2008年01月06日
ガイド(1083)
昨日は、下の娘と甥っ子、姪っ子を連れてモリコロパーク(愛知万博の跡地に作った公園です)にアイススケートをしに行ってきました。
さすがに冬休みも最後となって、大勢の人で賑わっていましたが、思いのほか寒くはなく、快適に遊ぶことができました。
初めてスケートを滑る甥っ子は、おっかなぶっくりで進みますが、怖いもの知らずの姪っ子は、何度も転びながらも果敢に進んでいきます。
そうしていううちに、ふっと気がつくと一人で勝手に滑れるようになっていました。
子どもの「対応力」には驚かされますね。
2時間ほどノンストップで滑り続けてちょっと疲れたので、ベンチで休んでリンクの様子を見ていました。
中ではたくさんの子どもたちが滑っていますが、姪っ子のように転んでも転んでもめげずにチャレンジする子どもはあっという間にうまくなっていきます。
一方、小学校の高学年の子でしょうか、一生懸命にお母さんが教えています。
右足がどうとか、姿勢がどうとか、あまりスケートがうまくなさそうなお母さんがちょっとヒステリックに教えています。
子どもは、言われるたびにミスを恐れるようにちょっと身体がこわばるようにも見えます。
やはり上達は遅いですね。
スポーツの上達には、こうした「ガイド」は大切ですが、一方的な「ガイド」はマイナスであることも多いものです。
一番大切なことは、「ガイド」するには必ず2つの選択肢を与えることです。
ひとつは「必要とされた時にきちんと教える」ということです。
コーチは、選手の上達にどうしても必要だと思うことについては、選手自身よりも深く知っておかなくてはなりません。
それを「求められた時」にはきちんと答えることができなくては、指導者としての価値がないとも言えます。
しかし、その力を発揮するのは、あくまでも「求めらた時」にあるということです。
もう一つの選択肢は、「すべては自分で考える」という選択です。
「ガイド」はいつでも必要というものではありません。
一番大切なのは、「自分で考える」という基本的な姿勢ですね。
私は常々、スポーツで一番大切なことは「思考力」と「想像力」だと言っていることと同じです。
まずは「自分で考え」て、いろいろと試行錯誤し、どうしても分からなければ「聞く」ということを基本的なものの考え方として持っていなくてはならないということですね。
その基本姿勢を奪ってしまうように「ガイド」するのは、マイナスになるということを知っていなくてはなりません。
選手よりも深くその技術について知っているので、どうしても「教えたく」なってしまいますが、その気持ちをぐっと抑えて見守ることが指導者には大切ですね。
室伏先生の言葉を再び思い出してみると、
「言うことではなく、見る、ことこそ指導者の役目なのです。思ったことを未消化のまま言うことはあってはならない。技術は、日によって、時間によって、ハンマーにおいては一本一本変わるのかもしれない。それくらい繊細なものの中で安定を築くのです。しっかり見極めねばならないのです。しかし、静観とは見るだけではない。見て、チャンスを待つという意味です。仮に選手が間違った動きをしていても、それが後にどういう形で技術に効いてくるのか、これは瞬時にダメだと判断できないからです。何を、いつ言うのか、そのタイミングを待つ。 」
ということです。
この姿勢だけは忘れないように指導していきたいと思います。
そこの教えすぎるお母さん、それでは子どもは伸び伸びとその力を伸ばせませんよ。
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