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Memory Board そのときどきに私が感じたことや思いなどを書き綴っています。

大島コーチ
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選抜合宿ミーティングレポート(946)



今回の合宿で行ったミーティングについてまとめておきます。(このレポートは、実際にある選手から送られてきたレポートをほんの少し手直ししてあるだけです。素晴らしいレポートです。これだけ立派なレポートを書くことが出来る選手がいることを大変嬉しく思います。)

<試合に負ける原因を考える>
試合に負ける原因は3つあります。技術、体力、メンタルです。技術的な問題は練習をすれば克服できるかもしれません。体力的な問題はトレーニングをすれば解決するかもしれません。しかし、メンタルの問題はどう対応し、解決したら良いのかなかなか分かりません。
メンタルの問題でも技術的な問題や体力的な問題と一緒で、練習やトレーニングが必要であることは変わりありません。ただメンタルの問題は、周りの環境や性格によって対処する方法が違うので、「この方法で良い」ということがはっきりと分からないことが多いのです。だから、自分でいろいろと解決法を見つけていこうとする意志や努力がとても大切です。
メンタルトレーニングの目的は「物の考え方を変える」ことです。目的は「試合中にキレたりしない」ということかと思っているかもしれませんが、ただ「キレない」だけでもだめなのです。試合中に起こる様々なストレスに対して対応する「考え方」を学び、「気持ちの動揺を少なくする」ということが大切です。

<自分の戦い方を宣言する>
そうした「考え方」をきちんと持つことができるように、「自分はこう戦う」と自分自身に「宣言」しなくてはなりません。例えば、「しっかりとラリーをしてミスをすぐせずオープンコートを狙って積極的に打ってチャンスを確実に決める」というようにです。
「これが私のしたい戦い方です」と力強く宣言してください。「一番変えないといけないのはミスをしないということだ。ミスが早いとオープンコートを狙ったり積極的に攻撃するところまでいかないからだ。」と自分の課題を明確にして、それを強く意識しながら繰り返し練習しなければなりません。
「テニス(スポーツ)で一番大切なものは?」と聞かれた時、「気持ち(メンタル)」かなと思う人は多いと思います。でも一大切なことは「思考力」「想像力」です。よく考えて、「こういう戦い方をするんだ」と強く思うことが何よりも大切です。

<呼吸をコントロールする>   
緊張した時に大きく動揺しないために「呼吸」をコントロールすることが大切です。胸の筋肉を緩めて、ゆっくりと呼吸することでメンタル的に安定します。
普段の呼吸で、1分間に15回くらいの人も、トレーニングの後は1分間に3回ぐらいの呼吸になります。もっと練習すれば、1分に1回ぐらいの呼吸はすぐにできるようになります。このように筋肉を緩めることで、人間の持っている能力を高めることができるようになります。
「トレーニングのなかで一番大切なものは何ですか?」という問いに対する答えは「ストレッチ」です。ストレッチがなぜ一番大切なのかというと、自分の筋肉をゆるめてリラックスさせるためです。リラックスすることで人間の持っている能力を高めることができることを知っておいてください。

<実際型の人間になれ>
テニスが急に強くなることを「ブレークスルー」といいます。これは、頭だけで考える「観念型」の人よりも、自分の体を使って試してみる「実際型」の人に起こりやすいものです。今の子ども達はどちらかというと「観念型」の人が多いと思います。「ブレークスルー」が起きないと強くはなれないので、意識して「実際型」の人間になるように努力してみる価値はあります。
   
<試合中にパニックにならないために>
試合中にパニックにならないためには、
①自分の行動にプライドを持つ
②準備をする
③自分の体をコントロールする
ことが大切です。
①は、「自分はたくさん練習をしたという自信」を持つこと、そして勝つためにしなければならないことを一生懸命にやってきたという「自信」を持つことが大切だということです。そして、負けたくなければ「+α」が必要で、人より以上の「何をしたのか」という「行動に対する自信(プライド)」が強さを高めます。
②は、物理的な準備はもちろんですが、テンションをあげて(気持ちの準備をしっかりとして)試合に入ることがとても大切だということです。そうでなければぎりぎりの競った試合には勝てません。
③の身体コントロールには3つあります。
1つめは「姿勢」のコントロールです。試合中は堂々としていなくてはなりません。弱い姿を相手に見せてしまうと、相手の自信が高まるからです。ミスをするとすぐ下を向く選手は、自分のショットに自信がなくなり、相手に自信を与えてしまうことになるということを理解してほしいと思います。
2つめは「体」のコントロールです。ウォーミングアップをやっている選手は多いですが、練習のときと試合のときのウォーミングアップが大きく違う選手がいます。試合のときのウォーミングアップの方が少ない選手も多いものです。周りのみんながやっていないから「恥ずかしい」と思うような選手は強くなりません。どんな状況でも「自分のすべきこと」「当たり前」にやれる選手だけが強くなります。
そして3つめは、「リラックス」することです。できるだけ気持ちの動揺が少なくなるように、ストレッチをして筋肉を緩め、呼吸をコントロールすることが大切です。

<ブレークスルーが起こる条件>
「ブレークスルー」は誰にも起きる可能性はありますが、それには「条件」があります。
①テニスにかける力がどれだけあるか
②恐怖を断ち切る
③開き直る
ということです。
人間が大きく変わるためには、大病をすることなどの大きなショックが必要で、そういう挫折から立ち上がってきた時に強さを身につけています。負けて悔しくない選手は強くなりません。悔しさを心に刻んで、それを乗り越える強さを身につけなければなりません。
試合で負けることは怖いものです。だから試合を嫌がる選手は多いものですが、それでは壁を乗り越えることはできないし、ブレークスルーは起こりません。「何が何でも」という「強い意志」が試されるのです。
このような恐怖心は試合にはマイナスになるのではないのかと思うかもしれません。恐怖でびくびくしていたら気持ちが弱くなってしまうと考えるからです。しかし、怖い時はその恐怖心を振り払おうと一生懸命に行動しようとします。恐怖心が行動力に変わるときに、その怖さが大きくプラスに働くのです。そういう行動力が高まり、より強い気持ちになった時、人間は思いもよらない力を発揮します。だから恐怖する気持ちは大切なのです。それを振り払う強い気持ちや行動力を身につける原動力になるからです。
だから、試合に負けた後はその悔しい気持ちを心に刻み、「今度は勝つ!」と強く思って、すぐに行動しなければならないと思います。残念ながら前の試合の結果を引きずってしまうことも多いですが、壁を越えるために、試合を嫌がらずに積極的に行動することが大切です。

<正しく質問する力を身につける>
テニスが強くなるためにはいろいろなことを学ばなくてはなりません。自分で考えることは何よりも大切です。しかし、考えても考えても解決の方法が見つからなければ誰かに聞いた方が早道です。その時に自分の考えをしっかりと持って、正しく質問することが大切です。的確な質問によって明確な答えを引き出すことができれば、テニスのレベルを引き上げることができます。


今回の合宿で学んだことは多いと思います。
そうした「思い」を実際の「行動」に変えてください。
「何が何でも」という強い思いを持って練習してください。
そうした行動が「当たり前」である選手になってください。



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コラム | 投稿者 大島コーチ 12:54 | コメント(0) | トラックバック(0)