2009年04月08日
構えを科学する-2- (1590)
テニスの科学(50)
能では基本となる「カマエ」というただ舞台に立っている行為で、周りの空気の動き、緊迫感を醸し出さねばならないそうです。
そのためにはいわゆる「形」や「型」はほとんど関係なく、身体である特殊な状態を作ることだといわれています。
この身体で作り出す特殊な状態とは何なのか、それこそがいわゆる正しい「構え」につながると思います。
しかし、それは現代のスポーツ科学をもってしても解明はできません。
少し経験のあるテニスプレーヤーなら、あるプレーヤーを見たとき、
「むむっ、こいつはできるな」
と感じることがあるし、経験あるコーチならぱっとみただけである程度その人のテニスの技量を推し量ることができます。
このとき、そのひとの姿勢とか表情とかも参考になるし、さらにいえば話し方や呼吸も「構え」を作る元とになっています。
つまり、膨大な情報をもとにして、そのプレーヤーの「質」の状態を探っていることになるのです。
そして、極めて優れたパフォーマンスを示すことができる段階まで能力を高めることができたとき、人はその動きに「美」を感じます。
「美」を形成する要素として、動きの「正確性」、「流動性」、「リズム」、「力動性」、「調和」をあげることができるといわれます。
それを数値に置き換えることがどれ程大変なことであるかおわかりになるでしょう。
あえて言えば、素晴らしい絵画を客観的な数値に置き換えて、その数値が高いほど良い絵であると判断するようなもので、そんなことは不可能です。
しかし、「構え」という身体運動に関係するいくつかの知見は得られているので、その知見をもとに良い「構え」というものを探っていくことにします。
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