2007年09月14日
根本の原因を探る(997)
強くなりたいあなたに贈る100ぐらいの法則 -49-
まだ、この時点では、目標は「こうなったらいいな」という願望に過ぎない。
何もしていないのだから、このままでそれが手に入るはずもない。
テニスがもっとうまくなり、今よりも高いレベルの力をつけない限り、その目標はかなうはずがない。あたりまえの話であるが、強くなるためには自分の課題を克服しなければならないのだが、その課題があいまいであることは多い。
課題があいまいであれば、何を改善すればよいのかという、具体的な練習計画は立てようもないので、課題の克服に時間がかかることになり、目標を達成する可能性は低くなるだろう。
そうならないためにも「課題を明確にする」ことが必要だ。
自分の課題はなにかをよく考えてみよう。
フォアハンドで正確にコースを狙うためにスピンの能力をあげる、サービスでセカンドサービスの確率を上げる、体力をつける、などの課題がいくつか浮かんでくるだろう。
できるだけ、具体的に課題を書き出して、できれば自分なりに優先順位をつけて整理してみると良い。
この課題が克服されれば今よりも強くなるに決まっているのだが、この課題もただ挙げているだけでは意味は無い。
その課題がうまくいかないもっとも根本的な原因を探っていかなくてはならない(これを「根因」という)。
その課題の奥深くには、あなたが本当の意味で克服しなければならない課題が埋もれているのである。
それを探り出すのに何も特別に難しい方法があるわけではない。「どうして?」という質問を次々にぶつけていけばよいのである。
ここにひとつの例を示すので、それに従って自分の課題の根因を探っていってほしい。
「フォアハンドのワイドに振られたときに、バランスを崩し、うまくリターンできない」という課題があったとしよう(これは実際に私が指導する選手が挙げた課題であり、質問に対する答えもほぼそのとおりである)。
O「どうしてバランスを崩すのか?」
U「スタンスがうまく取れずに、体が前傾するから」
O「どうしてスタンスが取れないの?」
U「股関節が硬くて、また筋力も弱いのでふらつく」
O「どうして股関節が硬くて、筋力が弱いの?」
U「ストレッチをしていないのと、筋力の割りに体重が重い。ちょっと太りすぎかな?」
O「どうして太りすぎなの?」
U「ランニングをサボっているのと、間食が多いから」
O「どうして間食が多いの?」
U「ひまだから」
O「どうしてひまなの?」
U「………..。」
というような展開が見られる。
最後の「ひまだから」は余計なことだとして、この選手の課題の根本的な原因は、股関節が硬いことと体重オーバーであることが何となくつかめてくる。
この課題を克服するためには、股関節のストレッチと、ランニングと筋力トレーニングなどで体重を落とすことが課題克服のためにはもっとも大切なことだということがいえる。
一見、体重の増加と技術の関係というのは見落としてしまいがちではあるが、根本の原因がそこにあるとすれば、それを克服せずして、技術的な改善にいたることは少ない。
根本的な原因は、それがもっとも大きな問題であるということが意識されていない場合が多いが、このように質問を次々と投げかけていくことで明らかにされていく。
その時に、指導者の思惑どおりに答えを引き出すようなテクニックもあるのだが、そうした操作をしないでも素直に質問を投げかけていくことで、その選手のもっともおおきな問題が浮き彫りにされ、これを克服しなければその目標を達成することは難しいという強い自覚を促すこともできるようになる。
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まだ、この時点では、目標は「こうなったらいいな」という願望に過ぎない。
何もしていないのだから、このままでそれが手に入るはずもない。
テニスがもっとうまくなり、今よりも高いレベルの力をつけない限り、その目標はかなうはずがない。あたりまえの話であるが、強くなるためには自分の課題を克服しなければならないのだが、その課題があいまいであることは多い。
課題があいまいであれば、何を改善すればよいのかという、具体的な練習計画は立てようもないので、課題の克服に時間がかかることになり、目標を達成する可能性は低くなるだろう。
そうならないためにも「課題を明確にする」ことが必要だ。
自分の課題はなにかをよく考えてみよう。
フォアハンドで正確にコースを狙うためにスピンの能力をあげる、サービスでセカンドサービスの確率を上げる、体力をつける、などの課題がいくつか浮かんでくるだろう。
できるだけ、具体的に課題を書き出して、できれば自分なりに優先順位をつけて整理してみると良い。
この課題が克服されれば今よりも強くなるに決まっているのだが、この課題もただ挙げているだけでは意味は無い。
その課題がうまくいかないもっとも根本的な原因を探っていかなくてはならない(これを「根因」という)。
その課題の奥深くには、あなたが本当の意味で克服しなければならない課題が埋もれているのである。
それを探り出すのに何も特別に難しい方法があるわけではない。「どうして?」という質問を次々にぶつけていけばよいのである。
ここにひとつの例を示すので、それに従って自分の課題の根因を探っていってほしい。
「フォアハンドのワイドに振られたときに、バランスを崩し、うまくリターンできない」という課題があったとしよう(これは実際に私が指導する選手が挙げた課題であり、質問に対する答えもほぼそのとおりである)。
O「どうしてバランスを崩すのか?」
U「スタンスがうまく取れずに、体が前傾するから」
O「どうしてスタンスが取れないの?」
U「股関節が硬くて、また筋力も弱いのでふらつく」
O「どうして股関節が硬くて、筋力が弱いの?」
U「ストレッチをしていないのと、筋力の割りに体重が重い。ちょっと太りすぎかな?」
O「どうして太りすぎなの?」
U「ランニングをサボっているのと、間食が多いから」
O「どうして間食が多いの?」
U「ひまだから」
O「どうしてひまなの?」
U「………..。」
というような展開が見られる。
最後の「ひまだから」は余計なことだとして、この選手の課題の根本的な原因は、股関節が硬いことと体重オーバーであることが何となくつかめてくる。
この課題を克服するためには、股関節のストレッチと、ランニングと筋力トレーニングなどで体重を落とすことが課題克服のためにはもっとも大切なことだということがいえる。
一見、体重の増加と技術の関係というのは見落としてしまいがちではあるが、根本の原因がそこにあるとすれば、それを克服せずして、技術的な改善にいたることは少ない。
根本的な原因は、それがもっとも大きな問題であるということが意識されていない場合が多いが、このように質問を次々と投げかけていくことで明らかにされていく。
その時に、指導者の思惑どおりに答えを引き出すようなテクニックもあるのだが、そうした操作をしないでも素直に質問を投げかけていくことで、その選手のもっともおおきな問題が浮き彫りにされ、これを克服しなければその目標を達成することは難しいという強い自覚を促すこともできるようになる。
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