2009年02月24日
声が出ない(1587)
打ち込みなどの練習で、打つ時に「声が出ない(声を出さない)」選手がいます。
できるだけ強いショットを打つことが目的の練習なので、全力で打とうとすれば、自然と「声は出る(息を強く吐く)」ものですが、それができません。
疲労による筋力低下を観察する実験で、筋力が低下してきた時に大きな声を出すと筋力が一時的に高まることが報告されています。
これは「シャウトの効果」として知られています。
「ここぞ!」という時に、強い力を出すために「声」は大変大切であることを示しています。
強いショットを打つために声を出して全力で打とうとすると、かえって力んでしまってうまくいかないのではないか、と思われるかもしれませんが、「声を出す」ことでそれをうまく調整しています。
声が出せずに、息が詰まった状態で大きな力を出そうとすると、力みが大きくなってスイングのバランスを崩します。
そういう選手は、うまく自分のテンションを上げられず、マイナスの身体表現を取ることも多いので、持っている力をうまく引き出せないことが多いですね。
「ガッツポーズができない」と書きましたが、それは「ここ」からつながっています。
私は以前、トップ選手の試合中の行動について調べたことがあります。
そのすべての選手が大切なポイントでは声を出して打ち、ポイントを取った時にはガッツポーズなどの行動を取っていました。
その行動には個人差がありますが、多かれ少なかれ、行動の変容はあるわけです。
私はテニスという競技の特性を考えれば、このような行動を取ることが適正だと考えています。
戦いの場面では、緊張した時でもいかに自分の力を出し切れるか、ということが勝敗を決めます。
そのための訓練として、「声を出す」ことはとても効果が高いと思います。
昨日の練習でも、そう注意をして練習をさせた選手がとても良いショットを打っていました。
「このショットが打てればトップ選手になることも夢ではない」と感じさせるものです。
そんな雰囲気を作り出すための必須のアイテム、それが「声を出す」ことなのかも知れません。
これからも、スポーツ選手として、その力を最大限に引き出して戦うことができるように、いろいろと工夫しながら教えていこうと思っています。
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