2009年04月26日
芸に生きる(1608)
私の母親は日本舞踊の師匠をしています。
今日は御園座での公演で踊ると言うので、娘たちを連れて観に行ってきました。
小さい頃から慣れ親しんでいるはずなのに、日本舞踊の世界は独特な雰囲気があってうまく馴染めません。
でも、そこに生きる人の「凄さ」のようなものを感じて感心することは多いものです。
「芸に生きる」、それは、普通の生活をしていては進むことが難しい、大変強い生き方ではあると思います。
私の母も、家事は一切やらず、ただひたすらに芸に打ち込んでいました。
踊りの本(音楽の譜面のようなものがあります)を確認することを何時間も続けていました。
踊りの勉強のためにと、当時は大変高価だったビデオデッキを購入し、わき目も振らずに見入っていました。
中学生から毎日の外食、自分で洗濯、顔を合わせる時間もほとんどない、そんな生活でした。
そんな生活を寂しいと思ったこともありましたが、母親の芸に賭ける生き様をすごいと感じていたので、そういう生活をなじるような気持にはなりませんでした。
世襲制の強いこの世界で、まったくのアウトローから這い上がってきた人だけに、そのバイタリティは並ではありません。
75を過ぎた今でも、毎日出稽古に出かけます。
多くの弟子も育てています。
そんな生き方に憧れるような気持でいます。
私はテニスのコーチをして、多くの子どもたちを教えてはいますが、師と呼べるほどのものではありません。
「芸に生きる」とは、その感性のすべてをそれに賭ける覚悟を持って進まなければならないものかもしれません。
芸に生きる人の感性には足りていない、そんなことを感じた日でもあります。
いつまでも元気で踊り続けていてほしいと思います。
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