2008年11月22日
コンディショニング(1493)
今、少し反省しています。
それは、今日、全国大会の地区予選が開催されたのですが、その試合に向けての「コンディショニング」がうまくいかなかったことについてです。
トレーニングやコーチングの場面では、「コンディショニング」という言葉がよく使われます。
日本語にすれば「調整」という意味です。
試合に向けて、身体的にも精神的にも持てる力を十分に発揮できるように「調整」するということです。
他にも、「ピーキング」という言葉も使われます。
試合に合わせて調子の波を一番良い状態に調整していくということです。
それがうまくいかなかったことを、コーチとして、トレーナーとして反省しています。
いろいろな理由が考えられますが、一番大きな理由は、この試合の重要性を深く認識していなかったということです。
夏の大会が終わり、秋の全国大会も終わってちょっと一息ついている時期に行われる大会なので、集中力を欠いていたのかもしれません。
子どもたちの様子を見ていて「うまく調子が上がっていないなあ」と感じていましたが、何度も試合を経験している選手なので、試合が近づけば何も言わなくても調子を上げてくるだろう、という勝手な思い込みがありました。
参加した選手の一人が言いました。
「何か緊張はあまりしなかったんですよね。」
この選手は少しテンションが高い方が実力を発揮することを知っています。
試合前の緊張がある程度必要であることを知っています。
それをうまく引き出してあげることができなかったことは私の責任です。
「コンディショニング」は大変難しい仕事です。
選手の心身の状態をある程度は深く知っていないと、どうアプローチして良いのかわからないからです。
誰でも彼でもリラックスする方が良いとか、テンションを高めた方が良いということは言えません。
一人一人の特性を考え、練習やトレーニングの内容を調整していきます。
その重要性を認識しているはずなのに、選手の意識や経験に任せてしまった、というよりも自分の仕事に対する甘い認識があった、ということを反省しなくてはならないということです。
子どもたちの意識はまだ不十分であり、幼いものです。
自立を促しながら、うまく導くための努力を惜しんではいけないということを再度認識しました。
そのことについて子どもたちと話をしました。
次の戦いに向けて、その重要性をお互いに深く認識し、成長のステップにしていかなくてはなりません。
意味のある反省にしていこうと思います。
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2008年11月22日
人間を扱う(1492)
自分を取り巻くしがらみや評価、成果などに心奪われることなく、純粋に人のために仕事をする意欲と情熱を持ち、そして、何よりも「それ」を「仕事として楽しむ」ことです。
と書きました。
人間を扱う職業なので、思い通りに行かないことがほとんどです。
自分では一生懸命にやっているつもりでも、それを高く評価されることも多くはありません。
成果に心奪われないように、とは言ってみても、それに捉われる自分はどこかにいます。
でも、それが「人間を扱う」ことである、ということを深く理解しています。
今、ある大学で「トレーニング論」も教えていますが、初めに「人間を扱うということを忘れてはいけない」と言います。
プログラムには大いに自信があっても、その効果が思い通りに出ないことなどしょっちゅうです。
その時、何度も何度も頭の中でシュミレーションを繰り返しますが、問題点がはっきりとしないことも多いものです。
相手が機械であれば、問題点の特定もそれほど難しくはないのかもしれませんが、人間は意識の問題などがあって一筋縄ではいきません。
あるプログラムがうまくいったと思っても、次の時にはうまくいかない時もあります。
やる気の問題であったり、体調の問題であったり、コーチとの信頼関係の問題であったり、それを特定することは容易ではありません。
それが「人間」なんですね。
テニスの指導はもっと難しいと感じています。
ミスショットでうなだれ、ポイントを失ってはふてくされ、自分プレーができないとテンションを落とす、「人間」はそういう生き物なんですね。
スポーツでは、そういう「性」が明確に示される場になります。
それを指導するコーチにとっては、大きなストレスを感じる瞬間でもあります。
そんな時、「人間とはそういうもの」であると納得し、それを受け入れるしかありませんね。
受け入れるということは、深く考えることをあきらめる、というのとは違います。
そういうものであるという「変えられない事実」を事実として受け入れ、その上でどうすべきなのかを真剣に考えることです。
そして、そう考えて行動することを当たり前のこととして実践することです。
「思い通りにいかない」、それを楽しむことです。
難しい存在である人間、でも・・・とても面白い存在です。
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