2008年10月11日
きっかけを与える(1450)
強い選手は、何か特別なメンタルトレーニングを受けてきたのでしょうか。
伊達公子やイチローなど、日本を代表するスポーツ選手は、そのようなトレーニングを受けることですばらしい精神力(メンタリティー)を高めることに成功したのでしょうか。
もちろん、そういう選手も中にはいます。
しかし、多くの選手は、特別なトレーニングを受けるのではなく、自分自身の発想や感性を磨くことで、最も自分の力を発揮することができる技術や精神力を身につけていったのです。
もちろん多くの指導者がその「きっかけ」を与えたには違いがありません。
しかし、大切なのは、「きっかけ」を与えてもらったり、自分で見つけたときに、それを真剣に捉えて、自分自身の感性にしたがってひたむきに努力した結果自分で発見したことが自分にとって最適の方法なのです。
そういう意味で、コーチは、環境を準備し、きっかけを与え、感性を伸ばすことが主な仕事です。
私が子どもたちに身につけてほしいのは「強さ」です。
そのためにどうしても投げかける言葉は厳しくなります。
その厳しさが「きっかけ」になるのかどうかはわかりませんが、与えなくてはならないという使命感のようなものはあります。
他にもっと良いアプローチもあるかもしれない、その葛藤とはいつも戦っています。
教え過ぎではないのか、押し付けではないのか、いつもいつも考えます。
考えに考えて、それでも必要だと思うことは「絶対に必要なこと」と腹をくくります。
人に何かを教えるということは、そういう覚悟が必要なのかもしれません。
もちろん、教えないことも必要であることは知っています。
なかなか理解してもらうことは難しいですが、「ただ観る」ことは大切な仕事です。
そういうことをいつも考え続けることで「きっかけ」を与えるタイミングが分かってくるかもしれません。
試行錯誤や葛藤は続きます。
でもそれを楽しむことが大切だと思います。
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