2007年10月23日
ヘルプとサポート(1031)
海外遠征などに出ると、私自身もいろいろな経験をし、深く考えるきっかけになります。
実は、「私には悩みがありません」、ってなわけはありませんね。
いつも悩んではいますが、そのことに「心を奪われる」ことがないだけです。
そして、「前向きにあろう」と常に思って行動しているので悩みがないように見えるだろうと思います。
私の悩みのひとつは「禿げるのはやだなあ」ということです。
まあ、このことはほぼあきらめました。
開き直ったのであまり気にはならなくなりましたが、ある宣伝の「王道ですやん!」の言葉は気になります。
もうひとつの悩みは、「子ども達の力を伸ばしてやることができているのか」ということです。
このことはいつも頭から離れません。
自分の考えを押し付けてはいないか、子ども達の気持ちや思いを察しているか、サポートの方法はこれでいいか、などといつもいつも考えています。
ある本を読んでいた時に、
「ここに餓死しそうな人がいる時、あなたは、①魚を獲ってあげる、②魚の釣り方を教えてあげる、どっちでしょう?」
という質問に対して、生徒のことを心から思っていると自負している熱いハートを持った教師は、
「もちろん、魚を獲ってあげます。」
と答えたところ、
「あなたは教師失格です。」
と言われて愕然としているシーンが描かれていました。
その理由は私にも理解できるものでしたし、理屈として納得できるものですが、
「あなたがそう考えるのは、生徒の立場を自分より低いものだと評価しています。だから、自分で何とかしてあげなくてはならないと考えていますが、それでは生徒の自立にはつながりません。サポートとヘルプは違います。」
と手厳しく指摘されていることについては随分と深く考えさせられます。
私ならどう答えるだろうか、と考えてみると「まずは魚を獲ってあげます。危ない状態を脱したのなら、その後で魚の獲り方を教えます。」とでも答えたかもしれません。
選手として成長するためには「自立」が最も大切であることは何度も書いてきました。
しかし、それをサポートすることは大変難しいものです。
ヘルプばかりでは確かに自立の促進にはつながらないと思いますが、自分ではどうしようもなくてヘルプが必要な場合も多いものです。
そんな時はやはりヘルプします。
そのフォローとしてサポートしていくという考え方はどうなんでしょうか。
そのバランス感覚というようなものが大変難しく、コーチとしての技量を評価するキーポイントであるような気がします。
でも、きっとはっきりとした答えは出そうもありません。
人間ですから、いろいろな考え方や感性を持っていますし、私に対する信頼も人によって大きな差があります。
だから、その時その時に、「これが一番いいだろう」と自分自身が納得できる方法で対処し、また良く考えてみる、ということを繰り返していくのだと思います。
クラブをやめて行く子を見て、「自分の力が足りなくて、その力を伸ばして上げられなかったんじゃないのかなあ」と思うことも多いです。
いつまでもたってもゴールはありませんね。
ということは悩みもなくならないわけで、これでは禿げも進む一方です。
まだあきらめていなくてすみません。
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