2009年02月07日
テニスはどうすれば上手くなる -4- (1569)
テニスの科学(25)
さて、もう一つの障壁の「特異性」についてですが、これは簡単に言えば、そのスポーツの独特の動きを意識してトレーニングしなければ効果はないという理論です。
例えば、サービスの動作を向上させようとして、上腕三頭筋や大胸筋などの筋肉を個別にトレーニングしていくだけでは実際のサービスは速くなりません。
サービス動作を行う中に負荷をかけるとかして、その運動形態にあったトレーニングしなければならないのです。
このように、スポーツにはそのスポーツ独特の動きの「妙」があって、これを意識してトレーニングや練習を行わなければなりません。
これが結構くせものです。
それを体験したのが、私のバッティングの経験です。
実は、野球の指導を行っている際に、マシンでバッティングを行える機会を得ました。
その昔(いったい何年前でしょうか?)、野球少年であった私の心をくすぐり、密かな自信とともにバッターボックスに立ちました。
それまでスイング動作などを指導していたし、自分のスイングを鏡などで見たり、選手・監督にチェックを受けてかなりいい評価を得ていました。
しかし、飛んでくるボールを打っている自分の姿(動作分析のためにビデオを撮影していた)を見て愕然としました。
「こりゃーテニスのスイングだ!」
これが紛れも無い私の印象です。
ただバットを振っているときには、いっぱしの野球選手(?)である私が、実際にボールを打つということに意識を奪われるとテニス選手に戻ってしまうのです。
同じように「打つ」という形態のスポーツであるにもかかわらず、私の脳に組み込まれたプログラムはまさしく「テニス」なのです。
これが「特異性」です。
やはり、テニスはテニスのトレーニングを行わなくてはなりません。
今までは色々な運動を行わせることが良いとされてきましたが、ある時期からはその運動を専門的に行わせるべきだと思います。
運動プログラムが出来上がってくる7歳から11歳頃までにそのスポーツを十分に経験し、トレーニングを行うことが良いと考えています。
野球など、比較的類似性の強いスポーツならまだ良いかもしれませんが、やはりテニス選手を目指すなら、テニスを十分に経験させるべきです。
いくつかテニスが上手くなるにはどうしたら良いかについて私の考えを述べてきました。
その考えを整理しておきます。
素振りをする
簡単な練習から行う
練習やトレーニング方法を工夫する
やる気が大事
身体意識を高める
筋感覚を伴うイメージトレーニングを行う
色々なトレーニングをバランス良く組みあわせる
オンコートでのトレーニングを習慣化する
テニスの特徴的な動きをトレーニングする
早い時機にテニス専門の練習・トレーニングを行う
常にテニスの動きを意識してトレーニングを行う
知識を蓄える
項目別に整理すればこのような内容になります。
これには専門の研究者からは異論もあるかと思いますが、私なりに「科学的な知識を蓄積したきた」結果至った結論です。
参考になれば幸いです。
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