2009年04月27日
テニスのサービス -1- (1609)
テニスの科学(57)
― サービスの球種打ち分け技術を科学する(1) ―
サービスはゲームの勝敗を大きく左右します。
サービスの威力は、スピードはもちろんのこと、コースへの打ち分けや、フラット、スピン、スライスなどの球種の使い分けなどで決定されます。
球種の違いを産み出す要因としては、
1.インパクト位置
2.スイング方向
3.身体の捻り
などが考えられます。
これらの要因のうち、解析されたデータを整理しながら、球種の打ち分けのコツを探っていきます。
「球種によってインパクト位置はどれくらい違いがあるのか」
インパクト位置の違いについては、フラットサービスが、もっともネット寄りで、かつもっとも高い位置でインパクトしていることがわかっています。
フラットサービスは、やはりスピードがもっとも重要です。
スピードを増すためには、スピンの量を減らしてネット方向への運動量を大きくしたい。
そのために、ネット寄りにボールをトスして打球することは理にかなっています。
また、スピードが増しても、確率を落とさないためには高い打点位置で打つことは大切なことです。
この点は、多くの指導書で解説されていることに相違しません。
その差は、スピンサービスに比べて、ネット方向に約30cm、高さで約25cmの差です。
この差が大きいか小さいかの判断は読者の方々にまかせますが、指導書の中には、フラットサービスとスピンサービスのインパクト位置の違いについて、
「上下方向でラケット1本分くらいの差がある」
と解説している場合もあります。
感覚的にはそれくらいの差があると感じるのかもしれませんが、実際にはそれ程大きな差はないというのが感想です。
スライスサービスについては、両サービスの中間から、ややスピンサービスに近い位置がインパクト位置です。
では、左右方向のインパクト位置についてはどうなのでしょうか。
スライスサービスがもっとも右側(右利きの場合)で打球していることがわかっています。
このことは当たり前のように思われるかもしれませんが、その差はフラットに比べて約45cm、スピンに比べると約90cmにもなります。
ネット方向や上下方向の差に比べると大きな差であると思います。
トスの投げあげる方向を変えることによって球種を打ち分けることは大切な事なのかもしれません。
しかし、上級者になってくればくるほど、トスの位置によって球種を悟られないようにする技術を身につけなくてはならないのは当然です。
トスの方向を変えることによって球種を打ち分けることは、球種の違いによるスピンの感覚をマスターするためには必要かもしれませんが、上級者では身体の使い方の違いよる打ち分け技術を身につける必要があるように思われます。
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