2008年11月06日
伝統から学ぶ(1476)
スポーツの世界では、真に強い選手は堂々としています。
相撲のように格付けがきっちりしているスポーツでは、その地位によって威厳の違いを感じることができます。
塩を撒くリズムは人それぞれですが、横綱はゆったりとして、威厳があり、自分のペースを守ります。
相手がどのようなリズムで仕切りをしても受けて流し、その独特の間合いの取り方やリズムで知らず知らずのうちに相手にプレッシャーを与えるのです。
そして、いざ立会いになると、猛烈な集中力で相手を威圧して簡単に勝負を決めます。
相撲に限らず、剣道や柔道、合気道などの国技の中には、スポーツの世界で高い成果をあげるために必要な「教え」が数多くあります。
これらの武道の教えに共通するのは「間」に関する教えです。
「間」は「タイミング」や「テンポ」、「相手との距離」などの意味で使われる場合もありますが、そのような概念では説明しきれない「心理的な意味」も併せ持ちます。
これは、日本人独特の文化的構造であるといえます。
単に身体を鍛えるだけの時代は終わりを告げました。
心身の調和を図り、人間の能力を最大限に高めるトレーニング方法が求められる現代になって、今一度、伝統のスポーツから学ぶ姿勢が必要なのです。
武道に限らず、スポーツでは自分のリズムやペースを守ることで勝つチャンスが広がります。
相手のペースを崩すように、心理的な動揺を誘うような作戦を取ることも多いと思います。
しかし、相手の心理的な動揺作戦にも動じないで、どのような状況でも自分のやるべきことに集中し、自分のペースやリズムが崩されないプレーヤーにはプレッシャーを受けます。
プレッシャーを受けてこころの状態が変化すると、あせったり、自分のすべきことを見失って集中力を欠いたりする場合が多いものです。
プレッシャーを与える具体的な方法を実践することで、試合の展開を有利にすすめることができるのです。
また、プレッシャーを与えるとこころの状態がどう変化するのかを学ぶことにより、自分がプレッシャーを受けたときに、それを上手に生かして集中力を高めることができるようになります。
自分自身のこころの状態を良く知ることにもつながります。
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