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大島コーチ
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テニスの科学(22)

「テニスがうまくなるためにはどのような練習方法やトレーニング方が良いのでしょうか?」

と質問されることが良くあります。

「これは絶対である。」

という練習方法はないということを前置きして、科学的論拠にたって十分納得のいく練習方法を紹介したいと思います。

まずは、きちんと段階的に練習法を行うことです。

どんなスポーツでも、基本練習、ドリル練習、応用練習、実践練習、実践(ゲーム)という段階で展開されるものです。

そこで、テニスおける基本練習は何かについて考えてみましょう。

「テニスの基本はラリーだ。」と答える場合は少なくありません。

ラリー練習の重要性は昨日のコラムでも述べましたが、「基本はラリー」ということについては疑問があります。

他のスポーツでは、型の稽古であったり、素振りであったりと実際にボールや相手との対応動作ではなく、自分自身の身体の動かし方を何度も、それこそ嫌になるほど練習します。

それには、2つの意味があります。

ひとつはそのスポーツに応じたフォームを習得すること、そしてもうひとつは身体の意識を高めることです。

身体の意識というと難しく聞こえるかもしれませんが、力の出し方やタイミング、バランスなどをチェックすることです。

テニスの練習を見ていると、この基本にあたる練習を行っている場面は非常に少ないと思います。

運動技術習得の理論でも、やさしい内容のものから困難なものへと順に移行していくことが望ましいとされているにもかかわらず、いきなり「ラリー」では初期段階の練習としては望ましくないと思います。

やはり優しい練習から始めたほうが良いと考えます。

では、どうすれば良いのかというと、素振りを行うことが効果的です。

素振りは単なるフォームの練習にとどまらず、身体意識を高めるためのトレーニングでもあるので、上級者やプロ選手も行っています。

彼らの行っている素振りは、身体意識を高め、動きなどをチェックするものなので、単なるフォーム練習ではないことは明白です。

さらには、より鮮明なイメージ作りにも一役買っています。

より鮮明なイメージを思い浮かべることができると、脳はそれが現実に起っていることなのか、イメージなのかを区別できないそうです。

ある運動を鮮明にイメージできると、その運動を実際に行うときに現われる筋活動が認められます。

このような筋活動を伴うイメージができれば、いつでもどこでも練習ができます。

電車で通勤や通学をしているときでも、軽く目をつむり、実際にスイングしている様子を思い浮かべ、その時、例えばバックハンドであれば、テイクバックのときの肩が引っ張られる感じとか、身体が捻られる感じもあわせて思い浮かべるようにするのです。

その筋感覚は練習すればだんだんと強くなります。

そうなればスイング動作は自分のイメージしたものに近くなり、上達は早くなります。


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テニスの科学 | 投稿者 大島コーチ 06:59 | コメント(9) | トラックバック(0)