2008年04月09日
得意なショットを練習する(1178)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -99-
そうはいっても、いつもゲームばかりはしていられないだろう。
やはり練習によって調子を上げる工夫をしなければならない。
子どもたちに「調子が悪いときはどんな練習をするの?」と聞いてみると、「基本練習」と答える場合が少なくない。
「課題練習」と答える場合もある。
どちらも間違った答えではない。
しかし、1週間後に迫った大切な試合を前に調子を落としてしまっているような場合はどうだろうか。
調整の意味で練習するのではなく、「不安」から焦り、「なんとかこのショットの調子を上げなくてはならない」と思って練習に取り組んでいて、果たして調子を取り戻すことができるだろうか。
答えは「ノー」だ。
「~しなければならない」という考えこそが自分を追い込んでいることに気づくべきだろう。
また、人間はマイナスのほうに意識を向けやすい。
「基本練習」をやっていて、うまくいったショットよりもミスショットのほうに強く意識を向けてしまうものだ。
「基本」であるだけに、「ミスをしてはいけないと思い込んでしまう」こともある。
そういう子の練習を見ていると、「おっ、なかなかいいショット打つなあ」とこちらが感心しても、当の本人はいつでも不満げだ。
なぜなら、「1本のミスショットも許されないよう」に「心を縛っている」ので、一本でもミスショットがあるうちは「自分自身を許すことができない」からだ。
「自分自身を許す」ことができなくて、はたして「調子が良いと感じる」ことがあるだろうか。
そんなことはあるはずがないのだ。
「一流のプロだってミスはする」、という「あたりまえの考え方」を持てない限り、その呪縛から逃れることはできない。
「ミスをしてしまう自分を許せるようになる」ためにも、あまり「基本練習」というものに縛られることのないようにしたい。
ただし、勘違いされては困るのだが、「基本練習」は大切な練習である。
でも、これには「改善する」、「矯正する」ということが目的である場合が多い。
「改善する」ためには、多くの時間を必要とする場合が多いので、次の試合までに時間があるとか、次の試合はいいから将来のために今この改善に取り組む必要がある、という場合には絶対に必要な練習である。
しかし、間近に迫った大切な試合を控えて、メンタル的なことが原因で調子を落としているような場合には、取り組み方を間違えないようにしてほしいということだ。
では、どんな練習が適しているのだろうか。
それは「得意なショットを練習する」ということだ。
サービスが得意であれば、サービスの練習を多めに、時にはサービスの練習だけをすれば良いのだ。
調子が悪いから(悪いと思い込んでいるから)、今までのように上手く行くとは限らないが、少なくとも不得意なショットよりは「上手く打てる」、「上手く打てると感じる」場合は多いであろう。
得意なショットというものは、そのショットを打ったときに「(チョー)気持ちいい!」と感じる「何か」があるのだ。
でも、その得意であるショットが調子悪くて落ち込んでいるときにはどうすれば良いのか、という疑問が浮かんでくるが、何度も書いたように、「少しでも気持ちよいと感じるように自分(の気持ち)を持っていくことが大切」だということを忘れないで頂きたい。
実際の話、試合のことを意識しすぎて調子を落としている選手は、何をやってもうまくいかないと感じてしまうものだ。
だからこそ、少しでも練習に対して、心地よいと感じ、意欲をもてるような練習方法を考えることが大切だと思う。
もし、練習をやっていて、どうしても気持ちよく思えないのであれば、練習を一旦打ち切って、気晴らしに行くのも良いだろう。
何をやっても良い。
何よりも良くないのは、「練習しなければならない」など、「~しなければならない」という考え方に「自分自身を縛ってしまう」ことである。
ちょっとしたものの考え方を変えて、「思考の呪縛」から抜け出せた時、きっとあなたは強くなっています。
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