2008年01月16日
記憶する(1093)
テニスに限らず、スポーツの上達においてもっとも大切なことは「思考力」と「想像力」です。
ただやみくもに練習するのと、練習の目的を理解し、注意点やポイントを明確に意識して行う練習とでは、その成果に大きな違いが出ます。
そうして深く考えて行う練習の中からしか「ひらめき」は生まれません。
そして、その「ひらめき」なくしてスポーツで上達すること、強くなることはあり得ないのです。
そのことは今まで何度も言ってきましたが、練習が日常化し、その集中力も低下してくるにつれ、練習の目的も忘れ、徐々に「ただ行う練習」へと移行してしまいます。
そうなると「思考力」や「想像力」を高めることはできず、「ひらめき」は生まれませんね。
それを防ぐには「記憶」する能力を高めることです。
ノートというアイテムを使うのもいいでしょう。
コーチにアドバイスされたことや自分で感じたことを書き留め、強く「記憶」に留めることが大切です。
そうでなくても、「これだ!」と思うことを明確に記憶することができなくては効率の良い練習へと「昇華」させるのは難しいでしょう。
私が指導してきたトップ選手は、例外なく、この「記憶」する能力に長けています。
だから、前回行ったトレーニングや練習の内容、ポイントなどを質問すると、すぐさま答えが返ってくるし、自分の感じたことや意見もきちんと述べることができます。
その内容を全く記憶できていない選手に比べれば、その差は歴然としています。
それが練習の質の差を生み、能力の差を広げ、勝負の行方すら左右することを忘れてはならないと思います。
今日の練習でも、今までやり続けてきた練習ですら、その注意点や大切なポイントを明確に答えることができる選手はいませんでした。
そのまま練習をやり続けていて強くなれるかどうかをしっかりと自問してほしいと思います。
子どもたちには強くなってほしい、そう強く思うので投げかける言葉は厳しいものになります。
そして、何度も何度も忍耐強く繰り返し教えていきます。
それが私の仕事です。
その繰り返しの中で、強く「記憶」できたことで何かが変わっていくことを知っているからです。
面倒な仕事ですが、それを続けていくことで、子どもたちの「思考力」と「想像力」が高まっていけば良いと思います。
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