2009年05月06日
テニスのサービス -3- (1617)
テニスの科学(59)
― サービスの球種打ち分け技術を科学する(3) ―
「球種によって動きはどう変わるのか(2)」
ここまでは、身体のうち胴体部分と下半身の動きについて球種の違いによる特徴を整理してきましたが、それだけで打ち分けが出来るほどテニスは甘いものでありません。
そう、上肢の動きをつかんでおかなくては、完璧な球種の打ち分けは出来ません。
そこで、上肢の動きについてみてみることにしましょう。
しかし、この上肢の動きのデータを得るのは実に大変なのです。
肩と肘と手首の動きを合わせると、肩で3つ、肘で1つ、手首で3つの7つの動き、14もの動作があるのです。
それを一つ一つ見ていかなくてはならないのですから、大変な作業であることはおわかりいただけると思います。
ついでですから、これらの動作を整理しておきましょう。
<肩>
屈曲と伸展
外転と内転
内旋と外旋
<肘>
屈曲と伸展
<手首>
橈屈と尺屈
掌屈と背屈
回内と回外
これらすべての動きについて、その動きの角度を解析してみました。
その結果、サービスにおけるフォワードスイング期では、肩の屈曲と外転と内旋、肘の伸展、手首の橈屈と掌屈と回内が、ほぼ同時に起こり、腕の動作を作っていることがわかったのです。
それらの動きがサービスの動作に関係することはわかっていたのですが、タイミングにはかなりずれがあるというのが定説でしたので、少し意外な感じがしたのですが、それが真実です。
しかし、同時におこっているといっても、その大きさなどには違いがあります。
球種の違いによって、どの動きに違いがあらわれるのかということにもっとも興味が集まるは当然です。
大きな違いを示した動きは2つでした。回内と内旋です。
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