2008年08月23日
スランプとプラトー(1401)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -163-
上手くなるのは大変なことだ。
どんなに練習をしても、思うように成果が出ないときは誰にでもある。
そんな時、やる気がなくなったり、感情的になったり、人の上達や成果をねたむような気持ちが芽生えたりする。
そのような時期を「スランプ」ということが多いが、多くの場合それは「スランプ」ではない。
スポーツの技術は、数学の直線方程式のように毎日毎日練習した分だけ上達するというわけではなく、階段のステップのように停滞している時期(プラトー)があるかと思えば、あるとき突然に見違えるような上達を示すものだ。
なかなか上手くなれなくて、それでも一生懸命練習して、あるとき突然上手くなっていたという経験がある人も多いだろう。
技術的に上達するときには、何らかの「変化」がある。
その変化に対応して新しい技術を身に付け、それを活用できるようになるまでにはある一定期間技術が停滞したり、低下したりすることがあるのは当たり前のことだ。
この時期は「次の成長を生み出すチャンス」だと考えてほしい。
飛行機は離陸する時に一番「エネルギー」を必要とする。
人間も停滞している時期や下降している時期から上方に向かう時に多くの「エネルギー」を必要とするが、人間は外から「エネルギー」を取り入れることはできないので、自分の中でそれを蓄える時期を作らなければならない。
その時期が「プラトー」だったり「スランプ」だと思ってほしい。
もちろん、そのときは精神的にも身体的にも「苦しい思い」をするだろう。
しかし、ここに「チャンスがある」という「ものの考え方」を持つことができれば、きっと強くなる。
これが「法則」である。
単なる「ポジティブ・シンキング」や「プラス思考」で乗り切るというのではない。
本当は避けて通りたいもの、自分を暗闇の方へ引っ張っていくような力に対して、逃げる方法や消し去る方法を考えるのではなく、ぐっと踏み込んで、その「意味」を深く理解することで自分の「エネルギー」に変える。
そんな姿勢で臨んでほしい。
練習してもその分だけ帰ってくることを期待してはいけない。
今、ここで練習していることだけに集中して取り組んでほしい。
「スランプは逃げて脱出すべきものではなく、挑むべきもの」(「スランプに挑む」長田一臣著、文化書房博文社)である。
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