2009年02月11日
テニスのフットワーク -2- (1574)
テニスの科学(27)
研究を進めるに当たって、
1.指導書を調査し、スタンスに関する記述の内容を整理すること。
2.一流プレーヤーのビデオ分析を行い、各スタンスの出現頻度を調べること。
※各スタンスとは、
●スクエア・スタンスー両足がサイドラインと平行なスタンス
●クローズ・スタンスー両足がサイドラインに対してクローズなスタンス
●オープン・スタンスー両足がネットと平行に近いスタンス
3.初心者、初級者、上級者のボールコントロールテストを行い、スタンスおよびレベルの違いがボールコントロールにどのように影響するのかを調べること。
4.各スタンスで打球中の3次元動作分析(特に足と腰の動きを中心)を行い、その特徴と技術レベルとの関係を把握すること。
を研究目標にしました。
「指導書の調査」
スタンスに関する研究の第1歩として、現在市販されている指導書および月刊誌、ビデオなどを詳細に調査し、その内容を検討することにしました。
調査した指導書の中から、テニスのフットワーク、特にスタンスに関する記述のあるものをピックアップし、内容を整理しました。
フットワークに関する記述は少ないのですが、それにも増してスタンスに関する記述は少ないというのが現状です。
スタンスに関する記述のあるものは、調査した50冊中の22冊で、半分以下です。
1.フォアハンドストロークについて
フォアハンドストロークについてみると、スクエア・スタンス(以下、スクエア)が良いとするものが7冊と最も多く、次いでクローズ・スタンス(以下、クローズ)が良いとするものが4冊で、この2つを合わせると、スタンスに関する記述のある指導書(22冊)の中で50%になります。
また、初級者について、クローズが良いとするもの、スクエアが良いとするもの、オープンが良いとするものがそれぞれ一冊づつあり、もし、それらの指導書を総て読んだ初級プレーヤーがいたなら、そのプレーヤーはどのスタンスを選ぶのでしょうか?
その他にも、ボールとの距離によってスタンスを使い分ける、という解説もありますが、プレーの中で瞬時にして距離を判断し、スタンスを選択するのは至難の業でなないでしょうか。
ここら辺りにも、フットワークやスタンスに関する指導の混迷を垣間見ることができます。
2.バックハンドストロークについて
続いて、バックハンドストロークについてみると、クローズが良いとするものが9冊と最も多く、次いでスクエアが良いとするものが4冊となっています。
バックハンドストロークのスタンスに関する記述のある指導書は、フォアハンドストロークに比べると少ないので、スクエアとクローズで70%以上を占めます。
その他に、フォアハンドストローク、バックハンドストロークともに「状況に応じて」という解説がありますが、どのような状況なのかについては詳細な説明はありません。
以上の結果からいうと、フォアハンドストロークではスクエアかクローズ、バックハンドストロークではクローズが良いということになります。
私たちの指導経験でも、フォアハンドストロークについてはスクエアがよく、バックハンドストロークについてはクローズが良いと指導する場合が多いので、予想通りの結果といえるでしょう。
しかし、そのことが必ずしも正しくないことは後でわかります。
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待つ(レディーステップ)、動きだす(ドロップステップ)、ボールに追いつく、構える、打球する、リカバー(戻る)といった各ステージのフットワークについて既に研究されたものがあります。
http://www.thebaileymethod.com/
デビッドベイリーによるメソッド。
トッププロが行うフットワークについて分析をおこない体系的にまとめているようです。研究の2度手間にならないようにまずはこちらの文献を調査してみてはいかがでしょう。それでも不足していると感じる部分についてさらに研究された方が時間の節約になろうかと思います。プロのショットの情報ソースに関しては日本よりも海外の現場の方が恵まれていますし。日本の指導書は眉唾と感じるものも少なくありませんし。
なかなか情報を集めたり、文献を読む時間もなくなってきているので、こうした情報は助かります。
フットワークに関する研究は多くはないので、いろいろ勉強してみます。
これからもためになる情報をお願いします。
ありがとうございました。