2008年05月22日
積極的受動体(1311)
じつは、先月の末に虫歯になった親知らずを抜きまして、この際なので治療の必要な歯をすべて治してもらおうと定期的に歯医者に通っています。
歯医者というと、あの機械音が大変耳触りで、最近は技術が進んであまり痛い思いをしなくても良いと言いながら、時々神経に触るような不快な痛みがあるのは事実です。
そういう経験があると、それがある種の緊張を生み出し、身体を硬直させ、大した痛みではないので結構な痛みとして感じることがあります。
痛みに対する一種の防御反応と考えられますが、変に力を入れ過ぎていると治療が終わった後に妙に疲れたり、中には筋肉痛になる人もいるかもしれませんね。
私はそんな時には、つまり治療を受けている時には「積極的受動体」になるように心がけ、できるだけ「良い患者」であろうとします。
この「積極的受動体」とは、積極的受動性とも言い、痛みなどの外界の刺激に対して身体をこわばらせて(緊張させて)対応しようとするのではなく、身体の力を抜き、刺激を積極的に受け入れようと意識すること、そのような身体の状態を作ることを言います。
人間は、怖いもの、痛みのあることに対しては身体を緊張させて対応するように作られています。
これがないと安全な行動をとることができないからですね。
しかし、スポーツなどの世界では、この反応が強すぎると、過緊張や力みにつながり、うまくパフォーマンスを発揮できなくなります。
そんな時は、深呼吸をしたり、軽く体を動かしてリラックスしようとします。
でも、日常的に身体のリラックスをコントロールすることを訓練していないと、急にその場面になってうまくいくことは少ないですね。
私がプロ選手などにマッサージなどを勧めるのにはそうした理由もあります。
スポーツマッサージなどは、筋の緊張をほぐすだけではなく、身体のこわばりを取り除くようにアプローチすることが多いので、ある程度は痛みを伴います。
そんな時に、強く身体を緊張させていると、うまくほぐれないばかりか、かえって疲れてしまうなんてことにもなりかねません。
そういう時は、やはり力を抜いて、身体をできるだけリラックスするように心がけることです。
何度かそういう経験をしてくると、自然と「積極的受動体」が作れるようになってきます。
そうなるとアプローチする方もリラックスできて、うまく効果が上がることが多くなります。
私がマッサージや調整を行う時も、まずはそうした状態を作ることを心がけてもらいます。
コミュニケーションを取り、痛みの意味を理解してもらい、呼吸の方法を伝え、リラックスの効果を何度も説明します。
それが最も効果的に身体の能力を回復したり、向上させることにつながるからです。
でも、そうしたアプローチは時間もかかるし、それなりの労力を必要としますが、歯医者に行けばかなり効果的な訓練になります。
ついでにはもしっかりと歯も治してもらえるので、一石二丁(?)ですね。
でも、やっぱり・・・痛いのは嫌だなあ・・・。
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