。
より鮮明なイメージを思い浮かべることができると、脳はそれが現実に起っていることなのか、イメージなのかを区別できないそうです。
ある運動を鮮明にイメージできると、その運動を実際に行うときに現われる筋活動が認められます。
このような筋活動を伴うイメージができれば、いつでもどこでも練習ができます。
電車で通勤や通学をしているときでも、軽く目をつむり、実際にスイングしている様子を思い浮かべ、その時、例えばバックハンドであれば、テイクバックのときの肩が引っ張られる感じとか、身体が捻られる感じもあわせて思い浮かべるようにするのです。
その筋感覚は練習すればだんだんと強くなります。
そうなればスイング動作は自分のイメージしたものに近くなり、上達は早くなります。
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明確な目的がずっと理解できませんでした。
初級者のころは、ラリーばかりやり過ぎの弊害さえ感じていました。
身体の意識を高めるための練習だったのですね。今さらながら納得!
段階的な練習法、同感です。
メニューを少しずつステップアップすることで、上達が実感できるので目的意識が
はっきりして効果的ですよね。
素振りというと思い出すのは・・・
テニスを始めた頃、ラケットカバーというのはガットの部分のみをカバーする丸い物で
それをつけたまま素振りをしていました。フレーム木だったな、(kawasaki)1年で変えちゃっいましたけど。
風圧に負けないようにと手首を固めていましたけど
今はあんなことするヒトいませんよね。
あれで握力がすごくなったんですけど、今エルボーなのはそのせい?
昔の常識は今の非常識なんですかねぇ・・・
その時に、その意味をちゃんと理解していれば、もう少し取り組み方も変わったのかなと思います。
「素振り」なんかは、ただ意味もなく、回数だけを決められてやらされていました。
木のラケットにカバーをつけて、さらに木がしならないようにするためのクランプみたいなものまでつけて延々と振っていました。
今となっては楽しい思いでですが、その時はただ苦しくて何度やめようとしたことか。
でも、そうした苦しい思いをしてもなおテニスを続けることができた、ということがとても意味のあるものになっているように思います。
どんな練習でもそうですが、どれくらい思いを持って続けられるかが成果と直接的に関係してきます。
backさんも、りんりんpさんも、大好きなテニスを続けるために、嫌な練習も辛抱強く続けてくださいね。応援しています。
私も毎日、拝見し自分の為に文章のみ、ファイルさせて頂いております。
最初のレッスンはコーチからの球出しから始まり、その時は基本をイメージしながら
このボールはこの様にしたら何処にどんなボールが帰って行くだろうかと最近考えながら
打っています。でも、コーチとのラリーは左右前後に動かされますので、思いっきり
打ったり、ポトンを落としたり、コーチが捕れなかった時は思わず ワイと喜んでしまいます。
実は、10代後半頃にフレーム木の kawasaki のラケットを使って、大きくテイクバックし
100回素振り練習から始まりました。でも、最近は省エネフォアストロークを意識しながら
練習しています。コーチの指導の下に。
ブルーのガットだけのカバーを思い出し懐かしさと、大島コーチの記事に感謝しながら・・・・・。
KAWASAKIのALL MANは使ってみたかったですが、ちょっと高かったように思います。
重さは、360gぐらいあったので、今のラケットよりもかなり重いですね。
グリップサイズも4という今では信じられないくらい太いものでした。
ラケットの重量もバランスもまちまちでしたが、あまり気にならなかったですね。
でも、グリップの指がかかる位置だけはとても気になったので、何度もグリップを巻きなおした記憶があります。
木製のラケットはもろいので、カバーをちゃんとつけたり、プレスをしたり、とても大事に使っていたように思います。
テニスにはそういう楽しみもあると思います。これからも大いにテニスを楽しんでください。
今はラケット性能が良いのでそんなことはないと思いますが、それだけに大切に扱っていたと思います。
そんな思いが今も私をテニスに駆り立てているのだと思います。
これからもその思いを持ってテニスを教えていこうと思います。
これまでただ単に素振りをしろと指導者から言われるままに練習した経験のある方が大半でしょう。指導者はこの素振りのトレーニングにしっかりとした目的と方向性、方法を選手、生徒たちに与えてきたでしょうか?私の経験ではNoだと思います。ただ単にやらせているだけ。技術は習うのではなく盗め。練習は根性と気合だったのではないでしょうか。
もっと科学的に、そして合理的なトレーニングを受けることができれば、もっともっとテニスは上達して楽しくなっただろうに。それは当時の指導者の責任でもあるのです。
指導者達のこれからの活躍に期待します。
ラリー練習は意味があると思います。繋げるとき、攻める時の打ち方の変化をつける練習、ポイントを取るためのパターンへのストーリー作りの練習には欠かせないと思います。
大切なのはそれぞれの練習メニューに対して自分がどのような意味を持たせて練習するかですね。そういう意味では素振りの練習でも自分で意味づけ出来なかった点については反省ですね。
それを忍耐強く続けることで、子どもたちの才能を伸ばしていけたらと良いですね。
難しい仕事ですが、頑張って続けていこうと思っています。