2009年04月22日
構えを科学する-8- (1604)
テニスの科学(56)
-落ち着いた構えとはなにかー
「構え」とは「静」であることが重要視され、微動だに動かないことが良いように思われていますが、これは間違いです。
「静」ではないとはどういうことでしょうか。
運動と姿勢は別々にコントロールされるのではなく、密接に統合されているといることがわかっています。
すばやく動くことができるような、また無理なく力強い打球を行うことができるような身体姿勢は、静的な状態ではなく、動的に安定している状態なのです。
つまり、適切な筋肉の緊張感とメンタル的な緊張感をあわせ持ちつつ、微妙に身体が動揺している状態が良い構えなのです。
しかし、この動揺が外から見てわかるようでは失格です。
独楽のたとえにもあるように、外見上は静かに落ちついて雰囲気を保ちつつ、微妙にしかもリズムよく動きがあることが重要です。
武道のなかに「内剛外柔」という言葉があります。
落ち着いた良い「構え」とは、まさにこのことを指しています。
今回は「構え」にスポットをあてて、その身体的な要素について述べてきましたが、「構え」は息遣いや目線も含め全身全霊でプレーヤーの「質」を表現するものであると考えています。
このような「質」は単にかたちをまねただけで身に付くというものではありません。
そこには軸の意識や集中力など、意識の問題や、メンタルの問題を抜きにして語ることはできません。
また、このような「構え」は、日常の生活や日常の練習のなかで常に意識して、身に付くものであると思います。
日々努力して、歩く姿だけで「むむっ!あいつは、なかやるな。」と思わせてみたいものですね。
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