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Memory Board そのときどきに私が感じたことや思いなどを書き綴っています。

大島コーチ
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強くなりたいあなたに -8- (903)

強くなる法則 -8- 「本を読め」

感性を磨くとして、いったいどのような方法があるのだろう。

一番身近な方法としては本を読むことである。

私がどれくらいの本を読むのかというと、スポーツ・運動関係の専門誌を6誌、テニス専門誌を1誌、その他学会の関係雑誌を4誌ほど定期的に講読している。

それ以外には、コンピューター専門誌とDIY(日曜大工)の専門誌を1誌づつ半分趣味として購読している。

本は新刊、文庫を問わず、頻繁に本屋に足を運んだり、インターネット上の仮想書店での注文書を含め毎月かなりの冊数の本を購入し、読んでいる(自慢げにみえたらごめんなさい!)。

中には、そのような本という知識(?)に頼らずに自分の感性を磨く奴もいる。

私の友人に本誌のコラムや連載でもおなじみの松島徹(あえて敬称略)がいるが、彼とは同じ年ということで(とてもそうは見えない!私のほうが10歳は若く見えるぞ!)、懇意にテニスの話をしたりする。

彼は、自分のホームページに「本など読まない!」と書いているが、それを補う<行動力>を持っている(<行動力>を鍛える方法についてはいずれ述べる)。

まさに<体で学習する>タイプの人間なのだ。

ただし、並み大抵の行動力では学び得ること、感性を磨くことは到底不可能である。そこまでの労力を払い、貧乏生活を甘受できないのであれば、本を読むほうが実際的であると思う。

斎藤孝(「読書力」岩波新書)は、「読書とは単に情報の摂取のためにあるばかりではない。思考力を鍛え、人間を作るものだと。」明言し、「本は読まなければならない。」と断言している。

たしかに、自分自身の生き方を大きく左右するような本にめぐり合うこともあるので、できる限り本は読んだほうが良いとは思うが、勢子浩爾(「ぶざまな人生」洋泉社)がいうように、私も「本を読むバカを見すぎた」ので、本を読むことだけで人間の品格や、感性が磨かれるものでないことは承知している。ただ、実際的な方法としては大変有効であることはたしかだ。

なにも難しい本を額に汗して、無理して読む必要はない。マンガ本でも良いのである。

「なにっ!マンガだ!」と訝しく思った人もいるのではないだろうか。

「ちょっと待て!」、マンガ本を馬鹿にしてはいけない。そこにはとても深い示唆に富んだ、ひょっとしたらあなたの感性を揺さぶる場面に出くわすことになるかもしれないのだ。

私の愛読する<週間少年マガジン(講談社)>には「はじめの一歩」や「ゴッドハンド輝」など、実に素晴らしいマンガが連載されている。毎回感動し、涙することも多い。ここでは、2003年第7号より読者の皆さんに感動の内容をお伝えしたい。
(「はじめの一歩」から―対戦前に弱気になっている後輩の学を一歩が元気づけるシーン)
学 「み~~~~んな ボクが敗けると思っているんだろうな」
「くそ~~~」
一歩「周りがどう思うといいじゃない」
  「大事なのはそれじゃないよ」
「キミはどう思っているの?」
学 「か・・・・勝ちますよ」
  「ボクが!絶対に!!」
一歩「それが大事だと思うよ」
  「自分のコトをどれだけ信じられるかが!」
「不安はしかたがない」
「試合前はあの鷹村さんだって少なからずあると思う」
「だから練習するんだ 少しでも自分のコトを信じられるように」
「走って サンドバッグ叩いて 勝てるかもしれない 勝てるだろうって」
「少しずつ自分を信じられるようになって」
「そして―」
「敗けるはずがない! というところまで身体(カラダ)と精神(こころ)を作り込んでいくんだ」
学 「・・・・確かに 敗けると思ってリングに上がったら 絶対に勝てない」
一歩「ボクは 会長にそう叩き込まれたよ」
学 「ありがとうございます 先輩・・・・」
「胸にきた! 周りの意見や過去の結果なんて気にしない」
「自分を信じるんだ-自分を!!」

どうだ!!!絵を載せられないのが残念でたまらない!どんな素晴らしいメンタルトレーニングの本よりも心に響く!!まさに「胸にきた!」だ(これは理屈ではなく、ハートに響いたという意味で使っているのだろう)。

また、「身体と精神を作り込んでいく」という表現にはアスリートとしての真髄がみえる。そして、このときの物語はそれだけではなく、一歩が力強い言葉を吐いた後に、

一歩「い いやまあ 偉そうなコトを言っちゃったけど」
「それが理想というか・・・・」
「ボ ボクにとってこの世で一番信用できないのは 自分自身というか・・・・」

と、自分を信じられない自分がいることを素直に告白するのである。自分を信じられない、自分の弱さを十分に自覚している、そういう人間が努力をするのだ。そう、そのことをこのマンガは教えてくれるのである。

そのほかにも素晴らしい文章がちりばめられている。それをいくつか紹介しよう。

(「ゴッドハンド輝(テル)」より)
「生命(いのち)や身体(からだ)が助けを求める声 きっとテルにはそれが聞こえるんです・・・・!!」
この場面を読んで、私には「テニスがうまくなりたい!」という子供たちの声が本当に聞こえているのか、それを理屈ではなく、感じることができるのかと深く自問していた。

(「クニミツの政(まつり)」より)
「・・・・これ・・だったのか・・」
「アニキのでっけー夢ってのは・・・・」
「へへっ なんか今の俺にはよくわかんねーけど・・・・」
「でもよ なんとなく思うぜたしかにコイツはわくっときやがる」
この「わくっときやがる」ということばには、ぞくっとするような、なんともいえない重みと深さを感じるのである。果たしてこれだけの思いをもってテニスに賭けているのか、賭ける思いはどうしたら培うことができるのだろうか、自分(・・・)の(・)生き方(・・・)を(・)問う(・・)とても大切な意味を教えてくれたのかもしれない(「賭ける力」については後ほど述べる)。

まだまだあるぞ、本当は全部紹介したいのだが、あまりこれに没頭すると担当の方が困るのであと少しだけ・・・・。

(「チャンバラ一撃小僧隼十(はやと)」より)
「オレは 只一振りの 剣となる・・・・」

(「カメラマン宮澤正明物語」より)
「自分の心を相手に開いてこそ 被写体の輝く表情が見えてくるんだ」
「大事なことはそんなプライドじゃなく 面白いと感じた自分の心を相手にさらけ出すことだったのにね」

(「ジゴロ次五郎」より)
「アイツ特別なの コーナーの先のアクシデントが感じられるらしーのヨ」

この最後の文なんか、簡単に読み飛ばしてしまいそうであるが、人間の感覚を本当に鋭く研ぎ澄ますことができれば、このように危険を察知することができるようになるかもしれないことを示唆している(先日、訓練することで誰でも透視能力を身に付けることができるというテレビ番組を見たが、私は可能だと思っている)。

無理かもしれないが、それを求めていくにはどんな方法で練習やトレーニングを積めばよいのかについて思いを馳せることはできる(「察気」については後に少し解説してある)。

ようは、これらを単なる読み物として<読み飛ばししない感性>があなたにあるかどうかなのだ。どうです、本って素晴らしいでしょう。


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ジャーナル | 投稿者 大島コーチ 22:40 | コメント(0)| トラックバック(0)
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