2007年09月13日
志(996)
先日、真剣にトレーニングをしていない選手を見て、腹が立つというよりも、とても情けない気持ちになりました。
私はトレーニングの専門家なので、いろいろな所でトレーニングの指導をしたり、講習をしたり、雑誌に寄稿したりしています。
指導の成果もそれなりにあがっており、指導の内容については高い評価をいただくことも多くなってきました。
そういう自負を持って指導をしてきたつもりですが、一番身近なクラブの選手に対する指導に欠くところがあったという自戒の念が大きくて、情けない気持ちになりました。
それに、やはり選手の「志」がどれくらい高くあるのか、ということを考えずにはいられません。
若くして病に倒れ、逝ってしまった選手の話を聞きました。私がトレーニングを指導したこともある選手です。
高校に進学するときに国内留学の道を選んだものの、思い描いたような成果が上がらず苦しんだ時期がありました。
それでも夢をあきらめず、懸命にトレーニングをしていた姿が思い出されます。
大学に進学し、吹っ切れたように力をつけ、全国大会でも上位に進出するようになり、その成果を心からうれしく思っていました。
その彼が今は帰らぬ人となってしまった、ということを聞いて、悲しくてやりきれない気持ちです。
高い「志」を持ってテニスをやってきて、その努力が実を結び始め、これからという時の突然の病、その無念を思うと言葉はありません。
そんな時に指導している子ども達の真剣みを感じない行動を見て、少し感情的になってしまいました。
子ども達は一生懸命にテニスをやっています。
それを認めてもなお、さらなる「志」を求めるのは指導者の性なのかもしれません。
しかし、自分の人生を振り返ったとき、テニスをやってきたことがより「輝き」を放つためには、やはり高い「志」を持って「今」をやりきるしかないと思います。
そのことを子ども達に伝えていかなくてはならない、そう強く思っています。
そして、彼の冥福を心からお祈りいたします。安らかにねむってください。
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