2009年01月16日
視覚能力の問題(1547)
テニスの科学(14)
リズムやテンポの乱れに対して、反応する能力が高ければミスショットは少なくなると書いた。
もちろんそうなのだが、できるだけリズムやテンポを変えないで試合をしたいものだ。
試合中自分のリズムやテンポで試合が進行しているときは、良いプレーができる。
そのためには、相手の動きからコースを予測する能力やボール対して反応する視覚的な能力が要求される。
また、眼の能力は大脳基底核と強い関連があることが知られている。
このことは適切な状況で運動を起こし、あるいはコントロールするためには眼の機能が高くなくてはならないということである。
実際に、眼の周りに特殊な装置を着けて視覚を遮断し、眼に入ってくる情報を少なくしていく実験を行ったところ、初心者ほどミスの割合は増加する。
初心者は、眼と手足の協調反応も悪く、的確な情報処理ができないので予測も外れやすいということである。
予測が外れ、そのとき筋肉が素早く反応してくれなければ、無駄な緊張を生み、りきんでミスショットをすることになる。
この視機能を高めるためのトレーニングを2つほど紹介しよう。
一つは、歩いたり、自動車を運転するときに一点だけを見つめないで、周りの状況を把握しながら移動することを訓練するのである。
例えば、じっと前の人の背中を見ながら歩いている時に、すれ違う人の髪型や持ち物をできるだけ正確に把握しようとするのである。
もちろんその人が美しいからといって振り返って見てはいけない。
あくまでも前の人の背中を注視しつつ行うのである。
これは周辺視野を鍛えると同時に、集中力の一つである選択的集中力を訓練するには効果的な方法である。
ただし、自動車を運転中にこのトレーニング行って事故を起こしても当方は一切責任をとらないので御了承いただきたい。
二つめは、窓枠の四隅に素早く視線を移したり、黒板に書いた円を素早くなぞったりすることによって眼の調整を司る筋肉に刺激を与えるのである。
これは、スポーツビジョントレーニングや速読の方法として良く知られている方法であるが、眼の反応が良くなるだけではなく、イメージ能力が高まるなどの効果も期待できる。
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