2008年11月04日
身体表現(1474)
自分が弱気になったり、恐怖や不安の気持ちが生じたときに、それらの感情に立ち向かって、より良い動きやより良いこころの状態を作り出すために、身体を使ってさまざまな表現をすることがあります。
具体的には、
・声を出す
・動き(足を動かす、肩を回す、首を回す)
・動作(足をたたくなど)
・構え
・目つき(表情)
・大きく深呼吸する
などの「身体表現」を行うことで、こころの状態を最適に保つことができます。
人間の精神活動は身体活動と強い結びつきがあります。
自分の気持ちがリラックスできる行動や身体表現を行うことでメンタルの状態は変化し、最適な状態へと導くことができるのです。
特に呼吸と精神の状態との結びつきは大変高いことがわかっています。
古来、武道の稽古のひとつに呼吸法の訓練があったことからも理解できます。
あるボールゲームの試合中の呼吸数を測定した実験があります。
ゲーム前、呼吸数はゆったりと大きく安定しています。
しかし、失点時には短く速くなって、リズムが乱れています。
明らかに精神的に動揺していることが読み取れます。
得点したときには、失点したときとは逆に深く安定した呼吸を示しています。
また、興味を引くのは、失点時のグラフを見ると、失点する前の呼吸も乱れているということです。
失点したから呼吸が乱れたのではなく、呼吸が乱れたから失点したとも考えられるのです。
スポーツの試合では、大きな緊張や不安、怒りなどの感情が起こります。
そのようなときに簡単に呼吸が乱れるようでは、失点する確率は大きくなります。
毎日の生活の中で呼吸をゆったりと大きく行うことを心がけて、呼吸の能力を高めておくことはもちろん大切です。
そして、試合中に望ましくない感情が起きたとき、「深呼吸」を行うことで呼吸の乱れをおさえ、こころ状態を最適にできれば失点の可能性は低くなります。
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