2009年02月06日
ミスの重さ(1568)
スポーツに限らず、何にでもミスはつきものです。
しかし、同じような状況でミスをしてもその「重さ」には差があります。
大切なポイントでミスをすれば大きく心が揺らぎます。
相手のマッチポイントであれば、それで試合終了となります。
ポイントの重要性がミスの「重さ」と深く関係している、というのはこういうことです。
でも、もっと大切なことは、自分が作り出してしまう「重さ」があるということです。
ポイントの重要性は、自分で作り出したのではなく、ポイントを積み重ねていって、たまたまそういう状況になったということです。
これは自分ではどうしようもないところです。
そうではない、ミスの「重さ」を作り出してしまうもの、とは何でしょうか。
それは「過信」です。
多くの人は気づいていないかもしれません。
この間、試合の後に泣いた選手がいます。
試合の結果は「勝ち」です。
でも、悔しくて泣いてしまいます。
ここに「ヒント」があります。
なぜ、その選手が泣いたのかというと、「自分のプレーができなかった」ということです。
対戦した選手は、自分よりちょっと実力的には劣ると思われる選手です。
多分、自分もそう思っていました。
でも、思わぬ攻勢にあい、焦り、自分のプレーを見失ってしまったということです。
そういう時の「ミス」は、とても「重く」心にのしかかります。
その「重さ」に耐えかねて、うなだれたり、苦痛の表情をしたり、だらだら歩いたり、などのマイナスの身体表現が多くなります。
それが、また「重さ」を増やして、自分自身を縛っていることに気がつかないでプレーをしてしまいます。
うまくいくはずはないですね。
「ここ」が、本当の意味での、選手としてのメンタリティーが試されるところです。
その前の日、レベルの高い選手と試合をしました。
試合の結果は完敗です。
でも、試合の後は晴れ晴れとした表情をしています。
プラスの身体表現が多く、気迫も感じられ、「自分のプレーができた」と話してくれました。
試合の結果ではなく、その試合にどういう姿勢で臨んだのかによってこうした差が生まれます。
前の日の試合は、まさしく「チャレンジャー」だったということです。
ミスを恐れず、果敢に攻めていって敗れた。
でも、攻めていく姿勢を持って挑んでいたので、ミスをしても前向きな気持ちなることができ、自分のプレーをし続けることができた、ということです。
でも、泣いてしまった試合では、負けるはずがない、完璧にたたきのめすことができる、という「過信」が、ひとつのミスの「重さ」を大きくしてしまい、まったく自分のプレーができなかったということです。
人間は、「意識」の持ち方ひとつでこれだけプレーが変わります。
同じ状況で生まれたミスであっても、「意識」の持ち方でまったく違う意味(「重さ」)を持つということです。
では、どうすれば良いのかというと、「チャンレジャー」になることです。
「チャンレンジャー」は謙虚です。
攻める気持ちを高く持っています。
負けても相手の実力を認めることができます。
そういう気持で戦えば、ミスは「重く」はありません。
成長のための経験になります。
試合の後、そんなことを話しました。
ミスを「重く」してしまう、「過信」をすることなく、常にチャレンジャーでいる選手に成長してほしいと思います。
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