2007年12月15日
自分にしかできない(1068)
よく、「なんで寮なんか作ったの?」と聞かれます。
はじめは、週末にクラブに通ってくる子供たちのためにアパートを借りました。
そういう子どもたちの中から、名古屋に出て自分の力を試したい、とう子が何人かいて、その子たちが生活してテニスに打ち込める環境を作るために中古の一軒家を購入して本格的な「寮」を作りました。
たくさんお金も使いましたが、その運営管理のために本当にたくさんの時間を使います。
利益はありません。
「じゃあ、なんでやってるの?」という質問は至極あたりまえの質問ですね。
それは、「子どもたちの成長を見届けたい」、からです。
民間のクラブでのジュニア育成は、いくつもの課題を抱えています。
そのひとつが進学の問題であり、高校や中学に進学することでクラブを続けられなくなってしまうことがあります。
それはとても悲しいことです。
できれば大学に進学するまではきちんとその成長を見届けたいのです。
そのための環境作りに「寮」は欠かすことのできない存在です。
でも、誰もやりたがりません。
時間もお金もかかるのに、それに対する見返りなど期待できないからです。
何としてでもその「思い」を実らせるんだ、という「信念」だけが支えです。
それでも、時々、その「信念」が揺らぐこともあります。
そんな時ほど、「なんで寮なんか作ったんだろう?」と後ろ向きの考えになってしまいます。
そんなことをぼおっと考えていた時に、不良少年ばかりが集まるバスケット部の物語を読みました(マンガですけど・・・)。
そのバスケ部は問題ばかり起こして、休部状態にあり、廃部寸前です。
それを食い止めるために、強豪校との練習試合で勝つことが条件でした。
試合は白熱しましたが、最後は地力に勝る強豪校が勝ち、バスケ部の廃部が決まりました。
しかし、その試合を見ていた、前顧問の先生が子供たちのバスケにかける情熱に心を動かされ、誰もなり手のない顧問に就任することを決断するのです。
その時の第1子を出産したばかりの奥さんとの会話は、こうです。
「どうして?」
「断ったらいいじゃない」
「そもそも学校で(彼らは)アナタのことを・・・」
「いやいや、そうういうことじゃないんだっ」
「自分からやらせてほしいと頼んだんだ」
「!」
「見てくれはあんな奴らだが、皆、真剣なんだ」
「いいの?それで」
「前にアナタがよく口にしてたことよ」
「”人はそう簡単に変わらない”って」
「もし今度同じような不祥事を起こしたら・・・」
「だからだよ」
「ちゃんと見届けてやりたいんだ」
「図体はでかくても子供は子供だ」
「正面からちゃんと見てやれる大人の存在は必要だよ」
「誰もやらないからじゃない」
「自分にしかできないと思ったんだ」
この最後の言葉、「誰もやらないからじゃない、自分にしかできないと思ったんだ」を読んだ時は、その言葉が大きく胸に突き刺さりました。
そう、自分にしかできない、そう強く思うことが原動力です。
ちょっと忘れかけていた思いかもしれません。
強い思い、これをなくしたらいけませんね。
がんばります!
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