2008年04月22日
自分の弱さを認める(1191)
3大会連続のオリンピック出場を決めた北島選手が、何年か前の日本選手権で日本人選手に負けたことがありました。
その時、「いやあ、金メダルを汚しちゃいましたかねえ」とコーチが言うほど「ひどい」レースだったに違いありません。
しかし、北島選手が凄いのはここからです。
その後の2つのレースできっちりと優勝したからではありません。
ひとつは「日本人相手だからなめてました」と、素直に「自分が集中してレースに臨まなかったこと」を「認めた」ことです。
中途半端に強い選手は、コンディションがどうのとか、フォームがどうのとか、言い訳ばかりで「ちゃんとやれなかった」ことを素直に認めようとはしません。
その心の奥底には、「ちゃんとやれば俺は強いんだぞ!」という半端な自信がある一方で、「ちょっとやばいかもしれない」という大きな不安があるので、いろいろなことを言って「自分自身をごまかそう」と懸命なのです。
だから、多くの人が納得してくれるだろう理由をもっともらしくつけなくてはならないので、コメントもはっきりしません。
その点は、さすがは世界チャンピオン、頂点に立った人間でも、ちゃんと「人間としての弱さ」があることをはっきりと述べることができる、そこが偉いと思います。
でも、本当に凄いのはこの後です。
「康介は、こういうときにほんとうに謙虚になるんですよね。もう『コーチにすべて任せます』っていう感じで、すべてを預けてくる。なかなかこういうふうに謙虚にはなれないですね。でも、そういう中に『王者の風格』のようなものを感じるんです。それが康介の本当の強さだと思います。」
と言っている。これは本当に凄いことだ。
ちょっと強くなると、「自分ひとりで戦える」と勘違いする選手が多い中、「自分には弱いところがある、だからすべてを任せるので一緒に戦ってほしい」と、「謙虚な気持ち」で「自分自身の弱さを見せる」ことができる選手は「本当の強さ」を身に付けていきます。
じつはこれが、つまり、この「謙虚な気持ち」が「強さ」を身につけるため、壁を突き破るための「キーワード」になるのですが、それを本当の意味で理解するのは難しいですね。
人生でも同じかな。
「謙虚な気持ち」が薄い人は、「強い生き方」ができないと思います。
忘れないでほしいと思います。
つまらない(?)練習やトレーニングを「謙虚」に、そして真剣に取り組むことができる選手だけが「本当の強さ」を身につけていく、ということを・・・。
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