2008年07月03日
自信(1351)
大学で「コーチング論」という講義を受け持っています。
その講義では、毎時間レポートを提出してもらうのですが、ある時のテーマは「自己分析」でした。
自分がどういう人間なのか、ということについて自分なりに解釈し、それを文章にしてまとめてもらうというものです。
いろいろな分析があって大変面白いのですが、「自分のことはよく分からない」という意見が多いのにはちょっとびっくりします。
講義は大学3年生を対象に行っているので、全員成人になっているはずですが、それでもなかなか「自分という人間」を捉えられていないということです。
まあ、これは哲学においても永遠の問題とされているので、「自分とは何か」について深く考察し、回答を得ることは難しいものです。
しかし、ある程度は自分の特徴を認識し、長所、欠点を把握して生活や行動の指針とするのは大切なことだと思います。
そして、私が少し不安に思うのは、「自分がしたいことは何か?」という問いに対しても、「よく分からない」と答える学生が多いということです。
自分がどういう人間かは把握しがたくても、自分がしたいことくらいは「何か」あるだろうと思っていましたが、それが「よく分からない」ということは問題だと感じています。
人間が一番つらい時は、「自分が何をして良いのか分からない時」だと言われています。
彼らはまさに「その時」に居るのだということです。
人生においては「その時」は何度もやってきます。
大切なのは、その苦しさの中から「何か」を見つけることですね。
どうやって見つければ良いのか、ということについては明確な答えはありません。
ただ一つ言えることは、「自信」が持てるようにするということではないかと思っています。
「何をして良いか分からない」ということは、「何を信じて良いのか分からない」と同じように捉えることができます。
特に「自分自身」を信じられない、つまりは「自信が無い」といういうことが一番苦しいということです。
だから、コーチは何とかしてこの「自信」をつけさせようといろいろと工夫努力します。
自分自身の経験から得た方策を話してみたり、夢を語ってみたり、目標を持つことの素晴らしさを説いてみたりしますが、なかなか難しいものですね。
そのためのひとつの方法としては、小さな「成功体験」を積み重ねる、ということがあります。
例えば、たばこやパチンコなど、自分の生活にとって“自分が”あまり好ましくないと考えていることについて、やめる決断をして、それを成功させるということです。
どんな小さなことであっても、それを継続的に成功させることは難しいものです。
それを何度か繰り返すうちに、何となく「自分でもできる」という「自信」が身についてきます。
さらにいろいろなことを経験し、それなりに克服し、納得し、次のステップを見つけるようになれば、自信を持って事に臨めるようになります。
それが「自信をつける」ということではないかと考えています。
それには、まず「自分がこうする」という決断が大切です。
どんな些細なことでもいいので、“自分で決める”ことが大切です。
そして、それをやり切るために「強く意識する」こと、まずは「ここ」から始めることです。
ある学生が私にこう言いました。
「先生は成功しているからいいんだよね。」
確かに私は大変充実した生活を送っています。
しかし、毎日毎日の積み重ねが何よりも大切だということを認識し、そのことだけに「意識」を向けています。
それを長いことを続けてきたので、「今の自分」があります。
学生さんたちは、これから素晴らしい可能性に満ちた人生があるかもしれません。
それを決めるのは「自分自身」であることを忘れないでください。
実は、このコラムは次の講義の内容にもなっています。
このコラムを読んだ学生さんはラッキーですね。
ノートをとる手間が省けました。
ここは「テスト」にも出ますよ。
頑張って勉強してくださいね(笑)。
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