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Memory Board そのときどきに私が感じたことや思いなどを書き綴っています。

大島コーチ
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生き生きと最終章へ(2210)



新聞にこんな記事が載っていました。

ちょっと長いですが、全文を紹介します。

コスモバルクは、ビッグレッドファームグループの代表で、日本有数のホースマンであるオーナーにとっても、実に印象深い一頭だったという。

「これほど真面目なー馬はいない。毎回めいっぱい走る。わがまま言わず、人間の要求をどんどんクリアする。故障もしない。本当に真面目。すごい。ただただ頭が下がります」

おととし、8歳で有馬記念に出走したのを最後に日本での現役生活を終えた。

オーナーはアイルランドで走らせるつもりだった。種牡馬になるには血統的に難しかったのだ。

だが、故障で計画は頓挫し、その後は北海道新冠町のビッグレッドファーム明和で功労馬として暮らしていた。

「いい放牧場を用意しているんです。でもそこと厩舎を行ったり来たりするだけだと、つまらなそうでね。故障も軽かったし、乗ると(調教すると)生き生きして嬉しそうなんだ。

表情が達うんですよ。それなら、そんなに力は落ちていないから、仕上げてアイルランドに持っていってやろうと思ったんです」

長い歴史を持ち、馬産地としても知られるアイルランドの競馬。

日本人調教師の厩舎もある。

「野っ原。駆け引きのない野性的な勝負」というのが岡田の説明だ。

素朴で野性的な雰囲気となれば、野武士のようにたくましく走ってきた「地方競馬の星」の最終章にはいかにもふさわしいといえるだろう。

「種馬にもならなかったし、厩舎と放牧場の行ったり来たりじゃかわいそう。経済的には合わない′けど、今回は道楽でいい。馬が生き生きして幸せならいいんですよ」

「嬉しそうに」出発したバルクは、アイルランドで児玉敬厩舎に入った。

今月末に最初のレースを走る予定。

好走すれば次は重賞に挑戦する。

初戦、オーナーは応援ツアーを組んで、フアンといっしょにアイルランドへ行くつもりだ。

初夏の欧州で、この10歳馬は、生き生きと嬉しそうな顔をしているだろうか。

私は、現役を終える時期だと誰もが思っていても、それでも歯を食いしばって競技を続けているアスリートが好きです。

野球では工藤公康選手、テニスでは鈴木貴男選手がそうです。

確かに力が衰えてきます。

誰もが、「もう辞めるかも」と思ってしまいます。

でも、自分だけは自分を信じる、自分の力を信じる、それを信じるからどんなに力の衰えがあっても「現役」でいられます。

これがスポーツの「美学」だと思います。

「引き際の美学」というのもありますが、好きで始めたスポーツであれば、まさに「燃え尽きるまで」現役であることは美しいと思います。

どんな時も「生き生きと嬉しそうな顔」をしていられることの「強さ」を私は讃えたいと思います。


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コラム | 投稿者 大島コーチ 05:27 | コメント(0)| トラックバック(0)
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