2009年02月14日
テニスのフットワーク -4- (1577)
テニスの科学(29)
世界のトッププレーヤーとして数々の実績を残したマイケル・チャンという選手がいます。
テニスプレーヤーにしては小柄で、体格的に劣るマイケル・チャンが世界のトッププレーヤーでいることができたのは、その類まれな精神力もさることながら、フットワークの良さを指摘する者は多い。
福井烈元デ杯監督は、「軸がぶれない」、「上半身がぶれないので、安定した打球ができる」と、マイケル・チャンのフットワークに対して高い評価をしていました。
フットワークが良いとはどういうことでしょうか。
いくつか考えられますが、まず、足が速いこと、そして、ストップ、ターン動作をスムースに、タイミングよく行うことができること、バランスよく立つことができ、回転動作をスムースに行うことができること、などが挙げられると思います。
そのためには、それらの技能を習得するための特別なトレーニングや練習が必要であることはいうまでもありません。
しかし、テニスは「足ニス」といわれるように、フットワークの重要性は他のスポーツに比べて高いにもかかわらず、その指導法は確立されているとはいいがたく、指導書の解説と一流プレーヤーのフットワーク、特にフォアハンド・ストロークにおけるスタンスには大きな違いがあることがわかりました。
そこで、今回は、コントロールテストならびに3次元動作解析の結果についてみてみることにします。
●テスト概要
一流プレーヤーと、指導書において推奨するスタンスでは、フォアハンド・ストロークにおいて異なることがわかりました。
では、一般プレーヤー、特に初級プレーヤーにはスクエア・スタンスが本当に良いのでしょうか?
その疑問に対して、コントロールテストと動作分析を試みました。
実験に参加したのは、初級者2名、中級者2名、上級者1名の計5名で、スタンディング・ショットとランニング・ショットにおけるテストを実施しました。
スタンディング・ショットでは、ベースライン中央に立ち、、前方から打ち出されるボールに対して、各スタンス(スクエア、クローズ、オープン)をとるように、それぞれ10球連続して打球しました。
ランニング・ショットでは、シングルス・サイドラインとベースラインの交点をスタート地点として、前方からボールが打球された後スタートし、ベースライン中央付近で各スタンスをとるように、それぞれ10球連続して打球しました。
その際、被験者の側方および前方からビデオ撮影を行い、スイング動作を記録しました。
反対側のコート上には、AからYまでの25のエリアを設定し、ボールバウンド地点を記録し、ボールコントロールの指標としました。
なお、被験者には、ある特定のエリアをねらって打球するように指示しました。
そして、記録されたビデオから3次元座標値を算出し、動作分析を行いました。
今回分析をおこなった項目は、
1.各スタンスにおけるボールコントロール得点
2.各スタンスにおけるボール打球コース
3.左右足着地からインパクトまでの時間
4.右膝の角度変位
5.インパクト位置
6.肩関節角度、腰関節角度の角度変位と角速度
以上の項目です。
結果と考察につい打ては次回に報告します。
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